頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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ちょっと書き直しでこの回と21話に26話の会話を少しばかり変更し、ワンビアの馬力も元に戻しました。申し訳ありません。


第27話 AE86VSR32GT-R+ワンビア 前編

拓海が秋名山に到着した頃、家にいる文太の所に電話がやって来る。それに文太が取って出る。

 

「はい藤原豆腐店。おお祐一か、お前今秋名山にいるのか?一体どうなっちまってんだ~、拓海が自分から山に行きたがるなんて」

 

『ハハハ、蛙の子は蛙って言うだろう? ところで文太、今日の相手はGT-Rだ、正直な所勝ち目はあるのか?』

 

「まあな、あれには弱点はあるかな、GT-Rとは言え。GT-Rの弱点はボディの重さだ、足回りのチューンやドラテクで誤魔化しても基本性能は全く変わらねぇ、ハードなダウンヒルを続ければ必ずタイヤとブレーキがたれる。それはチューニングしたブレーキも同じだ、麓まで来る頃にはコーナーの入り口でアンダーステアと格闘している筈、勝機があるとすれば後半の突っ込み勝負って所だ」

 

『なるほどな~、だがそれまでハチロクがあのGT-Rに食いついていけるかどうかがこのバトルの鍵なんかじゃないか?』

 

祐一は今回のバトルで前半でハチロクがGT-Rについていけるかが心配していた。だがそれを文太が話す。

 

「心配ねえよ。ハチロクの足回りだけどな、少しセッティングを変えたんだ」

 

『足をか?どんな風にだ?』

 

文太の話しに祐一は問いかけ、文太はタバコに火をつけて話す。

 

「フゥー、…“アクセルオンでドアンダー”、今はそう言う足回りだ」

 

『何!!?アクセルオンでドアンダー!? 拓海の走りはドリフト何だろう!? 何考えてんだ文太!!そんな足であのGT-Rに対抗出来るのか!?』

 

「分かってねぇな祐一、腕さえありゃあ、FRはアンダーの方が踏めるんだよ。豆腐を運ぶ関係で普段は妥協したセッティングにしてあるけどな。今のハチロクのセッティングの方が全開で走れる時間が長くなるんだ。腕さえあればな、あいつなら乗りこなせるさ」

 

そう言う文太に祐一は少しばかり息を飲む、すると横からある人物達が現れる。

 

『成程な。それで和真の所にハチロクを運ばせたのか』

 

「ん?その声は泰三か?」

 

『泰三!それに恵子ちゃんに和真も!』

 

祐一は泰三たちが来たことに驚き、泰三は祐一の携帯を借りて、文太と話す。

 

『文太、和真から話しは聞いたがそのセッティングでなら別に豆腐の配達もそれで行った方が良かったんじゃないか? それならそれで拓海の腕も上がるだろう?』

 

「それだと豆腐が痛むんだ、あんまり長く踏み続けると豆腐が崩れる。だからあえて妥協したセッティングが必要だったんだ」

 

『成程な…、まあそのセッティングなら問題ないだろう、お前の息子だ、彼なら完璧に乗りこなすだろう。なんせ“ハチロクはドライバーを育てる車”だからな』

 

「俺の台詞を取るなよ…」

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

秋名山の頂上で、拓海と中里が向かい合う中、走一達もその様子を見届けていた。

 

中里は拓海の若さを見て少しばかり驚いていた。

 

「(若いな…、朝倉と同じくらいの歳じゃねぇか。免許を取ってもまだ何年も経ってねぇ、そんな奴が何であれほどのテクニックを身に着けているんだ? てっきり俺より年上の奴が出てくると思っていたのに…)」

 

そんな中で拓海はGT-Rを見る。

 

「(あれが…GT-R)」

 

それを見て拓海は祐一の言葉を思い出す。

 

 

 

 

『凄いってもんじゃないぞ、あれだけは別格だ。FRと四駆のいいとこだけ合わせたような駆動システムだからな』

 

 

 

拓海がGT-Rを見ていると、中里が拓海に話しかける。

 

「ナイトキッズの中里だ」

 

中里から話しかけられた事で前を見る拓海。

 

「お前の名は?」

 

「藤原拓海」

 

「覚えておくぜその名前…。早速始めるとするぞ!」

 

中里の言葉に両者は車に乗り込む。それと同時に走一もワンビアに乗り込んでエンジンを掛け、それを見た彩音たちが振り向く。

 

「あれ?走一、何やってるの?」

 

「後追いで、拓海の走りを見るの」

 

「それじゃあ私も一緒に!「すまない、その席は譲ってほしい」え?」

 

彩音の後ろから涼介と啓介がやって来て、走一のワンビアの所に行き、啓介が後ろの席に座る。

 

「何で俺がこいつの後ろなんだよ…」

 

「仕方ないだろう。今回は我慢しろ、すまないがよろしく頼む」

 

「了解です」

 

涼介は助手席に座って、走一は4点シートベルトを付ける。彩音がそれを見て走一に問う。

 

「どういう事?走一」

 

「実はさっき涼介さんに今回のバトルを観察する為、俺のワンビアで追走してほしいんだって。まあ俺も最初からそのつもりだったけどな」

 

走一はそう言ってエンジンを温める、それを聞いた道郎と廉一郎が走一達に無線機を渡す。

 

「ほら走一、無線機で状況を伝えてくれ。後涼介さんたちもどうぞ」

 

「何だこりゃ?」

 

「僕と友梨佳の実家が経営している会社の共同開発の無線機です、今の無線機より最新式ですよ」

 

「ほう…それは面白いな。ありがたく使わせてもらおう」

 

そう言って走一と涼介達は無線機を耳に着け、シートベルトを付ける。

 

そんな中でスピードスターズのメンバーたちが準備を済ませ、無線で知らせる。

 

『こちらゴール地点、一般車の通行はないぞ。いつでもOKだ』

 

それを聞いた健二が池谷に言う。

 

「池谷、何時でも行けるぜ」

 

「よし…、それじゃあカウント始めるぞ!スタート10秒前!!」

 

池谷の合図によりハチロクとGT-Rはエンジンをふかして、発進の時を待つ。

 

「頑張れよ!!拓海~~~!!!」

 

イツキは興奮し、武者震いを高ぶらせている中で、走一も同じようにエンジンをふかして発進の時を待つ。

 

そしてスタートの時が来る。

 

「5秒前!!4!3!2!1!GO!!!!!」

 

池谷の合図と同時に両車がスタートダッシュをし、一瞬だけ並ぶがすぐにR32が前に出る。

 

「32が先だ!!」

 

「でも拓海だって遅れてねぇぜ!!」

 

そう池谷がそう言うと同時に、走一のワンビアがハチロクとGT-Rが来たと同時に発進して、2台の後ろを後追いする。

 

それを見たギャラリーたちが騒ぎ出す。

 

「なんだ!?ワンビアが飛び出していったぞ!?」

 

「これはスピードスターズ対ナイトキッズ戦だろう?どうしてだ」

 

「もしかして三台の後ろを追走する気なのか!?」

 

「やべぇ!俺達も行こうぜ!!」

 

「やめとけって…。追いつかないのが目に見えてる」

 

ギャラリーがそれを見て騒いでいる中、彩音たちが無線機を使って、走一達に連絡を取る。

 

『ねえ走一!そっちはどうなの!?』

 

「こっちは良好だよ。ただ…」

 

走一は目の前を走るハチロクとGT-Rを見て、少しばかり引っ掛かりを感じる。

 

それはGT-Rの後ろを走っている拓海も同じことを感じていた。

 

「(GT-Rのドライバー…ちゃんと踏んでないな? 俺を待ってるのか?)」

 

中里はアクセルをちゃんと踏んでおらず、逆にハチロクを待っているかのようだった。

それは中里はある目的があったからだ。

 

「(ストレートでちぎったら勿体ねぇだろう、俺はバトルがしたいんだよ。本当のバトルはコーナーに入ってからだ!)」

 

中里の狙いには涼介と啓介も気づいていた。

 

「中里の奴、アクセル緩めてハチロクを待ってるぜ?」

 

「その余裕が、後半で命取りにならなければいいがな…」

 

「同感ですね」

 

そう言って走一もハチロクの後ろをついていく。

 

 

そして第一コーナーが間もなくやって来るのであった。

 

 

 

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