走一と拓海が渉と小太郎とのバトルを決めてその日の夜、走一と拓海がイツキの家にやって来てたのだ。
「何だよ話しって?」
「実はなイツキ、俺達今日バトルする事になったんだ」
「うん…」
「うぇええええ!?!!ホントかよ!! っ!まさか…和美ちゃんのお兄さんと!?」
イツキは走一と拓海が言った事に驚き、そしてその相手が渉である事に気づく。
「ああ、そして俺はその友人とだ」
「それでさイツキ…一緒に来てほしいんだ。彩音達や玄達も一緒に来てくれるんだけど、イツキにも来て欲しくてさ…」
「えっ?うん…分かった」
拓海の誘いにすぐに頷くイツキ、それを聞いた走一と拓海。
「サンキュー、じゃあ後で迎えに来る」
「俺も一度家に行って両親に埼玉に向かう事を伝えに行く」
「え!?埼玉!?」
走一の話した事に驚くイツキ、そんな事を気にしない走一と拓海は車に乗り込み、自分達の自宅へ向かう。
そして走一は家で待っていた泰三に今日のバトルの事を話す。
「父さん、埼玉でバトルをしに行く。今日は遅くなるよ…」
「…そうか、何処でやるんだ?」
「『正丸峠』だ」
その事を聞いた泰三は一度目を閉じた後、タバコを携帯灰皿に捨てて言う。
「そうか…。確か琢磨君もそこに向かうと言っていたな?」
「琢磨さんが…?」
「ああ、お前達のバトルを見届けにな。まあ何はともあれ…勝って来いよ」
そう言って泰三は家へと入って行く。
その様子を見た走一は感謝して乗り込もうとすると、ワンビアの助手席前に彩音が立っていた。
「彩音。どうして此処に?」
「実はね…、お父さんが私の車のエンジンを載せ替えする為に、車を持って行っちゃってるの…、だから走一、一緒乗せて?」
「そうだったのか。分かった、行こう!」
そう言って走一は彩音を助手席に乗せて、拓海達と合流する為に向かう。
そして拓海は文太と向き合っていた。
「親父、今日俺…バトルしに行くんだ。この車にタコメーターを載せたんだ。そしてこの車の回転域が一万一千回転だって事も分かった。だから…」
拓海が言う際に、文太はタバコを捨てて、家に戻って行く際にこう言った。
「……ハチロクの限界を感じていけ。拓海」
「っ!」
「勝って来いよ」
そう言って、文太は家に入り、その様子を見届けた拓海。
「…ありがとよ、親父」
そして拓海も走一達と合流する為に向かう。
その後、合流した走一達はワンビア、ハチロク、セリカ、FTO、NSX、EG6、ランエボⅤ、180SX、ロードスター、MR-S、カプチーノの11台での大所帯で渉たちが居る場所に向かっていた。
ただし今回持って来れたのは真美のEG6のみで、凛と友梨佳は道郎と廉一郎のFTOとNSXの助手席に座っている。
勿論皆無線機を使っている。初めて使う賢一郎と舞人、理央と美央もそれに少しばかり戸惑ったが、少し扱った亜里沙がそれを教えた為、問題なく使えた。
「なあ拓海、高速を使う必要があるのかよ?」
「向こうからどこでも好きな場所を選んでいいと言われた」
「それでお前と走一は何処を選んだんだ?」
イツキがその事を問うと、走一と拓海が言う。
「相手の地元…」
「正丸峠」
「ええっ!?相手の地元!!?」
その事にイツキは驚きを隠せず、そのまま相手が待っている場所へと向かうのであった。
そして同時刻、同じ高速道路では、涼介のFCと【トヨタ・ハイエース(4代目)】二台がその後ろを付いて、そのハイエース助手席に啓介がドアに肘をついてもたれながら考えていた。
「(雅人と海斗の話しに間違いはない筈だ、藤原拓海と朝倉走一が正丸峠でハチロクとシルエイティのバトルをする)…しかし何で俺がこの車の助手席に乗らなきゃいけねえんだよ!!」
「そう言うなって、今回は大所帯だから仕方ないだろう」
「け、啓介さん。落ち着いてくださいよ!」
雅人が笑いながらそう言い、後ろに乗っていた賢太がそれを慰める。啓介が乗るハイエースに運転する雅人、賢太の隣に慎太郎、後ろに蓮華と沙耶。
もう一台のハイエースには運転は海斗で陽毬たちと英太たちが乗っていて、今日のバトルを見に来ていた。
「しかも兄貴の方には琢磨が乗ってやがって!自分の車で来いってんだ!!」
「そう怒鳴るなって、啓介」
怒る啓介を落ち着かせる雅人。
FCの車内では、琢磨が涼介に話しかける。
「まだ拓海君はエンジンの封印を解放していない。そうだろう?」
「ああ、それに以前秋名で見た際は、藤原はハチロクをコントロール出来ていなかった。だがバトルとなれば違う…」
「そう。Newエンジンのハチロクが秘密のベールを脱ぐ。そして走一君もまたNewワンビアの走りを見せる」
「フッ…二台のエンジンの進化、興味津々だ」
そう語る涼介と琢磨、彼らが走一達よりも先に正丸峠へと向かうのであった。
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そしてガソリンスタンドでは。
「ええ~!?拓海君と走一君が!?」
「正丸峠でバトルですって!?」
真子と沙雪が丁度そこに来ていて、池谷と健二の話しを聞いて驚いていた。
「ああ、ホントなら俺も応援に行きたいんだけど、俺仕事があるからな…。なあ真子ちゃん、健二と一緒に【ゴホン!】あっ、店長…」
池谷が振り向くと、そこに祐一がいたが、祐一がそっぽ向きながら言う。
「横向いてっから、その間に行ってこい」
「なっ!はい!! おい健二!直ぐに車を!!」
「お!おう!」
「ああ!待ってください!!」
「アタシ達も行く!!」
慌てて健二の180SXに乗り込み、真子と沙雪もシルエイティに乗って、正丸峠に向かった。
その様子に祐一は呆れた様子になりながらも見届けた。
「(やれやれ、俺ももう少し若かったら、仕事放り出して見に行きたかったんだがな…、仕方ない)おーい、仕事だよ」
「はーい!」
っとスタンドの制服を着た小春が祐一の指示で動き、バイトをするのであった。
♦♢♦♢
西秩父駅
走一達が渉たちとそこで待ち合わせをしていて、そこにハチロクターボとハイパワーシルエイティが待っていた。
そして走一達のワンビア達がやって来て、ハチロクターボとハイパワーシルエイティ後ろに止めて降りてくる。
渉も小太郎も降りて来て、和美もその際に一緒に下りる。
それにイツキは思わず驚く。
「か!和美ちゃん!!」
「イツキ君!」
「ど!どうして此処に!?」
「この間の事で色々あって…」
「え?」
その事にイツキは思わず唖然とする、そして渉と小太郎が走一と拓海の所にやって来ては、渉が言う。
「こっちでのバトルを選んだのはお前だからな…」
「そう言うなって、それを分かった上で選んでいる。そうだろう?」
「ええ、そうですよ」
「……」
その事に走一が答え、拓海はただそのまま見る。
「それにしても大所帯出来たな。この様子なら万が一戻らなくても最低限の足は確保は大丈夫そうだな?」
「なら思いっきりやれそうだ。すまないがお前等、和美たちの所に居てくれないか?」
「(っ!拓海…走一!)」
イツキはその会話を聞いてはただ、言葉を積もらせながら走一と拓海を見て、和美は渉と小太郎が向かう行先が正丸峠だと気づく。
「まさか兄貴、正丸峠に行くつもり!? あそこはやめた方が良いよ!!もっと別の場所にしなよ!」
「黙ってろ和美!!お前は口を挟むな!!」
「兄貴…」
「そう言う事だ和美ちゃん、こっからは口出し無用だぜ」
そう和美に言う小太郎、そして渉が走一と拓海を見ながら言う。
「今のうちに断っておくけどな。これから向かう所は狭い上に嫌になるほどトリッキーだ。一本目はパワーのある小太郎が先に引っ張って行き、その後ろを朝倉が付いてく、後で俺達が後から付いて行く。初めて走るには万が一のことがあるといけないからな。その後ポジションを入れ替え、先行がちぎるか後追いが抜くか、決着の付くまでやろう…。時間無制限のデスマッチだ…。テクニックが互角なら、他の何かなら勝負を抜くだろう」
「ほ、他の何かって…?」
イツキがその事に思わず問いかける。
「運かスタミナか、あるいはマシンとの相性か…そんな所さ」
「フッ、それじゃあ行こうぜ、向こうに着いたらハザードを点滅させて、全開で突撃する。それが合図だ!」
その言葉に走一と拓海が頷き、渉と小太郎がハチロクターボとハイパワーシルエイティに乗り込み、走一も拓海もハチロクとワンビアに乗り込んで、エンジンをスタートさせる。
点火されたエンジン、4A-GターボとRB25ターボ、SRコンプリートとTRDエンジンが唸りを上げ、ハイパワーシルエイティが先行して行き、走一のワンビアが付いて行き、ハチロクターボがその後ろ、最後に拓海のハチロクが走って行った。
その様子を見ていた彩音達と玄達。
「走一…」
「(拓海…、っ!まさか拓海と走一は和美ちゃんがいると知って、俺を!?)」
イツキは走一と拓海の気づかいに気づいて、四台が走り去って行く様子を見届けた後、彩音が和美に問う。
「ねえ和美ちゃん。正丸峠ってどんな所?」
「うんと古い旧道だよ。そんなに長くはないけど、どっちから攻めても始めは上りで途中から下りになるの」
「上りと下りのミックスコースか」
道郎がそう呟く、っが和美の話しはそれだけはなかった。
「それだけじゃないの。狭い上見通しが悪くて、昔は事後が凄く多かったらしいの。ガードレールは錆びてボロボロだし、舗装は波打ってスリップするし…。兄貴と小太郎さんはそこで二回も事故してゲンが悪いの。あんな走りづらいとこはないって言ってたのに…」
それを聞いたイツキと真美達は驚きを隠せない。
「そんな!拓海と走一は初めて走るんだぜ!?危なすぎるよ!!」
「嘘でしょ!?」
「そこに走一君と拓海君は向かったの!?」
「あいつ等も無茶するな」
「ああ…」
「度胸は買うがな…」
「勇気と無謀はちげぇだろう?」
真美と凛が驚き、賢一郎と舞人、理央と美央がそれに呟きながら言う中で、彩音が言う。
「もしかしたら、走一はそれを知って向かったのかも」
『『『??』』』
彩音の言葉に皆が振り向き、彩音は皆の方を見る。
「走一もそうだけど、拓海君も何かを試したくて、その峠を選んだのなら…このバトル、何が起こるか分からにと思わない?」
その言葉に皆は思わず口が止まり、少しばかり考えるのだった。
そしてその言葉が走一と拓海の勝利に繋がるを意味すると、この時は誰も思わなかった。
いよいよバトルが始まる、乞うご期待…(笑)
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