玄界に帰ってきた少年は少々特殊なようで… 改   作:W297

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入隊式①

 

 その後、摩子の家にも行きつつ、ボーダーと高校を行き来する日々が続いていた。

 

 …それと時が進むと同時に、着々と入隊日の日が近付いて来ていた。

 

 風間さんたちのランク戦を見つつ、訓練に励んでいると、その日はすぐにやってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…これから君たちと戦える日を楽しみに待っている」

 

 …入隊式、壇上で忍田さんが俺たち新入隊会員に対してそう語ってくる。

 

 静かな口調ではあるが、その熱意はしっかりと俺たちに伝わってきていた。

 

「…以上だ。

 

 ここからの君たちの案内は、嵐山隊に行ってもらう」

 

 …嵐山隊、ボーダーという組織の中で最もテレビやポスターなど広告塔である舞台だ。

 

 一部の訓練生の奴らの中じゃ、「顔で選ばれたから実力は大したことない」…と言われるがその実力は大したものだ。

 

 嵐山さんと時枝(とっきー)のクロスファイアを中心とする連携攻撃、佐鳥の2丁のイーグレットを使ったツインスナイプなどなど…、他のA級部隊と遜色ない。

 

 …最近、隊員の1人である柿崎さんが抜けたらしいが、その不在を感じさせない戦いぶりを披露している。

 

「嵐山だ、ここからポジション別にオリエンテーションを行うんだが、攻撃手と銃手、そして射手は俺たちに着いて来てほしい。

 

 狙撃手はウチの佐鳥に付いて行ってほしい」

 

 …そう話して俺たちは一塊となって移動となる。

 

 …入隊式が始まる前から周りを見ているが、中学生が多めだな。

 

 俺たちみたいな高校生に関しては1年はいても2年、3年は少ないみたいである。

 

 摩子も俺と同期入隊ではあるが、オペレーターは戦闘員とは完全に別となっているのでここにはいない。

 

 …他の奴らはタメ同志で話しているが、そんな相手がいない俺は静かに歩いていく。

 

 そんな中、俺に声をかけてくる人物が一人。

 

「…お、やっぱおるやん」

 

 もさもさした髪と高身長が目立つ、…確か、コイツは。

 

「…水上か。

 

 お前も入ってたんだな」

 

 俺たちと同じクラスの水上敏志

 

 確か大阪からのスカウト組だったはずだ。

 

「まあな。周り見ても知り合いおらんから話せるやつおって助かったわ」

 

「俺もだよ、見た限り高2以上になると一気に少なくなるみたいだからな。

 

 …そういえば、水上のポジションってどこなんだ?」

 

「射手やな。剣振るのは無理って言ったらアステロイド渡されたわ。

 

 そういう翔哉はどうなん?」

 

「俺も射手だよ、ハウンドだけどな。

 

 同じクラスでポジションも同じ、情報共有できたらしっかりしていこうぜ」

 

「せやな、これからよろしく頼むで」

 

 俺と水上はそう言葉を交わしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 嵐山さんととっきーに連れられてやってきたのは仮想訓練室。

 

 トリオン兵との戦闘訓練をするらしい。

 

 制限時間は5分間で早く倒せば倒すほど、貰えるポイントが増えるらしい。

 

 …ちなみにだが、俺の初期ポイントについてだが…、3200ポイント

 

 あんまり年齢が近いやつが少ないというのもあるが、俺が周りと距離を置かれた理由である。

 

 ちなみにだが、遼や士郎に話を聞かせてもらったところ、ポイントが上がるにつれて自分のポイントは上がりにくくなるらしく、初期配布でどれだけポイントをもらっていたとしても、1週間でBに昇格するのはなかなか厳しいらしい。

 

 2人の初期ポイントは2900前後と言っていたはずだ、参考にはなるだろう。

 

 ちなみに水上にもポイント数を聞かせてもらったが、アイツは2500ポイントスタートらしい。

 

 …いくらなんでも多すぎやしねえか?

 

「…それじゃ、この中でポイント数が一番高い人にお手本をやってもらおうか。

 

 …敷谷君、頼めるかい?」

 

 そう思っていると嵐山さんから俺にそう声がかかる。

 

「りょーかいしました。

 

 …それじゃ、行ってくるよ」

 

「はいはい、精々頑張れや」

 

 水上にそう送り出されながら、俺は訓練室に入っていく。

 

 俺の目の前に展開されたトリオン兵は捕獲用のバムスター。

 

 攻撃力を減らした代わりに、装甲を厚くしているみたいである。

 

「…ふうっ」

 

 俺はピョンピョンと軽く飛びながら、攻撃態勢に入る。

 

『…1号室用意、…はじめ!』

 

 その音声と共に俺は飛び上がってトリオンキューブを展開し、バムスターの上空から威力重視にチューニングしたハウンドが襲い掛かる。

 

 そのまま俺のハウンドはトリオン兵の弱点である目を中心に向かっていき、バムスターを貫いていく。

 

『…記録、2.3秒』

 

 …とりあえず、こんなもんかな。

 

 俺はそう呟きながら動かなくなったバムスターから目線を外した。

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