頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第61話 激戦!ヒルクライム 前編

妙義山、妙義ナイトキッズのホームコースと知られる峠、その峠では数多くの走り屋たちが集まっていた。

 

それは赤城レッドサンズと妙義ナイトキッズとの交流戦があり、その代表である高橋啓介と中里毅がチームを率いて集まりつつあった。

 

そしてその中で池谷と健二はS13に乗って妙義山に到着し、S13から降りて周りを見渡す。

 

「おお~、凄い人数だな?」

 

「何時も秋名で受け入れる側だったから、あまり感じなかったけど、ギャラリー側だと凄い人気だぜ」

 

「ああ…、それよりも拓海達や走一達はまだ来てないか?」

 

「ああ。見渡す所まだの様だ」

 

健二が周りを見渡して池谷に言い、池谷は思わずため息を吐く。

 

「はぁ…、イツキが『拓海の事は任せてくれ!』って言うもんだから任せて見たけど、やっぱり無理があったかな…?」

 

「だな…」

 

そう池谷と健二は呟いていると…。

 

「よう、お二人さん」

 

「こんな所であるなんて奇遇ね」

 

池谷と健二は声を掛けて来た方に振り向くと、そこには海斗と陽毬の2人が居て、それに池谷は声を掛ける。

 

「やあ、こんな所で会うなんてな。そっちは高橋啓介の応援か?」

 

「まあな、一応啓介とは友人でな、アイツがあの中里とどんなバトルを繰り広げるか、見ものだからな」

 

「それに中里さんもなかなかいい感じのドライバーよ。タイヤマネジメントもかなり上昇しているから、これは啓介君も若干苦戦するかもね」

 

陽毬は何故か面白そうに啓介の事を言い、それには池谷と健二は顔を合わせる。

 

「この2人の事は前に知ったけど…」

 

「なんかこう…雰囲気からして高橋啓介の知り合いとは思えねぇな…。こんな気楽な所がある彼女に…」

 

っと池谷と健二は陽毬の様子を見ながら言い、それに陽毬は笑いながら手を振る。

そんな中で慎太郎は何故か1人で回りを見ていて、それに1人の青年が声を掛ける。

 

「よう、そんな所で何しているんだ?」

 

「ん?なんだアンタか…」

 

慎太郎が振り向いた相手、それは一足先に来ていた雅人だった。雅人は慎太郎が一人でいる事に疑問を感じていて、それに声を掛けたのだ。

 

「どうしたんだこんな所で、今日は妹と一緒に来ていないのか?」

 

「そうなんだが…、亜里沙の奴…『走一君達と一緒に行くからお兄ちゃんは先に言ってて』って言われてしまったんだよ…。クソッ…!いつの間にか兄離れしてくのかよ…!!」

 

っと何ぜか悔しそうな表情をする慎太郎に、雅人は何故か苦笑いをする。

 

「アハハハ…、そうか…(でもそう言えば俺も走一達がちょっと遅れると言って先に行っていたが、どうしたんだろうな?)」

 

そう思う雅人であったが、そこに一台のハチロクがやって来て、それにギャラリー達が騒ぎ出す。

 

「おおっ!!ハチロクだ!!」

 

「でも秋名のハチロクじゃないぞ?」

 

「フルエアロにGTウイング、それに固定式のヘッドライトだぜ? 完全に秋名のハチロクじゃない!」

 

ギャラリー達が騒いでいるのを池谷と健二は振り向くと、ブルーのハチロクがやって来る。

 

「なっ!ブルーのハチロクのカスタムバージョン?!」

 

「あんなド派手なハチロクは見た事ねぇ! 一体誰だよ!?」

 

「ああ~、蓮華さんだな?」

 

「あのハチロクに乗る人って彼女ぐらいだもんね」

 

っと海斗と陽毬の言葉に振り向く池谷と健二、そしてハチロクから蓮華が降りて来て、辺りを見渡す。

 

「あれ~、啓介君の奴何処にいるんだろう? 今日はある事を頼みに来たのに、つまんないな~?」

 

「どうも。蓮華さん」

 

「こんばんわ」

 

蓮華の所に海斗達が行き、池谷と健二が付いて来る。蓮華も海斗達の方を見て手を振る。

 

「あ、ヤッホー♪ 奇遇ですな~こんな所で」

 

「啓介の応援に来たんですよ。それより今日はどうしたんですか?」

 

「今日はちょっとばかり啓介君にお願いがあって来たんだよね。あいつ何処に居るのかな?」

 

そう言って探し回る蓮華、池谷と健二は彼女の地雷系ファッションを見て若干引いていた。

 

「(な、なんて服装なんだ…!)」

 

「(流石に服装を見たら引いちまうよ…!)」

 

そう思う池谷と健二であった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして走一達はと言うと、拓海が高速代を使うの嫌っていた為、下道で妙義山に向かっていた。

 

「早くしろよ拓海!! もう始まっちゃうぞ!?」

 

「何言ってんだ?そっちだってガソリン勿体ないってお前のハチロクを持って来なかったじゃないか?」

 

「おーい、ルート分かったぞ~」

 

走一が拓海達の所に行き、妙義山のルートを教える。

 

「このルートの方が妙義山に行けるルートだ」

 

「ああ、分かった」

 

「それにしても、意外と金銭にはケチな方だな。秋名のハチロクのドライバーは」

 

不藤がその事をに言って来て、それに彩音が言う。

 

「まあまあ、一応下道だからお金は節約できるじゃない」

 

「あのね彩音、結局車はガソリン使うのよ? 節約にはならないわよ」

 

そう彩音に言う真美、その様子を一条が不藤に言う。

 

「彼女達、確か朝倉達の幼馴染だって言ってたな?」

 

「ああ、しかも今ドラテクの練習の真っ最中だって言うから、これは()()()()との関係を築かせるには良いんじゃないか?」

 

「ん?あいつ等って?」

 

道郎が不藤と一条の話しが聞こえて、それに問うと一条がそれに言う。

 

「実は俺達の所に同じような女たちが居てな。丁度いいから今度会わせようとって事にしたんだ。今回のギャラリーに誘うとしていたんだが、用事があって来られなかったんだ」

 

「そう言う事だ。彼女等には今度会わせてやる」

 

「へぇ…」

 

「ねえ!お兄ちゃんから電話があって、もう始まるぞって!早く行こう!」

 

亜里沙の声を聴いた走一達はすぐに車に乗り込み、妙義山へと向かった。

 

 

 

 

そして10時、妙義山の麓ではレッドサンズの啓介とナイトキッズの中里が向かい合っていた。

 

「よう、待ってたぜ」

 

「主役は後から決まってるのさ」

 

「妙義の谷は深い、精々命だけは大切にしろよ」

 

「ぬかせ、そっちこそ震えてんじゃねぇのか? 軽く捻ってやるぜ、ナイトキッズなんか俺の敵はいねぇよ」

 

「その自信過剰が命取りにならない事を願うぜ。まあどっちにしろどちらの技術が上か絶好の機会だからな」

 

互いの挑発アピールがぶつかり合う中、雲行きが徐々に怪しくなって来たのを見て、上を見る啓介。

 

「雨が降る前に、始めるとするか!」

 

「おう!」

 

っとそう言った時だった。

 

「ハチロクだ!!」

 

「秋名のハチロクだぞ!?」

 

「稲妻のワンビアもいるぞ!!」

 

「おお!!秋名の最速軍団だ!!」

 

「でも後ろの五台はなんだ?」

 

ギャラリー達の歓声の声が聞こえ、それに啓介達と中里達が振り向く。

そんな中啓介の近くにいる賢太が思わず見る。

 

「(ハチロクに…ワンビア!?)」

 

そしてワンビアを先頭にハチロク、セリカGT-FOUR、FTO、NSX、ロードスター、GTO、スープラ、インプレッサ、そしてR33が続いて来る。

イツキはギャラリーの多さに驚く。

 

「うわぁ!すげぇギャラリーの数」

 

「そんな事より、早く先輩達見つけろよ」

 

「分かってるよ!でもこんなに人が多いんじゃ何がなんだが…」

 

『取り合えず、頂上に行くか』

 

通信で走一が拓海達に言い、それに拓海達は通信機で聞く。

 

「上の駐車場の方が広いからな。こんなに人が多いんじゃ見つけにくいよ」

 

『そうだな。上に行こう』

 

『おうよ!』

 

道郎達が頷き、走一達は頂上に向かった。その様子を啓介と中里は見つめる。

 

「(やはり来やがったか。へっ!嫌でも気合いが入るぜ…!!)」

 

「(ハチロクにワンビア…。前の俺とは違う所とことん見せてやるぜ!!)」

 

啓介達がそう考える中で、雅人は若干首を傾げていて、それを隣に見ていた慎太郎が問う。

 

「どうしたんだ?首を傾げてよ?」

 

「…どうして走一達GT-Rと一緒に走っているんだ? 俺が一番いやな感じになるって言うのが分かっているのに…!」

 

「何だよそれ…。それに一緒にいるって言うのはちょっと間違いじゃないか? あれは単にあのGTOと絡んでいる者と一緒にいる感じに俺は思える」

 

「ん?どういう事だ?」

 

雅人が慎太郎の問いに少しばかり引っ掛かり、慎太郎はそれに答える。

 

「オーラで分かるんだ。あのGTOとR33…、共に走っているオーラがな…。」

 

「共に走っているオーラ…、アンタにそれが見えるって事は。あいつ等は相当な実力者って事か?」

 

「ああ…、朝倉君達…一体どう言った関係なんだ…?」

 

その事に雅人は若干疑問を持ちつつも、その様子を見届ける事にした。

 

そんな中、蓮華が啓介の所に来て、あるお願いをする。

 

「おーい啓介君。君にちょっとしたお願いがあるんだ~」

 

「あ?こんな時にあんだよ?」

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

走一達が上って行く中で、ギャラリーの者達はその光景を見て興奮していた。

 

「ハチロクだ!」

 

「ワンビアもいる!!」

 

「あの秋名のか?」

 

「そうだ!あの豆腐屋だ!」

 

「ああ~これが!」

 

皆が興奮している中、イツキは若干浮かれ気味になっている。

 

「な、なあ…分かってはいたんだけど、なんか俺達…すっげぇ見られてないか?」

 

『今更気付いたのかよ? そんなの当たり前だろう、有名な軍団が此処に集結しているんだから』

 

道郎の言葉にイツキは更に興奮してしまう。

 

「くぅ~~~!!やっぱり拓海のハチロクで来て良かったよ!!」

 

「何言ってんだお前?」

 

『調子に乗らないの!』

 

『そうよ変態男! 調子に乗らない!!』

 

「亜里沙ちゃんだけ超厳しい!?」

 

っと声を荒げるイツキであった。

 

 

 

そして麓の方では…。

 

「オーライ!オーライ!」

 

慎吾が誘導をしていて、FDとR32がスタートラインに着く。その後ろには蓮華のハチロクがスタンバイしていて、それには皆が見ている。

 

実は蓮華が啓介にある事を頼んだのは、2人のバトルを近くで見る為、後追いするとの事だった。

 

当然その事には啓介は悩んだが、蓮華の必死なお願いにより、渋々了解する事になった。

スタートラインに着く啓介に賢太が話しかけてくる。

 

「啓介さん、良いんですかあの女? ハチロクでついて行けるなんて思えないですよ!」

 

「良いんだよ。俺が承知しちまったんだから。それにあのハチロクはただのハチロクじゃない…、よーく見ておきな賢太」

 

「??」

 

啓介の言葉に賢太は若干首を傾げるが、一応啓介の言葉を信じる事にし、離れる。

そしてカウントダウンが始まる。

 

「カウント行くぞ!! 5!4!3!2!1! GO!!」

 

慎吾の合図により、FDとR32はロケットスタートし、R32が前に出て登って行き、FDもそれに追いかける。

そして蓮華のハチロクもそれに追いかけていくが、ハチロクとは思えないほどの加速力で発進して行き、FDとR32の後を追いかける。

 

それにはギャラリー達の歓声がこだまする。

 

「すげぇ!!ロケットスタートだ!!」

 

「FDとGT-Rもすげぇけど、ハチロクなのにあんな加速力があるのか!?」

 

「絶対あれターボが入ってるって!!」

 

「でもターボだけであんなパワーがあると思うか!?」

 

そして賢太は密かに思っていた。

 

「(す、すげぇ…ハチロクじゃないぞあの車!? ハチロクであんなパワーを出したら、足回りが絶対に負ける! どこぞと分からない車に乗っているのを…あの女平然と乗りこなしている!!? でも今は啓介さんだ!啓介さんが必ず勝つ事…俺は分かるんだ)」

 

っとそう思う賢太であった。

 

 

 

 




蓮華のハチロク、恐ろしい程に速いです。上りでFDとR32に付いて行くんですから。
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