頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第62話 激戦!ヒルクライム 後編

妙義山でレッドサンズとナイトキッズの交流戦が行い、走一達がギャラリーしに来たことに、啓介達の気合いが上がっていく。

 

高橋家の自宅で、涼介は時計を見て、バトルが始まったのを確認する。

 

「始まったな…」

 

涼介は立ち上がって煙草を吸おうとした時に、外が雨が降っているのに気が付く。

 

「(雨か…、FDの最大の武器は旋回性能の高さだ。それを忘れるなよ、啓介…)」

 

 

プルルルルル!

 

 

すると涼介の携帯が鳴り、それに涼介はとって出る。

 

「はい」

 

『俺だ、涼介』

 

「琢磨か…、どうした?」

 

『今日は妙義山でお前の弟と中里君がバトルをするんだが、お前は行っていないのか?』

 

相手は琢磨だった為、それに涼介は頷きながら言う。

 

「ああ、今の啓介はもうチームの代表を務められるほどの実力を得た。俺が行く必要はない」

 

『フッ、そうか…。だが今の中里君を侮らない方がいい。朝倉君とバトルして以降かなり腕前も上がり、タイヤの使い方も上手くなっている。油断しているとお前の弟は負けるぞ』

 

「…そうか、ならチームに少しばかり気を配る為、連絡しよう」

 

そう言って涼介は携帯を切り、それに少しばかり考える。

 

「(中里がタイヤマネジメントを習得したのか…、となると啓介も苦戦は逃れられないな…)」

 

涼介は窓の外を見つめながら、そう思うのだった。

 

 

 

 

そして頂上で、走一達は丁度10台止められる場所のスペースがあって、そこにワンビア達を止め、ギャラリーする場所に徒歩で向かう。

その中でイツキが奇妙な事を言う。

 

「なあ皆。この妙義って、何処となく秋名に似てねぇか?」

 

「…それは無い。この妙義山はどちらかと碓氷峠とよく似た場所なんだ」

 

「ええ~~!?そうかな! なあ拓海は?」

 

走一がそう言った事に否定気味なイツキ、若干納得出来ないイツキは拓海に問いかける。

 

「なあ拓海、お前もこの峠は秋名に似てないか?」

 

「どうかな…、どっちかって言うと碓氷に似ているな~」

 

「ええ~~!?お前も!?(駄目だ…拓海のボケはマリアナ海溝よりも深いよ)」

 

イツキは拓海の腕に抱き着き、指を指しながら言う。

 

「いいか拓海、よーく見ろ!?碓氷に狭くないし直線も長い! ダイナミックに上がって来るなんて秋名そっくりじゃんか!」

 

そうイツキではあったが、それには走一達は…。

 

「いや、イツキ、お前はあの碓氷を直接走って感じてないからそう言うんだよ」

 

「ああ、俺も若干走ったから分かるが、碓氷と妙義…()()()が似ているんだ。この峠のコーナーリズムにな」

 

「り、リズム…?」

 

走一達の言葉にイツキは頭に?を出しながら首を傾げていた。

 

そしてその様子を見た不藤は、イツキに向けて言う。

 

「武内樹…だったな? どうやらお前は走り屋としてまだまだ未熟の様だな?」

 

「なっ!どう言う事だよ!?」

 

「峠には峠のリズム感覚がある、そのリズム感覚を掴めば、どんな峠でも自分のペースで走る事が出来るんだ」

 

「え? 何それ…?」

 

不藤がそうイツキに言うも、イツキはまだ頭の中ではなかなか理解出来ずにいた。

 

それには彩音達も同じだった。

 

「…どう言う意味かさっぱり分かんない。どう言う事?」

 

「それはね、峠でバトルをしたものしか味わえない感覚みたい物よ。私もちょっとばかり分かんない所はあるけど、カートで何戦もレース経験積んでいるから、何となく分かるわ」

 

そう亜里沙が呟き、彩音達は今だに首を傾げるしかなかった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そしてFDとR32が妙義山を全開ヒルクライムをしている中で、中里は集中しながらタイヤマネジメントを保ち、コーナーに進入していく。

 

R32のアテーサET-Sを最大限に生かしつつも、タイヤを保たせる走りを見せている。

 

対してFDは若干立ち上がりではR32に軍配が上がるが、それでもコーナーで一気に差を詰めていく。

それを後ろから見ていた蓮華が乗るハチロクが追いかけていた。

 

「(おお~!中里毅って人なかなかやるじゃない! あの重たいR32をあそこまで操るなんて。もうGT-R乗りとしては完成形に近いね! 対して啓介君のFDもなかなか良い! FDの旋回スピードを生かしつつ、アクセルワークが完璧に近いわ、これはもうどっちが勝ってもおかしくないわね!)」

 

そう蓮華が思う中で、中里は後ろを見ながら奮闘する。

 

「(速いな…、FDがコーナーが速い。妙義の上りで…この俺に付いて来られるのは田村以外に居るとはな…。でもそれでもまだ俺は行けると確信できる! それだけ俺の腕に自信や技術が上がった証拠だ! だがそれ以前にFDの後ろにいるあのブルーのハチロクは一体なんだ!? 上りでありながら俺達について来るなんて)」

 

「(チッ、気に入らないな…、中里がこんなにも上手くなるとはな…。朝倉とバトルした後もかなり上達してがやる。だが若干ステアリングをこじり始めたのが見える。ペースを上げるつもりか? あれをダウンヒルでやったら、間違いなくタイヤはたれるだろうがな…)」

 

その三台の様子をレッドサンズのメンバーが見て、携帯で涼介に報告する。

 

『中間地点です…。今三台が通過したところです。先行はR32のまま、全く差はついていません!』

 

「ん?三台…? 啓介と中里の後を追っている奴がいると言うのか?」

 

『はい、どう言った理由で付いて行ったのかわかりませんが、二台の後をブルーのハチロクが後追いしている所なんです』

 

「(ブルーのハチロク…、蓮華か? アイツ一体何をやっているんだ…?)…一つ教えてくれ…。コーナーの立ち上がりで啓介は中里に遅れているか?」

 

『えっと…。立ち上がりだけはワンテンポ遅れるんですが、トータルでは食いついていってますよ。凄くスムーズです。ただ中里のR32はもの凄く安定していて、立ち上がりがきれいなんですよ』

 

「OK、ご苦労さん」

 

メンバーからの報告を聞いた涼介は携帯を切って呟く。

 

「(上手くなった啓介、それが出来るようになったか…。しかし蓮華の方は追いかけている理由は分からん。あいつのハチロクはAE92後期用 1.6L 4A-GZEのカスタムをベースとしたターボとスーチャーのツインチャージャーだがらな、おまけに馬力は380馬力だから上りでも十分付いて行く事は可能だろう、それでも足回りがいつ死んでもおかしくないからな)」

 

 

 

そして走一達は下から聞こえてくるエキゾースト音とスキール音が聞こえてくる様子にイツキが呟く。

 

「さっきから音だけが聞こえるけど中々来ないな」

 

「う~ん…音からしてきっと中間を過ぎたあたりだな、まだここに来るのはもうちょっとだろうな」

 

「分かるの?」

 

志村が呟いた事に彩音が問い、それに志村が頷く。

 

「ああ、音からして大体な。でもこの音だとR32とFDがかなり激戦を繰り広げているな」

 

「中里さんが俺とのバトルの後、和真さんの所に行ってアドバイスを貰ってって道郎から聞いたからな」

 

走一がそう呟き、廉一郎がこう言う。

 

「啓介さん、きっと苦戦するだろうな…」

 

「あの男がそう簡単に苦戦すると思うか?」

 

玄がその事を言い、真美もそれに頷く。

 

「そうね…、あの人がこれしきの事であの人が負ける筈ないもんね」

 

「うん、FDの扱いも相当上手くなっている様だし、もしもの時もあるもんね」

 

っと凛がそう言った時に、走一と拓海が何かを感じた。

 

 

ポタッ

 

 

「あっ」

 

「やばい」

 

「どうした?」

 

2人の様子に不藤が問うと、走一が言う。

 

「雨が降り始めた」

 

そう言うと同時に雨が降り始めて来て、それに走一達だけじゃなく、ギャラリー達もそれに慌て出す。

 

それを見て、走一は呟く。

 

「ヤバいな…」

 

「え?何がヤバいの?」

 

彩音がそれを聞き、走一はこう言う。

 

「降り出した直後の路面に水が浸ると、アスファルトに染み付いていた埃や油が雨で溜まっては浮き出てしまい滑りやすくなってしまうんだ。特にバトルしている啓介さん達からすれば大変だ、一歩でも誤るとスリップして大惨事なってしまうからな」

 

「え?でも中里さんのR32って4WDでしょ? 雨や雪に強い筈なのよね?」

 

「それはそうだが、それは人によるからな。駆動方式の強い4WDも降り始めが一番危ないからな」

 

そう走一は彩音に言った時だった。

 

『来たぞ!!』

 

ギャラリーの声が走一達の耳に聞こえ、それに走一達は振り向くと下から啓介達のFDとR32が見えて、その後ろに蓮華のハチロクが追いかけて来た。

 

それを見た走一達は思わず驚く。

 

「ブルーのフルカスタムハチロク…!?」

 

「啓介さんと中里さんを追いかけてるの!?」

 

「マジかよ!!上りなのにFDとR32に食らいついてる!?」

 

走一達がそう驚く中で、啓介がラストスパートを掛けて来た。

 

「(行くぜ!勝負だ!!)」

 

すると最終のコーナーに差し掛かった時、R32もそれを抑えながら食らいついていく。

 

「(負けないぜ! 立ち上がりでR32の底力を見せてやる!)」

 

「(行ける!俺のFDが行けると教えてくれている!!)」

 

「(おお~!2人共勝負を掛けに来たね! この勝負はどっちなんだろう!)」

 

雨が降る中でFDがコーナリングを制御しつつ、外からR32に食らいつく、それに対しR32は重たいボディに耐えつつ立ち上がろうとする。

 

そして最終のコーナーを立ち上がって、ゴールしたのは…。

 

「ど…どっちだ!?」

 

 

 

「え、FDだ!! 高橋啓介のFDが勝った!」

 

 

 

ナイトキッズのメンバーがそれに大声で叫び、それにギャラリー達が騒ぎ始める。

 

勝ったのは啓介のFDで、ほんのわずかな差でFDが前に出て、中里を下したのだ。

 

それを見た走一達は思わず息を飲んだ。

 

「すげぇ…、あいつ等の車がこんなにも迫力あったなんてよ!」

 

「啓介さんが進化してる、何だか負けられないね」

 

「ああ、それに中里さんも進化している。負けられないな」

 

玄達がそう呟く中、走一と拓海は啓介達じゃなく、ブルーのハチロクの事を考えていた。

 

「(あのハチロク…、音を聞く限りターボトスーチャのツインチャージャー…。それにそれだけじゃない、足回りもそれなりに耐えれる様にしてあるし、ある程度は上りに順応出来ている)」

 

「(でも、うちと同じハチロクで、あれだけスピード出したらどうなんだ…? そこがよく分かんねぇけど、あれじゃあなんだか足が…)」

 

そう考えながら啓介達の所に向かう事にした走一達であった。

 

 

 

 




えー…、リクエストキャラについてですが、そろそろ多くなって来たので、ここで打ち切りにさせてもらいます。

どうもありがとうございました。

そして活動報告にまた新しいリクエストがあります。
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