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薄青色の生地に水玉模様が施されたカーテンが風にそよぎ、リザは反射的に、目だけをそちらに動かした。
両開きになった窓から不規則に入り込む日中の風はからっと感じられ、王都〈ウォルスタンド〉の住人に初夏の訪れをしつこく教えていた。だが、リザが気に留めたのは、カーテンの
目は無地の白い壁紙にも向けられ、窓辺にあるベッドや、木目の目立つクローゼットや机を経由して、正面のドレッサーに戻る。
ちゃんとした自分の部屋だけに、ちょっと浮かれて家具などを揃えたものだった。
ぜんぶ
リザはドレッサーの鏡に映る自分自身をじっと見つめた。そのときまた初夏の風が入り込み、背中まで伸びた長髪がふわりと持ち上げられる。柔らかな髪質だ。銀と碧が混ぜ合った色合いの髪。
いっとき、そこに映る姿に遠い目になっていたが、リザは思い出したように手を動かした。
エリーゼから口うるさく教え込まれたもので、最初は嫌がっていたのに、今ではこうして習慣になっているのだから不思議だった。楽しんでもいたし、目的もあった。
ふと思い直し、リザは頭を振った。
「夢、だよね」
眉を卑屈的にひそめると、メイクを仕上げていった。
元来、色白なこともあってファンデーションはごく少量でよかった――これもエリーゼの手ほどきではあったが――
『あなたには適度なチークと
と、少々やっかむ口ぶりで断言したものだ。
苦笑交じりに化粧道具の後片付けを済ませながら、リザは「うん」と一つ頷く。
椅子から立ち上がり、一歩だけ後ろに下がった。体をくねらせたり、角度を変えてみたりする。何度か、鏡の前でそれを繰り返す。
着ているのはワンピースだった。
初夏にちょうどよさそうな、清涼感のある材質とデザイン。つい最近、アズランドから贈られたものだ。実際にこれを届けに来たのがロウェルであったのは――ほんの少しがっかりしたが、心底、嬉しかったのはたしかだ。
「これはね、このあいだアズがプレゼントしてくれたの」
鏡のなかに語り掛けるように、リザは笑った。屈託のない様子で。そして、
「それじゃあ、行ってくるね」
信頼するだれかがそこにいるかのように、告げた。
左のこめかみのあたりで、銀細工の羽に結ばれた若草色のリボンが、揺れていた。角度が少し気になり、付け直そうとした際――遠くから鐘の
「いけないっ」
リザはいそいそと窓を閉じて鍵をかけ、部屋から出た。きちんとドアにも鍵を挿して施錠する。
そこは国営ギルド〈