頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第115話 バトルへの調整

学校でイツキが爆弾発言をしてから放課後、その日の夕方で、走一の自宅に電話が鳴る。

それに走一は辺りを見る。

 

「あれ?父さんがいない?珍しいな。母さんは買い物に出かけているけど…」

 

そう言って走一は受話器を取る。

 

するとその電話の相手の声を聴いて、少し目を細める。

 

「……アンタか」

 

『ああ俺だ。突然すまんな』

 

電話の相手は柳田小太郎だった。電話番号を知っている事に不思議に思わない走一は小太郎に問う。

 

「電話番号知ってたって事は、このゴーカート場の事、知ってたんだな?」

 

『ああ、あそこは電話帳にも載っているからな。実は明日渉と一緒にそっちに向かう事にしてな。アイツの妹を迎えに』

 

「え?」

 

『実はアイツの妹、仕事中にフラッと出て行ったきり朝まで帰って来なかったらしいんだ。ヤバいぜ…今渉の奴、怒りで頭が沸騰しそうな感じだぜ』

 

「(おいおい…イツキ、お前ヤバいぞ)」

 

その内容を聞いて気まずい状況になる走一、イツキがようやく恵まれた春が来たと言うのに、ここに来てまた散る事になるなんて、流石の走一も心配になって来たのだ。

 

『まあこっちの事はいいとして、こっからが本番だ。俺はお前とバトルがしたい、明日の夜時間を空けておいてくれるか? 渉と一緒にバトルをするからな。あっちの調整が済み次第バトルをするってよ、それまでお前もしっかり調整してくれよ。じゃあな』

 

そう言って電話を切り、走一は受話器を戻しながら考えた。

 

「(…拓海のインパネ関係。マジでどうにかしないと拙いぞ、俺は何時でもいいんだが拓海のメータ類は見つかっていない。どうするか…)」

 

その事を考えていた時、受話器からまた電話が鳴り、それに走一は出る。

 

「はい、あ、拓海」

 

『走一、実はこっちで渉が電話して来て…』

 

「そっちにも来たのか」

 

『え?』

 

「実はこっちも連絡が来てな…、拓海、今日の夜皆を集めよう。勿論雅人さん達や池谷先輩達をな」

 

『あ、ああ…』

 

走一はそう言って電話を切り、すぐさま道郎達や雅人達に連絡を入れるのであった。

 

 

 

そして夜、走一達は雅人達と池谷達、更には彩音達が沙耶達をも呼び、広い場所の所集まっていた。

 

「どうしたんだよ走一? 俺達を呼んで」

 

「池谷先輩、それに雅人さんや海斗さん達も…急なお呼びをしてすみません。今回俺は拓海のメーター類の事でお呼びしたんです」

 

「メーター類?」

 

「どう言う事だよ」

 

その事に雅人や海斗、そして慎太郎はその事に首を傾げ、走一は更に説明をする。

 

「拓海の新しいエンジンはレース用のTRDエンジン、その封印された回転域を解放する為にも、協力が必要なんです」

 

「「「TRDエンジン!!?」」」

 

その事に雅人達が驚きを隠せず、拓海のハチロクのボンネットを開けて見ていた。

 

「…これは驚いたもんだな。キャブレターが新型に交換している上に、マニホールドもいいのにしてある」

 

「ああ、タコ足配線もかなり考えた場所にされている上にうねりもエグい、完全なレーシング仕様だ…凄いエンジンって言ってたけど、これとは…」

 

「5バルブをベースに本格的にチューニングしている、かなり本格的な高回転型の自然吸気エンジン、確かにこれじゃあノーマルメーターじゃあ回転数不足だ」

 

雅人と海斗、慎太郎はTRDエンジンを見ては、それに少しばかり悩むような感じをし、それに池谷も腕を組んでは言う。

 

「…確かに、以前拓海がこいつにパワーがないって言った言葉に、納得いかないよな」

 

「俺達は蓮華さんから一万一千回転まで回せば、このエンジンの真の力を発揮出来ると言ってましたからね…」

 

「封印された高回転ゾーンの解放…」

 

「凄い!それ聞くだけでもわくわくする!」

 

陽毬と沙耶がそれを聞いてわくわくする中で、池谷がある事を言う。

 

「メーターを取り付ける作業なんて…そう難しい事じゃないけどな…、1つだけ引っかかる事がある…。拓海」

 

「はい?」

 

拓海は池谷の方を向くと、池谷は拓海に気になっていた事を語る。

 

「良いのか拓海? 親父さんに相談も無く、勝手にイジる事になるけど」

 

「そうだな、仮にもこれは親父さんのだろう?」

 

池谷と雅人の言葉に拓海は少し考えるような感じになるが、今の拓海は決意の目をしている。

 

「親父…何処か出かけてて留守だし、どうせ正攻法を頼んでも…素直にうんって言う人じゃないから、腹括って勝手にやるって決めたんです!明日の夜までに…どうしてもこのエンジンのパワーを使えるようにしたいんです!」

 

「…分かった、そう言う事なら、俺も全面的に協力するよ」

 

「こっちも出来るだけの協力はする、でもメーター類は確保出来るかどう分からないよ?」

 

「え?」

 

慎太郎の言葉に拓海は思わず振り向き、走一が若干冷や汗を流しながら口を開く。

 

「やっぱり当日でメーター類を確保するってのは至難の事だから…ですか?」

 

「うん、それだけ当日調達って言うのは困難を極めるんだ。俺も出来るだけ知り合いに当たって見るけど、見つかるかどうか…」

 

その事に拓海が少しばかり重苦しい表情をするが、それを池谷が拓海の肩に手を置く。

 

「そんな顔をするなって! 俺が何とか見つける。朝一にメーターを探して確保するから、お前学校が終わったらスタンドにハチロク持って来い。工具は店長に頼めば、何とか貸してくれる筈だ」

 

「ありがとうございます、池谷先輩!」

 

「何やら何まで助かります」

 

「お前等には随分と助けられてきたからな…、どうって事ないよ、これぐらい」

 

そう言っている中で、走一は彩音達に話す。

 

「それと彩音、お前等和美ちゃんと知り合いらしいな」

 

「え?どうして走一が和美ちゃんの事知ってるの?」

 

「イツキが教えてくれたんだけど、どうもちょっとまずい事になったらしい」

 

『『『え?』』』

 

その事に彩音達は思わず振り向くのだった。

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

そして翌日、朝一にメーター類を探す池谷達であったが、そう都合よく一万回転以上のメーターがある筈も無く、あっけなく撃沈されてしまう。

 

雅人達はスタンドに寄って、池谷と会う。

 

「駄目だ、知り合いに問いかけても、すぐに無理だった」

 

「こっちもだよ。そう都合よくある筈ないって言われた。…厳しいぜ」

 

「やはり無理があったんだ。当日調達なんて…、無理にもほどがある」

 

「そうか…これじゃあ拓海に会わす顔がないよ~!」

 

池谷達が愕然とする中で、祐一はそれに手を顎に載せる。

 

「やはりどこにもないか…」

 

「店長、ここ辺りないですかね…?」

 

「うん……ん? いや待てよ…ひょっとして!」

 

すると祐一が携帯電話を取り出し、ある人物に連絡をする。それは和真が居る修理工場であり、そこには政志が和真と会っていた。

 

和真の携帯に着信が鳴り、それに和真が出る。

 

「はい、ああ祐一か、どうした? …うん…うんうん…。…ああ、あるぞメーター類」

 

っとその事を聞いた祐一は思わず立ち上がる。

 

「な!何!!?あるのかよ和真!!?」

 

『実は文太に頼まれて、政志と一緒に調達し、ハチロクに着けるために用意していたんだ。レース用のタコと水温計に、後油圧計だ、それがどうしたんだ?』

 

「ちょ!ちょっと待てくれ和真!!」

 

和真を一時止める祐一は池谷達の方を見て笑みを浮かばせる。

 

「ぶった曲げたぜ池谷!お前等! 背筋がゾクゾクしてきたぞ!以前文太が言っていた封印って言うのはこれだったんだ!!」

 

「そんな…! こうも呆気なく!?」

 

「あなた方の人脈…凄まじいですね!」

 

慎太郎と海斗はその事に呟き、すぐさま和真に話す祐一。

 

「おい和真!! すぐにそのメーターこっちに寄こせ! すぐに持って来い!!」

 

『フン…その様子だと、どうやら拓海は気付いた様だな、あのエンジンに必要なメーターの事を。分かった、俺もメーターを持ってそっちに向かう』

 

そう言って電話を切る祐一達。

 

 

そして走一達は学校が終わって急いでいた。イツキは慌てて追いかけるもそれに追いつけなかった。

 

「おーい拓海!!走一達も!! 何急いでんだよ!?」

 

その事に走一達は気にもしなかったが、走一達は二手に別れる事にした。

 

「俺達は拓海と一緒にハチロクの所に行くから、彩音達は念のため自分達の車を用意しておいてくれ」

 

「分かったわ。じゃあまた後で!」

 

そう言って二手に別れる走一達、すると拓海の目の間に茂木が現れる。

 

「拓海君…」

 

「茂木、悪いけど俺、今忙しいんだ」

 

そう言って拓海は茂木を置いて行くかのように行き、それには走一達は何とも言えずにいて、そのまま走って行くのだった。

 

それには茂木はただ見つめるだけであった。

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

そしてスタンドで、ハチロクにメーター類を取り付ける作業をする拓海達、指示は和真が行っていた。

 

「よし、後はボルトで固定すれば完了だ」

 

「…よし!フゥ…、終わった」

 

拓海のハチロクにレース用のタコメーター、水温計と油圧計が装着され、本来のエンジンの性能を発揮する事が可能になった。

和真は拓海にTRDエンジンの回転数の事を問う。

 

「拓海君、君はこのエンジンの回転数は…」

 

「聞いてます、一万一千回転…それがこのエンジンの性能を引き出す為の必要な回転数だって」

 

「なら、言う必要ないな」

 

それを聞いた際にスタンドの前に二台の車が止まり、それに池谷達が振り向く。

 

「あ、あの車は…」

 

やって来たのはハチロクターボとハイパワーシルエイティで、渉と小太郎が降りてやって来て、走一と拓海が彼らの所に歩み寄り、対面する。

 

渉がハチロクの方を見て確信する。

 

「…準備は出来た様だな」

 

「なら予定通り、バトルは今夜にしよう。場所はお前等が好きな場所を選べ、何処がいい?」

 

その様子を見ていた健二が池谷に問う。

 

「やっぱり…あの時のハチロクターボとハイパワーシルエイティか?」

 

「ああ。しかもハチロクターボの男は、イツキの彼女のお兄さんだ」

 

「ええっ!?どうなってんだよ複雑…!」

 

「(…ハチロクのターボ仕様とRBエンジンスワップのシルエイティか…)」

 

「(ターボだなんて、また寿命が縮む様な物を)」

 

池谷と健二がそう言う中で、雅人と慎太郎が二台の車を見て目を細める。

 

そして走一と拓海が場所を決めて、それに頷く渉と小太郎。

 

「分かった、それでいい」

 

「それじゃあ現地で待ち合わせしよう、楽しみにしてるぜ」

 

そう言って2人はハチロクターボとハイパワーシルエイティの所に向かい、ある場所へと向かって行った。

その様子を見ていた玄達と池谷達が駆け寄る。

 

「走一!」

 

「何処でやる事になったんだ?」

 

「俺達も応援に行くからさ」

 

そして走一と拓海が玄達と池谷達にバトルの場所を教えた。

 

 

いよいよ彼らのバトルの開始が近い…。

 

 

 




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