頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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短めですが、どうか見て下さい。


第131話 ハチロク対SW20 中編

走一達が語っている中、拓海と小柏の方はいろは坂の下りを全力で駆け下りていく。

 

ハチロクが華麗なドリフトで曲がる際に、SW20はハチロクよりも速いドリフトで曲がって行き、その後ろを食らいついていく。

 

しかし落ち葉で少しばかり走りづらい感じだった。

 

「(やけに葉っぱの多い夜だ。おまけに風の吹き溜まりがある、載せればズバッと行く…やりにくいな。しかしこの条件じゃ先行するハチロクの方がきつい筈だ、何時何処で滑るか分からないからな)」

 

小柏がそう考える中で、先行する拓海は風の吹き溜まりがある落ち葉に走りづらく感じていた。

 

「(走りにくい…。こうなったら滑るよりこっちから滑らせていくか。早めに後ろを出して、タイヤ四つとも滑らせて行きゃあいいんだ!)」

 

拓海は自ら吹き溜まりに突っ込んで行き、四輪ドリフトをしてコーナーをクリアしていく。

 

「なっ!(なんて奴だ! 自分から吹き溜まりに…! 滑りやすい路面程ドリフトって訳か!)」

 

そうやって拓海は何度も吹き溜まりに突っ込んではドリフトしてコーナーをクリアして行き、それに追いかけていく小柏。

 

「(手強いぜ…藤原拓海、生半から仕掛けは通用しない…。となると親父が言っていたあの作戦か…)」

 

っと小柏はこのバトルが始まる前に、ある事を聞かされていた…。

 

 

 

 

 

──────

 

 

 

 

 

実はバトルが始まる前に、自宅でSW20の最終調整を行っていた。

 

「…よし!」

 

小柏はSW20の調整が終わり、エンジンルームのボンネットを閉める。

 

すると彼の父親である【小柏 健】が語り始める。

 

「いいかよく聞けカイ、相手は藤原の息子だ。もの凄いい技術を持っている筈だ。バトルに勝つには、技術+戦略が必要になってくる、藤原の息子に勝つ為の作戦を教えよう。まず相手に先行させろ」

 

「え!?気は確かかよ!? そんなバカな作戦はごめんだ! 自分より速いかも知れない奴に先行されたら、その時点で負けも同然だ!!まともに考えてたら、抜き返すなんて絶対に無理だ!!」

 

小柏は健の作戦を聞いて即座に反対した。

 

技術的に上で、速い相手を抜くのは難しいと考えるのは当然の事、しかし健は口を開く。

 

「…確かに、まともなやり方だったら無理だろう…。だからこそ戦略なんだ!」

 

健の絶対的な自信の様子に小柏は思わず見る。

 

「いろは坂には、時として“インべたの更に内側にラインが生まれる”」

 

「っ!!それをやれってのかよ!? いいのか親父!?車がどうなっても知らねぇぞ!?」

 

小柏はその事を知って健に問い詰めるも、健は鋭い眼光で小柏を見る。

 

「いいんだやれ!! 後から追い抜くのはボクシングで例えればKO勝ちだ! 誰も目もハッキリと分かる決定的な勝ち方に今回はこだわって行け」

 

「っ……」

 

「いいかカイ。仕掛けるのは中盤を過ぎてからだ、それまでは何が何でも食いついて行け!」

 

その事を聞いて、小柏は言葉を積もらせる。

 

その作戦は一体何なのかは、まだはっきりと分からないが、それはこの2人だけが知る作戦であった。

 

 

 

 

──────

 

 

 

 

そして今、その事を小柏は考えていた。

 

「(あの作戦を何処で仕掛けるか…、そのタイミングが重要だ)」

 

小柏はそう思いながら拓海を追いかけて行った。

 

そしてあるポイントである33コーナーにて、エンペラーのメンバーがいた。

 

「はい!こちら33コーナーです! エキゾースト音が大きくなってきました! もうじきこのヘアピンに来ます!!」

 

その事を琢磨達が居る所に携帯で連絡をしていた。

 

それを携帯で対応していた清次が頷く。

 

「そうか、来たら実況してくれ」

 

その事を聞いた時、琢磨と涼介が言う。

 

「…そろそろだな」

 

「ああ、始まるぞ」

 

「「え?」」

 

啓介と蓮華はそれを聞いては振り向く。

 

それと同時のスタート地点にいる走一達の所で、走一が何やら不吉な予感を感じていた。

 

「…何だこの感じ、嫌な感じがする」

 

「どうしたの走一?」

 

彩音がそれを問うも、走一はそれに何やら不吉な感じがしてならなかった。

 

それは同時にバトルを行っている拓海にも伝わっていた。

 

「(いやな感じがする…はっきりと分かんねぇけど、何か仕掛けてくる!)」

 

拓海はそれに感じつつ、コーナーを曲がって行き、それを追いかける小柏は何故か苛立っていた。

 

「(もう待てねぇ…親父、そろそろ行っていいだろう!)」

 

待てない小柏はその事に苛立っていて、そのプレッシャーを感じとる拓海は感じる。

 

「(ピリピリと伝わって来る感じがある…)何かが来る!」

 

何かを感じとる拓海は小柏が仕掛けてくる様子に警戒し、せっかちな小柏が動き始める。

 

「仕掛けるのはこの先の33コーナーだ!!」

 

小柏はそう言ってアクセルを踏んではハチロクに迫り、33コーナーに来たハチロクとSW20が見えて、エンペラーのメンバーが実況する。

 

「来ました!ハチロク先行!!」

 

その中で小柏はあるポイントを見て、目を鋭くさせる。

 

「ここだ!!」

 

シフトチェンジし、ハチロクと共にコーナーを曲がる……かと思いきや、アクセルを踏んではそのまま突っ込む。

それに拓海は驚く。

 

「っ!?」

 

「「何だ!!?」」

 

「なんだ!どうした!?」

 

エンペラーのメンバーがそれを見て驚き、それに清次が問い返す。

 

「何!?SWがインのそのまたインを付いた?! …何だと!ハチロクを抜いたのか!?」

 

それを聞いた啓介と蓮華は驚く。

 

「拓海君が!?」

 

「ハチロクが抜かれた!?」

 

「地元スペシャルか」

 

「やるじゃないか…」

 

涼介と琢磨はそれを聞いては呟き、京一は夜空を見る。

 

「やったな…小柏の奴」

 

そしてその状況をスタート地点でも伝えられた。

 

「何だって!?SWがハチロクを抜いた!? え!?33コーナーでか!?」

 

っとその事を聞いた走一達は振り向き、池谷と健二は互いに見る。

 

「聞いたか!?」

 

「キツいぞ!このバトル!!」

 

「うぅ~~!拓海~!!」

 

イツキが心配そうに拓海の名を言う。

 

「でもどうやってあのコーナーを?」

 

「抜けるスペースなんてないよね?」

 

亜里沙と沙耶がそれを問うも、それには誰も分からずにいた、このいろは坂を知る者はエンペラーのメンバーと小柏のみ、それに走一はコースの奥を見ながら拓海の勝利を信じていた。

 

 

 

 




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