頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第63話 レインバトル

ヒルクライムの激戦は高橋啓介が勝利を決め、それを聞いたレッドサンズのメンバーたちは大喜びしていた。

 

「よっしゃー!啓介さんが勝ったー!」

 

「あの毅が負けた…?信じられねぇ…」

 

慎吾は負けた事に少しばかり唖然として、その事を聞いた雅人達は…。

 

「啓介が勝ったか、まあ…今のあいつなら可能か」

 

「ああ、レッドサンズのメンバーからは涼介さんと大分似て来たって言ってきたからな。これはちょっと面白くなって来たな」

 

「ねえ、頂上に行こう。あっちには朝倉君達も居るし」

 

「そうだな。頂上に行こう」

 

雅人達はそう言って自身の車に乗って頂上に行き、慎太郎もその様子を見て雅人達に付いて行った。因みに池谷達はもう頂上に向かっていた。

 

 

 

そして頂上、啓介と中里はFDとR32から降りて、互いに顔を合わせる。

 

その中で中里が口を開く。

 

「…負けたぜ、高橋啓介…。技術が俺より上回っていたって事だな」

 

「ああ、その通りだ。俺のFDは行けると絶対的な自信があったからな。だが今回は嬉しさ半分とイラつき半分だ」

 

「??」

 

啓介の言葉に中里は首を傾げた、何故啓介がイラつきが半分なのかと思うと、啓介が中里を見ながら言う。

 

「てめぇは以前、昔の俺と同じくらいの荒っぽい所がある走りがあった。だが今回のバトルでは全く違った、安定した走りにタイヤの温存。それらが全て揃っていた、一体所でその技術を持ったんだ?」

 

「ヘッ、…実は昔ラリーストをしていた人物に教えて貰ってな、タイヤの使い方や走り方にも少しばかり習った」

 

「(元ラリーストだと!? だから中里があれ程までに強くなれって言うのか!? こんな雑な奴がこれ程までに上がるって言うのは、それだけドライビングセンスを上げる素質があるって事かよ!?)」

 

啓介がその事を内心でそう感じながら悔しそうにしながらも、そのラリーストの存在を警戒するのでたった。

そして中里は啓介を見ながら言う。

 

「高橋啓介、俺は何時か俺はお前にリベンジをして、高橋涼介にも挑戦する! それまでは勝利はそっちに譲るぜ」

 

「フンッ!上等だ…! またお前を返り討ちにして、その自信を叩き折ってやるぜ」

 

っとそう言って2人の会話が終わった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして走一達が頂上に向かって歩く際、横から雅人達のHCR32とNSX-RとランエボXとM3が通り過ぎて、それに走一達は気づく。

 

「雅人さん達の車だ」

 

「麓に居た様だな」

 

「なら急いだほうがいいな」

 

そう言って走一達はちょっとばかり小走りになって頂上に向かう、そんな中で賢太のS14が頂上に到着して、S14から降りて啓介に祝福する。

 

「啓介さん!流石です!!」

 

「どうしますか?ダウンヒル」

 

史浩が中里にダウンヒルバトルの事を聞いて来て、それに中里はこの雨の状況を見ながら言う。

 

「中止にするしかねぇだろう、この雨じゃ」

 

「ああ、無理がある」

 

それには啓介もそれは承知であったが、横からある人物が横やりが入る。

 

「啓介さん! だったら俺と秋名のハチロク…あるいは稲妻のワンビアとやらせて下さい!」

 

「なにぃ?」

 

なんと賢太がこの雨を利用して、走一と拓海にバトルを申し出たいと言い出して来たのだ。それを聞いた啓介は思わず眉間を曲げる。

 

「地元でなきゃ良いんでしょう? ここはあいつ等の地元じゃないし。条件は五分と五分!」

 

その話しを聞いていた走一達、そこに池谷達と雅人達がやって来る。

 

「よう!」

 

「あ、先輩」

 

「あいつ、何者だ?」

 

「あいつはレッドサンズの中村賢太。最近レッドサンズに入ってきた奴で、啓介から直々に教えを受けている奴だ」

 

雅人が賢太の事を話し、それに走一達は聞いていると、賢太が走一と拓海の方を見ていて、ゆっくりと歩み寄る。

 

「賢太!」

 

それに啓介は止めようとするが、それを無視する賢太は走一と拓海に問う。

 

「藤原拓海に朝倉走一…だな?」

 

「……」

 

「ああ…そうだ」

 

拓海は黙り込み、走一はそれに返答する。

 

「レッドサンズの中村賢太だ。どうだ、俺とのレインバトルを受けるか?」

 

「レインバトル?」

 

賢太の問いに彩音が首を傾げ、それに陽毬が答える。

 

「レインバトルって言うのはね、雨の中でのレースをするって事よ。ただ雨のバトルは路面がもの凄く滑りやすいし、しっかり荷重を掛けないと車は言う事を聞かないから危険なの。まあこの雨じゃそうそうバトルを仕掛けるとは思わないと思っていたけど…」

 

「どうやら相手はレインバトルに若干慣れているって感じの様子だな」

 

海斗が賢太の方を見ながら、バトルを仕掛ける自信があると確信する。

 

そんな中で啓介が賢太に近寄る。

 

「賢太! 兄貴の許しもねぇのに」

 

「ギャラリーに聞いて見ましょうよ、啓介さん。皆!!俺と秋名のハチロクと稲妻のワンビアのレインバトルを見たいか!!?」

 

 

 

おおおーーーーーーーーーッ!!

 

 

 

大勢のギャラリー達がその事に賛成するかのような雄たけびを上げ、それに池谷と健二は気まずい感じになる。

 

「ま、不味い…!」

 

「嫌とも言えねえ雰囲気だぜ!」

 

「やれやれ、アイツも馬鹿な考えをする」

 

雅人は賢太の行動を見て呆れかえっていたが、それをイツキと凛が言う。

 

「で!でも、拓海と走一は来週、高橋涼介と如月琢磨とのバトルがあるんですよ!?」

 

「そうですよ! そんな大事な時にバトルだなんて!?」

 

「その前に俺だ、言っておくが俺に負けるようなら、涼介さんとバトルする資格ないぜ?」

 

っとその言葉を言った瞬間、走一は賢太の言葉に意味を察し、そして理解した。

 

「(涼介さんとのバトルをする資格なしは言った意味は分かるが、如月琢磨さんの事は何も言ってこない…アイツまるでレッドサンズ慣例の事を言ってきているみたいだ、まさか…)」

 

そう察した走一を他所に、賢太は関係なく挑発をし続ける。

 

「黙ってないで何か言えよ。俺は雨のバトルには自信があるだ。ひょっとしてお前等、()()()()()()()()()?」

 

「おっ!言ってくれるぜアイツ!」

 

「玄、お前は黙ってろ」

 

道郎が玄を黙らせ、廉一郎が玄を下がらせる。

 

そんな様子にイツキは気まずそうになりながらも、拓海の前に出て言う。

 

「駄目だよ!拓海はちょっとボケて、その…」

 

「いいよ、やるよ」

 

「え?」

 

「俺も良いぜ」

 

「ぶぅえぇ!?」

 

拓海と走一が共に走ると言った事にイツキだけじゃなく彩音達もそれには驚きを隠せないでいたが、玄達と不藤たちは何も驚いた様子はしていなかった。

寧ろ挑戦を受けられたら当然だと言わんばかりの顔をしているからだ。

 

そんな中で啓介が止めようとする。

 

「おい!待てって!」

 

「こうなったらもう誰にも止められねぇよ」

 

っと中里が今の様子を見てそう呟き、それに啓介は見る。

 

「だけどよ!?」

 

「ハチロクとワンビアは俺達だけのターゲットじゃないんだ。走り屋なら誰もが挑戦したがる、その気持ち…お前にも分かる筈だ」

 

中里に言われて、その事に黙り込む啓介、そしてその言葉には雅人達も同じような感じであった。

 

走一と拓海の返答を聞いた賢太はそれに笑みを浮かべながら言う。

 

「へっ、そう来なくっちゃな。雨のバトルなら純粋にテクニックだけのバトルが出来るし、雨でパワーの出も半分になるからな。持って来て並べろよ、自慢のハチロクとワンビアをよ…」

 

「良いぜ」

 

「行こうぜ、イツキ」

 

「えっ?!俺も行くの!?」

 

拓海の誘いにイツキは驚き、そんな様子拓海は少し思った事を言う。

 

「ここに置いて行ったら、もう一度上らなきゃならないだろうが、かったるいから下まで降りたらそのまま帰ろうぜ?」

 

「え? う、うん…」

 

「拓海君、そんなに焦らないでよ。帰るなら私達も一緒よ?」

 

っと真美がその事を言って、拓海は少しばかり考えて、そして走一の方を向く。

 

「そうするか?」

 

「そうするべきだ。じゃないと真美がああだこうだと五月蠅いし」

 

「ねえ走一、本当に走るの?」

 

彩音がこのレインバトルの事を走一に訪ねて来て、それに走一は言う。

 

「ああ、相手が俺達とバトルしたいって言うんなら、受けるのが常識だ。俺は逃げも隠れもしない、ただ…」

 

走一は一度賢太の方を見ながら言った。

 

「雨が降れば勝てる()()()()を蹴散らすには、丁度いいと思ってな…」

 

「何ぃ!!?」

 

その言葉に賢太は思わず怒りが込み上がり、それには池谷達は思わず息を飲んだ。

 

それと同時に雅人達は若干その様子に呆れる。

 

「ははは、走一の奴、ちょっとキレてるな」

 

「ああ、横から見て分かるよ。あれは彼の言葉に若干キレてるって」

 

「そりゃあ…ね」

 

その様子に雅人達はその様子を見つめる事にし、亜里沙は慎太郎に話しかける。

 

「お兄ちゃん、走一君達大丈夫かな?」

 

「それは俺も分からない。確かに雨のバトルならパワーの出力が半分になるから面白いバトルになるとは思うが、朝倉君が何故蹴散らせると思えるのかが分からない。雨のバトルは経験があるのか…?」

 

っとそう思う慎太郎は走一を見つめながらこのバトルの行く末を見守る事にした。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

「下りだ!下りもう一本やるってよ!!」

 

「秋名のハチロクと稲妻のワンビアが走るみたいだぜ!」

 

「しかも相手はS14! 楽しみだぜ!」

 

雨のダウンヒルが行われることを知ったギャラリー達が騒ぎ出している中で、蓮華が啓介の方に寄ってきて言う。

 

「ねえ啓介君。なかなか面白い人物達に目を付けたね?」

 

「あ? へっ、まあな。だがあいつ等がどんなテクを見せてくれるのかは、少しばかり気がかりでもあるがな」

 

「そうだね~、でも私からすればちょっとワンビアが嫌な気持ちのなるのよね~」

 

「は?何でだよ?」

 

啓介は蓮華の言った言葉に何か引っかかりを感じて、それを聞くと、蓮華は少しばかり憎たらしい表情になって言う。

 

「…だって私が昔テストマシンで“最高速仕様のワンビアを走らせて欲しい”って頼んだワンビアに乗ってテストした所、左フロントタイヤのハブボルト破断で大クラッシュしたのよ!お陰でリハビリも相当大変だったし、しかもその時のワンビアが今彼が乗っているブルーのワンビアその物なのよ! 何か見るだけでイラっとするのよ!」

 

「…それは俺の口から何とも言えねぇよ」

 

そう啓介は呟き、啓介は賢太の所に行く。賢太は啓介が来たことを見て笑みを浮かべながら言う。

 

「まあ見ててくださいよ啓介さん。俺雨が好きなんですよ、チームに入る前、自己流でドリフトを練習してた頃、雨の日をわざわざ選んでいたぐらいでしたからね。金がねぇからタイヤの減らない雨の日が嬉しくって」

 

「自信満々なのはいいが、雨を甘く見るなよ?」

 

「雨のキャリアなら俺が一番ですよ、大丈夫!雨なら俺が有利ですよ。勝ちますよ、雨は俺の味方です!」

 

そう言ってS14をスタートラインに着かせる賢太、その様子を啓介はただ見るだけであった。

 

 

そして後に賢太は思い知る事になる、雨のバトルで走一と拓海の驚異的なドライビングセンスの高さに…。

 

 

 




かなり中里が精神的にも強くなってます。それだけ自信のメンタルが成長している証拠ですね。

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