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卓上の蠟燭に火が灯った。
しかし、その大きな
互いにほとんど人影しか見えないなか、続々とみな席に座る。隣に座る者はまだしも、やはり差し向かいの相手の顔はまともに見えはしない。
部屋の光源はそれが唯一で、すべての窓は閉じてあり、黒いカーテンで覆われている。
しかし、暗がりを意に介する者は皆無だ。この会合の出席者にはこれが平常通りである。
薄明かりのなか、一人が懐から煙草とマッチを取り出した。マッチの火が僅かなあいだ、陰険そうな中年男のにやけ顔を露わにし、男は吸い込んだ煙草の煙を吐き出す。愉快そうに口を開いた。
「新王様は上手くやったようじゃないか」
含みのある
「各地の魔物騒ぎはあらかた沈静化したようだの」
淡々とだれかが応じた。小声と言ってもいいくらいだが、その
「それでも、それに半年以上を費やした新王への不満は各地でくすぶっているようだよ」
べつの声が割って入る。若々しく、さっぱりとした声音。
「ワシが拡散させた陰謀論が功をなしておるということだ」
男が嗄声でがはは、と笑った。
「旧王政と違い、この国は今や盤石ではない」
重々しい声が告げた。さらに、こうつづけた。
「国家統一して以来、かつてないほどに今、国軍は消耗している」
「時が来たのね……」
少女の声がした。どこか鈴の音に似た弱々しいものだった。
「アンタら魔導士は、
皮肉げな嗄声に、
「魔導士と一括りにするのはやめてよね。賛同した
勝気な女性の声が反論する。なお舌戦をつづけようとした男を、
「騎士団の一部も抱き込めた。牙城を崩すに申し分ない戦力が、今ここに在る」
確固たるものを秘めた厳かな声が制した。薄明かりのなか、視線がその声の人物へ注がれるのが、気配だけでもわかった。
やがて、変わらぬ調子で告げた。
「決起は四日後。日没を待って行動を開始せよ」
部屋中がざわついた。だが、いずれも高揚感ばかりで、動揺の気配は微塵もない。これでいい、と声の人物は頷いた。そして、宣言した。
「
その場のみなが、斉唱した。
蝋燭の火が揺れ、宣言した老人の姿を仄かに一同の目に映した。
顔にはシワが目立ち、金髪に白くなった髪が混じり合う。初老を迎えた頃という年齢だろう。しかし、胴着のあいだから見え隠れする、鍛え抜かれた肉体は衰えこそ感じさせるが――屈強そのものだ。
彼は目を閉じた。その口が動いた。本人も意識せず、こぼしたというふうに。しみじみと。
「ロウェル……」