頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第53話 碓氷峠決着

Cの121コーナーで勝負を掛けたシルエイティ事、真子と沙雪はそのCの121コーナーをクリアしたハチロクとワンビアの実力に恐れを引いた沙雪が弱音を吐き、それに真子が。

 

「沙雪!まだ勝負は付いてないわ! そんな風に弱気になるなんて最低だよ!助手席に置いてある荷物だよ!」

 

「ええ!?荷物!?」

 

「ええそうよ!パワーウェイトレシオを悪くする重りだよ!」

 

「(たくぅ~!ハンドル握ると人が変わるんだから!)私が重りとは何よ!! ナイスバディだけどデブじゃないわ!」

 

「だって49キロのハンデじゃない!」

 

「47キロ!!」

 

言い合いをする中で、微妙にコースをズレるシルエイティの様子を拓海が気付いて、走一に言う。

 

「ん? 走一、何だか前の車…」

 

「ああ分かってる。どうも何かあった様だな(相手が何か問題あったならば、勝機が見えて来た! ここは我慢比べってもんだ!)」

 

そう走一が思い込む中で、沙雪がイラつきながらも覚悟を決めた。

 

「そこまで言われちゃ溜まったもんじゃないわ! 行くわよ真子!死ぬ気で攻めなさいよ!!」

 

「そう来なくっちゃ!!」

 

するとシルエイティの勢いが戻り、先ほどまでとは違い鋭くなり、それに拓海が驚く。

 

「っ!(また速くなった!)」

 

「(先ほどの乱れが無くなった!? くそっ!どうやら持ち直したようだな! こっちはコ・ドライバー兼バトルをしているからもう頭の中が真っ白になりかけてる…! このバトルでケリを付けないと二本目のバトルはキツイ!!)」

 

走一は拓海に指示を出しつつ、ドライビングとバトルをしている為、精神をかなり削っている、いくら凄腕の走一でもこのバトルは一本が限界である。

 

そしてバトルをケリをつける為に、一本で相手を追い込み、畳みかけようとする。

 

その時、沙雪の目に対向車のヘッドライトが光り、それに真子に話す。

 

「対向車来てるよ真子! でもすれ違うのは三つ先のコーナーだから、ここは気にせず全開!」

 

「オッケー沙雪!」

 

それを理解した真子は全開でコーナーに進入し、ドリフトして行きながらコーナーを抜ける。

二つ目のコーナーを進入した際に、走一が僅かながら対向車のヘッドライトの光を確認し、それを拓海に伝える。

 

「拓海!今対向車が見えた! 恐らくこの次のコーナーで出くわす! 右を開けておけ!」

 

「分かった!」

 

走一の指示で拓海は右の道を開けて、対向車とのすれ違いに対応する。

 

 

 

そして対向車が何も気にしないまま走っていて、スキール音が聞こえて、そのドライバーは気づく。

 

「あっ、誰かバトルしてるぞ?」

 

「え!!見たい見たい!」

 

助手席の女性がそれに興奮する。

 

「ま、どの程度の走りか、下りの走りを見りゃ分かるね」

 

っとその時にシルエイティが現れ、それにドライバーと女性は驚いてしまう。

 

シルエイティとハチロクとワンビアはそれをギリギリ当たるぐらいの距離で通り過ぎ、対向車はその場で止まって、それを見て唖然とする。

 

「…す、すげぇ」

 

そしてその近くでは、ある四台の車が止まっていて、その様子をギャラリーに来ていた。その内の一台はスタンドで現れたあの不藤のGTOであった。

 

不藤がシルエイティとバトルをしているハチロクとワンビアの方を見て、それに言葉をこぼす。

 

「あれがワンビアか…、なかなか面白いな」

 

「だな。って言うか春樹、お前この前あのワンビアの事を聞きに行ったんだろう?」

 

1人の少年が不藤に問い、それに不藤は頷く。

 

「まあな、スタンドの時ワンビアの事を聞いて、そのドライバーの事を聞いたら工藤の事だったみたいだ」

 

っと不藤が走一の事を知っていたらしく、その事に2人の少年が言う。

 

「まあ、アイツが今話題の稲妻のワンビアだったって事は、驚いたけどな」

 

「となると、アイツと絡んでいる奴等も走り屋をやっているって事になるって事か」

 

「ああ、今後会うのが楽しみだ」

 

不藤とその友人である【一条(いちじょう) (まさる)】と【志村(しむら) 勇夫(いさお)】と【豊島(とよしま) 幸三(こうぞう)】がその様子をギャラリーしに来ていて、GTOの他に泰三と同じ【トヨタ・スープラ A80】と【スバル・インプレッサGC8 WRX type RA STi】と【日産 スカイラインGT-R BCNR33】が止まっているのを、走一達は知りもしなかった。

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

そして走一達は何とかシルエイティに食らいついていた、走一は拓海に指示を出すと同時に自分もドライビングでかなり体力と精神が削られる為、集中力が切れかけていた。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…(不味い…、思ってた以上に疲れて来てる…、二本目に入ったら、間違いなく俺はやられる!)」

 

走一がそう感じる中で、拓海が走一が妙に息切れをしている事に気づく。

 

「おい、大丈夫か走一?」

 

「…ああ、まだやれる!」

 

走一はそう言ってハンドルを握りしめ、ドリフトをして行く。

実際はあまり拓海に心配させないとの気休めでもある。

 

そして沙雪が真子に言う。

 

「ここで離さなきゃ、もう勝負出来るとこないよ!」

 

「分かってる!!」

 

真子はそう言うと沙雪がコースを確認して言う。

 

「対向車なし!思い切っていくよ!!」

 

「うん!」

 

そう言ってアクセルを踏む真子は徐々に突っ込んでいき、走一と拓海もそれに付いて行こうとしたが、拓海が何かに気づく。

 

「…あ、走一、アクセル緩めて!」

 

「え?何で……あ」

 

拓海の言葉に走一は疑問を持ったが、拓海の言葉に気づいて、アクセルを緩めて、シルエイティのと車間距離を開ける。

 

沙雪はバックミラーを見て、それに疑問を持つ。

 

「(ハチロクとワンビアが付いて来ない? 何故?)」

 

沙雪はその事に疑問を持つつ、付いて来ない理由にすぐに気付いた。

 

シルエイティがコーナーに突入した途端、沙雪が叫ぶ。

 

 

「や!ヤバい真子!これ突っ込みすぎ!!」

 

「っ!!」

 

 

真子がその事に驚き、シルエイティが突っ込み過ぎて、スピン寸前な状態で突入してしまう。何とか体制を取り戻そうにも、タイヤが垂れていたのか膨らみ取り戻せなかった。

 

「無理!!立て直せない!スピンで逃げて!!」

 

それにスピンで逃げようとするも、ハチロクとワンビアがもう寸前に来ていた。

 

「(最悪!お願い!避けて!)」

 

真子と沙雪はぶつかる事を覚悟していたが、拓海はイン側の道幅が車が一台通れるくらいの僅かな隙間を逃さず、通れるラインを突き抜け、そして走一もその後をギリギリで通り抜けて、二台ともその場で180度ターンして止まった。

 

シルエイティもそこで止まって、何とか衝突するのを回避した。

真子と沙雪はそれに一息する。

 

「助かったぁ…」

 

「あざやか…」

 

2人がそう言っていると、走一が運転席から出て、シルエイティの所に向かい、助手席の方を覗きながら問う。

 

「大丈夫ですか?」

 

「ええ…」

 

「何とか…」

 

2人の無事を確認して、走一は笑みを浮かばせて、上に居る道郎達に連絡を取る。

そんな中で真子と沙雪は今回のバトルの事を語る。

 

「あたし等の完敗だよ…。凄いよね…憎たらしいぐらいに余裕じゃん…あいつ等。…どんな気分?」

 

「負けたけど…凄い充実感があるよ…、思い出せたよ…。走り始めたばっかりの頃のあのワクワクする感じ…」

 

真子は走り始めた時の事を思い出していた。シルエイティを買って、ドラテクを磨き上げていた時の事を。

 

「夢中で夜が明けるまで走り続けた…。あの頃と同じ凄くピュアーな気持ち…」

 

「最後は限界超えちゃったけど…。そこまでのあんたは凄かったよ…今まで見た中で一番だよ…」

 

「沙雪…」

 

真子は沙雪の方を見て、沙雪は真子に言う。

 

「だから認めてあげるよ真子。これからのことはあんたの好きなようにしていいよ…」

 

「ありがとう…沙雪…」

 

その言葉に涙が出てくる真子。

 

「やだ…湿っぽくならないでよ。最高のバトルが出来て快感なんだからさ」 

 

「うん…」

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

走一からの連絡を受けた道郎は携帯をしまい、彩音達に言う。

 

「皆、走一から連絡があった」

 

「ホントか!?」

 

「どっちが勝ったって?!」

 

池谷と健二がその事を道郎に問い、道郎は笑みを浮かばせながら言う。

 

「フッ、拓海と走一が勝った。あの2人が勝ったんだよ!」

 

「…え?」

 

「……え?」

 

「………え?」

 

池谷と健二とイツキが順に問い返してきて、そして彩音達がそれを聞いて喜びの歓声を上げる。

 

「やったーーー!!走一が勝ったー!!」

 

「やったね!走一君に拓海君!」

 

「初めての峠で勝つなんて!」

 

「やりましたわね!」

 

「「「…ええええええええええええええ!!??」」」

 

碓氷峠の山頂では、池谷達の驚きの声が響き渡り、その後走一達が戻って来た事で再確認した所、走一と拓海が勝った事にまた断末魔の様な声が響き渡るのだった。

 

 

 

 




今回拓海と走一が共に走った理由は、実写版の頭文字Ⅾで涼介と拓海が京一とバトルしたのを見て、それを加えたかった事でした。
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