頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第7話 啓介の言葉 深まる謎

走一は拓海を家まで送り届けた際に、偶然池谷が拓海の家の前に居て、池谷が拓海の家が豆腐屋であった事に驚くと同時にハチロクを持っていた事に驚きを隠せないでいた。

 

そして走一は拓海を送り届けた後、彩音を迎えに行き、彩音が待つ所に向かう。

彩音が待っていると走一はのワンビアが来て、彩音がその方を向く。

 

ワンビアが彩音の前に止まり、走一がドアの窓を開ける。

 

「待たせたな」

 

「うん、拓海君を送っただけでしょ?」

 

「それでも待たせた事には変わりないって」

 

そう言って走一は彩音を助手席に乗せて、彩音の家まで送り届ける。

そして走一はバイトの解体屋工場へと向かい、そこで玄達と合流する。

 

「おう走一!」

 

「おーす走一、聞いたか?さっきイツキから電話来てさ、拓海の家にハチロクがあったって」

 

「ああ、それは俺も知ってた」

 

「え?お前知ってたのか?」

 

玄はその事に振り向き、走一は頷きながら言う。

 

「ああ、拓海を家に送った際にハチロクを見たからな。白黒のパンダトレノだった」

 

「へぇー、白黒のパンダトレノか。通りでイツキが悔しそうな感じで電話して来た訳だ」

 

道郎がそれを感じながら言い、走一は少々呆れながらも言う。

 

「まあ拓海も少しは車の知識を持っていても損はないと思うんだけどな。興味がないとはいえ余りにも車の知識が無いのは損だよ、スピード出す快感は良いとして、車があれば良い事も沢山あるのに」

 

「仕方ないんじゃないのか? 走一も知っての通り拓海は何処か抜けていて、走ると言うより平凡で行きたいんじゃないか?」

 

「そうかも知れないけど、トレノをハチロクと思わない時点でお終いだよ」

 

走一はそう言いながら解体する作業を確認し、道郎も走一の言葉を納得しつつ、拓海の苦労にため息を吐く。

 

そして玄は何故か腕立て伏せをしていた。

弁慶は筋トレし始めた玄に気付き、すぐさま怒鳴りに行く。

 

「こら玄!! 筋トレなら家でやれっていつも言ってるだろう!!」

 

「いやー!俺って家でもバイト先でも何処でもやれるから!」

 

「馬鹿野郎が!」

 

っと弁慶は玄の頭にげんこつを入れ、それに頭を抑える玄。

すると弁慶はある事を思い出し、走一の方を向きながら言う。

 

「おい走一、お前昨日峠でバトルしたんだってな?」

 

「え?はい、相手は赤城レッドサンズのFDを操る高橋啓介さんでした」

 

「ほうー?そう言う奴か、赤城の連中は昔から上手い奴等が沢山居たからな。じゃあ足回りは昨日のバトルで少し違和感が出ても可笑しくねえな」

 

「やっぱりそう思います? 実は昨日のバトルで少しだけサスの方に違和感があって…」

 

「じゃあ今度はちゃんとした足回りにして貰わねぇとな。そうだ、おい道郎!和真にサスペンションのパーツ取り付けをそっちで受け持てねぇかって聞いてくれてねぇか?」

 

弁慶からその話しを聞いた道郎は、少し考えた後に頷く。

 

「分かりました。では父さんにそう言いますね」

 

「頼むわ、それと走一。泰三にまた飲みに行こうぜと言っておいてくれ、それも今度は祐一達と一緒にな?」

 

「え?店長は拓海達のバイト先の店長と知り合い何ですか?」

 

一応走一達は拓海達のバイト先の店長を知っており、それを聞いた弁慶は頷く。

 

「おうよ。俺もあいつ等とは昔からの知り合いでな、走り屋としてもそうだがメカの方も通じているんだよ。特に和真とはな…、当然玄の親父である【敏則(としのり)】の方もだ」

 

「お?俺の親父もか? それは良い事聞いたぜ!」

 

「ん?待てよ…(て事はGSの店長の知り合いって事は、まさか拓海の親父さんも…? いや、まさかな~)」

 

走一がそう考えるも、その考えは当たっていた。

実は拓海の父親である【藤原文太】は実は昔、秋名山で最速と呼ばれる程の凄腕の走り屋だったのだ。

 

それに気付くことは無い走一だった。

 

 

時間は進み夜が近い夕方、GSでの作業場で池谷が自分のS13のタイヤを交換していた。

そこに健二たちがやって来る。

 

「よう、新品のタイヤ入れてるのか?」

 

「フォーミュラーのダンロップRSVか、ふんぱつしたな」

 

「タイヤだけでもハイグリップに変えて、タイムを稼がねぇとな。ついでにブレーキパットも交換するんだ、下りはブレーキがキモだからな…」

 

それを聞いた健二は問う。

 

「やるのか池谷?」

 

「ああ…下りは俺が走る。死ぬ気で秋名の下りを攻めて見せるさ」

 

「あんまり無理するな?下りはワンミスが命取りになるぞ」

 

「分かってる…分かってるけど、少しはムリしねぇと…地元の意地があるじゃん」

 

そう言って池谷は黙々と作業を続けるのであった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして夜、秋名山で高橋啓介のFDが秋名山を攻め続けていた。

 

それも毎日の様に秋名を攻めて、あのハチロクを探していたのだ。

 

「(今日も現れない…あの時のハチロク、地元の走り屋じゃなかったのか…、そんな筈はない!奴は秋名の峠を熟知していた、もう一度奴に会いたい!会ってリベンジかましてやらなきゃ俺の気持ちが収まらない!!

出て来い!秋名の幽霊…!!スピードスターズなんざどうでも良い! 俺はお前に会いに来ているんだ!!出て来い!!!)」

 

啓介がそう思っていると対向車線からライトが見えて、それに啓介がスピードを落とす。

 

すると対向車線からワンビアとセリカにFTOとNSXが走り込んで来て、それを見た啓介が振り向く。

 

「っ!!あいつ等は…! 丁度良い…あいつ等に聞いて見るか」

 

そう言って啓介はすぐに止まってでアクセルターンをし、ワンビア達を追いかけた。

 

そしてワンビア達に乗る走一達は一度頂上に着いて、ワンビアの足回りを見ていた。

 

「うーん…やっぱり交換が必要か? 一回のバトルでこうも動きが微妙に変化するのってあり得ない」

 

「ならもう少しの我慢だな、今父さんが走一の足回りを手配してくれてるから、その時に工場に持って行けばいい」

 

「そうだな…ん?」

 

すると走一はロータリーサウンドが混じるエキゾーストが聞こえ、それに振り向くと同時に高橋啓介のFDが走一達の元にやって来る。

それを見た走一達は思わず見る。

 

「おい…あれって」

 

「啓介さん、毎晩練習してるって聞いたけど今日もなんだな」

 

走一達が言ってる中で啓介がFDから降りて来て、走一達の元に来る。

 

「すまねぇな、いきなりやって来て。実はお前に少し聞きたい事があって来たんだ」

 

「聞きたい事?」

 

啓介の言葉に走一は少しばかり首を傾げ、走一は啓介の話を聞く。

 

「実は昨日…この秋名の下りでハチロクにちぎらちまった…。この秋名でだ!」

 

「「「「っ!!?」」」」

 

その言葉を聞いた走一達は驚きを隠せない、なんせハイパワー車であるFDが1.6のハチロクにちぎられただなんて聞かされたら驚くのも無理はない。

啓介は走一達が驚く中でも語り続ける。

 

「そのハチロクはパンダトレノでこの秋名を熟知していた。それもかなりな…だから地元であるお前等に聞きたいんだ、そのハチロクは一体何者だってな」

 

「何者って言われても、俺達初めて知りましたよ? なあ」

 

「おうよ」

 

「俺達はこの峠を本格的に走り出したのは昨日だし…」

 

「だから、僕達はそこまで知りませんよ」

 

「何言ってやがる。地元が知らねぇはずねえだろう。慣性ドリフトまでもがする程の腕前だ」

 

啓介は若干イラつきながらも走一達に語り、走一はそれに少しばかり考える。

 

「(啓介さんが負けたハチロク…、うーん…余りにも情報が少なすぎる。いくらハチロクでも何処にでもいるからな)…すいません、今は俺達もこればかりは分かりません」

 

「チッ、そうか…悪かったな、急に問いかけてよう…」

 

そう言って啓介はFDに乗り、その場から立ち去って行く。

 

立ち去って行ったのを見送った走一は少しばかり考え、そしてある経路に辿り着く。

 

「(っ!そう言えば…拓海の家のハチロクも確か…パンダトレノ、これって偶然か…?だとしたら)」

 

そう思いながら走一はその事を胸の中にしまい、ただ夜空を見上げるのであった。

 

 

 

 

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