頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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しげの秀一氏の最新作【昴と彗星】の連載開始を記念して、この作品を更新します。


第34話 デンジャラスなEG6

夜、秋名山では池谷のS13のドラテクの練習が行われていた。

 

集まっているのは池谷達三人組だけじゃなく、玄や道郎たちが集まっていて、各自車を止めて池谷の練習風景を見る。

 

今現在池谷は180度サイドターンで、リアの滑りを感じ取り、何度もサイドを滑らせるコツを掴もうとしていた。

そして華麗なサイドターンを決めて、それに興奮するイツキ。

 

「くぅ~~!カッコいいっすよ先輩!!」

 

「上手くなったじゃないですか」

 

道郎がサイドターンが上手くなっている池谷の様子を見て言い、池谷も運転席から顔を出してくる。

 

「サイドでケツを出すコツが、かなり分かって来たぞ~。ステアとのタイミングがきもなんだよな~」

 

「ドリフトのきっかけ作りにサイドブレーキを引くってのもありなんだな~」

 

健二がそう言うと道郎が言う。

 

「最初は皆そんなもんですよ。俺達も最初はそんなもんでした。まあ走一の場合はちょっと違いますがね」

 

「そうなのか? でも池谷先輩、俺拓海の横に乗ったけど、あいつサイドブレーキなんて、一回も引かなかったっすよ?」

 

「拓海のはフットブレーキだけで荷重を起こすハイテクニックなんだよ。あそこまで行くにはまだまだ長い道のりがあるんだ、そうだよな?道郎」

 

池谷がその事を道郎に問うと、道郎はそれに頷きながら言う。

 

「ええそうです、拓海は勿論、走一のドラテクもフットブレーキでアンダーを発生させることが出来るハイテクニックです、因みにですが池谷先輩達が出口よりでリアを滑らせていたあの技は【パワースライド】と言いまして、ドリフトとはちょっと違う初歩的な奴で、無理矢理にリアをスライドさせているものなんです。本当のドリフトって言うのはコーナーに進入しながら滑らせ、出口よりでは抑えながら立ち上がるんです。その方が速いですし、見た目がとてもいいです」

 

「成程な~、道郎も結構詳しいな?」

 

健二がその事に呟くと、凛がその事に付いて言う。

 

「道郎、走一君と渡り合えるくらいのドラテクを持ってますので。でもやっぱり走一君の方がずば抜けていたんで、道郎…その事に今でもちょっと悔しがってるんです」

 

「凛…それ言うなよ」

 

少しばかり嫌そうな顔をする道郎、それにイツキは面白がろうとした時に、真美のハンマーが上がる。

 

「ちょっとイツキ君。何してるのかな~?」

 

「あ、いや…その。すいません…」

 

その様子に道郎や凛、そして健二は苦笑いする中で、健二は池谷の様子を見て言う。

 

「俺もやってみようかな?サイドスピン」

 

「おお~!なんかわくわくしますね!」

 

「イツキは駄目だ」

 

っと即座に却下する道郎にイツキは思わずムキになる。

 

「何でだよ!?」

 

「お前はまだ基本動作の初歩も進んでいないんだ。いきなりやって、はいドガン!ってクラッシュさせる訳には行かないからな、それに何処かしら玄と似ている」

 

「おっ?そうか?」

 

その事に玄は首を傾げ、イツキはとても悔しそうにするも、事実である為何も言えなかった。

 

そして池谷はある事を言う。

 

「それじゃあコツ掴んだから、次のステップに行くよ。今度は直線でなく、低速コーナーのスピンに挑戦してくる」

 

「俺もすぐに後から向かいます、対向車には気を付けて下さいね?」

 

「ああ!」

 

道郎の言葉に頷く池谷はそう言ってS13を走らせていき、道郎は直ぐにFTOの所に向かいエンジンを掛ける、そして凛に向かって言う。

 

「凛、悪いけどイツキの指導を頼む。お前なら十分に教えられるから」

 

「うん、分かった」

 

そう言って道郎は池谷の後を追いかけて行き、アクセルを踏んで加速していく。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

S13を走らせる池谷はコーナーに進入すると同時にサイドブレーキを引いてスピンを発生させ、コーナーを滑らせながら入り、出口よりでなるべく抑えながら立ち上がった。

 

それでもふらつくS13を支えつつ、峠を下っていくS13。

池谷はS13を運転しながら考えていた。

 

「(車を思い通りに動かすのは…本当に簡単じゃねぇな。拓海や走一達の様になりたいぜ…)」

 

池谷は心の中で羨ましがっていた、5年間秋名山を走り続けて磨き上げた拓海のドラテク、そして2年だけだがカートで実力をつけている走一、どれも実力者揃いばかり、池谷にとってはとても羨ましいものばかりである。

 

「(もしくは拓海を俺の車に乗せて走らせ、それで体験出来れば一番いいんだが…。もしくは俺が走一のワンビアに乗って、それを間地かで体験出来ればいい手もありと言えば在りか…)」

 

そう池谷が思っていると、池谷の後ろから何かが近づいて来て、バックミラーからライトの反射で気づく。

 

池谷もそれに気づいてバックミラーを見る。

 

「(気が付かなかった…いつの間に? 道郎のFTO…? いや違う…あいつの車にしては少しばかりエンジン音が違い過ぎる…)クソッ!」

 

池谷はアクセルを踏んでスピードを上げて行き、後ろから追いかけてくる車もスピードを上げて追いかける。

 

そしてコーナーを入っては出て、スピードを上げようとした時に、相手からバンパーを突かれてしまった。

 

「っ!!バンパー突きやがった!? ざけんな!そこまでやられちゃ余計譲りたくねぇえな!! 抜けるもんなら抜いてみろ!!!」

 

 

 

そしてFTOに乗る道郎は池谷の後を追いかけていた。

 

「池谷先輩、一体何処にいるんだ? …ん?」

 

道郎は池谷のS13の姿を見えたと思ったら、誰かとバトルをしている様子が見られる。それに道郎はその後ろを走っている車を見て、目を細める。

後ろに走っている車は赤のEG6だった。

 

「(後ろの走っている車…、凛と真美のEG6の色違いな奴か? 何であんな車が池谷先輩のS13とバトルを?)」

 

そう思っていると、コーナーに入る直前、後ろのEG6が池谷のS13にアタックし、それに池谷のS13はスピンしてしまった。

 

「うわあああああああああああああああああああああ!!!!」

 

「池谷先輩!!!」

 

池谷は上手くスピンして壁との衝突を避けて、道郎のFTOがその場で止めて池谷に駆け寄る。

 

「池谷先輩!大丈夫ですか!?」

 

「だ、大丈夫だ…」

 

そう言って池谷はEG6の方を見ると、EG6は一旦止めてはいたものの、すぐにその場を走り去っていった。

 

それを見た道郎は少しばかり怒りを覚える。

 

「あいつ…わざとだな!?」

 

そう言って道郎はFTOに乗り、EG6の後を追いかけて行った。

 

「道郎!!」

 

池谷もすぐに車線を戻し、道郎の後を追いかけるのだった。

 

道郎は池谷が当てられた事に怒りを覚えつつも、冷静を保ちながらEG6を追いかける。

 

「(あいつ、一体何が目的なんだ…!?)」

 

そしてEG6がコーナーに入って、FTOもコーナーに突入し、左足ブレーキを使いながら高速でコーナーを抜けていく。

コーナーを抜けた際、道郎は相手のドラテクが自分と同じ左足ブレーキを使っている事に気づく。

 

「(あいつ、俺と同じ左足ブレーキを使っているのか!? あれはFF使いとしては相当な腕前じゃないと使いない技なのに、それを使えるって事は相手はかなりの腕前って事になる。これは池谷先輩じゃ勝てないぞ!?)」

 

道郎はそう思う中、池谷は道郎達に全く付いていけない事に愕然としていた。

 

「(くっ!全く追いつけない…なんて事だよ。悔しいぜ…)」

 

池谷がそう思う中、道郎は赤いEG6と激しいバトルを繰り広げていた。

 

「(あいつ…、この辺りでは見かけない奴だ。一体何処の奴だ?)」

 

そう思いながら道郎はEG6に攻めて行こうとした時、タイヤが妙にズレ始めた事に気が付き、若干アンダー気味になっていた。

 

「(っ!タイヤが! これ以上は無理だな…。仕方ない…悔しいがここまでだ)」

 

道郎はスピードを落とし、これ以上の攻めは出来ないと判断し、内心悔しがっていた。

立ち去っていく赤いEG6を見て、道郎は思う。

 

「(俺と同じ左足ブレーキを使うドライバー、一体何者なんだ…? これは走一に報告だな)」

 

そう思いながら路肩にFTOを止めて、道郎は降りて去って行ったEG6を見るのだった。

 

そこに池谷のS13が来る。

 

「道郎!!さっきの奴は!?」

 

「去って行きました。こっちのタイヤがヤバかったので無理は出来ませんでした…」

 

「ぅ…そうか」

 

池谷も道郎の見る方向を見て、EG6を見るのだった。

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

そして翌日、この事を走一に報告する道郎、走一はそれを聞いて少しばかり考える。

 

「うーん…道郎と同じ左足ブレーキを使うドライバーか…。それはそれでやるなそのドライバー。それで池谷先輩のS13は?」

 

「問題ない、何とかスピンの練習をしていたから衝突は逃れたよ。それにしてもあんなクレイジーなドライバーが居るとは、そいつ一体何なんだ?」

 

道郎の言葉に走一は考える。

 

そのドライバーは一体何の目的でやって来ているのか、それが何なのかまだ分からない。

 

中里とのバトルの前に不穏な空気が漂わせているのを、感じずにはいられない走一であった。

 

 

 

 

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