頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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いよいよ…運命の時が来ました。どうぞご覧ください。


第98話 さよなら ハチロクとワンビア 後編

走一と拓海のバトルが始まり、2人を追いかける京一と零士、特に京一は拓海のハチロクを追いかけているつもりだったが、後ろから追いかけているR34をバックミラーから見て、京一は更にアドレナリンが増す。

勿論走一もR34が追いかけて来る気配を感じ、一段とギアを上げる。

 

「(四駆が曲がらないと言われたのはもう昔話だぜ。俺のエボⅢは曲がる!!)」

 

「(速い…、なんて奴だ…)」

 

「(追い詰められてる。ハンターに狙われた獲物みたいだ)」

 

走一と拓海は追い上げ来る京一と零士の速さを感じつつ、赤城の下りを攻めていく。

 

そして上から見ている彩音達は、京一のエボⅢから放たれるバックファイヤ音の異常性に気づく。

 

「ねえ、あの車…なんであんなにバンバンってうるさいの?」

 

彩音がそれを問うと同時に凛が道郎の方を見て言う。

 

「ねえ…道郎。あれって…」

 

「ああ、間違いない」

 

同時に涼介達や琢磨達もそれに気づく。

 

「兄貴、エボⅢのあのやかましいバックファイヤ…、普通じゃねえぜ」

 

「俺もそう思った。間違いない…あれはWRCのラリーカーと同じシステムだ」

 

「『ミスファイアリングシステム』、京一め…この公道にあのシステムを入れ込むとはな」

 

「みすふぁいありんぐ…? 何ですかそれ?」

 

琢磨がそう呟いた際、彩音は首を傾げながらそう呟き、それに凛が代わりに答える。

 

「ミスファイアリングシステム、別名アンチラグシステムって言ってね。ターボチャージャーがアクセルを離す際に発生するターボラグを解消させるためのシステム、ターボラグは言うアクセルを離した際に起こる欠点があって、それを補うためのシステムなの」

 

「ターボは載せるだけで飛躍的にパワーを得る事が出来る過給機なんだが、一度アクセルを離しちゃうと回復するまでに時間が掛かるんだ。だがミスファイアリングシステムを搭載したら、そのタイムラグを打ち消す事が出来るんだ」

 

「へぇー、そうなんだ?」

 

凛が行った後に道郎が続けて解説し、それに納得する彩音。

だがそれを琢磨が続けて言う。

 

「しかしあれは本来公道…一般道では使用してはいけないシステムだ。それを京一があのエボⅢに搭載したと言う事は…」

 

「それだけ、京一は俺達のリベンジマッチに燃えていると言う事だな。それに俺が知ってる1年前のあいつと比べてそのテクニックも確実にアップしている。手強いぜ今の京一は…」

 

「だがそれだけ強敵が増えれば増える程、元レーサーとしては燃える方だ。しかしそれでも、園崎君のドライビングとR34の動きを抑えられるかどうかだ」

 

涼介と琢磨はそう言いながら京一のエボⅢを見ながら、同時に零士の動きを警戒する。

 

「ミスファイアリングシステムか~。俺のセリカにも付けれたら、面白くなるんだけどな~」

 

「馬鹿言え、お前のセリカにも搭載されているだろう。ミスファイアリングシステム」

 

玄がその事を呟いていると、道郎が呆れた様子で言う。

するとその事に玄は驚く表情をする。

 

「おっ!?そうなのか?!」

 

「アンタが知らないでどうするのよ!?」

 

 

バコン!

 

 

っと相変わらずの玄に真美のハンマーが久々に直撃する。

 

 

 

そして何番のコーナーで、沙耶と瑠華が偶然にもこのコーナーでギャラリーしていた。

 

「えっと…貴女もここに来たのは、エンペラーの走りを見に?」

 

「そう…、速いって聞いて来た」

 

「そうなんだ。アルトに乗る女の子は珍しいから、これは女として興奮するわ!」

 

「ふーん…、そうなんだ」

 

っと興味なさそうな感じをする瑠華に、少しばかり沙耶はむくれてしまう。

 

するとエキゾースト音が聞こえて来て、それに2人が振り向くと、上からハチロクを先頭に、ワンビア、エボⅢ、そしてR34の四台が駆け下りて来て、沙耶と瑠華の前を通り過ぎて行った。

 

それを見る沙耶と瑠華。

 

「朝倉君と藤原君! エボⅢとR34とバトルしてるのかな!?」

 

「多分そう…、でもあのR34…普通じゃない」

 

「え?どういう事?」

 

瑠華が言った言葉に沙耶が振り向き、瑠華は言う。

 

「R34…重たいボディを上手く使って、赤城のキツい勾配を支配してる…、これ…2人が拙いかも」

 

っとその言葉を聞いた途端、沙耶は目を大きく開くのであった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

走一と拓海が徐々に下って行く頃、彩音達の方では京一と零士の事を語っていた。

 

「兄貴と琢磨は須藤京一がどんな走りをするのか知ってんだろ。どんなタイプだった?」

 

「京一はミスをしないドライビングだ。基本に忠実で派手なアクションを嫌う…。バトルとなればねちっこく相手の弱点をついてくる…。勝つ為にはえげつないくらい合理的な作戦を選ぶ奴だ」

 

「自分からは崩れねえタイプか。前の清次とか言う奴とは違うな…」

 

「当然だ。岩城清次はドライビングは一流でも、頭脳戦では素人の様な頭をしている。合理性は奴にはない」

 

「そして合理性だけが京一の美学だからな。4WDのクルマ以外に興味を示さないのもその為だ…。テクニックが互角なら確実に有利なチューニングのマシンを準備してバトルに望む…。そういう奴だ…」

 

そう語る涼介と琢磨、それを彩音が問う。

 

「凄く辛辣…?な感じに聞こえる様なんですけど…、涼介さんはあの人の事が嫌いですか?」

 

「まあね。俺はあいつが嫌いなんだ…。何が何でも負けたくない相手だ!」

 

「じゃああの園崎零士は? さっきGTOとバトルした不藤とはどう違うんだ? あまり手の奥を見せなかったが…」

 

啓介がそれを問うと、琢磨は答える。

 

「園崎君…、零士は的確な上に京一と同じようにミスをしないドライビングや、荷重移動を得意としている。重たい車をまるで軽自動車の様に軽々と操り、相手を圧倒的な技量でねじ伏せる奴だ。合理性も多少含まれるが、その合理性はあくまで車だけの事、本当の力量はドライビングだとあいつは考えているんだ」

 

「…じゃあ、アイツがもし4WDじゃなく、FRを選んでいたら…」

 

道郎がそう問うと、琢磨は再び答える。

 

「あいつはER34を選んでいただろうな。それだと益々あいつの腕がかなり上がり、誰もあいつに勝つ奴はいないだろう」

 

「ええっ!? 琢磨さんでもですか?!」

 

「ああ、アイツのドライビングは本当に神がかってる。今の俺でもアイツを負かすのは難しいだろう…」

 

っとそう語る琢磨に彩音達はそれに言葉を失うのだった。

 

 

 

 

そして走一と拓海はと言うと、後ろから追いかけて来るエボⅢとR34に苦戦を強いられていた。

 

「(うるせえな。後ろからパンパンパンと…。うるさくってしょうがねえ!!)」

 

「(あのバックファイア音…、間違いない…ミスファイアリングシステムだ! 拙いな…今のターボラグを解消する為の策にしては筋が通っている、これは俺でも苦戦するぞ、だが一番気がかりなのは…)」

 

走一はエボⅢの背後に居るR34の方をバックミラーで見る。R34はまるで軽自動車の様は軽快な動きをし、下りをもろともしない動きを見せる。

 

「(あの重たいR34を軽々と…、園崎零士…只者じゃない!!)」

 

そして京一は前を走る走一と拓海の動きを見ていた。

 

「(恐るべき適応力と言っておこう。お前等はこのコースを殆ど知らないで走っている…、それでいながらこれだけのペースが作れるとは…。同じ信じられない程の峠センスだ!!だが遊びはここで終わりにする。この辺で仕留めさせてもらうぜ…!!)」

 

京一が走一と拓海を仕留めに掛かろうとする中で、零士は心底ガッカリしていた。

 

それは京一もそうであるが、走一が未だに突破的な行動をしない事にガッカリしていたのだ。

 

「(おいおい…朝倉よ、お前の実力そんな物かよ。もっと上を目指せるだろう上を…、カート上がりのお前がそんな走りをしてどうする? 折角速い車に仕上げてるんだろう?もっと堂々とアグレッシブに行けっての!!じゃないと抜いちゃうぞ)」

 

零士はそう思いながら走りのスタイルを変える為、少しギアを上げた。

少しばかり直線のコースに入った直後、と京一の背後から一気に前に出て、更に走一と拓海の前に一気に出る。

 

「「っ!?」」

 

「(ここで行くか!?)」

 

「(朝倉と藤原は仕方ねぇとして、須藤さんよ…。エボⅢが負けたんじゃねぇ…、()()()が弱いからだよ!!)」

 

零士はそう感じた事を京一に言い、そのまま一気に突っ走る。

 

それに京一は歯を噛みしめる。

 

「(クソッ!!!こんな所で一気に抜かれるとは! だがまだだ!ここでハチロクを抜き去れば、俺のプライドは保てる!ここからのコースは勾配の緩い中速セクションに突入していく!傾斜がなければハチロクはドンガメだぜ! 同時にワンビアも抜けば問題はない! )」

 

京一は次のS字コーナーに差し掛かった時に、賢太が居る場所で四台がやって来たの見る。

 

「来た!!」

 

最初にR34が先を走り、ハチロクとワンビアが前を行くのに対しエボⅢはアウト寄りの走行ラインを走っては立ち並ぼうとする。

 

「(おいおいまさか…!?僅か1秒かそこらの全開区間なのに…なんて加速だ!!)」

 

それに賢太が驚く中、走一が横から来るエボⅢを見て、目を細める。

 

「(クッ!サイド・バイ・サイドに並んだか! でもこの先はインとアウトが入れ替わる!! こうなったら!!)」

 

走一は一度アクセルを開けて、エボⅢのサイド・バイ・サイドを外して、エボⅢの背後を取る。

それを見た賢太が驚きを見せる。

 

「(まさかワンビアがエボⅢの背後を取る!? マジかよ!?)」

 

そう賢太が見ている中、すぐに次のコーナーがやって来て、インとアウンが入れ替わる。

 

「(次のコーナーではインとアウトが逆転する!!それに加えてあの立ち上がり加速…!!ハチロクがやられる!!)」

 

ハチロクがエボⅢの立ち上がりに負けて、そのままハチロクを抜き去る。同時にワンビアもそれを続いてはエボⅢを追いかけるのだった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

「何!エボⅢが抜いただと…!?コーナーでか!?」

 

『『『っ!!』』』

 

啓介が賢太からの無線報告を聞いて驚き、それを彩音達も驚きを隠せないでいた。

 

「京一らしいやり方だ。序盤の急坂セクションでは仕掛けずにやり過ごし…。勾配が緩くなってハチロクが失速するのを待っていた。あいつのテクニックとエボⅢの戦闘力ならそれ以前にもチャンスはあった…。だが敢えてそれをせず確実に抜けるところまで待っていた所が…良くも悪くも京一だ」

 

「そうだな、あいつのやり方だな。だが俺が気になるのは零士だ…、アイツは軽々と京一を抜き去って行った。朝倉君と藤原君を抜いたとしても、零士の屈辱感は一生消えないだろう」

 

そう呟く涼介と琢磨、それを彩音が問う。

 

「……走一達に、チャンスはないんでしょうか…?」

 

「…残念ながらそのチャンスはない、朝倉ならまだあるだろうが、この先はあいつ等にとって初めてのコースだ。どう見ても無理がある」

 

「そう…残念ながら、朝倉君達にはもう…チャンスはない」

 

っとそう呟く涼介と琢磨に、啓介は近くにあるガードパイプの上に腰を下ろしては悪態をつく。

 

「バカったれが…。俺達に任せときゃーいいものを…。ノコノコ出てくるから…負けなくてもいい負けが…、しかも二つの負けが…。こんなとこで着いちまうんだ」

 

啓介は自らの手で借りを貸そうとしたのだが、もう止められない事に強いショックを受けた。

 

 

 

そして走一は必死にエボⅢに食らいついていた。

 

「(まだだ!まだ終わっちゃいない!!)」

 

「(ほう、この俺に食らいついて来るか。やはりワンビアはパワーはあるな。いいだろう!思う存分付いて来い!!!)」

 

そう思いながら京一はアクセルを踏み、全開で駆け下り、走一も全開で付いて行く。

 

拓海はアクセルを踏むも、三台が徐々に離れていくのを見て、拓海は歯を噛みしめる。

 

「(追いつけない…、こいつじゃ…無理なのか!?)」

 

そう拓海が思い詰めたその時だった!!

 

 

 

 

グシャン!!

 

 

 

 

突如エンジンルームから大きな音がして。それに拓海は驚く。

 

それに走一が後ろを振り向いた、まさにその瞬間だった!!

 

 

 

 

グシャン!!

 

 

 

 

ハチロクと同様にエンジンルームから大きな音がして、それに走一は目を大きく開き、二台は失速しては車体をゆらゆらと揺らし、そして大きく一週回るや後ろ向きで右側のエスケープゾーンに二台共入り、ワンビアとハチロクはガードレールギリギリで停車したのであった。

 

そして2人は車から降りると、エンジンルームから煙が上がっていて、その光景に2人は言葉を失うのであった。

 

 

 

 




この光景をかくのも辛い、でもここからでしょう。

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