頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第12話 交流戦突入 現るダウンヒラー 中編

夜、秋名の近くの喫茶店であるチームが集まっていた。

 

「どうなるかな?今日のバトル…」

 

「レッドサンズはあちこち交流戦を仕掛けて、全勝してるって言う話しだ」

 

メンバーがそう話しをする中、1人の男がある事を言う。

 

「フッ、やる前から決まっている。どうせ秋名の全敗だ。だが群馬最速はレッドサンズじゃねえ…俺達が居るこの【妙義ナイトキッズ】だ!」

 

妙義ナイトキッズを率いるリーダー【中里 毅】がチームの者達にそう言う。

彼は妙義山を拠点とするチームで、高橋兄弟と並ぶ名の知れた走り屋だった。

 

「毅さん、そろそろ行きましょう」

 

「ああ、行くか」

 

そう言ってメンバー全員は立ち上がり、喫茶店を出て駐車場に行く。

そして中里は自分の車【日産 BNR32 スカイラインGT-R V-specII(1994年式)】を見る。

 

「(早く走る事だけの目的に生まれた、純血種のサラブレッド…R32。赤城如きのロータリーに負ける訳がねえぜ!)」

 

そう思いながらR32に乗り込み、メンバー全員と共に秋名山へと向かって行く。

ナイトキッズが向かうのをガソリンスタンドで見ている祐一が見る。

 

「(すげぇな…、山はちょっとしたお祭り騒ぎだ。池谷達のチームと赤城最速のチームの交流戦は、あちこちで噂になっているからな…)」

 

祐一はそう思いながらソファに座りに、ライターに火を付けて一服する。

 

「(どっちが勝つかな…。まあ拓海のハチロクは文太のハチロクだからな。負けないだろう…俺も久々に血が騒ぐぜ!)」

 

そう思いながら祐一は微笑みを浮かばせるのであった。

 

 

 

そして秋名山頂上、池谷達は健二の180SXの周りに集まっていた。

 

「池谷…こんな大勢のギャラリー、秋名じゃ見た事無いぜ?」

 

健二は秋名のあちこちに大勢のギャラリーが居る事に絶句し、池谷はそれを冷静になりながら言う。

 

「レッドサンズが自らの力を見せつける為に集めたんだ。これで負ければ…俺達は赤っ恥だ」

 

「それよりも、さっきの話し…本当なのか?池谷」

 

「ああ!」

 

「とてもじゃないけど、信じられないぜ…そのハチロク」

 

実は先ほど池谷はチームの皆にハチロクが走ると話し、その話しを健二はにわかに信じられずにいた。

 

「噂によると、高橋啓介のFD-3Sは峠仕様のライトチューンらしいけど、それでも350馬力は軽く出てるって言う噂だ。パワーがあまりにも違い過ぎる…!」

 

「いくら下りだからって、ハチロクなんかじゃ勝負になんねぇよ!池谷お前打ちどころが悪かったんじゃねえのか!?」

 

健二を始めチーム全体がハチロクの事を評価せず、逆に心配するかのような感じに言って来る。だがそれを池谷はこう語る。

 

「ハチロクはハチロクでも、只のハチロクなんかじゃない。高橋啓介が自分で言ったんだ、『見た目はパンダトレノだけど、中身はカリッカリのモンスターマシンだ!』って…俺を信じろ、あの人は必ず来てくれる!」

 

池谷の目には強い光が宿っているのが見えていた。だがそれを健二はにわかに信じられずにいた。

 

「もし…来なかったら?」

 

「これだけ大勢のギャラリーが居るんだ。スピードスターズが逃げたなんて言われたくない。その時は…」

 

「その時は…?」

 

「…健二、チームの看板背負って死ぬ気で走ってくれ!」

 

っと池谷のとんでもない発言に健二は驚きを隠せず、冷や汗が流れ出て来る。

 

「いっ!しゃ、シャレになんねぇよ…!」

 

そう話していると、道路からはエキゾースト音が聞こえて来て、池谷達は振り向く。

 

「ん?この音は…」

 

「この音…SR20ターボのエキゾースト音だ!」

 

健二がそう言うと、道からワンビア、セリカにFTO、そしてNSXがやって来て池谷達の車の近くに止まる。

そしてワンビアから走一が降りて来て、同時に玄達や彩音達も降りて来る。

 

池谷は走一の姿を見て立ち上がる。

 

「走一…!」

 

「池谷先輩、まだ始まってませんよね?」

 

「ああ…、今回の交流戦…俺の代わりに「その事で少しお話があります」え?」

 

池谷達は走一が話しがあると聞いて振り向き、走一は池谷達にこう言った。

 

「今日の交流戦…俺が代わりに走ろうと考えてます」

 

「えっ!!?」

 

「な!何言ってんだ走一!? 相手は高橋啓介のFDだぞ!?馬力だってお前のワンビアより上だし!それに!!」

 

「あの人とは一度バトルをして、引き分け状態なんですよ。それに1週間後にここで本格的なバトルをする事になってるです」

 

走一の言葉を聞いた池谷達はまたしても驚いてしまった。なんと走一は既に啓介とは一度バトルをし、引き分け状態にしているのだ。

それを聞いて池谷はもう一度走一に問う。

 

「ほ!本当なのか走一!? さっきの話しは!?」

 

「ええ本当ですよ。さっきも言った通り1週間後ここで再戦予定の事だったんですが。池谷先輩の怪我を見ていたら自分が出なきゃなって思いまして」

 

「そ、そうなのか…!?(それが本当ならこれは願ってもない事だ!でも…!)…すまないが走一。今回は少しだけ待って貰いたいんだ」

 

「どうしてですか?」

 

その事に走一は少し気になりながら、池谷の話しを聞く。池谷からの話しではどうも今日の交流戦にはハチロク…文太が出る事になっているらしい。

池谷の話しを聞いた走一は少しばかり気になる様子になる。

 

「うーん…」

 

「どうしたの走一? 考え込んで」

 

「それって…口約束ですか?」

 

「ああ!勿論だ…!」

 

「なら来る可能性は低いですね」

 

走一の言葉に彩音達は勿論の事、池谷達は驚きを隠せずにいた。

 

「どういう事だよ!?」

 

「口約束でしょ?ならその人が来るのは限りなく低いと見るべきじゃないですか?」

 

「いや!!あの人は必ず来る!!! 五分五分とは言ったけど必ず来る!!俺には分かるんだ!!」

 

「(…駄目だ、もう自棄になってる。何言っても聞いてくれそうにないな…。こうなったらレッドサンズが来たら、俺が直接言って来る以外方法はない…)」

 

そう思っていると、下からエンジン音とエキゾースト音が聞こえてくる。

 

それに走一達や池谷達が振り向く。

 

「下から上がって来るぞ…!」

 

「ロータリーサウンドも混じってる!」

 

スピードスターズのメンバーが言うと同時に、そこからFCを先頭にレッドサンズがやって来た。

 

「レッドサンズだ!!!」

 

「高橋兄弟が来たぞ!!!」

 

「(遂に来たか…!!)」

 

池谷達が見守る中でレッドサンズが道路脇に止めて降りて来て、それにギャラリーの女子達が興奮していた。

 

その様子に彩音と凛が言う。

 

「うわ~、女性陣が興奮してる」

 

「私達…そんなには感じないけど、なんでだろうね?」

 

「それは人それぞれだよ…。でもすげぇよな。高橋兄弟の人気ぶりは」

 

「あいつ等、高崎にある大きな病院のボンボンっていう話しだぜ」

 

彩音と凛の言葉にスピードスターズのメンバーが言い、それを聞いた健二は更に暗くなる。

 

「金持ちには勝てねぇよな…。ドラテクなんて…どれだけ無駄にガソリンとタイヤの量とかで決まるようなもんだからな」

 

「あっ、僕一応自慢じゃありませんが、お金持ちです」

 

「わたくしもですわ」

 

っとその言葉に池谷達は目を大きくしながら振り向き、それに廉一郎と友梨佳は思わず引く。

その様子に走一達は何も言えずに、ただため息を吐くのだった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

一方ギャラリーをしに行く為イツキはバス停で拓海を待っていたが、一向に来ない上、時間が過ぎようとしていた。

 

「何してんだよ拓海は!!交流戦始まっちゃうよ!!! あの馬鹿…!!!あれ程念を押していたのに!!!もうお前なんて友達じゃねえよ!!!」

 

っと八つ当たりの様にバス停を蹴る、だが逆に自分が痛がってしまい、足を抑える。

 

「イテテテテ!!!もう待っても間に合わない!! 原チャリで行くしかねえ!!」

 

 

 

そして秋名山の頂上、スピードスターズとレッドサンズの説明が終えた後、走一は高橋兄弟の元に向かう。

 

「どうも」

 

「ん?よう…お前も来てたのか」

 

「君か…啓介が言っていたワンビアのドライバーとは」

 

「初めまして、朝倉走一と言います」

 

「高橋涼介だ。それで何の用だ?わざわざここに来て…」

 

涼介は走一が此処に来た理由を問いかけ、それに走一は涼介の問いに答える。

 

「実は今日のタイムアタックの件ですが、見ての通り池谷先輩は包帯にギブスを付けてます、一応代役が決まってる様ですが、もしもの時は…啓介さん、1週間早くなりますが、俺とのバトル…この日にしますか?」

 

走一の言葉を聞いた涼介と啓介は思わず驚き、それに啓介は笑みをうかばせて言う。

 

「ヘッ、良いぜ…。本当だったらハチロク相手だったら良いんだが、もしあのハチロクが来なかった場合はお前でも構わねえ!1週間早まるがお前とのケリ…此処で付けてやるぜ!」

 

「フッ、ありがとうございます。ではそのために俺は準備しておきます」

 

そう言って走一はワンビアの方に戻り、涼介は啓介の方を見る。

 

「あれがワンビアのドライバー…朝倉走一か。昨日調べたが…彼はとんでもない成績の持ち主である事が分かった」

 

「あ?とんでもない成績…?」

 

「ああ、カートで全国の大会を総なめにし、様々なタイトルを獲得していった。噂によると奴の実家はカート専門のジムカーナとサーキットの経営している所で、そこで車を動かしているとの情報も上がっているとの事だ」

 

「何だと!!?じゃああいつは!!」

 

「ああ…恐らくだが車の運転はそこで覚え、カート上がりでいきなり運転出来る理由も納得が行く…」

 

涼介は走一が運転出来る事を調べ上げ、それを啓介に伝え、啓介は走一を見て驚くのであった。

 

 

 

 

 

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