頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第113話 苦難のロンリードライバー 前編

走一と拓海が渉と小太郎にバトルの挑戦状を突きつけられて翌日、走一は学校に登校する中で、拓海が走一の後ろ姿を見て声を掛ける。

 

「走一」

 

「あ、拓海か。おはよう、どうした?」

 

「実はさ…、走一に聞きたい事があって」

 

その事に走一は少し首を傾げ、拓海の話しを聞く為に屋上に向かった、そして昨日の事を走一に話した。

 

「ええ…!? そんな事が?!」

 

「ああ、渉って奴に『お前には走り屋としての大事な物が“ぽっかり”と欠けている!!』って…、そんな事言われてもな。走一、お前この間ハチロクのエンジン見たんだよな…、どうして言ってくれなかったんだよ」

 

拓海にその事を言われ、それに申し訳が無い走一は謝る。

 

「…すまない拓海、あの時のお前はどう聞いても分からない様な感じだったんだ。あのエンジンは本来、グループAって言うツーリングカーレースが盛んだだった時にあのエンジンが使わていたんだ。何処でだが分からないが、それをストリート様にデチューンされて、今のハチロクのボンネットに収まったって事になる…」

 

「…そんな凄いエンジンだったなんて、昨日言われた事が今でも心に響いてるよ」

 

「そうだったのか…。拓海、あのエンジンは高回転で回す必要があるエンジンだ。メーター類の調達はどうなんだ?」

 

「それはさっぱりだよ…、まずメーター以前にエンジン自体がまだ分からない…、走一、知っている人いないか?」

 

その事を走一はふと思う点があった、少しばかり空を見上げながら言う。

 

「…以前琢磨さんにある人の電話番号を貰ったんだ。今日の夜その人に電話して、会いに行こう」

 

「ある人…?」

 

走一の言葉に拓海は首を傾げるだけであった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

そして学校が終わり、ガソリンスタンドでバイトする拓海とイツキ、そんな中でイツキはボーっとしていて、その様子を来ていた健二が叫ぶ。

 

「イツキ、…イツキ!!」

 

「っ!あ! 健二先輩…!」

 

「イツキ、お前何ボーっとしてんだよ?」

 

「あ、いや…その…」

 

健二に叱られるイツキは少しばかり言葉が詰まる様な感じになり、その様子を池谷がやって来て言う。

 

「さっきからずっとこうなんだよ、何だか…拓海のボケがうつっちまった様だぜ?」

 

「あの…その…っ!!」

 

言葉を詰まらせるイツキにある人物が眼に入った。それは私服姿の和美だった。和美の姿を見たイツキは思わず駆け出す。

それに池谷達はそれに見て、イツキは和美の所に行く。

 

「和美ちゃん、どうしたの?今日バイト休み?」

 

「……」

 

和美は少しばかり黙り込んだ様子でイツキはそれに見て、改めて問う。

 

「…和美ちゃん?」

 

「ごめんね。仕事中なのに…」

 

「え? いや…」

 

イツキはその事に首を横に振りながら言う。いつもと違う和美に戸惑うイツキ、すると和美が口を開く。

 

「今日、バイト何時に終わるの…?」

 

「え?」

 

「あたし、今日はもう暇だからイツキ君のバイト終わったら、会いたいなって思って…。それまでどこかで時間潰して待ってるから…」

 

和美がちょっとばかり頬を赤らめてはイツキのバイトが終わるのを待つというや、その様子を見たイツキは和美に言う。

 

「……ちょ、ちょっと待ってて!!二分!いや!一分でもいいからそこに居て!!」

 

イツキが大慌てで駆け出して行き、店内に入って祐一に向かって叫ぶ。

 

「店長!!一身上の都合により早退します!!」

 

「な!なんだー!?」

 

突然のイツキに祐一は驚き、制服姿になったイツキを拓海は見て驚く。

 

「な!イツキ!?どこ行くんだよ!?」

 

「悪いな拓海!あと頼むー!」

 

そう言ってイツキは和美の所に行き、和美を助手席に乗せてはどこかへと向かって行った。

その様子に拓海達は唖然としていて、祐一は呆れながらやって来る。

 

「しょうがねーな。まぁ、大目に見てやるか」

 

「誰だよ今の子…、イツキの新しい彼女か?」

 

「ま、そういうことになるかな」

 

池谷がそう言うと、健二が呆れたような感じになる。

 

「マジかよ…、アイツこの間フラれたばっかりだろう? もう新しい女の子かよ? ロンリードライバーはどうしたんだよ~?」

 

そう言う中で、真子と言う彼女を持つ池谷は、先輩としてイツキと和美が走り去って行く様子を優しく見守って行くのであった。

 

そう思っていると、1人の少女がそこにやって来る。

 

「こんにちは店長ー!」

 

「ん?ああ~来たか。待ってたよ」

 

「「「ん?」」」

 

拓海達は振り向くと、そこには小春が手を振りながらやって来て、それには拓海が驚くのであった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして夜、走一と拓海が秋名山の麓に来ていて、駐車場で待ち合わせしている事に拓海は問う。

 

「なあ、一体誰が来るんだ?」

 

「今に分かるよ拓海。あ、来た」

 

走一は駐車場の入り口から一台の車がやって来て、走一と拓海の前に止まる。やって来たのは蓮華のフルカスタムハチロクであり、蓮華が運転席から降りては問う。

 

「やあ走一君に拓海君♪ どうしたの~私に連絡して来て、琢磨君から連絡先を教えたって聞いたから」

 

「どうも蓮華さん。実は蓮華さんに見て欲しいものがあるんですよ」

 

「??」

 

その事に蓮華は少しばかり首を傾げ、その話しを聞いては、拓海のハチロクのボンネットの中身を見る。

 

蓮華は少しばかり拓海のエンジンを見て舌なめずりをする。

 

「…すっごい♪ このエンジン私見た事ある♪ グループAのTRDエンジン、AE101に搭載されていたレーシング仕様のカスタムエンジン。5バルブヘッドの新型で、VVTがない高回転型仕様。拓海君、これ君が見つけたの?」

 

「いえ、親父が見つけて載せたエンジンって事しか知らなくて…」

 

拓海の言葉に蓮華は笑みを見せながら言う。

 

「成程ね。このエンジンはこのハチロクに搭載するだけでもかなり戦闘力がアップするよ? 回転数を一万一千回転以上増す事で240馬力に絞り出す事が可能なの」

 

「240!?」

 

「一万一千…」

 

その事を聞いた走一と拓海は若干驚きながらエンジンを見る。自然吸気の状態でも240馬力を出す事に拓海には衝撃が走る。

 

走一はこのエンジンが一万一千回転を知り、そして拓海を見る。

 

「拓海、どうする…回転域も知った以上インパネ系を探す事が最優先だ」

 

「…ああ」

 

その事に拓海の決心は決まった。だが肝心のメーター類を何処で手に入れるか、それがまだ全く見当が付かない拓海であった。

 

 

 




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