頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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遅れました。


第41話 進化する天才2人

ナイトキッズの慎吾とのガムテープデスマッチを行う事になった拓海、キレたらもう止まる事は出来ない彼に止めるすべはない。

何とか見守る事しか出来ない走一達は、今右手にガムテープを巻かれている状態だ。

 

そんな様子を健二が呟く。

 

「大丈夫かな? 強引にも止めた方が良かったかな?」

 

「拓海を信じるしかないですよ…」

 

そう呟く道郎。そんな中で走一は万が一のためにワンビアを準備させておく。それを見た彩音が来る。

 

「走一、まさか参加するの?」

 

「違うよ彩音。万が一拓海が事故起こした場合に備えての準備だ、いくら拓海でも序盤は手こずる筈だ」

 

走一はそう言って準備をしていると、彩音が助手席の乗り込んできて、それに走一は見る。

 

「ん?おい彩音、何してるんだよ?」

 

「何って、私も一緒に行くの。何かあった時に私が携帯に電話して、救急車を呼ぶ様にしないと」

 

「おい彩音。それは止めておけ。ここで救急車を呼んで、もしこんな所でレースなんて事がバレたら大変な事になる。だから救急車は呼ぶな」

 

「…そうなんだ」

 

そんな事を言っていると、玄達も急ぎ準備をしていた。

通信機を付けて走一は皆に通信を確認する。

 

「どうだ?」

 

『感度良好!』

 

『OK!』

 

『おうよ!』

 

玄達の準備が出来た頃、ナイトキッズのメンバーたちが一般車の通行の確認をし終える。

 

「準備いいぞ!」

 

「オーケー!」

 

そう慎吾が言い、慎吾が眼を合わせると、拓海も慎吾の方を向いて、睨むように見ていた。

 

そしてナイトキッズのメンバーがカウントダウンを開始する。

 

「カウント行くぞ!! 5!4!3!2!1! GOーーーーーーーー!!!!!」

 

開始と同時にハチロクとEG6がスタートダッシュした。スタートはハチロクが先頭でEG6が後ろに付く感じになった。

 

それを見た池谷は呟く。

 

「ついに始まったか…」

 

そう呟くと、走一達のワンビア達がハチロク達の後を追いかけていく。それを見た池谷と健二は顔を見合わせる。

 

「走一…」

 

「もしかして万が一の事を考えて後を追いかけるって事か?」

 

「それなら問題ないな…(頼む走一…、拓海を任せた!)」

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして走一達は拓海達のハチロク達に追いつくと、冷静に今の状況を見る。

 

先行しているハチロクに対し、EG6が追いかけるかのように走っている。その様な状況に彩音が問う。

 

「ねえ、どうして拓海君が先に進んでいるの? いつもだったら後から追いかけている感じなのに」

 

『それもそうですね。わたくし達が見る限りでは、拓海さん何時も後から追いかける感じですのに…』

 

友梨佳がそう呟くと、それに走一達は舌打ちをしながら言う。

 

「チッ! アイツ…拓海が事故るのをその目で見る為に後追いをしたな!」

 

『胸糞悪い奴だ! ガムテープデスマッチを仕掛けて来たのはその為か!』

 

『となると、第一コーナーがまず危ないよね!?』

 

そう言っていると、第一コーナーが迫って来て、拓海が曲がる為にステアリングを切ろうとした。だがそれを慎吾が薄ら笑みを浮かべる。

 

「(フフフ…、元気良いなおい、でもなんか忘れちゃいねぇか?)」

 

そう慎吾が思っていると、ステアリングに巻かれている右手が離せない事に気が付いて、そのままコーナーに突っ込んでいく。

 

「「「「拓海!!」」」」

 

「「「「拓海君!/さん!」」」」

 

走一達とギャラリー達が驚きを上げる中、拓海は姿勢を変えて、何とかステアリングを切る。

 

そして第一コーナーを無事にクリアしていくのを見て、それに走一達はホッとする。

 

「ふぅ…、冷や冷やする」

 

「良く曲がったね…?」

 

『恐らくだが、姿勢を何とかとらえて、ステアリングを切らせたんだろう。次がそう上手くいくとは限らないぞ?』

 

道郎がそう言い、走一は拓海の方を見て、ふっと何かに気づく。

 

最初は乱れていた走りがコーナーを抜けるたびに徐々に鋭さが増していく様に、走一は思わず目を細める。

 

「(何だ…? 拓海の走りが徐々に良くなっている…。まさか…)」

 

走一の考え通り、拓海の走りが徐々に良くなり、そしてコーナー三つ目を超えた所で、ステアリングを指で叩く。

 

「そうか…、このバトルのコツが掴めたぞ…!」

 

拓海はガムテープデスマッチのコツを掴んだ。僅かなステアリングでも、荷重移動を使う事で、僅かなハンドルで曲がる事が出来ると知ったのだ。

 

拓海はそれを掴んだと同時に荷重移動を使って、コーナーをクリアしていく。

それを目の当たりにする走一達、すると彩音がこんな事を言い出した。

 

「…ねえ、走一もあれを試してみたら?」

 

「はぁ!?俺もか?!」

 

『ちょっと彩音! 今大変な時に何言ってるよの!?』

 

走一と真美が驚く中で、彩音が少しばかり真面目な表情で言う。

 

「分かってる。でも何故かだか分からないんだけど、走一も少し練習したら出来ると思うの。恐らく」

 

『彩音ちゃん?』

 

『そうなのですか…?』

 

凛と友梨佳がそう呟く中、走一はいつもと違う彩音を見て驚く。

 

「(彩音がこんな事を言い出すなんて…。でもこんな時の彩音が言うって事は、まさか・・・)」

 

走一は少しばかり考えた後、少しずつではあるが、ステアリングをなるべく切らない様に走る。

 

最初は少々リアが曲がらず、手こずる様な走りをしたが、徐々にステアリングを切らずに、拓海と同じように荷重移動の様な走りになって行き、それに走一は掴んだ。

 

「っ!! そうか…こいつのコツを掴んだぞ!!」

 

『はぁっ!?』

 

『嘘でしょう!?』

 

『走一!?』

 

『凄い…!』

 

『まさか!』

 

『驚きですね!』

 

「ねえ!私の言った通りだったでしょう!」

 

玄達が驚く中で、彩音が自身満々な事を言った事に胸を張るが、それを真美が…。

 

『でも彩音! 今は拓海君のバトルを見守る為にあるのよ!! それを間違えないで!!』

 

「分かってるよ…」

 

っとしょぼんとする彩音。

 

まさかこの時に走一のドラテクが進化するとは誰もが思わなかったのだから。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そしてEG6に乗る慎吾が一向に事故らないハチロクにイラついていた。

 

「(クソッ…なんだよあの野郎。始めのうちはノロノロしていたのに、最小限のカウンターで鮮やかにコーナーをクリアして行きやがる。ガムテープデスマッチはいきなりこなせるほど甘くはない、安全に行こうと思えば思う程…罠の多い蟻地獄の様なルールだからな。俺だってステアリングをガムテープで巻いて走れるようになるまでは、右手を持ち替えずに走る練習を山の様にしてきたんだからな…)」

 

そう思いながら拓海ほハチロクに付いて行くEG6。

 

そして涼介達と琢磨が居るギャラリーの所にスキール音が聞こえて来て、それに啓介が見る。

 

「来るぞ、もうじきだ。どうやら二台とも潰れてはいないようだな」

 

「フッ、もし…ここまで来られない様なら、俺の見込み違いだ。あのハチロクは俺のターゲットにはならない」

 

「…どうかな」

 

っと琢磨が涼介の言葉を否定するかのように呟き、それに啓介が見ると同時にハチロクとEG6がやって来る。その後ろにはワンビア達が追いかけていた。

 

「来たぞ!」

 

「あっ!拙い!! 対向車が来てるぞ!しかも二台も!!」

 

ナイトキッズのメンバーの監視が無線で対向車の指示を送り、それを聞いた涼介達と琢磨が見る。

 

対向車線に上がってくる車が二台来ていて、その際ヘッドライトに気づいた拓海が、センターラインをはみ出さず、半分の車線だけの四輪ドリフトをして見せる。

EG6はそれにただ付いて行くだけだった。

 

そしてワンビア達がもう一台対向車に対し、ワンビアも同じようにセンターラインをはみ出さず、半分の車線だけの四輪ドリフトをして見せる。

 

それを見た啓介は驚きを隠せない。

 

「なっ!?半分の車線だけで、センターラインをはみ出さない四輪ドリフト!? すげーハイテクニックだ!しかもワンビアもかよ!?」

 

「あれを平然とやってのけるとはな…、しかも対向車とのすれ違いにも…全く乱れない」

 

「流石だな…」

 

そう涼介と琢磨が呟く中で啓介が信じられない表情をしながら呟く。

 

「本当にガムテープで縛ってるのか? とっくの昔にはがれちまったんじゃねぇのか?」

 

「いや、あの様子を見ると、ガムテープはまだ縛られている状態だ」

 

「恐らく、あいつは早い段階で、このデスマッチのコツを掴んだんだ」

 

琢磨と涼介の会話に啓介は今だに納得できていない状態だが、それをただ黙って聞いている。

 

「ステアリングに頼らなくても、荷重移動でコーナーを攻める事が出来る。あいつは短時間でそれを覚えた…」

 

「そしてワンビアの方もだが、カウンターの舵角が小さくなっていた。恐らく荷重移動を覚えたんだろう…」

 

「……たくぅ、何なんだよあいつ等…なんて奴等だ」

 

啓介は頭を掻きながら呟き、琢磨は涼介に言う。

 

「言った通りだろう涼介。ハチロクのドライバーは進化していると…」

 

「ああ、確かにな…、だが予想外な事にワンビア…朝倉もまた進化している…」

 

「ああ…これはこれで、また楽しくなる」

 

そう呟く涼介と琢磨、彼等のバトルが更にエスカレートするのは間違いない…そう感じるのであった。

 

 

 

 




活動報告にこの作品の事に付いて出しています。
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