頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第119話 群馬最速コンビVS埼玉最速コンビ 後編

正丸峠で走一達のバトルが行われて、3本目に入ろうとしていた。

その様子に沙耶と絢美が呟く。

 

「…こんなに続くなんて」

 

「凄い耐久力…」

 

「普通なら、まずゲロ吐くぜ」

 

沙耶と絢美の後に将も呟き、その様子に涼介は言う。

 

「強い横Gを受けながら、極度の緊張状態を持続させることは…肉体的にも、精神的にも…並大抵の事じゃない。ましてやこのトリッキーなコースでだ」

 

「スタミナが勝負の別れ目でもあるが、このバトル…先に集中力が切れたら負けと言う事だ…」

 

琢磨がその事を呟きながら、このバトルの行く末を見守る。

 

 

 

そして3本目に入った走一達は最初の時と比べて違和感を感じていた。

 

「(くっ!何だ!? 最初の頃よりもずっと攻めてやがる! まるで一本目は100%じゃ無かったかのよう…っ!! くっそ!!俺としたことが! どの相手でも最初100%で走る筈がないからな!!)」

 

走一はハイパワーシルエイティが最初よりアグレッシブに攻めている事に違和感を覚えてが、すぐに小太郎が100%せめていなかった事に気づき、焦りを見せ始める。

 

そのまま頂上に上がって行き、涼介達の前を通り過ぎていく。

 

「すげぇ!あんな激しいバトルを見てるとこっちが疼くぞ!」

 

幸三がその様子を見ていい、その様子に啓介も頷く。

 

「ああ、あんな気合い入っているのを見ていると、こっちも走りたくなるぜ!」

 

一方涼介と琢磨が渉と小太郎の走りの違いに気づいていた。

 

「気づいたか?涼介」

 

「ああ、一本目とは違い、秋山と柳田の走りが違う…。やるな」

 

そして拓海もハチロクターボの走りにようやく気付き始めた。

渉と小太郎が全開で走っている事に。

 

「(何だ!?さっきの走りとは全然違う! 途轍もなく速い!余裕なんて全くない!)」

 

「(一本目は手を抜いてた訳じゃないぜ、道路の状況が分からない最初の一本は、100%では行かないと言うのが峠のセオリーだからな)」

 

「(それに相手は強烈な奴だからな。なるべく手の内を見せないのが常識! この三本目はちぎってやる!!)」

 

そう感じながら渉と小太郎は走一と拓海をちぎろうと全力で走る。

 

それを逃がさんと走る走一と拓海。しかし路面状況が悪い中でもあり、狭い道をいかに進むかの格闘をしていた。

 

「(くっ!こんなに滑るなんてな!だがな!ここで諦める訳には行かない!!)」

 

「(ここまで来たら負けたくない! 何が何でも食いついてく!! ハチロクがやっと俺の言う事を聞いてくれたんだ!)」

 

渉と小太郎に必死に食らいつく走一と拓海、今2人はこのバトルに全力で勝とうとしている。

 

「(不思議だ。拓海と一緒にここまで勝ちたいと思うなんて!)」

 

「(走一もきっとこの事を思っているに違いない。でも相手は同じハチロク同士だから勝ちたいのか?)」

 

っとそう思いながら走一と拓海は全力で走り続けた。すると拓海のみが僅かながらハチロクがアウト側に膨らみ、ガードレールギリギリに迫ってしまう。

 

「(おっと!やっべ…危機一髪、ちょっとでも気を抜いたらマジでヤバい)」

 

「拓海!どうした!」

 

「何でもない!!」

 

走一が拓海の異変に問うも、それに拓海は平気と答えた。

 

だがその時ハチロクの異変に気付く、先ほどからハチロクが妙にふらつく動きをするからだ。

 

「(それにしても、俺…疲れて来てるのか? なんかさっきからラインがブレる)」

 

拓海の言う通り、先ほどからハチロクが車体をブレながら走り、それにより拓海はようやく気付く。

 

「っ!(まさか…タイヤなのか!?こんな時に!)」

 

そう感じた拓海は一度コーナーに入ると、リアタイヤの踏ん張りが甘い事に気づいた。

 

「(後ろの踏ん張りが甘い! やっぱりリアタイヤのグリップが落ちて来ているんだ! 拙い事になった!タイヤだけはどうにも出来ない!ここまで必死にやって来たけど…クソ!こうなったら!)走一!リアタイヤのグリップが落ちて来てるんだ!もうダメかも知れない!」

 

「あ!それなら当然だろう!!」

 

「え!?」

 

走一の意外な返答に拓海は思わず声が出てしまうのだった。

そして走一は拓海にその事を言う。

 

「拓海!!パワーアップしたエンジンは馬力も上がるから! その分タイヤにダイレクトに来るんだ!! 現に俺も今タイヤが減って来ている状態なんだ!!それを感じ取れ拓海!!いいな!!」

 

「馬力が上がって…ダイレクトにタイヤに…?(っ!まさか!! さっきから前の車が離れて行かないのは…、向こうもタイヤがズルってるのか?!)」

 

そう感じた拓海はそのまま走り続け、そして反対側の入り口に到着して、180度ターンをする四台。

 

それを見た池谷達は息を呑む。

渉は拓海に4本目の合図を送り、それに頷く拓海はギアを入れて走る。それに続く走一達。

 

その様子を見た池谷達…。

 

「これで4本目か…!」

 

「とんでもない消耗戦になっちまった…」

 

「こんな消耗戦を繰り返すと、返って胃がもたないよ!」

 

「皆…」

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

そして4本目に突入した走一達、その中で渉と小太郎は前を走るハチロクとワンビアを見る。

 

「(そっちもリアタイヤがかなりキている筈だ。パワーを上げれば、その負担はダイレクトにタイヤに来る!)」

 

「(互いにパワーアップした車が同じペースで走り続ければ、似たような感じでタイヤがイカれても可笑しくない! 特に俺のは無駄にホイールスピンをしまくったせいで、リアタイヤがかなり来ている!そのために俺はドリフトじゃなくグリップ走行で走り続けているんだからな!!)」

 

渉と小太郎は前を走るハチロクとワンビアを後ろで追いかけながらその様子を見る、ハチロクとワンビアはタイヤの条件が悪くなれば悪くなるほど、その走りのキレが増して行くのが分かる。

 

「(上手いぜ!後ろから見ているとそれがよく分かる!!)」

 

「(普通の奴ならば、条件が悪くなれば悪くなるほど、慎重になってはミスをしてしまう! だがあいつ等の場合は違う…あいつ等はこの状況下でも徐々に物にして行く。だが相手は同じ人間!先にキレた負けだ!ここは我慢比べだぜ!!)」

 

そう決断した渉と小太郎はハチロクとワンビアを追いかける。

 

そして頂上に着いては涼介達の前を通り過ぎて行き、それに春樹達は息を呑む。

 

「すげぇ…あの走りを見てると、何時滑っても可笑しくないぞ?!」

 

「走一君に拓海君…凄い!」

 

そして走一達は徐々に滑るタイヤに、逆にハチロクとワンビアの限界領域を感じている。

 

「(タイヤのグリップが落ちて滑るにつれて、逆に限界領域でのこいつの事を分かりやすくしている)」

 

「(エンジンの鼓動も、それに伝わってくる…。親父!こいつの事が分かったぜ!!)」

 

そう感じる走一と拓海はそのまま走り続け、渉と小太郎はそれに付いて行く。

 

ヒール&トゥー、シフトアップ&シフトダウン、それらを繰り返す四台。そして再び入り口に戻った4台は滑りながらも180度ターンしては、小太郎が先行し、走一達も走り出していく。

 

そんな中で若干頭をボーっとする渉。

 

「(えっと…今何本目だったかな? 流石に頭の中が白っぽくなって来やがった。かなり疲れが来てる、だがそれは奴も同じ、それにこの展開になって来ると前を走るより、後ろから追いかけて来る方が精神的にキツい、ちょっとぐらいスピードに差が出ても、このコースなら追い抜きはあり得ない。見てろよ…お前がキレるまで、俺は最後まで粘ってやるぜ!!)…ふぅ」

 

一度呼吸を整える渉、その一方小太郎は焦っていた。

 

「(くっ!!まさか5本目に突入するとは…! ここまで来るともうリアタイヤがかなりヤバい! それにフロントタイヤも徐々にタレて来やがった! 絶対に負けねぇ…!!抜かさねぇ!!!)」

 

小太郎は焦りながらも必死に追い抜かれまいと、必死に耐える。

 

走一と拓海はそれにジッと見ながら、チャンスを見ていた。

 

そして土砂の所に差し掛かった際、走一と拓海は目を開きながら動いた。

 

ハチロクとワンビアがハチロクターボとハイパワーシルエイティの横に並び、それに渉と小太郎は驚く。

 

「何!?なっ! 土砂がさっきより削られてる!!」

 

「くっそ!!ブロックしようとしたが、タイヤがもう限界だ!!!」

 

渉は土砂が削られていた事に気づき、小太郎は防ごうとしたがタイヤが言う事を効かず、横の並ばされてしまった。

 

ハチロクとワンビアは土砂に突っ込みながらそのままハチロクターボとハイパワーシルエイティの横に並んでいく。

 

「ば、バカやってんじゃねえっ!!ここは追い抜きとかそう言うのはなしなんだよ!!」

 

「くっそおおおおおおっ!!!」

 

渉と小太郎が言っている間もなく、走一と拓海のハチロクとワンビアはそのまま駆け抜け、ワンビアは抜き、ハチロクは土砂の上を駆け上がっては跳ねあがり、ハチロクターボとハイパワーシルエイティの前に出では勝負を決めた。

 

それには渉と小太郎は衝撃が走る。

 

「なっ…!なんて奴等だ…!」

 

「マジかよ…!」

 

「(勝った…)」

 

「(ラッキー…)」

 

走一と拓海は少しばかり胆が冷えたかのような感じもしたが、何とか勝利を掴んだ。

その際に渉と小太郎は思う。

 

「(くそっ…。あの土砂崩れが車一台分並びで通れるよう削られていたのに気付かなかった…。俺としたことが…)」

 

「(しかし、僅かにできたあの隙間に正確に突っ込んで来れる技術…。これは驚いた…、こいつは…ケタが違い過ぎるぜ!!)」

 

そう感じた渉と小太郎は走一と拓海の神がかったセンスを感じ、笑みを浮かばすのだった。

 

 

 

そして池谷達の所で、エンジン音が静まり返ってるのを聞いてはバトルが終了したと見る。

 

「スピードを落としてる…、どうやら決着が付いた様だな」

 

「どっちだ?トレノか、レビンか…?」

 

「それともワンビアか…それともシルエイティかな?」

 

池谷、健二、沙雪が呟き、その様子に皆が見守る。

 

そして最初に見えたのがワンビアとハイパワーシルエイティ、そしてトレノとレビンだった。

 

それを見た池谷は目を開いた。

 

「ワンビア…トレノ!! 拓海と走一が勝った!!!」

 

「やりやがった!!」

 

「「やったーーー!!」」

 

それにより池谷と真子は抱き着き、健二と沙雪も同じように抱き着きながら喜び合う、っとその時沙雪は健二が抱き着いているのに気づき、一発ビンタをしたのは言うまでもなかった…。

勿論健二は「何で…(涙)」と言う。

 

 

 

勝負の結果は、走一と拓海のハチロクとワンビアの勝利へと終わった。

 

 

 

 




前回の後書きにも書いてあります通り、活動報告で春樹の愛車に付いて提案があります、どうか見て下さい。

感想と誤字、よろしくお願いします。
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