頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

109 / 116
お待たせしました。最新話です。


第106話 衝撃

レッドサンズとエンペラー、如月琢磨との三つ巴バトルから一夜明け、渋川市のガソリンスタンドで、池谷達が昨日の事を話していた。

 

「いやー、昨日は凄かったですよ。特に如月琢磨の速さが改めて伝わりましたよ」

 

「ええ、なんせあの高橋涼介と須藤京一が全く寄せ付けず、20秒以上のタイムを上回りながらゴールしましたからね~。流石って言った所ですよ」

 

「そうなのか~、いや~流石元プロの実力は違うね~。俺も見たかったな~」

 

祐一は池谷と健二の話しを聞きながら、腕を組んで頷く。

 

「あっ、そう言えば拓海と走一はどうした? あいつ等は来ていなかったのか?」

 

「ええ、イツキの話しによると、あいつ等は秋名湖で話していたそうです。走一は問題ないと思いますが、やっぱり拓海はバトルに負けた事がよっぽどショックだった様です」

 

「そうだよ~、それを考えると、拓海は行きたくない気持ちがあるよな~」

 

「ただ…何が切っ掛けで、赤城に行く事になったのか、それが気になるんですよね…」

 

っとそう語る池谷達だった。

 

 

そして学校の方では、走一達が昨日のバトルが琢磨と涼介の勝利で終わったと聞き、それを聞いたイツキは興奮状態だった。

 

「クゥ~~~~~~~~~~~~!!!高橋涼介と如月琢磨が勝ってすげぇぜ!! 特に如月琢磨の走りは凄まじかったって池谷先輩達が言ってたし!!」

 

「そうだな…先輩達からの話しじゃあ本当にそうだって言ってたしな」

 

「まあともかく、これで群馬エリアにエンペラーの侵攻は終わったって事だから、一件落着だな」

 

「ああ…」

 

走一達がそう話していると、茂木が拓海を見つけ、それに手を振る。

 

すると拓海がそれにそっぽを向きながらどこかに行ってしまい、それに茂木がちょっと驚いた様子になり、それに玄達もちょっと驚く。

 

「どうしたアイツ?」

 

「いつもだったら茂木に付いて行くやつなのに…」

 

「どうしたんだろう?」

 

「分かんない…、どうしたんだろうね?」

 

「どう言う事でしょう…」

 

その事に玄達や凛と友梨佳が呟く中、真美が拓海の予想外の行動にちょっとだけ驚きつつも、内心ホッとしている様子。

 

走一は拓海の様子を見て、その後を追いかける。

 

拓海が屋上で1人ポツンとしながらボーっとしている中、走一が拓海の横に並び、拓海に問う。

 

「拓海…」

 

「…なんだよ?」

 

「…これ、落としてたぞ」

 

っと一枚の紙を拓海に渡し、それを見た拓海は思わず驚いて慌てて取る。

 

「っ!!見たのかよ!?」

 

「……すまん、悪気があった訳じゃないんだ…」

 

「くそ…、でも走一が知ったんなら言ってもいいかもな」

 

「何が……って、まさかこの間赤城でなんかキレてた理由って」

 

っと走一が何かを察しながらそれを拓海に問うと、それに拓海は頷きながら言う。

 

拓海がこの間のバトルの際にキレていた理由、それは茂木がベンツの彼氏と援助交際していた事が発覚して、それに拓海は裏切られた気持ちになり、それに拓海が不満を爆散させるため、赤城山に向かったっとの事だった。

 

それを聞いた走一はその事にちょっとだけ言葉を失う。

 

「…それ本当だったのか?」

 

「ああ、それに知らない奴からの電話も来てそうだったから、半信半疑で見に行ったけど、結局あの話しは本当だった…マジでショックだったよ」

 

「だが直接話してはいないんだろう? それが本当だとしても、ただ会っていただけで、もし別れ話だったら、それはそれで好都合じゃないのか?」

 

「どうしてそう思うんだよ?!」

 

思わず叫ぶ拓海、走一はそれを気にもせず、その事を話す。

 

「拓海が見たそれが、ただデートに向かう際の所じゃなく、別れ話の話しで歩いている様子だったら、それも見方が変わって来るんじゃないか?」

 

「俺はそうは思えねぇよ!! あの様子…絶対にそうとしか思えねえよ!!」

 

っと拓海はそう言いながら屋上から去って行き、その様子を走一はただ見つめる事しかなかったのだった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして数日後、走一達は春樹達に呼ばれて美咲のカフェに来ていた。

 

春樹達からの内容は…。

 

「ええ?ハチロクとワンビアを見た…?」

 

「何かの間違いじゃないのか?」

 

走一と拓海がその事を春樹に問うと、首を振りながら言う。

 

「それがどうも本当らしいんだ。将と勇夫が秋名で見たって言ってたんだ」

 

「白黒のパンダトレノにブリリアントブルーのワンビアだった。間違いない」

 

それを聞いた走一と拓海は顔を合わせる、エンジンをまだ探してもいない筈なのに、ハチロクとワンビアが秋名を走っていた事に。

一緒に付いて来たイツキがある事を問う。

 

「拓海、豆腐の配達はどうしてるんだ?」

 

「親父が持ってきたボロい軽トラを使ってる…」

 

「大体拓海、お前のハチロク今何処にあるんだ? どこの工場か知らないのか?」

 

「走一もだ、そこの所はどうなんだよ?」

 

将と勇夫がその事を問いかけて来て、それに走一と拓海は答える。

 

「分かんねぇ…、親父が持って行ったから。赤城から帰ってきた後、そのままハチロクを持って行ったから」

 

「こっちも同じだ、彩音を送った後、俺を家に送った後にそのままワンビアを持って行ってしまったんだ。一体何処に持って行ったんやら…」

 

「ええ~!? 走一さん達のワンビアとハチロク、壊れちゃったんすか!? どうして俺に一言言ってくれなかったんすか~~!」

 

「翔はこの前からずっと居残りだったでしょ? テスト悪かったから」

 

っと美咲がその事に翔を抑える。

その様子に走一達と春樹達は何も言えないが、春樹はその事に問う。

 

「走一、エンジン載せ替えるんだろう?」

 

「その予定だ、ちょっと時間が掛かるがな…。拓海の方は多分拓海の親父さんが探していると思うけど…」

 

「どんなエンジンを載せるんだろうな…?」

 

「今時どノーマルの4A-Gを載せないよな~? いよいよターボかな!?」

 

「「しつこい…」」

 

っとイツキのしつこいターボの事に走一と道郎が言って呆れる一方で、拓海は少し思い詰める表情になる。

 

「…俺、あんまり興味ないな…」

 

「え?どうしてなの拓海君?」

 

彩音は拓海がエンジンの事に興味ないっと聞いて聞き、それに拓海は顔を上げて言う。

 

「俺…思うんだけどさ、エンジンって言ったら車全体に見ても一番重要な所だろう?」

 

「ああ」

 

「人間で言ったら…、脳みそかと思うんだよ」

 

「え?脳みそ…?」

 

拓海の説明を聞いた走一達は思わず顔を合わせてしまい、それにちょっと呆れる感じになる皆。

 

「拓海…、それを言ったら普通心臓って言わないか?」

 

「え?そうかな?」

 

「ああ、脳みそはコンピューターのECUだよ。考える所は大体そこなんだ」

 

「そうなのかな…、でも心臓は心臓でも良いけど、俺…エンジンを載せ替えるのは嫌なんだよ…。全く…別の車になるって感じがするから…」

 

その返答を聞いて走一達は少しばかり考える様子となる。

 

「成程…愛着のある車だと、そうなるよな~」

 

「でもな拓海、例え違うエンジンだとしても、それをどう扱うかはお前次第なんだ」

 

「え?」

 

走一の言葉に拓海は振り向く。

 

「エンジンは確かに違えど、それをどう操るかはドライバー次第なんだ。尤も前のエンジンは拓海が幼い頃から見て来た車だったら、何時エンジンブローが起きても可笑しくなかった…」

 

「……」

 

「俺もエンジンを載せ替えた後は、その車をどうゆう風に操るかを考えなきゃならない。今まで通りにって訳には行かない」

 

そう語る走一。その事に拓海はそれをどう受け止めるかは拓海次第だった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして秋名山では、重圧感のあるエンジン音が二機聞こえて来て、その二台のエンジン音はあのハチロクとワンビアだったのだ。

ただワンビアの方は何やら形状が違っていた。フロントとリアのバンパーにはエアロパーツが付いていて、ホイールの穴も四穴から五穴になっている。サイドステップも変更されていて、トランクにはGTウイングが装備されている。

そして最大の所はリトラクタブルヘッドライトが固定式のライトへと変更されているのだった。

 

頂上では祐一達が待っていて、ハチロクとワンビアが同時に止まって、祐一達は駆け寄る。

 

「どうだ文太、泰三?」

 

「少しは纏まって来たともうが、これだけエンジンが良いと、どうも足が追いつかないな」

 

「こっちもそんな感じだな」

 

「そんなにいいのか?エンジン」

 

祐一がそれをエンジンの事を問い、それに文太と泰三は言う。

 

「ああ、いいぞこいつ」

 

「いいね…ほれぼれするよ」

 

「へぇ~、そんなにいいのかよこれ。ちょっと横に乗せて貰ってもいいかな「待ってくれ祐一」え?」

 

智晴が祐一を止めて、それに祐一は振り向く。

 

「どうしたんだよ智晴?」

 

「…泰三はいいとして、文太、ハチロクから降りて右足を見せてくれ」

 

「…やっぱ気づくか」

 

ハチロクから降りる文太は右足を見せる。するとそれを見た祐一達は驚く。

文太の足に何度も擦りつけた後があり、赤くなっている様子が見れた。

 

「なっ!文太!どうしたんだその足!?」

 

「分からないか? ここを壁にして擦りつけるように踏ん張って身体を支えているんだ。峠レベルの横Gにバケットシートなんていらねぇってのが、俺のこだわりの美学ではあったんだけどよ」

 

「分からなくもないが、そのエンジンを載せている限り、バケットシートを避ける事は出来ないぜ。なんせ強力なエンジンなんだからな」

 

「仕方ねぇが、バケットシートを入れねぇと骨まで削られそうだぜ。今日のテストはここまだ」

 

「ああ、こいつ等の状態をどんな風に仕上げるかは、おいおいとして、最後のテストはあいつ等が行うってもんだ」

 

泰三がワンビアから降りて来て、ポケットからタバコを取り出す。

 

「ああ、手強いこいつを時間を掛けてじっくりと考えていくさ。拓海みたいな下手くそが乗るようにしないと行けないからな、お前のとこの坊主の様によ」

 

「それはお前もだろうが、なに寝言を言ってやがる」

 

「馬鹿言ってんじゃねぇよ」

 

っといつもの下らない話しを祐一達は呆れていた。

 

「始まったぜ…」

 

「全く…あいつ等がガキだって事気付けよ~…」

 

 

 

 

そして翌日、走一はあくびをしながら歩いていると、彩音と真美の姿が見えた。

彩音が走一の姿を見て、手を上げる。

 

「走一~!おはよう!」

 

「おはようさん。真美も」

 

「おはよう走一君。いつもの様子だわね」

 

「どういう意味だよ」

 

今日は玄達の姿が見当たらないが、それを気にしない走一達は校舎に入ろうとする、すると目の前に拓海と茂木の姿が居て、それに走一達の目に入る。

 

「あれは…」

 

「アイツ…!また拓海君に!」

 

そう言って真美が向かおうとした途端、拓海が茂木にこの言葉を言い放った。

 

 

 

「ベンツの彼氏と仲良くやれよ、俺にかまうな!」

 

 

 

「っ!!」

 

 

「「えっ!?」」

 

「(拓海…)」

 

拓海から放たれた言葉に茂木は勿論、彩音と真美はそれに驚き、走一は目を細める。

 

その様子に茂木は信じられない表情をしていて、ただその場に立ち尽くすのであった。

 

 

 

 




ここに来てハチロクのnewエンジンの馬力に付いてちょっと疑問があります。
僕はアニメと実写版の頭文字Ⅾを知っていますが、実写版の方が250馬力と強いんですよね。アニメの240馬力よりも、何故そんな10馬力違いな事をするんだろう、そのまま240馬力で良いのに、っと僕が思ったのがこれです。

感想と誤字、よろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。