バトルが終わって直後、5連続ヘアピンの終盤ヘアピンである3人がその様子を見ていた。
「へぇー…あの涼介の弟、高橋啓介が負けたか。意外だな」
「まだ啓介は腕は未熟だそうそう腕は高くない。ハチロクの方が上手だった事だ、だが俺が気になるのはワンビアだ」
「俺も思ったよ、あのワンビア…かなり上手い」
そう言って3人は笑みを浮かばせながら自分達の車に向かう。
「これは…楽しみがまた一つ増えたって所かな。あのワンビア…いや、ワンビア達は俺達【如月三兄弟】が狩る!」
その事を言った長男【如月
そして彼等の車は【日産 フェアレディZ S130】と【日産 フェアレディZ Z31】と【日産 フェアレディZ Z32】が停められていた。
その彼等が走一達に何かしらある興味を示した事に走一達は気づく事は無かった。
拓海が啓介とのバトルに勝って翌日、藤原豆腐店に一台の車がやって来る。
それは祐一の車であった。
祐一は店が『本日休業』と書かれている札を見ても、その中に入り、文太に声を掛けた。
「おーい文太、居るかー?俺だー」
「ん?おおー祐一か」
奥から文太が顔を出し、そして靴を履いて文太は祐一の元に行く。
「丁度良かったぜ…。今から商工会の寄り合いがあるんだ。悪いけど乗っけてってくれや」
「…なんだよ?人をタクシー代わりにするのか?」
その事に文太は笑いながら頷き、祐一はいやいやながらも文太を乗せて送らせる。
その際、祐一は文太に昨日の出来事を話す。
「凄かったらしいじゃないか拓海は。その事で池谷達は朝から大騒ぎぜ?」
「別に凄くねぇよ。レベル低いんだろう?今のガキは」
「何が低いだ、お前が異常なんだよ」
「へっ。…まあとは言え、拓海は車の運転は好きじゃないからな」
文太の意外な言葉に祐一は思わず振り向く。
「え?そうなのか? 信じられないな…あれだけ良い腕を持っててか?」
「拓海のは車の運転=商売の手伝いなんだよ。中坊の頃からずっと無理にやらせていたからな…、どうしても楽しいってイメージが持てないんだ」
「マジかよ…。俺なんか18で免許を取った際は早く車に乗りたいってウキウキしていたからな…」
「それが普通なんだよな…、拓海はとことんドライな感じで冷めてんだよな…。でも昨日の秋名の追いかけっこで、あいつなりに感じるものがあったんじゃないかな?」
「ふーん…。そう言えばハチロクなかったな? 拓海は?」
祐一は先ほどで店にハチロクが無かった事に気付いて、文太にハチロクの事を問う。
それを文太は答える。
「なんだか拓海の奴、朝からウキウキと出かけて行ったぜ」
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その頃、走一と拓海は海に向かう際にハチロクと泰三から借りたスープラに乗って走っていた。
当然ハチロクの助手席には茂木が座っていて、度々茂木が拓海の方を見て微笑み、それに拓海も度々見てしまっている。
スープラに乗っている走一と彩音はその様子を後ろから見ていて、彩音は微笑みながら言う。
「うふふ♪ 拓海君ったら、チラチラとなつきちゃんの方を見て、分かりやすいわ♪」
「フッ…あいつらしいけどな」
そう言いながら拓海のハチロクの後を追う走一、そして海に到着して、走一達は水着に着替えた後、彩音と茂木の水着姿に走一と拓海は思わず見とれる。
何せ彩音の水着は今はやりのワンピースの水着じゃなく、ビキニの水着を着こんでいて、それと同じ様に茂木もビキニの水着だった。
すると茂木が拓海にこう言った。
「拓海君ってさ、車の運転上手だよね?」
「え?そうか…?」
「なつきね、本当は車に乗ると酔っちゃうの。だからね酔い止めの薬を持って来たんだけど、拓海君の運転だとちっとも気持ち悪ならなかったよ。こんなに長く車乗ってて、全然平気なのは初めて」
茂木の意外な事に、走一は勿論、拓海と彩音も意外そうな表情をする。
「へぇー、そんなにちょくちょく乗るのか?車」
「あ、そ…そんなしょっちゅうな訳じゃないんだけどさ、ほらお父さんの車とかでね、家族で良く出かけたりする話だよ、えへへ…」
「…そんなにか?」
走一がその事を聞いて、少し疑問を持つが、それを彩音が中断させる。
「もう走一!折角海に来たんだから楽しもうよ! ほらなつきちゃん!あそこで遊ぼう!」
「うん!」
彩音と茂木は水浴びで遊び、走一と拓海はそれをただ見つめていた。
そして走一は拓海に聞いた。
「…昨日は凄かったじゃないか拓海。お前があんなドラテクを持っていたなんてな」
「え?あ…別に大した事じゃないよ」
「何が大した事じゃないだよ。俺達カート上がりからすれば凄いドラテクだぞ?」
「そうかな…?」
拓海は自覚がない感じで語り、それには走一は若干呆れた感じになる。すると拓海はこう言った。
「でも昨日は不思議だったな…。前を走っている車がどんどん近づいて来て、気が付いたら…わくわくしながら追いかけてた」
「…今まではそんな感じは無かったと?」
「うん、今までは車の運転なんて面白いなんて、一度も無かったし、今日だって茂木を横に乗せてたら凄く楽しかった…。車の運転…段々楽しくなって来た」
「…それは良い事だ拓海、今はまだピーンと来ない感じかも知れないが、それはそれで楽しい事を探して行けば良いさ」
「…うん」
拓海は走一の言葉にただ頷くだけで、後は何も聞かなかった。
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そして場所は変わり野田修理工場、そこには走一のワンビアがリフトによって持ち上げられて、タイヤを外してキャリパーとブレーキディスク、そしてサスペンションを交換していた。
その交換を和真が行っていて、それを隣にいる道郎が問う。
「どう?父さん」
「どうだ?やっぱり泰三の息子だぜ。サスペンションのバネがかなりへたって来てるし、ショックアブソーバーも駄目だ。これがレストアしたばかりの足か? 相当使い回してるじゃねぇか。この足じゃあ今日走りに行く時点でアウトだ」
「…そう(走一…どんな走りをしたらあんな感じになるんだ? 俺も人の事言えないけど)」
道郎はそう思い込み、和真は汗を拭きとりながら言う。
「まあ、どっち道この足じゃあダメだ。今度入れる足はクスコ製の車高調整サスペンションキットとテンションロッドにアッパーマウントだ。それを入れる事によって足回りの性能が断然良くなる。
それとブレーキのはディクセル製のブレーキローターとブレーキパッド、キャリパーはエンドレス製のブレーキキャリパーを使う。そうする事で性能が格段に良くなるし、勾配のキツイ秋名での終盤で強力な武器になる」
「吸排気系は? そこの所はどうなの?」
「うん、マフラーはフジツボ製のパワーゲッターの砲弾マフラーだ。吸気系はいじらん、今使っているエアクリーナーだけでも十分だ」
そう言って和真は胸ポケットから煙草を取り出し、煙草を吸う。
そんな中で道郎は走一のワンビアを見て呟く。
「まさか走一のワンビアがここまでへばるなんて、誰が想像するんだ…」
「まぁ誰も想像しないだろうな。今度バトルをする奴…昨日文太の息子が負かした奴なんだろう?」
「うん、レッドサンズの高橋啓介さん…。昨日のバトルであの人は必ず速くなる可能性がある」
「だろうな…、負けず嫌いな奴はとことん走り込んでは、腕前を磨くからな…。んまあ!俺も久々に泰三と文太以外の車をいじるのも悪くねえしな、こうなりゃ足回りだけじゃなく、外形もカッコよくさせてやるか」
「え?今何て?って言うか外形を変えるって何さ!ちょ!!」
道郎はその事を聞いて、慌てて和真を止めるのであった。