頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第22話 拓海への挑戦状

走一のバトルが終わり、その噂は瞬く間に広がって行った。

ワンビアが啓介のFDに勝利し、秋名のハチロクと並ぶ『稲妻のワンビア』と呼ばれる感じの様に、それを聞いた走一は若干苦笑いをする。

 

「おいおい…そんな風に呼ばれてるのか?」

 

「そうだよ!!お前うらやましいぜ!!! 本来だったら俺がハチロク買って、秋名のハチロクコンビと呼ばれてぇのに!!くぅ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」

 

 

 

バコ~~~~~~~~~~~~~ン!!!

 

 

 

「やっぱり本音はそっちかい!」

 

「あでぇ~~~………」

 

真美がハンマーでイツキの頭をどつくと言ういつも通りのパターンが始まる。

すると真美がイツキにある事を語り始める。

 

「ねえ、あれ…皆に話したの?」

 

「え?ああ…、もうちょっと」

 

「何がもうちょっとよ」

 

「ん?どうかしたのか?」

 

走一たちはイツキと真美が何やら話しているのを見て問いかけ、それにイツキは顔を大きく横に振る。

 

「ううん!!!何でもないぞ!!」

 

「おい、逆に怪しいだろう」

 

道郎がそれを言うが、凛があえて言う。

 

「まあまあ、それはもうしばらくのお楽しみって事で」

 

「「「???」」」

 

その事には走一たちは首を傾げるしかなかった。

 

 

そして夜、秋名山では白のフェアレディZ S130とフェアレディZ Z31にフェアレディZ Z32が秋名山を上っていた。

Z31とZ32より古いS130は本来上りでは劣る筈が、その気配は全くなく、逆にZ31とZ32を引き離すかのように上っていく。

 

それを壮真と幸間は苦笑いをしながら追いかける。

 

「(全く…あのフェアレディ、()()()()を変えてからかなり早くなってるぜ)」

 

「(クソッ…、兄貴にはまだまだ追いつけねえぜ)」

 

そう思った2人は琢磨のS130を追いかける。

 

そして頂上に到着した三台は路肩に止まり、車から降りてはタバコを吸い始める。

琢磨は壮真と幸間に問う。

 

「お前達、かなり速くなったな。その調子だと俺を追い抜くのはそう遠くないな」

 

「へっ、何言ってやがるんだ」

 

「堂々と俺等を引き離しておいて、何が追い抜くだ。全然追い抜く感じがしねぇぜ」

 

壮真と幸間の2人からの言葉を聞いて、琢磨は薄ら笑みを浮かばせながらタバコを吸う、すると下からスキール音とエキゾースト音が聞こえ、誰かが上がってくる。

それを琢磨達は振り向くと、下から黒のR32が上がってくる。

 

黒のR32を見た琢磨は中里が来たことを見て笑みを浮かばせ、そして中里が頂上に琢磨が居るのを見て、同じように路肩に止めて中里が下りてくる。

 

「よう…まさかあんたも此処にいるとはな」

 

「中里、お前が此処にいる理由はハチロクへの挑戦するための練習か?」

 

「それもある。だが昨日のバトル…ワンビアを操るあいつに挑戦するためのな」

 

するとその事を聞いた琢磨は目線を中里の方に向き、それと同時に壮真と幸間は思わず目を合わせる。

 

「はぁ?GT-R使いが下りに挑戦? 無謀すぎるだろう」

 

「全開走行で下りを攻めたら、確実に負けるのが落ちだろう?馬鹿なのかあいつ」

 

「っ!!何だと!!!」

 

壮真と幸間の発言に怒りが込み上がる中里、しかしそれを琢磨が止める。

 

「やめろ、お前達の悪い所だぞ、相手を見下す所は」

 

「だってよ兄貴…」

 

「(なっ!兄貴だと!?)」

 

中里は壮真の言った言葉に思わず驚き、琢磨はそれに気にせずに言う。

 

「中里、お前がワンビアを狙おうが別に構わない。だがあいつをやれるのはこの俺だけだ」

 

「何…!?お前も高橋涼介と同じことを言うのか!?」

 

「俺は別に涼介と似たような感じは言ってはいない。だがあのワンビアはお前の手には終えないとの事だ」

 

琢磨はそれを言うと同時にタバコを携帯灰皿に押し付けて消す。

それを聞いた中里はますます怒りが込み上がって来て、琢磨を睨む。

 

「聞き捨てならねえな!俺がハチロク同様あいつに負ける筈がねえ! パワーはあっちの方があるが、それでもGT-Rの方が部があるじゃねぇか!」

 

「…それだけでは、あのワンビアには敵わない。よく見極めるのが重要だぞ」

 

「くっ!そこまで言われちゃあ引き下がれねぇぜ!!いい気になるのも今の内だぞ! 妙義にはこの中里が居るって事を忘れるな!フェアレディZなんてGT-Rの敵じゃないって事を思い知らせてやるぜ!!!」

 

そう言って中里はR32に乗り込んで、その場を去って行った。それを琢磨は見届けたが、それを聞いた壮真と幸間は笑った。

 

「ぷははははは!!聞いたかよおい!」

 

「ああ!【妙義にはこの中里が居るって事を忘れるな!】だってよ! あれって弱い奴の台詞だぜ!!」

 

「止めろお前達。失礼にも程がある」

 

琢磨が笑う壮真と幸間を少々叱り、琢磨は去って行った中里の方を見る。

 

「(中里毅…いずれ君も分かる筈だ。ハチロクを倒す以前に君の車の弱点に躍らせる事を…)」

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

そしてガソリンスタンドでは拓海達がバイトしている頃。

 

「おーい、池谷は知らないか?」

 

祐一が拓海達に池谷の事を聞き、それに拓海達は振り向く。

 

「池谷先輩ですか?」

 

「え?ああ~…【私は見た!断末魔の絶叫がこだまする恐怖のダウンヒル!! 池谷先輩コーナー3つで…失神事件!!!!!】の池谷先輩ならさっき配達に行きましたけど軽トラで」

 

「そうか…池谷が居ないんじゃ拓海に行ってもらうか。この伝票を届けてもらいないか?この場所に、俺の車使っていいから」

 

「あ、はい」

 

そう言って拓海は祐一の車のキーを持って伝票を届けに行った。するとそれを見ていたイツキが祐一に問う。

 

「あの…店長」

 

「ん?どうした?」

 

「その…俺も一応免許持ってるんですけど、そういう用事は池谷先輩か拓海ばっかりなんですか?」

 

イツキも同じように免許を持っている。それなのに拓海と池谷だけ用事を任せる事に若干気になる様子。しかしそれを…。

 

「それは…池谷と拓海の運転なら信用できるが、お前だと…大事な車がへこんで返って来そうだからな」

 

「へこみ!!?」

 

祐一の言葉にショックを隠せないイツキ。

 

「(くそ~!今に見てろ…!俺もハチロク買ったらメキメキと上手くなってやるからな~…!!)」

 

イツキが悔しがる中で、RB26のエンジン音が鳴り響き、そこにR32がスタンドに入ってくる。

 

「(おお!R32! かっちょええ~やっぱGT-Rはしぶいよ~!)」

 

っとイツキがそう思っている中で、イツキがリアウインドにあるステッカーが貼られていたのに気づく。そのステッカーこそ妙義ナイトキッズのステッカーだったのだ。

 

「(な!ナイトキッズ!!?)」

 

イツキがそう驚いていると、運転席から中里が降りてくる。

 

「ようアンタ…俺はナイトキッズの中里って言うんだけど、このスタンドに来ればスピードスターズのメンバーに連絡が付くって地元の奴に教えて貰って来たんだ。教えてくれ…あの有名なハチロクに会うには、いつ秋名に来れば会える!?」

 

この中里がイツキとそう聞いた時、イツキのやらかしで、大変な騒ぎになる事は予想もしなかったのだった。

 

 

 

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