拓海からの衝撃的な告白に、茂木は唖然としてしまう。
「(どうして…なんで拓海君が…)」
「へぇ~、拓海君とうとう知っちゃったんだ」
「っ!?」
茂木が後ろを振り向くと、真美が茂木を睨むような眼で見ていて、真美が茂木を睨みながら言う。
「これで分かったでしょ!? アンタはとんでもない事をしてしまったのよ!!これに懲りたら!もう拓海く【ガシッ!】え!?」
真美が言おうとした時に、走一が真美の服の首根っこを掴み、それに真美は暴れる。
「ちょっと走一君!!何すんのよ!邪魔しないで!!」
「黙ってろ…」
「っう!」
走一の鋭い目線に真美は思わず言葉が止まってしまう。そして茂木を一度見た後、走一は真美を連れて校舎に入る。
彩音も走一の後を追いかけようとした、その際茂木の事を一度見て、すぐに走一の後を追う。
茂木は少しばかりその場で立ち尽くす。
そして屋上、走一と彩音は真美を連れて行き、それに真美は走一から離れる。
「ちょっと!何するのよ走一君!」
「真美、お前はズバズバと言いたい事言い過ぎだ。少しは抑えろ。それどころか…真美、お前知っていたんだな…」
「何でよ!?アイツの自業自得なのよ!? って言うか走一君…アンタまさか知ってたの!?」
っとその事に真美は驚きながら走一を見る。
「…実は拓海が悩んでいる時、離していた際にその場を離れた時、一枚紙を落としたんだ。それを拾ったら茂木の事が書いてあったんだ。最初は半信半疑だったが、拓海に紙を返した際に教えてくれた」
「まさか…、そんな事があったのね、でも走一君も知ったのなら丁度いいわ。茂木は自分の身体を売っては汚い事をしている最低な女よ! そんな奴を相手にしなくていいの!」
「真美、無視しても相手が行動を起こしちゃ意味ないぞ」
「知らないわよ! 兎に角これ以上あいつに関わっちゃ駄目!!分かったわね!?」
「真美!!!」
彩音がそう叫んでも、真美はその場から去って行き、それに走一と彩音は2人だけになる。
「走一……」
「真美がああいうが、あんな感じの茂木を放っておく訳には行かない。あんな感じで何考えてる茂木を放って置いたら、絶対間違った道を歩んでしまう。その前に止める必要がある…」
「…なら、私がなつきちゃんを止めるよ。じゃなきゃなつきちゃん…ずっと暗闇にさ迷うままだよ!」
「…分かった。取り合えず今は俺達だけだ。もしかしたら道郎達にも手伝ってもらう必要があるかも知れない。これだけの事情、俺達だけじゃ無理だ」
「うん…分かった」
そう言って走一達は自分達のクラスに戻り、この事は取り合えず伏せておくのだった。
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そして早朝、珍しく早く起きた走一はリビングに下りて来て、あくびしながらすでに起きている泰三と恵子、そして琢磨に言う。
「おはよう…父さん、母さん、そして琢磨さんもおはようございます」
「おはよう走一…」
「おはよう走一」
「やあ走一君。おはよう。走一君。ちょっと外を見に行ってごらん」
琢磨がそん事に走一は首を傾げ、それに外を見に行く、そして外に出て、目の前の光景に走一は思わず目を開く。
何とそこにはブローしたはずのワンビアがそこに居たのだ。しかも外装が変わっており、エアロパーツが装着されて、GTウイングまでもが装着されている。
ヘッドライトもリトラクタブルヘッドライトから固定式ライトに変わっていて、空気抵抗が極限に抑えられている様子だった。
そのワンビアを見た走一は思わず見る。
「わ!ワンビア!!?」
「どうだ、驚いたろう」
泰三たちが出て来て、それに走一は振り向く。
「どうしてワンビアが!? まだエンジン探してないんだよ!?」
「高校生のお前が買えるようなエンジンはねぇからな、俺が探してやったんだ。まあこれでまたお前の車が戻って来たって事だ」
そう泰三が言い、走一はワンビアに近づき、運転席を開けてはエンジンルームを開ける。すぐに今のエンジンを調べる為、そのエンジンを見る…。
「なっ!? これって…【SRコンプリートエンジン】!?」
走一がそのエンジンを見て驚愕した。ワンビアのエンジンルームに収まっていたのはSRエンジンのフルカスタマイズされたエンジン、SRコンプリートエンジンであった。
そのエンジンはそう軽々入手する事が出来ないエンジンだ。それを手に入れた泰三の人脈の広さに驚かされる。
「それに内装が若干変わってる…、メーター類が増えてる…」
「同時にロールケージも入っている。合成アップは必須だからな。それと走一」
泰三に声を掛けられた走一は泰三の方を向き、泰三はタバコを吸いながら言う。
「この車、俺がエンジンを探して、後他の追加パーツは母さんが探してくれたんだ。感謝しろよ?」
「え!?母さんが!?」
「ええ、実は私、投資をやっていてね。それが大成功してね、そのお金を使って、走一の車のパーツを購入したの。結構種類が多かったから大変だったわ」
微笑みながら笑う恵子に、走一は若干苦笑いしてしまう、恵子がまさかそんな事をしていて、走一のワンビアに提供するとは思わなかったのだ。
それには琢磨も苦笑いする。
「ははは…、まあ走一君。君がその車を操れるかは君次第だ。そのコンプリートエンジンは君が知っているコンプリートエンジンとはまた違う」
「っ…、俺の知っているエンジンとは違う…」
そのことを聞いた走一は一瞬目を向く。泰三はワンビアに近寄り、エンジンを見ながら走一に語る。
「こいつはな走一、お前をより成長させるために用意したエンジンだ。これで満足したら駄目だ。限界ギリギリまでじゃなくそれを上回る程こいつを扱って見ろ」
「…いいぜ、扱ってやる!」
走一はそう意気込みながら頷き、泰三は笑みを浮かばせながらワンビアのエンジンルームを閉じるのであった。
その後、走一は早朝から走り込みを始める事にし、秋名山に上っていた。
「(いきなりやって来たのは良いものの、うきうきが止まらなかったからやって来た。まあやって見よう)」
そう走一が意気込んでいた時だった。
ブォオオオオオオオオオン!!
するとワンビアとは別の重圧感のあるエキゾースト音が聞こえ、それに走一は振り向くと、ホテル街からの道から拓海が操るハチロクが降りて来たのだ。
それに走一はそっちに向く。
「あれ?拓海のハチロクだ」
すると拓海の走一に気づき、走一が居る路肩に止める。
拓海がハチロクから降りて来る。
「走一…、こんな朝早く何やってんだよ? って言うかワンビア直ったのか?」
「ああ、復活した様だ。新しいエンジンを載せてな、それと拓海、お前もハチロク直ったんだな?」
「あ、ああ…親父が載せ替えたって言ってたから、実際は下って見ないと分からないし…」
「俺もだ。こいつはコンプリートエンジンだから、俺も走らせて自分の感覚を掴まないと行けねぇ、どうだ拓海、いっちょ麓まで走るか?」
「え?別に構わないけど…」
それに頷いた拓海に走一はすぐさまワンビアに乗り込み、拓海も同じようにハチロクに乗り込む。
そしてエンジンを点火させて、走り出していく。
だがこの時まだ知らなかった、走一と拓海はハチロクとワンビアの新しいエンジンがどれだけ困難を極めるエンジンである事を…。
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そして美咲の喫茶店、走一達はそこ玄達と春樹達、そして亜里沙に絢美、舞人達と理央達を呼んで、ハチロクとワンビアが戻って来た事を話す。
勿論その場には翔と美咲も一緒に聞いている。
「ハチロクとワンビアが戻って来たのか!?」
「おお~!遂に秋名二台エースの復活か!!」
「それで走一、拓海、ハチロクとワンビアはどんな感じだったんだい?」
道郎と玄がそれを聞いて驚き、廉一郎がその事を問いかけて見た。
それに走一と拓海はちょっとばかり悩む表情をし、それに春樹が見る。
「どうした?何か悩みか?」
「…悩みって事になるのかね」
「俺のは…、俺の感違いなのかな? 馬力…ないんだよ」
「「「「はぁ??」」」」
拓海の言葉に思わず春樹達が声を上げる。そして走一は…。
「今のエンジン、凄いじゃじゃ馬のエンジンなんだ。扱うのも一苦労のな」
「「「「「「え??」」」」」」
走一の言葉に玄達と亜里沙と絢美が聞いて驚く。
果たして、走一と拓海が言う事にどういう意味なのだろうか…。
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