逃げ出した虫けらの頭   作:ナチュラル7l72

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お宝みっけ!

地中を食い荒らし続けここら一帯はどこも虫食い状態になった頃、鉱石を食べても私の肉体は強化されていることに気が付いた。考えてみれば当たり前だったが液体以外にも食べれば何でもその特性を得た状態で強化されるのは私の特性を考えれば当たり前ではある。

なので私は食い荒らす対象をもっと大きくしてみる事にした。蜘蛛の巣やその主、時々生えている宝石樹なんかも喰らってみる。だがその全てが私の糧にできるわけではなく蜘蛛の巣を食べても私の体が糸状になることは無かったし爆弾を食べてみても爆発する体にはならなかった。だが宝石を食べたら以前にもまして体が硬くなった気がすることから考えるに私の体は無意識に必要な特性とそうでないものを取捨選択しているのかもしれない。爆弾の個性が引き継がれて少しでも火を付けたら爆発するとか普通に弱点でしかないのでまったく都合の良い話だ。

 

そしてもうひとつ気が付いたことはどうやら地下に行けば行くほど良質なものが多くなるという事だ。

鉱石や壺の中身の金貨の質や液体の特性、そしてあらゆる生物の類。それらが地下に行くほど質が高くなっているのがわかる。生物たちからはり明らかに硬くなったり特異な能力が多く見受けられるようになった。鉱石にも変化が見られ上層にはない鉱石が群生しているケースが多くある。

 

(この岩は…私の牙ではまだ噛み砕けないな)

 

マグマが水によって固まった物質、黒曜石をガジリと噛んでみるが傷一つ付く気配がない。モース硬度が私の牙より高いからだろうか。だがそれも硬めの鉱石を喰いまくればじきに改善するだろう。

 

 

「AAARGH!」

 

自らの骨を折りこちらに投げてくる骸骨モンスターの自傷攻撃を宙にホバリングして避けつつ隙を見て突撃し頭蓋を牙で砕きそのまま咥内の歯でさらに粉砕し飲み込む。だがこの手の雑魚敵は食っても私の能力値がそれより高いせいでまったく強化にならない。その上不味いのでぺっと吐き出しまだ動こうとする骸骨の脊椎を破壊する。上半身と下半身の接合部が壊れガラリと上半身が抜け落ちトカゲのしっぽの様にしばらくガラガラ動いていたがやがて動きが鈍化し、土壌の肥やしとなった。

…私も本来ならこうなっていたのだろう。そう、本来なら私も死ぬことを恐れず私達のようになっていたはずなのだが。

 

そんな答えの出なさそうな疑問に突き当たる寸前、木造の草臥れた廃屋の様なものを見つける。壁を突き破り中に入ってみれば蜘蛛の糸や絵画、そして金色の装飾で作られてチェストを発見した。

破壊しそのまま食べてしまおうと口を開いたが、一旦中身の確認をしておこうと牙を収める。そんなホイホイと中身がなんなのかよくわからないものを食べるほど私は悪食じゃないのだ。

 

(これは…?)

 

中には赤い宝石が付いた赤いバンド。それとよく見るポーションの類と銀貨が入っていた。

これはあの人間が付けていたものと同じ装飾な気が…。そう思いつつ迷わず赤いバンドを噛みちぎりそこそこ硬い宝石もがりがり飴玉のように砕きながら飲み込む。だが少し体の耐久性が上がっただけでわざわざチェストに保管してあるものにしては効果が薄かった。

防御力が上がるアクセサリーだったのだろうか…?いや私の体の耐久性が上がったのは赤い宝石を食ったからではないか。なら本来はもっと違う効果の可能性が高い。まさかあの人間と同じように装着しないと効果を発揮しないのか?

 

(私には無用の長物か)

 

少し残念に思いつつ、残った銀貨とポーションを本来の用途ガン無視で口に放り込みかみ砕く。ついでに宝箱も廃屋も絵画も全て食い尽くし私の美的センスが上がったりしないか期待したが、手足の無い私にはそれこそ無用の長物だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マジかよ…。マップに前逃げたボス写ってんじゃん…。再起動してもいるしこいつイベントボスか何かなのか?いやでもイーターオブワールド事態は違う奴倒してるしなあ。わざわざ倒す意味が…。」

 

「wikiでこの現象探してみてもパッとしないし、また掲示板連中に聞いてみるかあ」




実は女の子
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