翔と美咲、そして百合華との出会いを得た翌日、走一達は学校に登校し、教室で拓海と会う。
「よう拓海、…ははは、眠そうな顔で安心する」
「何だよそれ…」
「まあまあ、それよりも拓海君。今度の土曜日、何とかできそう?」
彩音が涼介の事を拓海に問い、それには拓海は少しばかり考える。
「うーん…どうだろうな、一応俺は自分の出来る事をやるだけ。それだけだよ、あまり細かい事は考えても分からないし…」
「そうか…まあそうだよな。仕方ないか…「走一君」ん?」
走一は亜里沙に声を掛けられ、亜里沙の方を向きながら聞く。
「どうした?」
「実はお兄ちゃんが今夜秋名山に来て欲しいって言ってるんだけど、今夜行ける?」
「慎太郎さんが…?」
亜里沙の言葉に走一は若干驚き、それを聞いた拓海と彩音もそれには振り向きて首を傾げていた。
何故慎太郎が走一を秋名山に呼ぶのかは分からないが、彼が走一を呼んだとならば行く他ない…そう感じる走一だった。
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秋名山、夜9時になった頃、秋名山の頂上では真美たちが居た。
真美たちが自分達のEG6を持って秋名山で練習をしていたのだ、当然そこには池谷や真子の姿もあったのだ。
今回真子がこっちに来た理由、それは池谷に会うためだった。お互い仕事で中々会えなかったため、秋名山で会うついでに真美たちと一緒に走る事にしたのだ。
勿論ここには雅人の姿もあった。
「なかなかいい感じになって来てるな」
「うん、真美ちゃん達もいい感じにテクを掴み始めて来たし、これなら俺達と走ってもどうって事ないんじゃないかな?」
「ええ、私もそう思います。それにしても雅人さんは教えるのが上手ですね」
真子は初めて会う雅人に声を掛け、それには雅人も振り向く。
「ああ、こっちは結構色んな奴等を教えて来た経験があるから、こう言うのは得意なんだ。そう言う池谷は?」
「え? ああ…こっちも教えるのは得意な方なんだけど、正直こっちは走一達の猿真似の様な感じになりつつあるんだよな…」
「まあそれは仕方ない。正直走一達はカート歴が長いんだ。車の事はあいつ等の方が詳しい」
「それを言われると、なんだか悔しいな…」
「まあまあ、
真子に慰められる池谷、っとその事に何やら真美と凛が気付く。
「(ねえ、今真子さん…池谷さんの事を名前で言わなかった?)」
「(うん、池谷さんと付き合ってからは名前呼びしてるって聞いたけど、本当だったんだね?)」
そう小言で話す真美と凛であったが、そんな時にしたからある一台がやって来る。
それは走一のワンビアだった
走一のワンビアが来たのを真美たちや雅人達が振り向く。
「よう走一、彩音ちゃんと一緒なのはいつもの事だが、今日は拓海と一緒じゃないのか?」
「ええ、今日は慎太郎さんがちょっと俺に会いたいと言って来て…」
「あいつが…?」
慎太郎が走一を呼んだ事に雅人が若干首を傾げながら呟いていると、下からまた別にの二台が上がって来た。
上がって来たのは慎太郎のM3と亜里沙のロードスターだった。
走一は慎太郎の方を見て、慎太郎はM3から降りては走一を見る。
「こんばんわ慎太郎さん。亜里沙から秋名山に来て欲しいと聞きましたが…一体何の話しで?」
「…朝倉君、俺とバトルをしてくれ」
その言葉に彩音、池谷や真子をはじめとした真美たちは驚き、雅人はそれに目を細めながら見る。
走一はそれにただ聞いていて、亜里沙は少しばかり動揺を隠せないでいた。
「ちょっとお兄ちゃん!どう言う事!?」
「…この間のバトル、俺はやっぱり納得出来ない所があってな。ターボが雨のバトルであれだけ発揮するとは俺は到底思えないからな」
「それが理由…ですか」
走一はそう呟く、慎太郎はNAの限界性を信頼、そして信憑性を信じていて、ターボが邪道である事を信じている人物である。
前回の賢太とのバトルで慎太郎はどうしてもそれが納得いかないと、自身の中で思い続けていたのだ。
走一はそれを聞いて言う。
「…慎太郎さん、俺はワンビアの戦闘能力を上げるに従って、ターボを選んでいる。ただそれだけですよ…」
「だから俺は知りたいんだ。君がそこまでターボにこだわる意味を…」
「(…なるほど、そう言う事か)」
慎太郎の意思に雅人は気づいた。慎太郎は走一の今の実力を確かめたくてバトルを申し込んだのだ。
今度の如月琢磨とのバトルは過去最高の物、一筋縄ではいかない為、あえてこうするのだろうと…。
「それで朝倉君、俺とのバトルを受けるか?」
「…いいでしょう。受けます」
「よし、ルール説明、スタートは同時、麓がゴールで、先に麓に着いた方が勝ち。それでいいね?」
「ええ、始めましょうか」
走一と慎太郎はバトルの準備を始め、その様子に池谷は焦っていた。
「と、とんでもないことになった…」
「あの方、M3に乗っている方は速いんですか?浩一郎さん?」
っと真子がその事を池谷に聞いて来て、それに池谷は考える仕草を見せる。
「う~ん…、あの亜里沙って子の話しじゃ、彼は幼いころからカートをやっていて、その時からレースではいくつものタイトルを取って来ているらしい。だがそんな彼はどうも過給機を嫌っているらしく、自然吸気のM3に乗っているのが理由だって…」
「そうなんですか…、大丈夫かしら走一君」
真子もその事に少しばかり心配するも、彩音がそれに言う。
「大丈夫です。走一は勝ちますよ」
「そうかな…、一応お兄ちゃんも結構実力の高い持ち主よ? 走一君も流石に手こずると思うけど…」
亜里沙はそう呟き、走一と慎太郎はワンビアとM3をスタートラインに着かせる。すると雅人が言う。
「俺がカウントしよう、準備はいいか!」
「はい!」
「いつでも!」
2人の問いに雅人は頷き、カウントを始める。
「それじゃあカウント行くぞ! 5! 4! 3! 2! 1! Gooooo!!!」
スタートと同時にワンビアとM3が飛び出して行き、彼等の交差するバトルがはじまったのだ。
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