ナイトキッズの交流戦、その当時にやって来た日、秋名山で一足早くやって来た走一達は頂上で回りを見ていた。
「凄いな…さっきも言ったがこんなにも集まるなんて…」
「本当に拓海の注目度が集まってるな」
道郎もその様子を見て、走一の言葉に頷く。
すると走一達の下に一台の車がやって来る。その車を見ると、健二の180SXだった。
180SXから降りてくる池谷達は走一達の下に来る。
「よう!お前等も来たか」
「どうも池谷先輩、健二先輩も。イツキ…今の気分は?」
「うう~…良くないよ~…」
イツキはどん底に落とされた様な表情をしていて、それを見た走一は池谷の方を見る。
「それで池谷先輩達から見てどう思います? これだけのギャラリー。やはりナイトキッズとのバトルが注目されてるって事ですよね?」
「ああ、俺から見てそう思う。はぁ~…イツキ、これは謝って済む程度じゃねえな…」
「え?謝る? どう言う事ですか?」
走一達は池谷の言葉を聞いて思わず振り向き、その訳を池谷は話す、実は池谷は昼間スタンドでイツキがナイトキッズに今回の騒動の事で謝ろうと思っていたらしい、元々自分がまいた原因であり、土下座すれば許してくれるだろうとそう思っていたそうだ。
だがそれを走一達は少しばかり考える。
「う~ん…イツキ、その考えはいいとは思えないな」
「え?なんで!?」
「この状況を見て見ろよ、どう考えても謝って済む問題じゃないし、一度拡散した噂は無かったことに出来ない。それにナイトキッズは…」
その続きを言おうとした時だった。
下からエキゾースト音が聞こえ、それに走一達は振り向くと、下からナイトキッズのメンバーたちがやって来て、先頭で走っていたR32が位置に付く。
それに池谷達は見る。
「こいつ等がナイトキッズ…随分と大所帯で来やがったな」
「妙義山をホームコースとしている連中ですからね、それにナイトキッズっと言ったらガラの悪い連中がうようよしているとの噂もあります」
「うぅぃいいいいいいいい!!!?ま!マジかよ!!?」
道郎の話しを聞いたイツキが衝撃が走り、それを聞いた彩音たちは生唾を思わず飲み込んだ。
「せ!先輩…! やっぱり謝るなら早い方が…」
「あ、ああ…でも」
「おい玄、時間は?」
「まだ9時15分だぞ?」
走一は玄に時間を聞いて、それに答える玄。それを聞いた池谷は頷きながらイツキや健二に言う。
「よし、こうなったらもう一度拓海を説得しに行こう!」
「「ええ~!!?」」
「拓海をですか?」
池谷の言葉にイツキと健二は驚き、走一がそれに振り向く。
「お、俺は気が乗らないな…勝ち目のないバトルに無理やり拓海を引っ張り出すのは…」
「分かんねーじゃねか!勝負はやって見なきゃ?」
「無理に決まってるよ…、冷静に考えて見りゃ分かるだろうが?相手はGT-RのR32だぞ? パワーも桁違いだし、四駆のアテーサET-Sなんだぜ?」
健二の言葉通り、R32は4WDのアテーサET-Sを搭載した車、普通に考えては勝ち目はない…そう思っているが、池谷の目はそうじゃなかった。
「俺も最初はそう思っていた…。だが此処に来てもしかしたらと思う様になった、そりゃあサーキット見たな所ならハチロクに勝ち目はない。だけど此処は“峠”だ」
「「あっ…」」
「(へぇー、池谷先輩も考える様になったじゃないですか)」
池谷の言葉にイツキと健二はその事に気が付き、走一は池谷の洞察力に関心する。
「拓海が5年間走り続けている峠なら何が起こるか分からねぇ、拓海走ればハチロクは普通のハチロクではなくなる。それこそ無限の想像力を秘めたスーパーマシンに化ける!拓海の隣に乗ったからこそ俺には分かるんだ、拓海のドライビングは俺達の常識を遥かに超えている」
「ああ~断末魔の絶叫がこだまする恐怖のダウンヒル、池谷先輩コーナー3つで失神事件?」
「だぁ!?」
その事に池谷は思わずズッコケそうになった。だが…。
バコ~~~~~~~ン!!!!
「早速調子に乗らない…!!」
「す!すみませ~ん……!」
真美にハンマーで頭をどつかれたイツキは涙目で謝る。
その様子を走一は語る。
「…まあレースをするドライバーは頭のネジが2~3個吹っ飛んでますからね。拓海はその領域を軽く超えてますよ」
「当然俺達もですが…」
「「「え…??」」」
走一達の言葉に池谷達は思わず唖然としながら振り向き、真美と凛は苦笑いしながら言う。
「ま、まあ~走一君たちはカートしている時もかなりアグレッシブな走りだったもんね~」
「うん、見ている私達は冷や冷やもんだったよ~」
「ま、マジ…?」
「って事は拓海も…? 通りで異常な訳だ、あいつのダウンヒルは」
その事に池谷は渋々納得する、だがそれを走一はある事を語る。
「でも、拓海のダウンヒルをマジかで見た者がもう1人いますよ」
「え?誰?」
彩音がの事を走一に問い、走一は少しばかり目を細めながら言う。
「これは俺だけじゃなく、玄達の他にも拓海のドライビングを間地かで目の当たりした人物がいる」
「なっ!それって!!」
走一の言葉にイツキは驚く表情をし、それに走一は頷く。
するとその事を言おうとした際、下からまた別のエキゾースト音がした。更にその中でロータリーサウンドも混じっていた。
走一達が振り向くと、下から高橋兄弟が操るFDとFCが現れ、それに走一が言う。
「赤城レッドサンズの啓介さん、彼もその内の1人って事だよ」
「出てきやがったな…、運のいいタイミングで」
涼介と啓介の登場にギャラリーが大いに盛り上がり、その場で車を止めるFCとFD、そこから涼介と啓介が降りて来て、啓介が中里の方を向く。
「どんなバトルになるか、楽しみにしてるぜ」
「見てろよ…群馬最速の男が誰か証明やる。ハチロクでもワンビアでも高橋兄弟でもない…それは俺!妙義ナイトキッズの中里毅だってな!」
「野郎…」
啓介はその言葉に苛立ちを覚えるが、涼介はその様子を鼻で笑う。
「フッ、ハチロクはまだ来ていない様だな」
「どうせいつもの【ブオオオオオン!!!】ん?」
先ほどのとは別のエキゾースト音がまたしても聞こえ、それには走一達だけじゃなく、ギャラリーたちも振り向く。
すると下から3台のフェアレディZが上がって来て、先頭にS130、Z31、Z32がやって来て、それには思わず見る。
「なんだ? 見た事ない連中だ?」
「フェアレディZ…Z32はともかくZ31やS130は古い奴を乗り回してる奴がいるなんてな~?」
その愚痴をこぼすギャラリーの中で、涼介は少しばかり笑みを浮かばせ、中里は鋭い眼つきで先頭車両のS130を見る。
そして3台のフェアレディZが路肩に止まり、その3台から琢磨、壮真、幸間の3人が降りて来て、その3人に女性陣ギャラリーが騒ぐ。
「キャアアーーー!!何あれ!!」
「涼介さんと啓介さんと同じくらいカッコいい!!」
「後でお話しを聞きに行こう!!」
っとそんな感じの様子に真美は呆れていた。
「何あれ…? 顔がイケてるからってすぐに目が行くなんてバッカじゃないの?」
「まあまあ…真美、そう口にする事じゃないよ?」
凛が真美にそう言う中で、涼介が琢磨に近寄る。
「琢磨、お前も来たか」
「ああ、どんな結果になるか楽しみにしている。頑張るんだぞ?」
「クッ!見てろよ!!」
中里はそう言いながら琢磨を睨む、そんな中で走一と道郎と廉一郎は少しばかりあの3人を見ていた。
それに彩音が問う。
「どうしたの?そんな真剣な表情をして」
「あの3人…何処かで見たような…」
「何処かで見た筈なんだ…」
「でもそれがどうしても思い出せない。何処でだろう…?」
走一達がその事を必死に思い出そうとしている中、池谷は舌打ちをしながら言う。
「チッ、こうなれば、何が何でも拓海を説得しに行くぞ!」
「お、おう…」
気が乗らない健二は自分の180SXに乗り込みエンジンを掛け、助手席に座ろうとした池谷はイツキの方を向く。
「乗れよイツキ!」
「…池谷先輩、俺此処に残ります。拓海に会わせる顔…ないから」
「…分かった。走一!イツキの事頼んだぞ!」
「分かりました」
そう言って池谷達は拓海の家へと向かうのであった。
そして時間は着々と迫ってくるのであった。