頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第73話 来たるバトル・・・ 後編

走一と拓海が涼介と琢磨とのバトルをするまでの月日があと翌日。

 

その前日に赤城山で涼介と琢磨のFCとS130が並び、その隣には啓介達のFDとZ31とZ32があった。

 

「仕上がったぜ。今度のバトルに勝つための、足回りとエンジン」

 

「何馬力ぐらい上げたんだ?兄貴」

 

啓介が涼介のFCを見ながら問い、それに涼介は答える。

 

「そうだな。MAXで260って所だな」

 

「260馬力!!? ちょっと待てよ!?それじゃあデチューンじゃねぇかよ!? 確か前は350はあった筈だ」

 

「そうだ」

 

涼介はその事に平然と答え、啓介が唖然とする中で、壮真は琢磨にS130のスペックを問う。

 

「兄貴はどうなんだよ? 何馬力に設定したんだ?」

 

「ああ、MAXでは300馬力程度にしてある」

 

「何!?300馬力馬力だって!? ちょっと待て!300って言ったらあのワンビアの馬力とほぼ一緒じゃねぇか!」

 

「そうだ」

 

琢磨も涼介と同じような事を言い、それには壮真も幸間も呆れていた。

 

「おいおい冗談だろう?」

 

「どうかしてるぜ兄貴たち…」

 

「馬力を下げたのかよ…、わざわざ遅くしてどうするんだ!」

 

啓介が馬力を下げた事に少しばかり問いだすも、涼介と琢磨はその事に少しばかり言葉を言う。

 

「覚えておいた方がいいぞ啓介、早く走るためには馬力を下げる必要もある。それがストリートの奥の深さだ」

 

「壮真も幸間も覚えておけ、レーサーたるものマシンの底上げには馬力を下げてはそれをコントロールする必要性も重要だ。これもプロの意地と言う物だ」

 

その言葉には、啓介も壮真も幸間の三人は言葉を出す事は出来なかった。

 

「下りを制する鍵は、パワーよりもトータルバランスだ。今まで俺は上りでも下りでもトータルに速い車を目指してFCを仕上げて来たつもりだ、ビックパワーを下りでも振り回せる自信があるからこそタービンを上げ、過給圧を上げて…、それがここに来てパワーを下げる事になるとはな、理由はどうであれ、今回のデチューンは俺にとっては屈辱だ。プライドを捨ててでも負ける訳には行かない。琢磨もそうだろう?」

 

「ああ、俺の車はお前と同じトータルバランスを重視した車だ。RB26エンジンのNAをスーパーチャージャーを搭載した事によって、このエンジンの最大限のパワーを生かす為に…、だがここに来て少しばかりパワーを下げる事になるとは、俺にとっては屈辱だ。どんな事でも理由でも、俺はあの稲妻のワンビアには負けるつもり更々ない!」

 

「それだけの意味でか…」

 

「それだけ、秋名のハチロクと稲妻のワンビアは相当な相手って事か…」

 

壮真と啓介はその言葉を聞いて納得し、それには涼介と琢磨は鼻で笑う。

 

「フッ、こんな気分にさせる相手に出会えたことが嬉しいぜ、久々に走り屋としての血が騒ぐ」

 

「俺もだ。プロレーサーとしての意地もあるからな。お前等、付いて来い」

 

2人がそう言って車に乗り込み、啓介達も顔を合わせながら車に乗り込み、涼介と琢磨の後を追いかける。

 

FCとS130の後を追いかけるFDとZ31とZ32、パワーで勝る三台が何故かついて行けない事に三人は若干信じられずにいた。

 

「(速い!!パワーを下げた筈なのに!?)」

 

「(確実にコーナーの脱出速度が上がっている…!!)」

 

「(すげぇ…! これなら兄貴たちは負けない、負けないぜ!!)」

 

啓介達がそう思う中で、涼介がシフトアップをしながら思う。

 

「(今の俺は、レッドサンズの高橋涼介ではない、一匹狼だった頃の…赤城の白い彗星…高橋涼介だ。明日のバトル…絶対に勝つ!!)」

 

涼介がそう思う中で、琢磨は何か一つの不満を抱えていた。

 

「(……俺が感じているのは、勝つ事じゃない…。あの稲妻のワンビアと秋名のハチロクには、何処となく神秘の可能性が秘められている。勝つ事に迷いはないが、この感じは何だ…? 明日のバトル…何かが起こる!!)」

 

っとそう感じる琢磨であった。

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

同時刻、秋名山の頂上で、走一はワンビアを見ながら少し考えていた。同時に一緒に来ていた春樹が走一の方を見て問う。

 

「おい、お前の親父さんがワンビアを調整したって本当か?」

 

「ああ、親父が何をしたのかは分からないけど、一体どんなチューニングをしたかは走って見て感じなっていうんだ。それじゃあ分からないってのに…」

 

走一がそう言っていると、下から誰かが上がって来て、走一と春樹は振り向く。

 

下から上がって来たのは、蓮華がのるハチロクカスタムだった。

ハチロクカスタムは走一と春樹の所に止まり、蓮華が降りてくる。

 

「やあ、ここに居たのは間違いなしね?」

 

「…貴女は確か、妙義山で啓介さんと中里さんのバトルの上りで付いて行ったハチロクの…」

 

「私の名前は畑薙 蓮華よ。涼介と琢磨の知り合いだけど、丁度君にも興味があるから来たの」

 

「走一に?」

 

春樹は蓮華の言った言葉に首を傾げ、走一は蓮華の方を見る。

 

「俺に興味がある…?」

 

「そう。私…君があれ程のドラテクを持っている事に凄く興味あってね、本当ならもう1人のパンダトレノの子も気になってはいたんだけどね」

 

「そうですか…」

 

「それにしても、君のそのワンビアを見ていると、何だから前にテストドライブで乗ったワンビアを思い出すわ」

 

「ワンビアを乗った事が?」

 

走一は蓮華の言った言葉に少し振り向き、それに蓮華は頷く。

 

「ええ、ただその時はマシンのテスト中にトラブルが起きて、大けがをしてしまったんだけどね。一年半以上のリハビリを余儀なくされたわ」

 

「大変だったんですね」

 

「ええ、ただ…なんだかその色を見ていると、私が乗っていたテストマシンのワンビアにそっくりなのよね。これを見てるとなんかイライラが…!!」

 

っと何やら身体を武者震いさせる蓮華、その様子に走一と春樹は呆れながら顔を見合わせる。

 

すると蓮華がワンビアの足回りを見て、少しばかり見る。

その様子に走一は問う。

 

「どうかしましたか?」

 

「これ…、ははーん。君~なかなか良いチューニングをしてるじゃない♪ これは明日のバトルが楽しみだよ~♪」

 

そう言う蓮華に走一は首を傾げるだけであった。

 

 

そして決戦の土曜日が来ようとしていた…。

 

 

 

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