頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第11話 交流戦突入 現るダウンヒラー 前編

高橋兄弟が住む豪邸、そこには高橋兄弟が操るFCやFDが駐車している。

 

その自室で涼介がPCでデータを解析しながら見ている所にドアからノックがする。

 

「入るぞ」

 

「啓介か、丁度良かった。お前に聞きたい事があったんだ」

 

「なんだ兄貴?」

 

「お前が秋名で見たハチロクとワンビアだけどな、そいつ等の速さを説明出来るか?理論的に」

 

涼介の理論説明を問いかけられた啓介は思わず気まずい状態になる。

 

「ぐっ!勘弁してくれよ。 兄貴と違ってそう言うのは苦手だからな…」

 

「フフッ、いつも言ってる様にドラテクで一番大切なのは此処だ」

 

「兄貴はバトルしながら後ろに付くだけで何でも分かっちまうからな。相手のドライバーの癖や欠点、車の馬力や足回りの仕上がりまで…兄貴の分析力はバケモノ染みてるぜ」

 

っと涼介は指を頭に当てながら言い、啓介は呆れながら言う。

 

「俺に言わせれば、何も考えずに走って、俺とため張るお前の方がよっぽどバケモノだ、お前の走りに理論が加われば理想的なドライバーなんだが…」

 

「この前負けたのは熟練度の差と俺の油断だ! 今まであんな屈辱なかったぜ…あのハチロクの中はやっぱりモンスターだ!」

 

「モンスターね…。それでワンビアの方はどうだ?」

 

「ワンビア…朝倉の方は大体説明出来る。あいつは10年前からカートをやっていて、ドラテクはそこで覚えたとの事だ、だが10年間カートをやっていた奴が、いきなり車を使ったドリフトなんて出来やしない…絶対に何やってるぜあいつ」

 

「確かにな…」

 

ハチロクの説明は出来なかったが、ワンビアの方は説明が出来た啓介。しかしそれは車の方じゃなく、走一の事を意味していた事であった。

 

「んー……謎のハチロクに、カート上がりのワンビアか…少し興味が出て来たな。…明日の交流戦、俺も行って見るか」

 

涼介はそのハチロクとワンビアに興味を示し、交流戦に行こうと決意したのだった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして土曜日、交流戦が行われる日。

 

走一達は拓海の元に行き、声を掛ける。

 

「よう拓海、いつもの眠そうな表情だな」

 

「もういいよ、そんな返答は」

 

「本当は嬉しい癖に」

 

彩音の言葉に拓海は若干照れて、に走一は若干笑いを堪えるとイツキがやって来る。

 

「拓海ーー!!遂に来たな!土曜日が!!」

 

「…何だっけ?」

 

「だぁーーーーッ!」

 

拓海のいつものボケっぷりにイツキはずっこけそうになり、それには走一達はかなり呆れていた。

彼のボケは彩音の天然ボケをかなり行っている。

 

「交流戦だよ!赤城レッドサンズとの交流戦!!ハチロク借りて見に行くって言う約束だろう!?」

 

「は?何でハチロク借りて見に行く?」

 

イツキの言葉を聞いて走一達は思わず見る。

 

「そうだよ!拓海この前ハチロクなんて知らないって言ってさ!ハチロクを持ってたんだぜ! それでそのハチロクを借りてギャラリーしに行くんだよ!」

 

「…お前絶対不幸が訪れるぞ、池谷先輩達の苦労を知らないでさ」

 

道郎がイツキのお調子者の様子を見て、思わずそう言った。

 

「それで拓海!どうなんだ!?」

 

「…ああ、その事なんだけどさ。少しややこしい事になってさ」

 

「…なーんだよ!まさか都合が悪くなったって言うんじゃないだろうな…!!?」

 

「いきなり当日になって借りられないって事もあるに決まってるだろうイツキ」

 

「うがあああああ!!それでも俺はそのハチロクでギャラリーしに行きたいんだよ~~!!!」

 

何時までもうぎゃうぎゃ言っているイツキに走一が言う中で拓海が気まずそうに言う。

 

「あ、いや…別にそう言う訳じゃ…」

 

「ドタキャンなんかして見ろ!どんな理由だろうと絶交だぞ! 俺はこの日を指折り数えてこの日を待ってたんだからな~!!!」

 

「「「うわ~…」」」

 

イツキが指折り数えをしている様子に彩音達は思わず引いてしまう。

当然その様子には走一達も若干退く。

 

「イツキ、お前少しは控えるって事を覚えろ」

 

「そうそう、それに池谷先輩達のチームに憧れてるなら、池谷先輩達の心配もしろよ。ギャラリーしに行く暇があるならな」

 

「そんなに言う事無いじゃんか~…!」

 

イツキは若干涙目で落ち込む、それには走一達はあきれてものも言えなかった。

 

 

 

そして場所が変わり藤原豆腐店、池谷がまたそこに現れた。

 

「すいませーん!厚揚げ下さい!」

 

「…またアンタか、しつこいな…」

 

文太は毎日やって来る池谷にいい加減うんざりしていた。

 

「藤原さん!今日の交流戦に…!」

 

池谷がそう言うと同時に文太は煙草に火を付け、そしてこう言った。

 

「フゥー…、行ってやれるかも知れないぜ」

 

「…え?」

 

「…行ってやれるかも知れねえと言ったんだよ。今夜秋名山に」

 

文太の言った一言に池谷は一時時間が止まってしまった。

 

「……本当ですか!!?」

 

 

グリッ!!

 

 

「ぐっ!!!つぅ~~~~!!!」

 

「おいおい大丈夫か?」

 

「ほ!本当に来てくれるんですか!?」

 

「確実とは言えねえが、今の所五分五分ぐらいの可能性がある。何時から始まるんだ?」

 

「交流戦は8時からです、タイムアタックは10時です!」

 

池谷交流戦の時間内容を文太に伝え、それを聞いた文太は静かに呟く。

 

「10時…、もし10時にハチロクが着かなかったらその時は諦めてくれ。自分達で解決してくれ」

 

「待ってますよ!藤原さん!絶対来ると信じてますから!!」

 

「絶対じゃねえ。五分五分と言った筈だ」

 

「いや!貴方はもう来てくれるつもりなんだ! チームの仲間全員で、秋名の頂上で待ってます!!」

 

池谷はそう言って店を出て、原付バイクでその場を立ち去った。

文太は若干微笑みながら煙草を吸う。

 

「(フッ、弱いんだよな…ああ言う暑い奴に。もし拓海がごねたら俺が走ろうかな…ん? おっと…いかんいかん、血が騒ぎだした)」

 

そう思いながら文太は仕事に戻るのだった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして下校中、走一達は帰りながらバイト先に向かっていると、拓海がこんな事を言い出した。

 

「明日晴れるかな…」

 

「バカバカしい事聞くなよ、日本全国カンカン照りだよ。…どっか出かけるのか?」

 

イツキがその事を問うと、拓海は平然と言う。

 

「海に行くんだ」

 

「「ん?海~~…? なぁにぃ~~~~っ!!!!」」

 

すると玄とイツキが驚いた表情で拓海に詰め寄った。

 

「羨ましい!!俺だって海に行きたいよ!!!」

 

「そうだそうだ!!この鍛え抜かれたバキバキなボディを海のギャルたちに見せてやりたいんだよ~~~!!!」

 

「玄、それは女子達に引かれるぞ」

 

玄の発言に道郎がボソッと言う。するとイツキが何かに気付いた。

 

「ん!!まさか!!女の子と行くのか!!?女の子と!!!」

 

「まあな…」

 

「誰なんだよ!!?俺の知っている女か!?可愛いか!!?おっぱいデカいかああああああっ!!!!??

 

 

 

バコンッ!!!

 

 

 

「最後のは一番余計よ……!!」

 

するとイツキの頭にどデカいハンマーを持った真美が下品な事を言ったイツキを制裁した。

それをまともに貰ったイツキは涙目で立ち上がる。

 

「イタイ……なんで林達がいるの?」

 

イツキはいつの間にかいた彩音達に振り向きながら言い、真美はそれに答える。

 

「玄が財布を落として行ったから、届けに来たのよ。…それよりも拓海君、海に行くの?誰と?」

 

「ああ…、かなり可愛い子と」

 

拓海の一言を聞いて、イツキはすぐに頭の中に思い描く、その中の人物は茂木なつきであると…。

 

「ッ!! 茂木…なつきか!」

 

「え!?」

 

「え?そうなの?」

 

「まあ、それはそれは♪」

 

イツキの言葉に真美達は驚き、拓海はそれに頷く。

 

「うん…」

 

「へぇー、そうなんだ」

 

「茂木とね…。まあ悪くないんじゃないか?」

 

「……抜け駆けって言うじゃねえかよ!?」

 

「ごめん。成り行きでお前に声かける訳には行かなったんだ。また今度な?」

 

そう言って拓海がイツキに謝りながら言うと、イツキは豪快に泣いて悔しがっていた。

 

「本気で泣くなよ…」

 

「仕方ねぇよ、イツキの場合は」

 

「そうだよね~。まあ明日も私も走一と一緒に海に行くんだもんね」

 

「彩音!」

 

「あっ…」

 

っと走一はそう言ってる中、彩音が爆弾発言をこぼしてしまった。

彩音の言葉を聞いた真美は驚きながら振り向く。

 

「ねえ彩音!それ本当なの!?」

 

「えっと、はい…」

 

「まさか…、ちょっと走一君!こっち来て!?」

 

「えっ?ちょ…」

 

走一は真美に腕を引っ張られ、それに拓海達はただ茫然としてしまう。

そして走一は真美に引っ張られた後、真美にもの凄く問い詰められていた。

 

「走一君!!まさか拓海君達と一緒に行く事になってるの!?」

 

「えっと…まあな」

 

実は今朝拓海が茂木と会話した後、茂木が「朝倉君と彩音ちゃんにも伝えておいてね?」と頼まれたらしい。

拓海はその後走一に言って、走一はそれに了解するのだった。

 

それを聞いた真美は頭を悩ませる。

 

「全くも~…!」

 

「お、おい…真美?」

 

「…もう決まってしまった以上仕方ないわ。走一君!いい?茂木には絶対油断しちゃダメよ?!何が何でも!」

 

「え?お、おい…真美、それって」

 

「いい!?絶対よ!!分かった!?」

 

「わ、分かった…」

 

真美の勢いに走一はただそれには頷く他なかった。

 

 

 

 




イツキのハチロクは2ドアに決定です。

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