頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第13話 交流戦突入 現るダウンヒラー 後編

交流戦の当日でスピードスターズとレッドサンズの交流戦、そのフリー走行で高橋兄弟がパフォーマンスを披露していた。

 

啓介のFDがコーナーでドリフトを行い、そのドリフトパフォーマンスにはギャラリーが騒いでいる。

 

「すげぇー!高橋啓介のドリフト!」

 

「おい見ろ!」

 

ギャラリーの1人が指差すと、高橋涼介のFCがドリフトをしながら突っ込んで来て、ギャラリーはそれに驚て離れていく。

だがそれを涼介は軽々と操作して、センターラインをはみ出さないでドリフトしていく。

 

それを見ていた中里が呟く。

 

「流石高橋涼介、あいつの実力は本物だ」

 

そして涼介と啓介は同じドリフトを行い、それを同時に近づける【ツインドリフト】を行った。

 

そのツインドリフトを行った事にギャラリーはまた騒いでいた。

 

「すげぇー!!あんなに近づいているの当たってねえぞ!」

 

「あれは車を寄せ付けていく方が難しい。ドリフトをしながらスピードとラインを自由に変えられるテクがないと出来な。だがこれは単なるパフォーマンスだ、タイムを出すときの走りは違うぞ…」

 

「毅さん、詳しいですね?」

 

「フッ、当然だ…」

 

ナイトキッズのメンバーの問いに鼻で言う中里、そして啓介は頭の中はハチロクの事で頭が一杯であった。

 

「(来い…秋名の幽霊!!!)」

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

そして秋名山の頂上、レッドサンズのメンバー等が啓介のFDのタイヤと足回りを見ていた。

 

「おい、そこのレンチ取ってくれ」

 

「おう、ブースト圧のチェックを忘れるな?」

 

「分かった」

 

レッドサンズの様子を見て池谷はスピードスターズのメンバーに問う。

 

「何やってんだあいつ等?」

 

「FDのタイヤを付け替えてるんだ。今そこにワンボックスカーがあるだろう?その車に何本かタイヤを持って来ているんだ」

 

「状況によってタイヤを付け替えてるのか…本格的にやりやがって…。畜生!」

 

「…池谷。どうやらこっちも相当だぞ?」

 

「え?」

 

メンバーの言葉に池谷は振り向くと、走一のワンビアに彩音と真美と蓮一郎が懐中電灯のライトが照らさて、玄が規格外のパワーでフロントを持ち上げ、凛が様子を見て調整してくれていた。

走一は凛に状況を問う。

 

「凛、どうだ?」

 

「なんとか…よし、…よいしょっと…玄君。下ろしていいわよ」

 

凛はワンビアの下から出て来て、玄に言う。

 

「おりやぁあああああああ!!!」

 

玄は叫び声を上げながらゆっくりと下ろし、ワンビアのフロントを地面へと着かせる。

 

「フン!!フン!!おりゃあああ!!どうよ!!」

 

「…初めてお前の筋肉が役に立ったな」

 

あちこちポージングをする玄に道郎にそう言って、凛がワンビアのボンネットを開けて最終チェックをする。

 

「何だあれ…?」

 

「人間ジャッキアップだ…」

 

その光景をレッドサンズのメンバーの少しが見て唖然とし、涼介は薄っすらと口角を上げる。

 

「…面白い、あれは兎も角、あっちにも優秀なメカニックがいる様だ」

 

「おい兄貴、呑気な事言ってる場合じゃないぜ。あんな風に準備万全にされちゃこっちも溜まったもんじゃないぜ!」

 

「それも経験の内だ啓介、それにこの程度のバトルで負ける筈がないだろう」

 

「…ああ(兄貴にはああ言ったが、あの野郎はバトルとなると必ず化ける!俺には分かる…朝倉は…絶対に速い!!)」

 

啓介がそう思っている中、凛が最終調整を完了させて、ワンビアのボンネットを絞める。

 

「ふぅ…準備完了だよ走一君」

 

「ありがとう凛、…でもやっぱり気休め程度?」

 

「うん…どうやってもレストアの足回りじゃあこの1レースが限界、後の足回りに支障来たす場合があるから、その点は覚悟してね?」

 

「分かった。…でもそれも承知の上だけどな」

 

走一はそう思いながらワンビアに乗り込む、そして時間が迫って来る。

 

「おい池谷、もう10時だぞ?」

 

「ああ、分かってる…ん?」

 

池谷が来るの待っていると、何やら原付バイクの音が聞こえて来て、下からイツキが原付バイクが上がってきている。

 

「せんぱーい!池谷先輩!!」

 

「イツキ…」

 

「あれ?イツキじゃねか」

 

池谷と玄がイツキの存在に気付き、イツキは近くに原付バイクを止めて駆け寄る。

 

「た!タイムアタックは!?」

 

「これからだ」

 

「良かった!間に合った…、あの…秋名代表は?」

 

イツキがそれを聴こうとした途端、SR20ターボのエキゾーストがして、イツキがそっちの方を見ると走一のワンビアが準備万端で待機していた。

 

それを見たイツキはもしやと思い池谷の方を向くと、池谷はイツキの考えに頷く。

 

「だああああああああああああ!!」

 

イツキはそれに大慌てで駆け寄り、走一の首元を掴む。

 

「走一!!お前スピードスターズのメンバーじゃないだろう!! さっさと車から降りろ!!代表の邪魔をするんじゃない!!」

 

「黙りなさい!!!」

 

 

 

ドガンッ!!!

 

 

 

真美がイツキの頭にどデカいハンマーでどつき、イツキはそれにより涙目となる。

そして真美によって強引に引き離される。

 

イツキは真美に怒鳴る。

 

「何すんだよ!!!今回ばかりは林でも邪魔は許さねえぞ!!」

 

「うっさい!!!アンタは今回ばかり邪魔をするんじゃないの!!!」

 

真美の規格外の迫力にイツキは思わずビビってしまった、そして更に追い打ちをかける真美。

 

「いい!?イツキ君はねただ交流戦を楽しむだけしか脳がないみたいだから言うけど! これは走一君と高橋啓介さんとのバトルでもあるのよ!?」

 

「え?!なんで走一が関係あるんだよ!?」

 

「実は走一君、高橋啓介さんと一度ここでバトルをした事あるの」

 

イツキが驚く中で凛がその説明をし、イツキは凛の方を向く。

 

「そのバトルは途中までだったんだけど、1週間後にここでバトルする事になってるの。でも肝心の池谷先輩が怪我してるから、1週間切り上げて今日行う事にしたの」

 

「ま!マジで…!? でもいくら走一でも相手は高橋啓介だよ!?勝ち目はないに決まってるよ!!」

 

「馬鹿ね!アンタ走一君を見くびり過ぎ!! 走一君がレースとなったら人が変わるから。よく見てなさい」

 

真美の言葉にイツキは少々不満そうな感じになった。

 

 

そして10時近く、史浩が確認した後池谷達に言う。

 

「それじゃあタイムアタック、始めましょう」

 

「…分かった」

 

池谷が頷いたと同時に走一が啓介のFDの横にワンビアを並べる。

それを見た史浩が啓介に問う。

 

「おい啓介、いいのか?」

 

「ああ構わねえ、ようやくだな…この間の続き、しっかり白黒付けようじゃねえか!」

 

「勿論、言っときますが俺はあの時とは違いますよ?」

 

「フッ!抜かせ! その言葉…ひっくり返してやる!」

 

互いに口喧嘩のパフォーマンスを終えると同時に史浩がカウントを開始する。

 

「それじゃあ始めます!!スタート10秒前!!」

 

『ちょっと待ってくれ!こちらゴール地点だけど、たった今一般車が一台目の前を通って上がって行ったぞ。変な所ですれ違うと邪魔だし、上がりきるまで待つか?』

 

史浩が言おうとした所に無線連絡が入り、それに走一と啓介は見る。

 

「どうします?」

 

「構うかよ、此処は公道だ。一般車が通るのは当たり前だ、構わずスタートしろ!」

 

「待ってくれ!その車、車種を聞いてもらえるか?」

 

突然池谷が史浩に車種の事を聞いて来て、それに走一と啓介は振り向く。

史浩はそれを聞いて無線で問う。

 

「車の車種は分かるか?」

 

『えっと…多分リトラクタブルの車だ。多分トレノだ、ハチロクの』

 

その事を聞いた池谷と啓介、そして走一は思わず目を開く。

 

「貸せ史浩! そのハチロク何色だ!!」

 

『え?さっきから何でそんな事聞くんだ? 白黒だったよ。パンダトレノだ』

 

それを聞いた池谷の表情が明るくなる。

 

「来た…!」

 

そして同時に啓介は薄ら笑いを始める。

 

「フフフ…来やがったぜ、俺の獲物が!」

 

「おい啓介、カウントしていいのか?」

 

「カウントはまだだ! 朝倉!悪いがお前とのバトルは1週間延期だ!」

 

「分かりました。では下がりますね」

 

走一はそう言ってワンビアを下がらせ、玄達のセリカ達の横に止める。

そして走一達の元に彩音達が来る。

 

「どうしたの?」

 

「このバトルの主役が来たんだって」

 

その言葉に彩音達は驚き、走一は麓への道を見る。

 

「(啓介さんを負かしたハチロク…。一体どんな奴なんだ?)」

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして暫くしてハチロクが秋名山の頂上へとやって来て、それを見ていたギャラリーが騒ぎ出す。

 

「え?あれを待っていたのか?」

 

「どんな奴が来るかと思っていたけど、ハチロクだぞ?」

 

ギャラリーが騒ぐな中で、彩音がある事に気付く。

 

「あれ?走一…あれ」

 

「ん?あ…」

 

彩音の指差す方に走一は見ると、ハチロクの右側のドアパネルに『藤原豆腐店 自宅用』と書かれている。

 

「(…藤原豆腐店ってまさか)」

 

そしてハチロクはFDの隣に止まり、運転席から誰かが出て来た、それは拓海であった。

 

「拓海?」

 

「拓海…!」

 

「うえっ!!あいつ!?」

 

「こいつか…」

 

走一は首を傾げ、池谷とイツキは驚き、啓介は笑みを浮かばせながら見ていた。

拓海が運転席のドアを閉めた後、走一達は拓海の元に集まる。

 

「拓海!!どう言う事だ!親父さんがどうした!?」

 

「俺…親父が行けって言うから、来たんですけど…」

 

「車だけ来たって!親父さんが来てくれなかったらどうしようもねえだろう!?」

 

「え?」

 

拓海は意味が分からず首を傾げ、走一が拓海の元に近づいて様子を見る。

 

拓海の手足…、何かしら感じる物を感じ、思わず目を開く。

 

「(っ、まさか…)」

 

「おい池谷!話が違うぜ…?」

 

「ちょっと待ってください皆さん」

 

「走一?」

 

池谷は走一の言葉に振り向き、走一は拓海の方を見る。

 

「拓海…お前、ここを走った事ある?」

 

「え?まあな…。それにあの車…一度勝ってるから」

 

「(っ!?勝ってる…それじゃあ!)」

 

走一が驚く中でイツキがやって来る。

 

「ちょっとすいません、拓海!!この大馬鹿野郎!!!お前はどこまでとんまなんだ!!見ているこっちが恥ずかしくって火が出そうだぜ!!とっとと車退けろ!!タイムアタックの邪魔すんじゃねぇえよ!!」

 

「玄、ちょっとイツキを退かしてくれ」

 

「おうよ!」

 

道郎は玄にそう言って、玄はイツキを捕まえて拘束して退かす。

 

「おいやめろよ!!!こいつに叱らねえと気が済まねえ!!!」

 

「黙れっての」

 

走一の冷たい言葉に、イツキは思わずビビって黙り込む。走一は池谷の方を見て言う。

 

「池谷先輩、もしかしたら拓海は俺達が考えてる以上の人間かも知れません」

 

「え?どう言う………っ!」

 

池谷は走一の言葉を聞いてようやく納得がして、池谷は拓海の方を見る。

 

「拓海…豆腐の配達は親父さんだけじゃなくて、お前もやってるのか?」

 

「今は俺だけですよ?5()()()から」

 

「「5年前から…!?」」

 

走一と池谷はそれを聞いて驚き、そして笑みを浮かばせる。

 

「池谷先輩」

 

「ああ!やっと飲み込めたぜ拓海! この下りの代表はお前に任せた!」

 

「ええっ!?何言ってるんすか池谷先輩!!」

 

「イツキ!良いから隅っこで見物しててくれ! 頼んだぞ…拓海!」

 

イツキを退かし池谷は拓海にそう言った後、啓介たちの方を見る。

 

「待たせたな」

 

「たくぅ…時間掛り過ぎだ」

 

啓介は拓海の方を見て、走一とほぼ同じ歳だと感じ取る。

 

「朝倉とほぼ同じだな…。名は?」

 

「藤原拓海…」

 

「高橋啓介だ。同じ相手に2度は負けねえからな」

 

そう言って啓介は笑みを浮かばせ、拓海はそれにただ茫然とするのであった。

 

 

 

 

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