「な、使いようによっては結構面白いだろエスクード」
俺は士郎に向けてそう宣言する。
「確かに、グラスホッパーでも持ってなければ、あそこから体制を立て直すのは難しいですね…」
遼は俺の戦い方を見てそう話していく。
「まあな。あるって思わせるだけでも相手を止まらせる効果は多少あるだろうし。
ある意味無理矢理距離を取らせるって意味でも有効だろ?」
俺はそう2人に説明していく。
「まあ、確かにそうですね。
…でも、乱発はできないでしょそれ。
シールドに比べたらトリオン消費多いし、グラスホッパーなら尚更桁違いですよ」
「だから使いどころに気を付けないとな。
序盤で連発してトリオン切れってなったら元も子もねえし。
これからいろいろ試していくよ」
士郎の言葉にそう俺は返していく。
そんな中、スピーカー越しに宇佐美の声が聞こえてくる。
『…それじゃ敷谷さん、トリガーセットはこれで確定ってことでいいですかー?』
「ああ、ちょくちょく入れ替えはするかもだけど基本はこれで行く。
まあ入れ替えるときはお前か風間さんに連絡するよ」
『りょーかいです』
俺と宇佐美はそう言葉を交わして、俺は改めて2人に話していく。
「…それじゃ遼、士郎。
もうちょいトリガーの試運転、付き合ってくれるか?」
「もちろんです。
俺にとってもいい練習になりますし。
心行くまでお付き合いしますよ」
「えー…、またやられるだけじゃないですか…。
まあ気が済むまでやってあげますよ」
「ああ、ありがとうな2人とも」
俺はそう言ってくれた2人に感謝の言葉を告げた。
◇ ◇ ◇
そのまま3人で実戦を続けてからおよそ30分後。
俺たちの耳にある声が聞こえてきた。
「…お前ら、そろそろ切り上げろ」
我らが隊長、風間さんの声である。
そういう訳で俺たちは訓練室から隊室のミーティングスペースに戻ってくると、風間さんが既にソファに座っていた。
「…敷谷、トリガーセットは見せてもらった。
必要と思うトリガーであれば何を入れても構わん。
カメレオン以外のトリガーは好きに入れ替えろ」
「ありがとうございます」
俺は風間さんにそう返していく。
「…そういえば風間さん。
敷谷さんってこの6月からのランク戦でデビューさせるんですか?」
そう遼が聞くと、風間さんは「…いや、させない」と続ける、
「コイツはまだ諸刃の剣だ。
いくら以前から共に練習してるとはいえ、俺たちと敷谷だと練度には大きな差がある。
連携が未熟な者が連携を重視する隊に入ればそこからひびが入る。
…コイツが俺たちの連携に付いて来れるようになれば、正式に隊に入れる。
それまではフリーのB級隊員としてお前には振舞ってもらうが、基本はここにいろ。
いいな?」
俺が「分かりました」話すと、風間さんは「それともう一つ」と続けていく。
「本部長から伝えられた『仮想人型近界人対戦訓練』を実施することが決まった。
コマンダートリガーを使用したお前を仮想近界人として想定し、遠征時や近界の侵攻に備える訓練とするらしい。
引き受けてくれるか?」
俺は風間さんの言葉に「もちろんですよ」と続ける。
「折角俺って言う近界人がいるんですから積極的に使ってください。
手が空いている時であればいくらでも付き合いますよ。
俺もコマンダートリガーは万が一のために使っておきたいですし」
俺がそう話すと風間さんは「以上だ」と話して立ち上がる。
「…敷谷、これから忙しくなる。
付いて来れなくても待つつもりはないぞ。
さっさとこのレベルまで上がってこい」
「ええ、ここからが本番ですよね。
早く追いつけるように全力を尽くしますよ」
俺は風間さんなりのエールに答えるようにそう話した。