頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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この作品を久々に更新させます。まあ亀更新ですが。


第28話 AE86VSR32GT-R+ワンビア 中編

拓海と中里のバトルが始まり、走一が涼介と啓介を乗せてその後ろを後追いしている。

 

そして第一コーナーにて、拓海達のハチロクにR32、そしてワンビアがやって来る。

やって来る三台に、中継人が叫ぶ。

 

「こ!こちら第一コーナー!三台並んで突っ込んでくるぞ!!」

 

そして第一コーナーに入った瞬間、R32はグリップ走行で入り込み、ハチロクとワンビアはドリフト走行で突っ込んでいく。

だがハチロクはもの凄いスピードでドリフトしていき、それには走一は思わず目を開く。

 

「(っ!)」

 

そしてその様子を祐一達も見ていた。

 

「(すげぇ! 文太の言った通りじゃねぇか!)」

 

「フッ、流石だな…」

 

っと泰三もそれを見て呟く。

 

「はぁ?!何だありゃ!」

 

一方中里はバックミラーでその様子を見て、信じられないような眼をする。

 

「ふざけやがって…! あんなオーバーアクションなカニ走りで、この俺に付いてこられる訳がねぇぜ!」

 

中里はそう言ってR32のスピードを上げて行き、拓海もハチロクのスピードを上げていく。

走一も二台に付いて行く為スピードを上げて行き、そして次のコーナーに入る。

 

R32は強力なブレーキを使い、スピードを落としてはコーナーにグリップ走行で進入し、ハチロクはドリフトでコーナーに入っていく。

 

ハチロクはガードレールギリギリの距離でコーナーを抜けて行き、それに後ろから付いて行く走一のワンビア。

そして隣にいる涼介は呟く。

 

「こうして近くで見てみると、まるで芸術だな…あのドリフトは。ほとんどカウンターを当てない全開の四輪ドリフト、あれがどれだけ凄いか分かるか?啓介、奴はハチロクと言う車を限界領域で、まるで自分の手足の様にコントロール出来るんだ。俺もあそこまではFCをコントロール出来ていない。感動的だな…」

 

「…それでもじりじりと中里に離される。このバトル…勝てないのか」

 

啓介は徐々に離されて行くハチロクの様子を見て呟く、走一はそれを気にもせずにその後を追いかけ続ける。

 

そして中里はその状態の中で、何か興奮するかのような感じに包まれていた。

 

「(これだ!この感じ…! 全身の血が沸騰した様なこのハイテンション…!これこそバトルだ! とことん突っ走るぜ!何処まで付いてこられる!!)」

 

そう言って中里は更にスピードを上げて突っ走っていく。

 

そんな中で拓海はハチロクの奇妙な異変に気付き始めていた。

 

「(…違う、何か違う…車の感じ。踏んでも車が乱れない…? 今までより…ワンテンポ早く踏める。バイト行っている間に親父の奴…いじったのか? そうか…出かけてたのはこの為だったのか、よく分かんねぇけど…これはこれでいい感じだ、流れ過ぎないから…思い切って踏んでいける!!)」

 

すると拓海は先ほどのドリフトよりオーバーアクションのドリフトをし始め、更にはそのままドリフトをしながら突っ切る様子にギャラリーたちは歓声を上げていた。

 

「うおおおおおおおおおお!!!何だあのドリフト!!」

 

「すげぇ!!あんなドリフト見た事ない!!」

 

「やべぇ!!こっちまで興奮してきた~~!!!」

 

そしてその後ろで見ていた走一達。

 

「ここを流しっぱなしで抜ける奴は、初めて見たな…!」

 

「異常だぜ! 余程スピードが載ってねぇと出来ねぇぜあんな事!」

 

「…そうか、道郎の親父さんの工場にハチロクが運ばれていたのは、この為だったのか」

 

「あ?どういう意味だよ?」

 

走一の言葉に涼介と啓介は見て、走一は答える。

 

「実は昼間、道郎の親父さんの修理工場に拓海のハチロクが運ばれていたんです。丁度俺のワンビアもこの日の為に調整をしていたんですけどね、そこには丁度道郎の親父さんがそれを調整していて、その際に足回りの事を聞いたんです。どう言った調整をしているんですかって、そしたらこう言ったんですよ。『アクセルオンでドアンダー』って」

 

「な!?アクセルオンでドアンダー!? ふざけてんのか!?」

 

「(…成程な、確かにその設定ならば、あの様な芸当も出来るのもそうか)」

 

啓介が走一の言葉を聞いて驚く中、涼介はその言葉に納得するかの様な仕草をする。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして頂上では彩音達が無線機で走一達の会話を聞いていた。

 

それと同時に近くで聞いていた池谷達は驚いていた。

 

「あ!アクセルオンでドアンダー!?」

 

「それってFRで行けるのかよ!? 普通そんな状態じゃより滑ってしまうんじゃないか!?」

 

「それはまずないですね。FRのドリフト中は基本的にアンダーステアですから、ドラテクがあれば乗りこなす事が可能ですから」

 

「そういう問題かよ!?」

 

池谷達が驚く中で、道郎がそう説明し、それにイツキがツッコミを入れる。

それには凛と友梨佳は苦笑いしていた。

 

すると玄はこう言いだす。

 

「しかしアクセルオンでドアンダーか~、俺のセリカもその設定にしてくれたらドリフト出来るのによ?」

 

「それはちょっと難しいね、玄のはドリフトとグリップの中間走行だから、それをやっても大して変わらないと思うよ?」

 

そう廉一郎は玄に言う。

 

「はぁ?それは無いだろう!」

 

バコン!!

 

「アンタの場合はそこでしょうが!」

 

っと真美が何時ものようにハンマーで玄を黙らせる。

すると凛がある事を言う。

 

「でも一応考えたら、廉一郎君はNSXでしょう? ミッドシップの車だし、上手くすればドリフトは可能だよね? それによく考えればセリカの4WDも上手くすればドリフトは出来るよね?」

 

「うん、でも僕のはタイヤを消耗しないグリップ走行で走りたいからね、そこはちょっと譲れないな~」

 

「おいおい、廉一郎はもうちょっと冒険をした方がいいぞ、NSXのドリフト走行は俺達もちょっとは見てみたいな」

 

「あははは…」

 

道郎の言葉に廉一郎は苦笑いをする。

そして池谷と健二はその話しを聞いて納得する、あの時店に文太が居なかった理由を。

 

「成程な…、拓海の親父さんがハチロクに乗って何処か出かけていたのはその事だったのか」

 

「それにしてもやっぱり拓海の親父さんはよく考えてるな~。やっぱり凄いぜ」

 

 

 

 

一方、走一は拓海と中里のバトルを近場で見ていて、徐々に中里のR32が拓海のハチロクを離していく。

 

「ジリジリと離されていくぜ…!」

 

「デカい口叩くだけあって、上手いな、中里は…。上手く荷重を掛けて、アンダーを殺しながら走っている。GT-Rのパワーを生かした走りだな、面白みがないけど、無駄がない分隙が無い」

 

「おい兄貴! のんきな事言ってる場合じゃないだろう! あいつが負けたら元もこうもないぜ!」

 

啓介は冗談じゃない涼介の言葉に反論するが、それを涼介は笑みを浮かばせる。

 

「フッ、勝負はまだここからだ。そうだろう朝倉?」

 

「ええ、勿論。この秋名の道の前半は勾配が緩やかで、ストレートが多めです。最初は拓海のハチロクの不利な条件が多いですがね、ですが後半になればダウンヒルの腕前が披露されます。拓海の快進撃はそこからです」

 

走一はそう話し、啓介はそれに疑問を持ちつつも、前を走るハチロクを見る。

 

するとハチロクが突如姿が消えて、それに啓介は驚く。

 

「っ!(すげぇ!目が付いて行かね…! フッ!いよいよ本気出してキレ始めた様だな…、イン側の溝にタイヤを引っかけ始めやがった!)」

 

そう、拓海はコースのイン側の溝にタイヤを引っかけ、溝落としをして素早いコーナリングを披露し始めたのだ。

溝落としを再び見た啓介は、その技術の高さに目が釘付けとなっていた。

 

「(これかぁ…俺はこの技に負けたんだ。改めてこうして拝めるとは思っていなかったぜ!)」

 

「…」

 

走一は突如言葉が止まり、運転に集中し始めた。それにより涼介は横眼で見ていて、啓介はそれを目を見開く。

 

「(こいつ…喋らなくなった。喋る余裕がなくなったって事か。ヘッ、まさかこいつもこんなマジな顔を見られるとは思っていなかったぜ!)」

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

秋名スケートリング前のストレートで、R32が先行し、中里が一度バックミラーを見た瞬間だった。

 

ハチロクが突如コーナーから出て来て、徐々に追いついてくる様子が見れる。

 

「(なっ!近づいている!? ハチロクが追いついてくる!? 馬鹿な…!)」

 

ハチロクの他に、その背後にはワンビアが食いつくかのように着いて行き、走一は真剣な目で追いかけている。

 

そしてR32がコーナーに入り、アンダーを出さない様荷重を掛け、ハチロクはドリフトで素早いコーナリングをしながらクリアしていく。

ワンビアもそのコーナーをドリフトでクリアしていき、その様子を感じた中里はハンドルを握りしめる。

 

「(上等だぜ! そこまでやられちゃ!ハチロクが10年前の車だって言う意識はこれで完全に吹っ飛んだ! 一級品の戦闘力を持った良いマシンじゃねぇか!)」

 

中里はギアを上げて、アクセルを踏み、加速していくGT-R。

 

「(遠慮はしねぇぞ!ゾクゾクするぐらい嬉しいぜ! こんな燃えるバトルはこの車に乗り換えてから初めてだ!!)」

 

そう思いながら中里はR32を操り、猛烈にダウンヒルを攻めて行った。

それを拓海のハチロクはドリフトでコーナーに突っ込み、コーナーで差を詰めるも、立ち上がりでまた引き離されてしまう。

 

ワンビアはその様子を後ろから見ていて、走一は呟く。

 

「…低速からの立ち上がりはR32が有利」

 

「あ?」

 

啓介が走一が呟いた事に振り向き、涼介はそれに横目で見る。

 

「ハチロクが突っ込みで食いついても、また差が開く…。GT-Rのトラクションはとても優秀だから、ハチロクはそれに付いていくことは出来ない。中里さんも良い根性してるよ、ヘビー級のGT-Rでこのダウンヒルを攻めてるんですから」

 

「…ああ、俺も思うよ(俺が思っている事はこいつも同じって事だな。このバトル…どうなる?)」

 

そう思う啓介は走一が運転するワンビアでその様子を追いかけ続けるのであった。

 

 

 

 

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