頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第123話 いろは坂へ…

秋名湖

 

 

そこにハチロクにドアのもたれながら座る拓海の姿があった、拓海はある事を考えていた。

 

拓海が考えていた事、それは以前京一に負けた事を考えてた事。

 

 

 

『エンジンブローは負けなんだがな…』

 

 

 

京一とバトルをしていた時に、エンジンが限界を超えてブロー、それによりタイヤはストップし、エンジンルームから白い煙が上がった…。

しかしその時は走一と零士のバトルもそうだった。走一もバトルの際にエンジンブローをし、同じように零士に敗北した…。

 

その事に拓海は一瞬目を見開き、拓海はある決意をし、ある人に連絡する前に走一に連絡をする為、電話ボックスの所に行く。

 

「…走一、行きたい所があるから、一緒に来てくれるか? …ありがとう、じゃあまた」

 

そして走一に連絡した後、次にある人物へと連絡する。

 

高橋家の豪邸、その部屋で涼介がある資料を作成をしていると、携帯に一本の電話が入る。

 

その電話に涼介が出る。

 

「はい」

 

「もしもし、あの…昨日の事とはちょっと別の事で…、あの…聞きたい事があるんですが」

 

その電話の開いては拓海だった。

 

拓海が涼介の電話番号を何故知っているのか、それは涼介がガソリンスタンドに寄った際に、電話番号を渡したのだ。

それのお陰で、涼介に電話が出来たのだ。

 

話しを戻して、拓海からの話しに涼介は聞く。

 

「エンペラーのチームリーダー? 須藤京一の事か」

 

「はいその…、須藤って人は何処へ行けば会えるか、分かりますか?」

 

「…京一は俺の古い知り合いだ。連絡を取ろうと思えばいつでも取れるけど」

 

拓海は京一の居場所が何処に居るかを涼介に問う。

 

「…実は俺、チャンスがあれば、もう一度その人と走ろうと思って…」

 

「そうか、何処でやる気だ?」

 

「向こうの地元に行こうと思って…」

 

その話しを聞いた涼介は拓海に教える。

 

「京一のホームコースは、日光の【いろは坂】だ。向こうでやるなら、半端じゃなく手強い相手だ」

 

「ありがとうございます。それじゃあ俺…走一と向かうので」

 

「ん?朝倉と一緒に向かうのか?」

 

「はい。走一と一緒の方が何故か安心するので。それでは」

 

そう言って拓海は電話を切り、ハチロクの方に向かうと、走一のワンビアがやって来て、拓海は振り向く。

 

ワンビアから降りて来た走一と彩音は拓海の方に行く。

 

「待たせたな」

 

「いや、こっちも今終わらせた所だったから」

 

「終わらせた?何を?」

 

「涼介さんに、いろは坂の場所を聞いたんだ」

 

っとその事に走一は思わず驚く。

 

「いろは坂!? 栃木の日光に向かうつもりだったのか!」

 

「ああ、走一もちょっと付いてくれるかな? 俺…場所は聞いても何処なのかさっぱりで…」

 

拓海のいつも通りの感じにため息を吐く走一。

 

「…分かったよ。今から向かうとしよう」

 

「ああ」

 

「じゃあ行きましょう」

 

「え?彩音も行くの?」

 

拓海は彩音も同席する事に驚き、それに少しばかり頬を膨らます彩音。

 

「何?私だっていろは坂がどんな所が見たいもん! そんな事言ってないで早く行こう!」

 

その事に彩音はワンビアの助手席に向かい、それに拓海は走一の方を見る。走一は若干諦めムードになりながら拓海を見る。

 

「一度決めた彩音は止まらんさ。それじゃあ行こう」

 

「ああ…」

 

そう言って走一達は京一が居るいろは坂へと向かう事となった。

 

そして涼介はパソコンで走一と拓海のデータを表示し、それに口角を若干上げる。

 

「(見かけに寄らず、負けん気が強いな。あえて不利な敵地に向かう発想が気に入った。そいつは速くなるためには、絶対必要な資質なんだ)」

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

いろは坂へ向かう道、ワンビアを先頭にハチロクが付いて行く際、彩音が地図を見ながら言う。

 

「ねえ、いろは坂ってなんか一本道の様な図になってるんだけど、どうして同じ道路が二本あるの?」

 

「…それは向こうに着けば、分かるさ」

 

走一はそう言って、拓海と一緒にいろは坂へと向かう。

 

そして走一の家に一本の電話が来て、それに恵子が出る。

 

「はい、朝倉です」

 

『もしもし、遠藤と言うものです。走一君の知り合いでして』

 

電話の相手は慎太郎で、それを聞いた恵子は思わず微笑みを見せる。

 

「まあ~いつもあの子と仲良くしていただきありがとうございます」

 

『いえいえ、走一君は今居りますでしょうか?』

 

「いえ、あの子はまだ帰ってきてないでよ」

 

恵子の言葉を聞いた慎太郎は耳を疑う。

 

『車で出かけたんですか? 一体何処に行ったか分かりますか?』

 

「いえ、そこまでは…もしかしたら朝帰りになるかも知れませんね」

 

『え? そこは親は何か気になるんじゃ…』

 

「まあ~あの子も18歳ですから、もし何かあった時はきちんと向き合う覚悟はありますから♪」

 

っとそれを聞いた慎太郎は思わず言葉が止まって考え込む。

 

「(えーっと…、そう言う問題じゃないと思うのですが。…言うの止めておこう)」

 

そう感じる慎太郎であった。

 

 

 

また別の所、涼介と啓介の自宅とはまた別の豪邸…とまでは言えないが、それでも豪邸に近い家でもある。そこに【如月】と書かれていた札がある。

 

そう、そこは琢磨達が住む自宅だった。

 

その自室で琢磨がある資料を見ていて、その時チャイムが鳴る。

琢磨はそれに立ち上がり、玄関の所に行き、ドアを開ける。

 

「はい…」

 

「…久しぶり、琢磨」

 

「水樹」

 

そこに居たのは、琢磨の恋人である【村上 水樹】であった。彼女は琢磨が以前プロレーサーであった事も知って、恋人を続けていたが、いつの間にかプロを辞めた琢磨に会いに来たのだ。

 

「いきなりだな水樹」

 

「いきなりじゃない、連絡ぐらいしてよ」

 

「すまん。まあ入れ…」

 

そう言って家の中に水樹を入れる琢磨、そして水樹はソファに座って言う。

 

「以前小次郎さんに言った事、覚えてる?“いつでもいいからZを見せに来てね”って、それなのに見せに来ないなんて…」

 

「すまない、俺もちょっとばかり用事があったんだ」

 

「それ、新しいチームの事でしょ?」

 

っとその事を聞いた琢磨は思わず顔を上げる。

 

「…知っていたのか?水樹」

 

「噂になってるの、高橋涼介君と貴方が新しいチームを作るって。貴方達結構有名人だって事自覚ある?」

 

「そうか…噂が早いな」

 

「もう、このくそ真面目さん。…それで琢磨、新しいチームはどうなの?貴方を破ったその朝倉君、入ってくれるの?」

 

水樹がその事を問いかけると、琢磨は口角をゆっくりと上げながら言う。

 

「勿論だ、彼の目は入る決意をしている。だが入る前に何かやるべきことがあると俺は感じたんだ」

 

「やるべき事? それ何?」

 

「それは…何かを試す事…かな」

 

そう言って琢磨はベランダに出て、夜の空を見ながらそう感じる琢磨だった。

 

 

 

 




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