走一が道郎から赤いEG6の話しを聞いている頃、拓海達の方でもその話題で持ち切りだった。
「ほう?道郎と同じテクニックを使うEG6か」
「ええ、俺も道郎から聞いて驚きましたよ本当に。でも昨日は本当に頭にキました!」
池谷は昨日ぶつけられてスピンし、危うくクラッシュされそうになったのに怒りを覚え、拳を握りしめながら祐一に言う。
それに対しイツキは言葉を言う。
「ええ~? もしかしたらそれは違うかも知れませんよ? コーナーの途中でブレーキを踏むなんてしょっちゅうですし」
「あのなイツキ…。お前の低レベルの様な考えじゃないんだよ。道郎と同じもの凄いスピードで下りのコーナーをクリアしていったんだぞ、そのEG6は」
「…それって、真美と凛と同じ車?」
「おうそうだ」
拓海がEG6の車が真美と凛と同じ車だと聞き、それに頷く池谷。
それに納得する拓海は少しまだ分からない様子で言う。
「でも、何で左足でブレーキを踏むんですか?」
「ああ、それはEG6は勿論、彩音ちゃんのCR-Xや友梨佳ちゃんのプジョーも関わっている事だが、それらの車は全てFF、前輪駆動が大きく関係しているだからだよ。限界領域での姿勢制御に左足ブレーキを踏む、FFはアクセルを開けるとアンダーだから、右足はアクセル踏んだままラインをはらませない様に左足でブレーキ踏んで、リアの荷重を抜くハイテクニックだよ。道郎はそれを使える実力者って事だから、その赤いEG6のドライバーも相当なレベルだぞ」
祐一はそれを拓海に教え、拓海はまだ若干分からないが、何となく頷く。
だが池谷はそれでも怒りが収まらなかった。
「確かにかなりのレベルでしたけど…でもあいつ、丁度サイドでスピンする練習した後だったから、上手くぶつけられずに逃げる事は出来たけど、S13がまた入院する所だった。今度会ったら只じゃおかなぞ、あの赤いEG6!」
池谷はそう心の中で決めるのだった。
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そして翌日、走一は和真の修理工場に行き、ワンビアの状態を確認していた。
「和真さん。俺のワンビアはどうですか?」
「ああ、君が持ち込んでくれたHKS製のターボチャージャー、それを組み込む際にラジエーターにインタークーラーの増設も行ったよ。後はシャシーダイナモで計測しながらパワーの出具合を確かめるだけ、恐らく私の見込みじゃ…【320馬力】ぐらいが出ると思うよ」
「320馬力ですか…、なら今回はそれで行きまして、中里さんとのバトルが終わったら、ワンビアの馬力を300馬力に設定し直してください」
走一の言葉に和真は思わず振り向く。
「300馬力に設定し直す…? 何でまた?」
「確かに320は良い感じかも知れませんが、ワンビアの限界領域で操れる範囲は300馬力までです。今回はGT-Rですから、仕方なくその馬力で行きますが、260馬力でも300馬力でもワンビアの最大限の性能を引き出すには十分なぐらいですよ」
ワンビアは本来そこまでの馬力を出す車ではない、ワンビアの十分な馬力は260馬力だが、GT-Rが相手だから今回その馬力で行くことにした。
中里のバトルを終えれば馬力を300馬力にする予定、260馬力に戻すのは無理だが、今のタービンで最適なのは300馬力だと言う。
それを聞いた和真は頷く。
「成程な、よし分かった。そうしよう…」
和真はそう言って作業に戻り、走一はその場を去ろうとした際に、携帯が鳴り、それに走一は出る。
「はい、もしもし?」
『あ、走一?私』
「彩音? どうしたんだよ」
『実はね、さっきなつきちゃんから連絡来たんだけど…』
っとその事に走一は耳を傾ける。
そしてまた翌日、走一達は街で待ち合わせをしていた。走一は泰三のスープラを借りて来ていた。
またイツキのハチロクの他に、玄のセリカや、道郎のFTO、廉一郎のNSXも駐車していて、男陣営は集まっている。
勿論彩音達も居る。
中でもイツキは髪をセットして、シャキッとした服装をしている。
「…お、おい…本当なんだろうな拓海? 後でジョークだと言ったらな…絶交だからな!」
「あ、ああ…」
「本当にぴっちりとしてやがるよ…」
走一も拓海も、イツキの頑張っている様子を見て呆れていて、彩音はクスクスと笑っていた。
「本当に来るんだろうな?女の子連れて?」
「大丈夫だって、茂木がそう言ってたんだから。友達連れてくるって」
「俺も彩音から聞いた時はちょっと驚いたけどな。まさか中学の時の友達を連れてくるとは」
「そうなの?」
廉一郎は走一の言葉を聞いて首を傾げ、彩音も頷く。
「うん。なつきちゃんがそう言ってたよ? でも一番驚いたのが真美ちゃんが来てくれたんだもん」
「…本当は行きたくなかったのに」
「いつまでもだだ言わないの」
真美は凛に強引に連れて来られ、いやいやながらもその場にいた。
真美の事情を知らない走一達は無理に聞く事は出来ない為、そっとしておくことにした。
そんな中でイツキはワクワクしながら待っていた。
「…可愛いかな? ナイスバディかな? それとも超美人かな~!!?」
「おいおい…」
「…ん?真美のハンマーが飛んで来ねぇぞ?」
っと玄が真美の方を見ると、真美は今だに不機嫌そうな感じでいた。どうやら真美は不機嫌な時はハンマーが飛んで来ない様だ。
「ヌフフフ!!拓海~!お前覚えててくれたんだな!お前のような友達もって嬉しいよ俺!!」
イツキは拓海の首に抱き着いて喜びを抑えきれず、拓海は苦しながらも耐える。
「お、オーバーなんだよ…!」
「グフフ!見てろ!女の子横に乗せて…秋名山最速の男となってやる!!ぐははははははははは!!!」
イツキが興奮しながら高笑いをした途端、鳩のフンがボンネットに落とされ、それにイツキは絶叫する。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!やったなこの~~~!!! 俺のレビン!俺の~!!」
「あらら…」
「困ったね…」
彩音と凛はその様子を見て呟き、困り果てる表情をする。
そんな中で走一と拓海は今だに来ない茂木の事を言う。
「なあ拓海、茂木はまだ来ないのか?」
「ああ…もうそろそろ来てもいい頃だけどな~…」
拓海がそう言っていると…。
「わっ!!」
「っ!!!?」
茂木が後ろからどんと押して驚かし、それに拓海は驚き、走一もそれに振り向く。
「拓海君待った?」
「茂木、脅かすな…」
「よう」
「やっほーなつきちゃん♪」
「うぃーっす!」
走一達が挨拶する中で、茂木が連れて来た女の子を紹介する。
「紹介するね、友達の沙織。拓海君とイツキ君、そして朝倉君達」
「宜しくね」
短いツインテールの少女、沙織が挨拶し、拓海や走一、そして彩音達が挨拶している中で、イツキは沙織に惚れ惚れしていた。
「(か、可愛い~~~~…!!)」
そして茂木が周りを見ると、真美が若干睨んでいる事に気づき、茂木も少し身体を震わせ、目を合わせない様にしていた。
当然その事は走一達は知るよしもなかったが、友梨佳だけは何故か少しばかり目線を細め、見ていた事は気づきなかった…。
昴と彗星で、池谷の車がRZ34に変わっていた事が凄く印象に残った、シルビア好きならシルビアにずっと乗っていると思ってた。