「…ここを操作して、対戦する人を決めるんだ。
C級なら断られることはないから、翔哉君のレベルならできる限り4000ポイントに近い人と戦うのが良いと思うよ。
ポイントが少ない人と戦ってもそんなに美味しくないしね」
「りょーかい、じゃこの3900ポイントの奴と戦うか」
俺はそう話しながら、ディスプレイを操作していく。
俺が選択したのはもうほぼB級とポイント数が変わらないスコーピオン使い。
ゾエが話す通り、少ないやつと戦ってももらえるポイントは少ない。
B級に一回上がれば、よっぽどのことがない限り落ちないみたいだし、さっさと上がってこの5月から始まるB級ランク戦には風間さんたちとの連携をしっかりとこなせるぐらいにしておきたい。
「…さーて、Bに上がってくるとしますか」
俺は大きく手を上に伸ばした。
◇ ◇ ◇
転送されると俺の体が転送されると共に、俺の目の前にある少女が転送されてくる。
「…初めて見る顔だけど、アンタを倒してさっさとBに上がらせてもらうわ」
彼女はそう話してスコーピオンを展開する。
「それはこっちの台詞…かな」
俺はその言葉に答えるように右手の上にトリオンキューブを出す。
『スタート』という機械音声と共に、戦闘が始まる。
開戦と同時に少女は俺に向かって一気に距離を詰めてくる。
「初見の相手には、さっさと対応できないうちに!」
彼女はそう言いながらスコーピオンを振るってくるが、俺はしっかり攻撃をかわしていく。
…こっちに来て最初に戦った陽介や三輪と比較すれば、直線的で攻撃を見切るのは容易い。
俺は交わしながら飛び上がり8分割したトリオンキューブが弧を描きながら相手を襲う。
「このぐらいなら、捌き切れるっての!」
彼女はそう話しながらスコーピオンで俺のハウンドを撃ち落としていく。
おー、訓練生にしてはなかなかやるじゃねーか。
伊達にBと変わらないだけのポイント持ってることはある。
そう思っていると、彼女は完全に俺のハウンドを捌ききり、俺との距離を詰めてくる。
「これで終わりよ!」
彼女はそう言ってスコーピオンを俺に刺そうとしてくる。
「そう簡単に終わるかよっ!」
俺もそう呟きながら後ろに下がり右手を前に構えトリオンキューブを展開する。
「ハウンド!」
俺はそう言い放ち、弾速重視にした弾丸が彼女に襲いかかる。
…だか、彼女はそれをものともしなかった。
「…それぐらいは想定済みよ」
そう言って彼女は弾丸に向けてスコーピオンを振り、弾丸を撃ち落とす。
彼女の目は勝ちを確信した笑みの目になっていた。
…だが。
「…あともう一手まで読み切れれば、Bに上がれたな」
俺がそう呟くと同時に相手の胸、トリオン供給器官を俺のハウンドが勢い良く貫いていく。
…仕組みとしては、トリオンキューブを同じくらいの大きさで2つになるように分割、そして片方のキューブを撃ち出す。
そして、もう片方のキューブを0.5秒くらい待ってから撃ち出した。
…まあ、簡単に言わせてもらうとブラインド弾と呼ばれるやつだ。
全く同じ軌道で、かつ片方の真後ろを飛ばしているため相手が反応することはできない。
練習でやった時も遼や士郎にしっかり致命傷を与えることができた技である。
「…よし、さっさとBに上がらせてもらうとしましょうかね」
1人になったフィールドからブースへと転送されながら、俺はそう呟いた。