碓氷のシルエイティ…真子の願いは秋名のハチロクと稲妻のワンビアとのバトル。彩音達と会った後に真子からの話しを聞いた池谷はそれを聞いてショックを隠し切れなかった。
最初から自分じゃなく、走一と拓海が目的で近づいた事だって事に。
だがそれと同時に真子からのお礼がとんでもない事だった。
『私の…“ヴァージン”上げます!』
それを聞いた池谷は驚愕した。
池谷はそんな要求をすんなりと受け入れる筈がないが、真子からある事を聞く。
「池谷さん、彩音ちゃん達から聞きまして…、ワンビアのドライバーは受けてくれるそうですよ?」
「え?!走一が!? って言うか真子ちゃん…彩音ちゃん達と会ったのかい?」
「はい、彼女達から呼び出されて、池谷さんの事を聞かれて…」
真子はその事を話し、それに池谷はそれに考え込む。
「(彩音ちゃん達が真子ちゃんと話しを…、って言うかどうやって真子ちゃんの住所を? …あ、友梨佳ちゃんだ…、彼女なら)」
っと大体察しが付いた池谷、そして池谷はただその頼みを受け入れるが、願いを聞くとかじゃないと言い、去って行った。
真子はそれを見届けるかのように見ていて、秋名湖から去って行くのだった。
そしてファミレスに居て、拓海と池谷が話し合っていた。
「先輩、俺…なんか許せないですよ、その女…」
「拓海、真子ちゃんを悪く言わないでくれ。あの子は良い子なんだ」
「何で先輩がその女庇うんですか? 俺分かんないですよ、先輩がそこまでするなんて?」
拓海は池谷が真子を庇う理由が分からない、池谷は真子に裏切られたと思っているらしいが、真子本人はそんな気は無い。
そんな気がして、池谷は真子を庇う様な感じをしていた。
「拓海…、真子ちゃんの話しだと、彩音ちゃん達から走一が走るって聞いて…」
「え?走一が走るって…」
「走一はどんな挑戦でも受けると言う事らしい、俺も正直信じられねぇけど。だから拓海…頼む!」
必死の頼みをする池谷に、拓海はそれを見て言う。
「…良いですよ、…走りますよ」
「ホントか!? すまん恩に着る!!」
「先輩や相手がどういう状況になれば納得するか、俺には分かんねーけど…、とにかく行きますよ、ハチロクで碓氷に!」
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翌日、碓氷峠でバトルする事になった噂はあっという間に広がって、イツキ達は大騒ぎだった。
「マジっすか!まさか拓海と走一が碓氷峠のシルエイティとバトルするなんて信じられないっすよ俺!」
「俺だって信じられねぇよ」
「自分から他所の峠でバトルしに行くような奴じゃないんだけどな~? 走一はまあ受けると言ったら受けますかね~?」
「う~ん…あの走一だったらそう言うだろうな」
イツキと健二がその事を言っていると、GTS-t…HCR32に乗る雅人がガソリンスタンドにやって来た。
「ん、あの人って…」
「やあ、走一達はいるかい?」
「いや~走一達はたまに来るだけで…、あっ!実は拓海と走一が碓氷峠でバトルする事になったんすよ! 今話題のシルエイティと!!」
「ほう?」
それを聞いた雅人は思わず首を傾げなら聞き、興味を示した。
同時に走一は拓海の所に行き、拓海は走一に問う。
「走一、お前は走るのか? 碓氷峠を…」
「勿論だ。これは俺の意思でもあるが、碓氷峠はあの有名な【ドリキン土屋】が走ったとして有名な所だからな。そこを走りたいとの意思もある」
「ドリキン…?」
「まあそれは良いとしてだ。…大体の事は彩音達から聞いている、まああの人が池谷先輩に近づいて、俺達とバトルしたいって事なんだろうけど、それならそれでこっちに来てバトルしてくださいって言えばいいのに。啓介さんも中里さんも堂々とバトルの宣言をしてきたけどな」
走一は真子の考えがちょっと甘い事を指摘しながら言う。啓介と中里は自らバトルの宣言をしたにもかかわらず、真子は池谷を利用してバトルの申し込みをした。
ちょっと人見知りがあるんじゃないかと疑う位だ。
そんな事を考えていると、ある二台の車が走一達の前に止まって、走一と拓海は見る。
それはNSX-RとランエボXに乗る海斗と陽毬の2人だった。
「やあ、こんな所で会うなんて奇遇だな?」
「どうしたの? 今日は彼女さんはいないの?」
「どうも。彩音は今ちょっと用事があって、それが終われば合流する予定です。それに今日は碓氷峠に行く予定で」
それを聞いた海斗と陽毬は思わず顔を合わせて、海斗はそれに問う。
「何処か行くのか?」
「碓氷のシルエイティとバトルしに行くんです。俺と拓海のタッグでね」
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そして彩音達と合流し、走一達は高速道路で碓氷峠に向かう事とした。
今回碓氷峠でバトルする事となった事を聞いた雅人と海斗と陽毬は共にギャラリーする為に同行していた。そんな中でS13に同乗している健二が池谷にあることを聞く。
「池谷、お前に聞いて起きた事があるんだ」
「なんだ…?」
「お前…どっちの味方なんだ? 今日のバトル…」
健二の言葉に思わず見る池谷。
「え? どっちって言われても…、俺はただバトルの仲立ちしただけで…別に…」
「本気で言ってんのかそんなこと。拓海と走一の立場はどうなるんだよ。お前、真子ちゃんの手前いい顔したいばっかりに友達を蔑ろにしてねーか?」
「そんな事ねぇよ」
「いやあるね! じゃあお前聞くけど拓海達に勝ち目あると思ってんのか?」
「……」
いつもとは違う健二の威圧感に池谷は言葉が出てこなかった。
「どうなんだよ池谷!!はっきりと答えてみろよ!!」
「そ…、それは…」
「勝てるわけねーだろ秋名の峠しか知らないあいつらが生まれて初めて走る碓氷で、あんな難しいコースで!!そりゃ、あいつらは凄いテクニックを持ってるよ!! だけどテクニックあるだけじゃどうにもなんねー事だってあるだろ。コースの慣れの問題がさぁ。練習もしないででぶっつけ本番じゃいくら拓海達でも…勝負になんねーよ!!お前にだってそれぐらいのことわかんねーわけねぇだろ!?」
怒り口調で池谷に問い詰める健二、肝心の池谷は健二の話に耳を傾けながらも黙っているしかなかった。
「そりゃ男なら誰だって惚れた女には弱いよ…。だけど一番大事な事に目を瞑ってんじゃねーよ。女に惚れ込んで友達売るような真似すんな!!」
「……健二」
「お前二人に今まで大事な所であいつらに助けて貰ったこと忘れたのか!! 秋名のハチロクと稲妻のワンビアは俺達秋名の誇りなんだぞ!? こんなバトル止めよーぜ…。でなきゃ俺、お前とはもう絶交だ…!!」
「……分かった」
そう言って池谷はパーキングエリアにより、この事を走一達に話す事とした。
「そう言う訳だから、気の進まないバトルを無理にするのは止そうぜ。先方には俺と池谷で話つけてくるからお前達二人は次のインターで戻れ…」
健二は走一と拓海にバトルの中止をする事を提案し、インターから降りて戻る事を言うが、それに走一が言う。
「…なんだ、その事か」
「え?」
「健二先輩、これは俺のバトル…、俺と拓海のバトルなんです。ここで帰ってしまったら走り屋としての俺のプライドが許さない」
「あの…健二先輩。俺も…戻る気ないっすよ」
「はぁ!?」
健二は走一と拓海の言葉に驚きの声を上げ、池谷もそれを見て驚きを隠せない。
「俺は走りたいから行くんです。これは自分の意志ですよ。引き返すつもりはないですよ…」
「それにバトルが不利だからの理由で逃げる様なら、俺は最初から走り屋なんてやってないし、ワンビアにも乗っていない。健二先輩…アンタ不利だからってなんでもかんでも怖気づいてしまう所が多くありませんか?」
「おいおい走一!真子ちゃんの実力は見たから分かるだろ?どう考えたって不利すぎるぞ!?」
「だから何ですか。実力だったら啓介さんや中里さんも相当な実力者です。それなら不利な点が多いのはどうなんですか?」
「健二先輩…分かってますよ。だた勝ち負けは俺には関係ないですよ」
走一と拓海はその事を健二に言うが、健二は弱化焦りながらも2人に言う。
「そう軽く言うなよお前等…。秋名のハチロクと稲妻のワンビアは凄い評判になんだから、もうちょっと自覚した方が…」
「所詮評判は評判、負けたから評判落ちるって言うんだったら、俺は速く走ろうとは思いませんよ」
「俺もですよ、そう言うの俺苦手なんですよ。たまたま地元だから勝ってこれたけど…。実力以上に噂だけ先行してるのは気持ち悪いし。そんな噂壊れて無くなった方がスッキリしますよ」
「おいおい」
「そんなぁ…「健二先輩!!!」っ!?」
突如真美の怒声が健二に浴びせられて、それに思わずビビる健二、真美は健二に近寄りながら怒声を上げる。
「いつまでそんな弱腰を引いてどうするんですか!! さっき言いましたよね!?走一君達は走るって!! ならもう覚悟を決めて下さいよ!!!」
「そんな…」
「真美、そんな大声を言うなって」
「でも!」
走一は真美の肩に手を置き、走一は池谷と健二に向かって言う。
「これは俺達のバトル、やると決めたからには逃げないのが俺の主義です!」
「俺もですよ…俺行きますよ。俺はただ…初めて走る峠を思いっきり攻めてみたいだけだから!」
2人の固い決意に池谷と健二は何も言えず、走一達は自分達の車に戻っていく。その様子ただ黙って見ていた雅人と海斗と陽毬は笑みを浮かべる。
「流石は秋名のハチロクと稲妻のワンビアと呼ばれるだけの2人、気持ちが強いな」
「あの様子なら、きっといいバトルをするに違いない」
「うん、そうだね。どんなバトルになるんだろう♪」
そして再び碓氷峠に向けて走り出す走一達、池谷と健二はただ苦い顔をしては悔やむしかなかった。
「悪かったな池谷さっきはキツい言い方して…。拓海と走一にああ言われちゃ俺達何も言う事はないよな…」
「ああ…」
「不思議な奴だよなあの二人って…。俺達とはちょっと感覚が違うっていうか…、大物なのかただズレてるだけなのか…、分かんねぇーな」
健二の言葉に池谷はただ黙って聞いていて、碓氷峠に走らせるのだった。