頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第4話 レッドサンズ襲来

拓海達がバイトしているガソリンスタンド、営業終了し店長である【立花 祐一】が店をでて、自分の車に乗り込もうとした時だった。

 

「…ん?」

 

独特のエンジン音…ロータリーサウンドを聞き、祐一が後ろを振り返った。

 

すると先頭から黄色の車【マツダ アンフィニ FD3S RX-7 TypeR (1992年式 Ⅰ型)】と白い車【マツダ FC3S サバンナRX-7 ∞III (1990年式 後期型)】が走り、その後ろから続々と車が付いて来ている。

 

その光景を目撃した祐一はただそれを見つめていた。

 

「何だ…見た事もない連中だな? こんな時間から秋名山に上るのか? う~ん…山じゃちょっとした騒ぎになりそうだな」

 

祐一はそう思いながら秋名山を見つめるのだった。

そしてその団体は秋名山に上って行き、その頂上に到達する。

 

それを見た池谷達はまたしても見る。

 

「おお?また見かけない車だ…」

 

池谷達はその車を見つめる中で、その車…FDにボディに貼られているステッカーを見る。

 

ステッカーは【REDSUNS】と書かれていた。

そのステッカーを見た池谷は気づいた。

 

「(レッドサンズ…! あの赤城最速と呼ばれる…レッドサンズか!?)」

 

池谷がそれを見つめる中で、レッドサンズのメンバーが降りて来る。

 

先頭のFDから金髪に近い茶髪でツンツンとした髪型の長身【高橋啓介】が降りて来る、そしてFCからはその啓介と似た感じを持つ長身の男性【高橋涼介】が出て来る。

 

その2人を見た走一はすぐに分かった。

 

「(あっ、あのFCの男性…前にカートをしてた時にある先輩から聞いた事がある。様々なサーキットとジムカーナを総なめにしてコースレコードを書き換えた人が居るって…確か高橋涼介って言うんだけな?

話ししか聞いた事無かったけど、まさかこの目で拝めるなんて思わなかった)」

 

走一がそう思っている中、涼介が啓介に目線を送り、それに啓介は頷いて前を向く。

 

「俺達は【赤城レッドサンズ】て言うチームのメンバーだ。不躾の質問で悪いが…、この峠で最速のチームか或いは走り屋が居たら教えてくれないか?」

 

啓介の言葉を聞いたスピードスターズのメンバーたちはざわつく中で、池谷がその質問を返す。

 

「俺達は秋名スピードスターズって言うチームをやってるけど、ここでは最速だと思ってる」

 

池谷の言葉を聞いたレッドサンズのメンバーたちは思わず食いついた。

 

「なら話は早い。この秋名山で内のチーム…赤城レッドサンズの交流会をやらないか?」

 

その言葉を聞いて池谷は勿論、スピードスターズのメンバーたちはまたしてもざわつき始めた。

走一達もそれを聞いて、思わず耳を疑う。

 

「おお!これはいきなりナイスな展開でしょう!」

 

「五月蠅いっての!!」

 

バコンッ!

 

「グヘッ!」

 

真美はまたしても何処からか出したどデカいハンマーを取り出して、イツキを黙らせる。

 

「酷い~…!」

 

「まあまあ」

 

「これも1つの経験だと思うよ?」

 

涙目になるイツキを彩音と凛が心のない感じで言う。

正直言って可哀そうなイツキである。

 

するとレッドサンズの交渉担当の【史浩】が前に出て来る。

 

「どうかな?地元だけで走っているとマンネリになってくるし、他所のチームと走った方が余程刺激になると思うから。仲間も増えて情報交換も出来るし、レベルアップもに繋がると思うんだ

始めはつるんで走って、最後にそれぞれの代表が上り下りのアタックを行う。勝ち負けにこだわるつもりはない…あくまでチーム同士の親睦が目的だ」

 

その説明を聞いたスピードスターズは考える中、道郎が走一にこっそりと話しかける。

 

「走一…親睦を深めるって言ってるけど、どう見てもこれってよ」

 

「ああ、要するに“挑戦状”だ、池谷先輩達スピードスターズへの」

 

「は?そうなのか?」

 

「うん。僕もそれを聞いて何となくそう思ったよ」

 

玄はそれに少しだけ驚き、廉一郎は少しばかり聞いて分かっていた様子だった。

 

赤城レッドサンズは交流会と言いつつ、実際は他所のチームに挑戦を叩きつけて、赤城レッドサンズの実力を知らしめるつもりなのだ。

カート歴がある走一達(玄を除く)はその様子に何となく気付いており、それに警戒するのだった。

 

「そう言われちゃあ…断る理由はないな」

 

「ああ!」

 

池谷と健二は話し合ってやる事にし、それを聞いた史浩は頷く。

 

「じゃあ、来週の土曜10時にって事で」

 

「ああ、分かった」

 

「今日の所は俺達、じっくりと運転させて貰うぜ」

 

啓介はそう言ってFDに乗ってエンジンを掛け、残りのメンバーもそれに乗り込んでエンジンを掛けて走り出して行く。

それを見た健二は言う。

 

「こっちも出るぜ! 相手の実力じっくりと拝ませてやる!」

 

それにスピードスターズのメンバーたちは「おおー!」と声を上げ、180SXに乗り込み、同じようにレッドサンズの走りに加わった。

 

その様子を見たイツキは池谷に問う。

 

「池谷先輩!」

 

「見せて貰うぜ! 赤城最速と言われる“高橋兄弟”の実力とやらを!」

 

「た!高橋兄弟って! 雑誌にも載った事もある、あの超有名な走り屋ですか!?」

 

「ああ、人呼んで【ロータリーの高橋兄弟】さ…」

 

池谷がそう言う中で、走一達は自分達の車に向かう。

 

「それじゃあ俺達も少しばかり走らせて貰おうかな」

 

「ああ、俺ももうちょっと走りたくなった」

 

「おうよ!」

 

「待ってくれ!!」

 

走一達がワンビア達に乗り込もうとした時、池谷が走一達を止めて、走一達は池谷の方を見る。

 

「どうしたんですか?」

 

「悪いが、走一達は此処で待っていてくれないが、これは俺達スピードスターズのプライドでもあるんだ!」

 

「…分かりました。そうしますよ」

 

「すまない」

 

そう言って池谷は自分のS13に乗り込だ際、イツキが声を掛ける。

 

「池谷先輩!俺達は!?」

 

「悪いな、本気で走る時は横に人を乗せない事にしているんだ。此処で待ってろ、後で拾いに来てやる」

 

池谷はそう言い残し、S13をフルスロットルにし走り出して行った。

その光景に走一達は勿論、拓海はただジッと見つめていた。

 

そんな中でイツキはただ悔しそうにしていた。

 

「くっそー! 何でこんな時に限って俺達に車が無いんだー!」

 

「逆に聞くが、イツキは相手に追いつく自信あるのか?」

 

走一ははしゃいでいるイツキにそう言うと、イツキはそれに答える。

 

「それは…!! …勿論ない、でも!かっ飛ばす音を聞いて、血が騒がな筈がねえだろう!?」

 

「だったら尚更やめとけ、車もない上テクニックも身についてない状態で攻めたら、お前は一気に谷底行きだ、それに免許取り立てでそんなに月日も経っていないだろう。

俺達はカートをやっていたから運転歴はあるけど、言っちゃ悪いがイツキは超が付く程の初心者だ。お前では絶対に追いつけない」

 

「ぐぅ…!」

 

「血が…騒ぐ?」

 

拓海は走一とイツキの会話を聞いてボソッと呟いた、それに道郎は振り向いて言う。

 

「車好きや走る事が好きな奴は、あの光景を見ると途轍もなく興奮してテンションが上がる事があるんだ。それを人は“血が騒ぐ”って言うんだ。まあ拓海はあまり興味がないから無理もないけどな」

 

「はぁ…?」

 

道郎の言葉に拓海は今一つ頭を傾げる状態だった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

走一達が頂上で話している頃、池谷達はレッドサンズのメンバーたちに翻弄されまくっていた。

 

スピードスターズのメンバーの1人が出口よりでスピンし、それをレッドサンズのメンバーは出口よりでスライドを抑えながら立ち上がって抜けていく。

 

同時に健二の180SXはレッドサンズの車に煽られながらもコーナーに入り、それを何とか抑えようとするがあっという間に追い抜かれてしまった。

それを見て健二は舌打ちをする。

 

「くそっ!全然付いて行けねぇ…!」

 

それは健二だけじゃなく、池谷も同じだった。

 

池谷はアクセルを全開に踏んでも、レッドサンズのメンバーを捉えられなかった。

 

「(くっ!何てことだ…レッドサンズの車を一台も捉えられない…。あの腕前…走一達とほぼ同じだ!)」

 

 

そしてその光景を高橋兄弟である涼介と啓介は見ていた。

 

「どう思う?兄貴」

 

「カスばかりだな、内の2軍でも楽に勝てる」

 

涼介はスピードスターズの腕前を観察していて、その腕前が全くの皆無である事に心底ガッカリしていた。

 

「来週はベストメンバーで来ることは無い。俺はパスだ」

 

「兄貴が行かねえなら、俺もパスするか」

 

「いや、お前は走れ。地元の連中が何年掛けも破れないコースレコードを作るんだ、そうでなきゃ赤城レッドサンズの名前が伝説にならない」

 

「わ、分かった」

 

「手始めに県内のコースレコードを全て俺達が塗り替える。いずれは埼玉、神奈川、東京、千葉を総なめにして関東全域に最速のレコードを残す伝説の走りになってから引退する、それが赤城レッドサンズの“関東最速プロジェクト”だ!!」

 

そう言って涼介はFCに乗り、啓介はFDに乗ってその場から走り出して、秋名山を走り込んで行くのだった。

 

 

 

 

そして秋名山、頂上。

 

スピードスターズの面々はかなり落ち込んでいた。

 

「クソッ…あいつ等、根本的に何か違う」

 

「ホームグラウンドで余所者にちぎられるなんて、すっげぇショック…」

 

「足回りにも金掛けてるし、パワーも出てる。何より腕前がすげぇよ」

 

「ああ、さっき走一達と走ったから分かるよ、やっぱり赤城の奴等は上手い奴等が居る」

 

「でもこのままじゃ絶対に勝てないぜ?」

 

「度胸だけじゃなあ…、どうするんだ池谷?」

 

その言葉に池谷は何も言えず、只々黙り込むだけだった。

 

それを見てイツキは暗い表情をし、拓海と走一達はそれを見つめるだけであった。

すると彩音が袖を引っ張り、それに走一は振り向く。

 

「どうした?」

 

「走一、どうにか出来ないかな? なんだか見てると悲しいそうな雰囲気だよ?」

 

彩音がそう言うのも無理はないが、走一は何故か手を出しては行けないと感じたからだ、これはあくまでスピードスターズとレッドサンズとの対戦、それを勝手に横やりに入っては行けないと思うからだ。

そうでないと池谷達のプライドが許さないであろう、だから走一は頭を横に振る。

 

「残念だけど、これは手を貸しては行けないと思うんだ。分かってるとは思うけど」

 

「…それはわかってるけど」

 

「今日はもう遅いから、また何処かで打ち合わせしよう」

 

っとそう言って今日の所は解散する事となったスピードスターズ。

走一達は次々と立ち去って行くのを見てどうするかを話し合う。

 

「なあ、どうする?」

 

「もうちょっと走って見るか、その後そのまま帰ろう」

 

「ねえ、それならこのままあたし達を乗せたままで良いから、走らせてよ?走一達の走り見たい」

 

「分かった、じゃあそうしよう」

 

そう言って走一達はワンビア達に乗り込み、秋名山を下るのだった。

 

 

 

 




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