頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第33話 新たなバトルの予感

祐一と和真の話しをしている頃、走一達は喫茶店で昨日の事を話していた。当然車は走一達の車である。彩音達の車は今回乗って来なかった。

彩音は走一の言葉に納得する表情をする。

 

「へー、そんな事があったんだ」

 

「ああ、そうなんだよ」

 

「それにしても、拓海君はイツキ君のハチロクをそこまで操る事が出来るなんて、一体どんな感じで動かしているんだろう?」

 

凛はノーマルのイツキのハチロクを考えながら語り、それに真美は頷きながら言う。

 

「そうね、拓海君は凄いって思うけど、なんせイツキ君のハチロクだもん」

 

「真美…君も随分と言うね…」

 

廉一郎は真美の発言に若干苦笑いしながら言う。

 

すると走一はある事を思い出しながら言う。

 

「そうだ…、実はイツキが今度女の子を連れてドライブに行こうって言いだしたんだけどさ」

 

「そうだったな? でもよ、イツキがそう言うけど肝心の女はどうすんだあいつ?」

 

「…俺達は凛達が居るから良いんだけど、イツキはね…」

 

っと走一達男性陣は少しばかり考える。それに彩音達が若干少し照れながら言う。

 

「…ちょっと、私達を連れて行くって本当?」

 

「ああ、彩音達も良いだろう?」

 

「それは…別にいいけど」

 

「でもちょっと待って? まさか拓海君も行くって事は、茂木も一緒に行くって事?」

 

真美がその事を聞いて走一に問い、それに走一は若干考えながら答える。

 

「う~ん…どうだろうな、まあ拓海の事だから多分行くんじゃないか?」

 

「…私、遠慮しよっかな」

 

っと真美がそんな事を言い出し、それに玄は言い出す。

 

「おいおい真美、そんな事言うなって、折角皆と一緒に楽しむって言うんだからよ。もっと加わろうぜ?」

 

「うっさい」

 

真美は何やら頑なに拒否する様子、そんな様子を見て、走一は問う。

 

「真美、お前どうも茂木と関わる事になると不機嫌な様子になるってどういう事なんだ?」

 

「…その事はあんまり話したくない」

 

そう言う真美、こうなると真美は絶対に揺るがない。そう言う事は走一達は良く知っている。

だから一度こうなると真美は梃子でも動かない。

 

それに走一は若干ため息を吐く。

 

すると凛が道郎にあの事を話す。

 

「ねえ道郎、昨日の事話した方がいいかな?」

 

「昨日…? あ、そうだ…走一にも話した方が良いな」

 

「ん?どうかしたか?」

 

道郎と凛の話しに走一は問い、道郎はある事を言う。

 

「実は昨日、父さんの修理工場でナイトキッズの中里さんのR32が運ばれてきたんだ。その後父さんと中里さんが何やら話している様子が見れたんだよ」

 

「え?中里さんが…?」

 

その言葉に走一は少しばかり考える、あの中里が和真と話している様子から見て、少しばかり対応策を考えなければならないと判断する。

 

「…これは、少しばかり対策を考えなきゃな」

 

「え?どうして?」

 

「あの中里さんが道郎の親父さんから何かアドバイスを貰っているとすれば、俺があの人とバトルして勝つ見込みが低くなる。タイヤの使い方を覚えたりしたら、間違いなくヤバい。タイヤを上手く使いつつ、GT-Rのパワーを存分に使って加速していく様子は完全に俺のワンビアを超えてしまう。そうなると勝ち目がないな…」

 

「ええ~…じゃあどうするの?」

 

彩音がそう聞くと、走一は少しばかり考えて、そして口を開く。

 

「…仕方ない。背に腹は代えられない。道郎、俺等のバイト先の弁慶さんに解体の車からターボキットがあるか聞いてくれ。もしかしたらレースで使用していた車がある筈」

 

「成程…今付いているターボではパワー不足って事か」

 

「ああ、本来260馬力の方が安定が良いんだが、今回はちょっと馬力を増やそう。出来たら今支流にあるHKSの方がいいんだが…、後冷却性能を上げる為にラジエーターとインタークーラーの交換も必要だ」

 

「それは出方次第かな? まあその事は伝えておく。社長がどう言うか分からないけど」

 

そう言って道郎は公衆電話の所に行き、弁慶に連絡を入れる。

今度のバトルは走一にとってちょっとばかり手こずる相手になるかも知れない、そう思う走一であった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

そして場所が変わって高速道路のサービスエリア、そこに史浩が自分の車にもたれながら缶ジュースを飲んでいると、そこに黄色FDがやって来た。

やって来たのは啓介のFD、史浩は啓介に問う。

 

「涼介は?」

 

「兄貴か? 兄貴は部屋に閉じこもって、毎日パソコンと睨めっこだ。何がたのしいんだが…データで早くなる走り屋なんて、群馬中探しても兄貴だけだろうな…」

 

啓介は自宅にいる涼介の愚痴を呟きながら史浩に言う。涼介は現在パソコンでハチロクとワンビアのデータを調べている所だった。

前回ハチロクと共に乗ったワンビアのデータを解析し、勝つためにデータを模索している。ただし、ワンビアはあくまで個人の見解であり、これは後に琢磨に渡す予定である事は啓介たちが知る事はない。

 

そんな事を知らず、啓介はある事を史浩に問う。

 

「…なあ史浩、もし兄貴が秋名のハチロクと稲妻のワンビアとバトルしたら、どうなる?」

 

「どうなるって…、涼介が負ける訳ないだろう。この前のバトルで秋名のハチロクはもう丸裸だ。あらゆるデータは涼介の頭の中にインプットしている筈だ。それにワンビアの方もこの間上席して貰ったと言え、間地かで見せて貰ったテクニックを見て、涼介はそれを既に模索している筈」

 

「…兄貴程車を知り尽くしている走り屋は他にはいない、テクニックも桁違いだし、俺には兄貴が負けるなんて考えられない」

 

「だったら…」

 

その事を聞いた史浩は啓介に問うも、啓介は意外な事を言う。

 

「でも、あのハチロクとワンビアも負ける気がしない…」

 

「え?」

 

「惚れ惚れするようなハチロクのハイスピードドリフト、そして可憐なフットワークとテクニックを持つワンビア…。あいつ等も桁違いだ、俺もFR使いとして、あいつ等の走りにほれ込んでしまったのかも知れない」

 

「啓介…」

 

史浩は啓介の言葉にただ見つめ、啓介はタバコを置きの灰皿に捨てる。

 

「兄貴がやれば必ずどちらかが負ける、兄貴には負けて欲しくない。だがあのハチロクとワンビアが負ける所は何故か見たくない…、妙な気分だぜ」

 

「それは無いと思うぜ?」

 

っと別の人物の声に啓介と史浩が振り向くと、そこにはタバコを吸っていた如月壮真が居た。

壮真が居る事に啓介は驚く。

 

「お前!いつの間に!?」

 

「あのワンビア…あれは兄貴の獲物だしな、高橋涼介の獲物にはならない」

 

「何!?」

 

「ハチロクは高橋涼介の獲物、ワンビアは兄貴の獲物だ。どっちが勝つかは見たいが、それもたま見ものだがな…」

 

そう言って壮真はタバコを捨てて潰し、自身のフェアレディZ31に乗って、その場を去って行き、啓介はそれを見届けるのだった。

 

 

 

 

そして夜、秋名の喫茶店の方で健二とスピードスターズのメンバーの者が共に階段を下りていくと、そこに一台の赤いEG6がやって来る。

 

それに健二が呟く。

 

「今入って行った車…ナイトキッズのステッカーを張ってたぞ?」

 

「いかにも走り屋らしい足だったな?」

 

「ああ、車の揺れ方を見てると、足イジッてある車は外から見ても一発で分かるよ」

 

「うん、しかしナイトキッズの連中、ここ最近秋名でよく見かけるよな? 何しに来てんだ?」

 

その事に健二は自身の180SXに乗り、エンジンを掛けながら言う。

 

「う~ん…まあ、リーダー格の中里が負けたんだから…、リターンマッチを挑む奴なんていないと思うけどな」

 

そう言って健二は180SXを走らせ、喫茶店を後にした。そして入れ違いに喫茶店に入って行った2人組の男、そこにあの赤いEG6に乗っていた【庄司 慎吾】が椅子に座りながら語る。

 

「それにしてもいいザマだ、毅の奴、ハチロクに負けたとなっちゃチーム内でもデケェ面出来ねーだろうよ」

 

「しかし慎吾、スピードスターズのハチロク、だいぶ若い奴が乗っているらしいけど?」

 

「へっ、どんなガキか知らねぇが、俺がそのハチロクを負かしゃ、俺と毅の立場は逆転する。ナイトキッズ最速は俺って事になるだろうよ」

 

「やる気か?慎吾、お前の下りの速さは認めるけど、向こうも半端じゃなさそうだぜ?」

 

ナイトキッズのメンバーがその事を慎吾にそう言うも、何故か慎吾は自身満々で言う。

 

「まともにやっても俺なら互角にやれるけどよ、それじゃあつまんねぇからな。100%勝てる面白いアイデアがあるんだよ」

 

「っぷえ!?」

 

っと水を飲んでいたその人物は思わず吹き出し、それに構わず慎吾が語り続ける。

 

「まあ見てな…、感動的にデンジャラスなダウンヒルを拝ませてやるから、下りのスペシャリストは俺一人で十分だ…それにもうハチロクの時代は終わってる、谷底にでも突き落として解体屋送りにしてやる…」

 

「……」

 

その事にナイトキッズのメンバーは唖然とし、慎吾は不敵な笑みをしながらライターでタバコに火をつける。

 

「群馬エリアのダウンヒル最速は…このナイトキッズの庄司慎吾だ」

 

っと何やらまたよからぬバトルがある事を、走一達はまだ知る良しもなかった…。

 

 

 

 




忘れてましたが、彩音のCR-Xの色は赤、真美と凛のEG6の色は青と黄色、友梨佳のプジョーは白です。

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