頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第39話 イツキの不幸

慎吾がスピードスターズの悪い噂を流し、秋名のハチロクを何としても引きずり出そうとしている事を知る走一達。

 

当然拓海はそれをやる気なしと見る。

それがいいと思った走一達、それに安堵する。

 

だがそれが後に、イツキに不幸に落とされる事をまだ知らない。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

走一達はバイトの解体場で解体部品をしている所、一台の車がやって来た。

それに社長の弁慶が見る。

 

「何だ?」

 

それに走一達は振り向くと、それはナイトキッズの中里が乗るR32だった。

 

走一はそれに立ち上がる。

 

「中里さんじゃないですか」

 

「よう、お前のバイト先をスピードスターズの連中から聞いてな。慎吾と会ったそうだな…」

 

「ええ、アイツ…危険なガムテープデスマッチを仕掛けて来た…。これが貴方が言っていた警告って事ですね?」

 

「ああ、慎吾は自分の有利になる事を条件として仕掛ける場合がある。下りの腕前はあるって言うのによ、まあ俺がまだS13に乗っていた頃は俺に劣らずな腕だったが」

 

その言葉に走一達は思わず目を開く。

 

「え?中里さん、前はS13に乗っていたんですか?」

 

「…ああ、以前俺が乗り換える前に白いR32に負けてしまってな、それ以降俺は悔しさの余りR32の乗り換えたんだ。それでもハチロクには負けたがな…」

 

その言葉を聞いた走一達は納得する、中里がS13からGT-Rに乗り換えた理由がその事だった事も、でも拓海とのバトルでそれが一番効いたのだろうと、走一達は思った。

 

「話しを戻すが、奴はどんな事をしてでもハチロクとのバトルを誘い出すだろう」

 

「よう、アンタじゃ治められねぇのかよ?」

 

玄がその事を中里に聞くと、中里は首を横に振る。

 

「すまないが今の俺はチームを統括する力はない、ハチロクに負けて以降ナイトキッズは今頭を取ろうと躍起になっている奴等が多いからな」

 

「血の気の多い人たちだな…」

 

中里の言葉に道郎がそう呟く、ともあれ再び警告しに来てくれた中里に走一は礼を言う。

 

「どうもありがとうございます。兎に角、注意はしておきます」

 

「ああ、それじゃあな」

 

中里はそう言ってR32に乗ってその場から去って行き、走一達はそれを見送る。

 

「中里って人、人柄が良いな…」

 

「ああ、ナイトキッズを束ねているだけはあるよ…。でも中里さんが拓海に負けた事で統括が出来ていない状態だからな…。仕方ないさ」

 

そう呟く走一達。そして走一達は仕事に戻る為、解体作業を進め、使えるパーツを探すのだった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして日が沈み夕方、拓海達のスタンドで仕事をしていると、受話器が鳴り祐一が取る。そして祐一が対応していると、その内容に驚いて立ち上がり、すぐさま拓海達に言う。

 

「おい大変だ!! イツキが事故ったぞ!!」

 

「えっ!!?」

 

「何処で!?」

 

祐一の言葉に拓海と池谷は驚いて聞く。

 

「秋名の峠らしい! 市立病院に運ばれたそうだ!2人共すぐに行って来てくれ!!」

 

「「はい!!」」

 

拓海と池谷はすぐさま病院へと向かい、祐一は直ぐに携帯を取る。

 

「すぐにこの事を走一達に伝えないと! まだ弁慶の仕事場に居る筈だ!」

 

 

そして解体工事で、仕事を終えた走一達が帰宅準備に入った。

 

「「「お疲れ様でした~」」」

 

「おぅ~【プルルルルルルル!】ん?」

 

受話器が突如なって、それに弁慶が取って対応する。

 

「はい、…おう祐一か。どうした? ………な!何だと!!?」

 

弁慶は祐一の内容を聞いて驚く。

走一達がワンビア達に向かおうとした際に彩音達が自分たちの車で待っていて、勿論NSXで待っている廉一郎もいた。

 

「お疲れ~」

 

「待ってたよ」

 

「おう、帰る前に何処かによって飯を取るとするか」

 

そう言ってワンビア達に乗り込もうとした際に、弁慶が慌ててやって来る。

 

「おい大変だ!! さっき祐一から電話があって、イツキが事故ったそうだぞ!?」

 

「えっ!?」

 

「マジかよ!?」

 

「一体何処です!?」

 

走一と玄が驚き、凛がそれを聞くと、弁慶が慌てながらも何とか落ち着きながら言う。

 

「秋名の峠だそうだ! 市立病院に運ばれて既に拓海達が向かったそうだから、お前達もすぐに行って来てくれ!!」

 

『『『はい!!』』』

 

走一達はすぐさまワンビア達に乗り込んで市立病院へと向かった。

 

そして市立病院に到着した後、拓海達と合流してイツキの病室へと行く。

 

「大丈夫かイツキ!?」

 

すると看護師に包帯を巻いて貰っているイツキの姿がベッドの上に居た。

 

「あ、池谷先輩、拓海に走一達も」

 

「どうしたんだよ一体…?」

 

「オーバーなんですよ。見かけほど大した事はないんだけど、念のため検査する事になったんで入院する事になったんです」

 

イツキはそう言って走一達はホッとし、拓海はあることを聞く。

 

「沙織ちゃんは? 一緒だったんだろう?」

 

「うん、彼女はかすり傷で済んだって家に帰ったよ」

 

「え?沙織ちゃん? どう言う事だよ?」

 

「実は…」

 

何も知らない走一達が首を傾げ、それに拓海が説明をする。

 

どうも今日、イツキは沙織と秋名湖でデートだったらしい、上手く行く為に本とか読んで研究したとか。

それを聞いた走一は何とも言えない感じになっていた。

 

「(何じゃそりゃ…)」

 

「そう言えば車は? ハチロクどうしたの?」

 

凛がそれを聞くと、イツキは苦笑いする。

 

「リアのトランクルームがイカれただけで、後は何ともないよ」

 

そして看護師が包帯を巻き終えて、病室から出ると、イツキが何やら悔しそうにしていた。

その様子に走一達は見る。

 

「イツキ?」

 

「秋名を下ってたら、後ろから…EG6に煽られて」

 

「何!?まさかあの野郎が!?」

 

池谷がその事を聞いて怒りが込み上がり、それにイツキは頷く。

 

「うん…多分、赤いEG6だったから…。何とか振り切ろうとして、コーナーを曲がった際に後ろからプッシュされて…それで」

 

「あいつ…、本当にマジでやりやがったのか!」

 

イツキの話しを聞いて、玄達がそれに拳を握ろうとした時に、真美がある事に気づく。

 

「ちょっと待って。イツキ君…アンタまさか沙織ちゃんを横に乗せたまま走ったって言うの?」

 

「うん、でも走り屋だったら車をぶつけられて黙っていられるはず───」

 

 

バシンッ!!!!

 

 

っと真美の平手打ちがイツキの左頬に直撃し、それに走一達は勿論、拓海達もそれに驚く。

凛は咄嗟に真美を抑える。

 

「ちょっと真美!!?」

 

「アンタ本当にバカじゃないの!!? 素人の子にいきなりそんな危ない目に遭わせて!!正気とは思えないわ!?」

 

「し!仕方ないだろう!!? 俺は走り屋なんだからそれでも!」

 

「だとしても!! アンタのやった事は最低よ!! そういう時はゆずる事も1つの手なのよ!?」

 

真美さん

 

っと冷たい言葉の友梨佳に真美は背筋がゾッとし、走一達は友梨佳の方を見ると、友梨佳は凄まじい眼力で、真美を見る。

 

「ここは病院です、お静かに…」

 

「……」

 

「そしてイツキさん。この事はまた後でお話ししましょう」

 

「え…?」

 

「何はともあれ…、貴方は沙織さんの心を傷つけました。それを決して忘れないでください」

 

っとその言葉にイツキは息を飲み、ただ頭を俯くのだった。

 

だがそれとは別に拓海が言う。

 

「…俺やります!」

 

「え?」

 

「拓海君?」

 

道郎と凛が拓海の方を見て、拓海は何やら怒りに満ちた表情をしていた。

 

「ガムテープデスマッチでも何でもやってやる!!」

 

「おい拓海!待て! 相手の挑発に乗るな!! ガムテープデスマッチなんて無茶苦茶だ!!」

 

「池谷先輩」

 

池谷が拓海を止めようとすると、走一が池谷の肩に手を置く。

 

「走一?」

 

「…もうああなった拓海を止める事は出来ません。誰にも…」

 

それに池谷は拓海の方を見て、病室から出ていく拓海の後ろ姿を見つめる事しか出来なかった。

 

 

 




はい、イツキの不幸が訪れてしまいました…。
そして友梨佳の静かな怒りの様子、大人しい人を怒らすと怖いです
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