池谷は真子とのデートで何だかんだで楽しい会話をし、駅に送り届けた池谷は真子と向き合う。
「ありがとう、今日は楽しかったです」
「い、いや…、あ、あのさ…真子ちゃん」
「はい?」
「あ…あの、真子ちゃんて…その…今付き合っている人は…居るの?」
池谷は緊張した様子でその事を問うと、真子はそれに答える。
「私…彼氏いないんです」
「っ!」
その事を聞いた池谷は目を大きく開き、真子は池谷の方を見ながら言う。
「だから…また電話してくださいね、池谷さん」
「…っ!!」
真子はそう言って頭を下げ、軽井沢駅に向かって行き、池谷は嬉し涙を流しながら興奮した。
「うひょ~~~~~~~~~!神様~~~~~~~~~~!!」
そして池谷が興奮して、数分後に…。
「…池谷先輩?」
「大丈夫ですかー?」
「…駄目だこりゃ、完全に上の空だ」
池谷の顔を覗き込む健二達、それに池谷はそれに気づいて驚く。
「うわぁ!!まだいたのかお前等!?」
「いや~先輩が心配で心配で帰れなかったんですよ」
「それで池谷、どうだったんだ?おい!」
健二がそれを聞いた所、池谷は何やらにやけ顔で自慢ぽく言う。
「フフフ……ハハハハハハ! 今日は良い日だ! じゃ飯でも食いに行くか。久しぶりに俺のおごりで、ついでに碓氷峠の走り屋たちの腕も見に行こうぜ!」
その様子を見る走一達は察した。
「…上手くいった様だな」
「奇跡ってあるんだな」
「って言うか池谷先輩…顔キモいわ」
最後辺り、真美がその様子に若干引きながら言うも、その言葉には池谷は全く聞こえていなかった事が幸いだった。
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そして夜、碓氷峠では走り屋たちが碓氷峠を入り込み、狭い道路を難なくクリアしていく様子を、走一達は見て関心していた。
「おお!」
「上手いもんだな~、どの峠も碓氷はレベルが高いぜ!」
池谷と健二が碓氷峠の走り屋たちを見て感想を言う中、彩音が走一にある事を聞く。
「ねえ走一。昼間の続きなんだけど、ワンビアとシルエイティは一体どっちが人気なの?」
「…残念だけどシルエイティが人気だ」
「そうなの?」
「ああ、ワンビアが人気がない理由は、リトラクタブルヘッドライトの修理費が高い事が理由。だから修理費が安く、手軽なシルエイティの方が人気が高いんだ」
走一は少し悔しそうな表情をしながら夜空を見ながら言う。
実際走一はワンビアが好きな為、ワンビアがもっと人気になってくれた方が良いと考えている様だが、現実はそう簡単にはいかず、シルエイティが人気な事に少し悔しい思いをする走一であった。
すると上からスキール音が聞こえて来て、走一達は上の方を見る。
「来たぞ」
「シルエイティか!」
そう言った直後にシルエイティが下って、ドリフトでコーナーをクリアいくにつれ、更に連続逆ドリフトをして下っていく。
それを見た池谷達は驚きを隠せない。
「連続逆ドリフト!?」
「何だありゃ!?」
「上手い…、あれだけの狭いコーナーをドリフトして行くとは…」
「確かに碓氷最速と言うだけはあるね」
道郎と廉一郎がそう呟き、池谷は何やら若干思い詰める表情をする。
「(…真子ちゃんの前でドリフトが得意と言っちまった、走一達のお陰でドリフトは出来るように様になってきたが、まだリアが出過ぎると焦っちまうんだよな…。不味い…)」
池谷は先ほどのシルエイティのドラテクを見て、若干焦ってしまった。上には上がいるとの事は分かってはいるものの、それでも池谷は意識してしまう所がある。
「このまま、下って帰ろう」
「そうだな」
「どんな所でも凄い奴がいるもんすね」
池谷と健二、イツキがそう言う中で、走一達と拓海はドリフトして行ったシルエイティを見つめた後にスープラ等に乗り込み、池谷が先頭になるS13の後を追いかけるのだった。
そして碓氷峠を下っていく中で、S13が妙にスピードを上げている事に健二は若干文句を言う。
「何だよ池谷の奴…、妙にスピードを出してるな?こっちは三人も乗ってるだぜ、ついて行けねぇよ」
健二はそう言う中で、スープラに乗っている走一の隣に座る彩音が言う。
「…ねえ走一、何だか池谷先輩、可笑しくない?」
「可笑しいな。ちょっと離れた方が良いかも知れない」
っとそう言った時、S13の挙動が乱れ、挙句の果てにスピンして止まってしまった。
それを見た道郎達は思わず止まる。
「なんだ!?」
「何々どうしたのよ?」
「池谷先輩らしくない…どうしたんだろう?」
玄と真美、凛がそう言う中で、道郎と廉一郎が池谷の異変に気付く。
「…池谷先輩、何焦ってるんだ?」
「うん、池谷先輩…妙に焦ってるのが分かる。どうしたんだろう」
「え?分かるのですか?廉一郎君」
友梨佳がその事を問い、それに廉一郎が頷き、それを言おうとした所、下からスキール音がして、それにヘッドライトの明かりが徐々に近くなって来た。
それを見た健二が言う。
「まずい!!対向車が来てるぞ!?」
「もう遅いですよ」
走一が無線で言うと同時に、下から上がって来たシルエイティが止まって、ちょっとの間が開く。
シルエイティの助手席に乗る女性【沙雪】がS13の様子を見て言う。
「全く!何処のバカよ? リアが出てビビッてアクセル抜いて、お金貰うって言う一番ダサダサの初心者スピンでしょ?」
沙雪がそう言うと、窓を開けて注意する。
「ちょっと13のお兄さん! 早く退いてくれないと他の車が来て危ないよ!」
「す!直ぐに退くよ!」
慌てる池谷は直ぐに退く準備をし、その様子を見たイツキと健二は…。
「うわ!超恥ずかしい池谷先輩!!」
「カッコ悪い!他人のフリしよう!」
「(こいつ等…)」
池谷の恥ずかしい場面を見たイツキと健二は笑いをこらえつつも、言葉に出している事に無線で聞いている走一は呆れていた。
そして池谷の方は…。
「本当に…………っ!?」
すると池谷の言葉が止まった、それはシルエイティの運転席には真子の姿があり、それに池谷と真子は言葉を失いながらも互いに通り過ぎて行く。
健二もその後を追いかけるも、走一達は一度シルエイティの運転席を見て、真子の姿を目撃し、それに目を大きく開いた。
そして通り過ぎて行き、真子はただ黙り込み、それに沙雪が問う。
「どうかしたの?」
「…ううん、何でもない」
真子はそう言ってハンドルを握り、走り始め。池谷は内心ショックを受けていた。
「(碓氷最速のシルエイティを操るドライバーが真子ちゃんだったなんて…、俺、もう死にて…!)」
池谷がショックを受けている中、走一達は健二達の通信を切り、走一達だけの無線を通して話し合っていた。
『おい走一、さっきの…』
「ああ…、碓氷峠の最速のシルエイティのドライバー、その正体が佐藤真子さん、これは本当に驚いたよ」
『でも、どうして真子さんがシルエイティに? 軽の車だった筈じゃ…』
『それは分からない。でも…彼女には何かしら事情があるんじゃないか?』
『だとしても、こればかりは…』
走一達の会話で真子の事を話題が持ち切り、すると友梨佳がある事を言う。
『あの、この事は私達女子たちに任せて貰えませんか?』
「え?」
『友梨佳?どうしたの?』
廉一郎がそれを問うも、友梨佳はそれを女子だけに言う。
『彩音さん、凛さん、真美さん。私達で真子さんとお話をしましょう』
『お話しって、どうやって話しをするのよ?』
『柳原財閥の力で住所と電話番号を探し出しますわ』
っととんでもない事をサラっと言う友梨佳に、走一達は思わず驚くのだった。
「(おいおい…友梨佳も凄い事を言い出すもんだ…、でもそう簡単に上手くいくかな…?)」
そう不満を隠せない走一であった。