「№2の庄司慎吾…?」
走一は工場で中里と会い、そこで中里からナイトキッズのメンバーである慎吾の事を教えられる。
中里はそれに頷きながら言う。
「ああ、そいつは下りの腕は確かなものだが、目的の為なら奴は何でもやる男だからな。もしそいつが秋名のハチロクとバトルする事になったらな気を付けろよ、奴は自分の得意分野の類で勝負する筈だ…」
「得意分野…分かりました、ありがとうございます」
その言葉にまだなんの意味か分からない走一だが、一応警告をしてくれる中里に礼を言う。
「それじゃあ俺は帰るぜ。寄らなきゃいけない所があるからな」
「はい、ありがとうございました」
走一は頭を下げ、中里はR32に乗って工場を後にした。
そして走一は考える。
「(庄司慎吾の得意分野…、そう言えば道郎からはそいつは左足ブレーキを得意としていると聞いたな。だとすると下りは拓海はちょっとばかり苦戦しそうだな…)」
走一はそう考えながら和真からワンビアのキーを受け取り、その場を去った。
そしてガソリンスタンドでは、イツキが妙にウキウキ状態の様子。それもその筈…彼は今沙織に夢中なのだ。
「さ~~て!次々~~~♪」
その様子を池谷は何やら首を傾げていた。
「イツキの奴、妙に上機嫌だな? 女でも出来たのか?」
「…さあ」
一応知っている拓海はあえて知らないふりをし、それに池谷は何やら怒りが込み上がって来ている。
「もしそうなら、先輩の俺を差し置いて許せん…!!」
だがその時、池谷は怒りからすぐに切り替えるかのように拓海に問う。
「そうだ拓海…、俺のS13、運転して見たくな~い?」
「え?」
拓海は池谷の突然の話しに一瞬驚き、池谷はその事に気にせず話す。
「たまに違う車に乗ると、新鮮でいいぞ~」
「い、いいですよ…遠慮しときます。だって…池谷先輩が大事にしている車…」
「頼むよ拓海!! 俺!お前のドライビングの腕を間地かで経験しておきたいんだ!!頼む!!」
本気で頼んでくる池谷の様子に拓海は何も言えずにいた、その時丁度走一のワンビアがやって来て、それに拓海達は振り向く。
「あ。走一だ」
「走一…、あ!そうだあいつにも頼むつもりだった!」
「え?」
池谷の言葉に拓海は中々付いていけず、走一は運転席から降りて拓海に言う。
「拓海、ハイオク30リッター」
「走一!!!」
「え?池谷せんぱ「走一!!頼む!! 拓海と一緒に俺を秋名の下りを走ってくれ!! そのワンビアで!!」ええっ!!?」
池谷の言葉に走一は驚きを隠せず、それを見ていた祐一は頭を悩ませていた。
「(大丈夫か池谷…、お前ドラテクを学ぶために参考しようとしているみたいだが、拓海と走一はそう簡単に行かないぞ…)」
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そして夜、走一達と拓海達は秋名山に来ていて、玄たちの車だけじゃなく、今回は彩音達の車も一緒だった。
走一のワンビアが池谷のS13の後ろに止めていた。
最初は池谷のS13が先に出る予定であったが、池谷が最初は走一のワンビアを選んだらしい。
それに走一と拓海は改めて問う。
「あの…池谷先輩」
「本当にやるんですか…?」
「頼むよ!拓海のは後でいいからさ! 走一頼む!」
その熱意に走一はため息を吐く。
「はぁ…分かりました。ただ俺のワンビア、タービンをパワーアップしましたから、馬力がかなり上がってます。もしかしたら前のとはかなり違います、覚悟してください」
「大丈夫だって!拓海の運転で慣れてたから問題ないって!」
池谷の自信ありげな言葉に、走一は若干心配そうな感じになりつつも、池谷をワンビアの助手席に座らせる。
そして健二が池谷に言い寄る。
「やったな池谷、走一のワンビアに乗れてよ。拓海の経験が生かされたな」
「おうよ! それじゃあ全力で頼むぜ!」
「…分かりました(全力って言ったからには、後悔しないでくださいね…)」
そう思いながら走一はワンビアを発進させて、公道へと入る。
そして第一コーナーに近づきつつ、池谷は走一にある事を頼む。
「走一、拓海と同じブレーキングドリフト、出来るか?」
「分かりました。…それじゃあ行きますよ?」
そう言って走一はアクセルを踏み、加速して行き、変えたターボの吸気量が一気に吸い込み、爆発的な加速を生み出す。
それにより池谷は思わず驚き、更に一気にコーナーが来たのが見えて…。
「っん!!走一!!ちょっと待て!うあわああああああああああああああああああああ!!!」
そう言う中で走一はヒールアンドトゥーを行い、4速→3速→2速の順にシフトダウンして行き、そしてカウンターを切りながらドリフトをして行き、第一コーナーをクリアしていく。
以前と違ったパワーの出かたに走一は内心驚きつつも、関心していた。
「(すげぇ…、以前とは違いパワーの出方が違うのに、この間変えた足回りが今回のパワーの出方にも十分対応してくれている…、これなら320でも300でも十分対応できる。もしかしたら若干な上り勾配でも適応出来るかも知れない)」
そう思いつつ、走一は次のコーナーをドリフトで流していき、スライドを抑えつつ立ち上がって行き、次のドリフトをクリアしていく。
それと同時にパワーが上がっているから加速が一気に進む。そんな中池谷は悲鳴を上げつつも、走一の驚異的なドラテクにド度肝をする。
「ぎゃああああああ!!!(な!なんてすげぇドリフトだ…!? 拓海とは違い…走一のドラテクはパワーを乗せながら華麗なドリフトで駆け抜ける…でも!!)」
池谷がそう思う中で、次のコーナーが迫り、池谷は悶絶寸前だった。
「ぎゃああああああああああああああ!!!」
そんな池谷を走一は若干五月蠅そうにしながらも、コーナーを次々と抜けていくのだった。
そして秋名山の頂上では、拓海達が待っている中で走一のワンビアが上がってくるのが見えて、それに彩音が見る。
「あ、帰って来たよ」
「ホントだわ」
真美がそう呟き、走一のワンビアが皆の前に止まり、助手席から池谷が倒れるかのように降りてくる。
その様子を見た健二とイツキは言う。
「おお~ちゃんと起きてるぞ?」
「成長しましたね先輩」
2人が言う中で池谷は何とか立ち上がり、健二は池谷に問う。
「どうだ池谷、走一のドラテク、何かヒント得たか?」
「…だ、駄目だ。俺には無理だ」
「なんだそれ!? 何の為に走一に頼み込んだ?!」
健二は池谷が何の収穫が得なかったことに驚きつつも、池谷は若干やつれた状態で言う。
「い、言っておくが健二。前に後ろから見たのと、隣に座って見るのとでは全く違う…」
「…まあそんな事だろうと思いましたよ」
「走一君のドラテクは神かがってますから」
道郎と凛がそう言い、それに彩音は笑いをこらえていた。そして真美が池谷に言う。
「それじゃあ池谷先輩。今度は拓海君に貴方のS13を乗せる番ですよね?」
「え?ちょ…ちょっと待って、まだ俺は・・・」
「いいからいいから♪」
っと彩音と真美は強引に池谷をS13の助手席に座らせ、拓海はS13に乗り込み、そして発進するのだった。
そしてその様子を走一達は見て、健二は呟く。
「大丈夫かな…?」
「う~ん…また。うわあああああっ!!?私は見たああああああっ!断末魔の絶叫がこだまする恐怖のダウンヒル!! 池谷先輩コーナー3つで…失神事件!!!!!。…の再現じゃないっすよね?」
「やめなさいっての!!」
バコンッ!!!
っと真美のハンマーがイツキの頭に直撃し、たんこぶを作りながら涙目をする。
そして数分後、池谷のS13が上って来て、それに走一達は見る。
「帰って来たか」
池谷のS13が走一達の前に止まり、助手席からは池谷が先ほどと同じように崩れながら出てくる。
それを見た健二とイツキは呟く。
「おお~さっきと同じように起きてた」
「凄いですよ先輩」
そして立ち上がる池谷に健二は再び問う。
「どうだ池谷、ブレーキングドリフトのヒント、掴んだか?」
「…だ、駄目だ…全く分からねぇ…」
「何だそりゃ!? 走一と言いさっきから何やってんだよ? 何のために拓海や走一に頼み込んだんだよ!?」
「い、言っておくけどな健二。走一もそうだけど…拓海の場合、あまりにも凄くて…途轍もない技繰り出すから…。レベルが違い過ぎて2人のテクが参考にならない事が、よーく分かった!!大収穫だ!!!」
っと胸を張る池谷に健二とイツキはズッコケ、彩音達も思わずズッコケそうになった。
そして道郎と廉一郎はため息を吐きながらその様子を見ていた時、玄がある方向から車が来るのが見えて言う。
「お?車が来るぞ?」
「ん?」
走一達はその方向を見ると、別方向から別の車がやって来て、そこに赤いEG6と背後からS13と180SXがやって来る。
すると池谷は赤いEG6を見て目を大きく開く。
「赤いEG6!間違いねぇ…この間のだ!」
そして赤いEG6とS13、180SXが走一達の前に止まり、赤いEG6から庄司慎吾が出てくる。
慎吾が出て来たのを見て、走一は目を細める。
「(あいつが…庄司慎吾)」
ナイトキッズの№2、庄司慎吾に走一は少しばかり警戒を強めるのだった。