キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン。
学校の鐘が鳴り、下校の時間となって生徒全員は帰宅する事になる。その中で走一と拓海は少しだけ空を見ていた、それについては想像ついている。
今日は土曜…つまり走一と拓海の、涼介と琢磨のバトルの日であった。
その様子彩音達は見ていて、その所にイツキが慌てて来た。
「拓海ーー!!走一ーー!! 遂に来たな!!決戦の土曜日が!!」
「ああ」
「うん」
2人はその事に頷き、彩音が走一達に近寄りながら言う。
「走一、大丈夫?」
「え?何が…」
「だってほら、今日はプロレーサーとのバトルでしょう? 緊張していないかなって…」
彩音が走一の事を心配しながら言い、それには走一は微笑みながら言う。
「心配ないよ。俺はカートでいくつものレースを経験して来ているんだ。これぐらいの事で緊張はしない」
「そう…ならよかった」
「俺はそう思わないよ…!」
っとイツキは何やらとても深刻そうな表情をしていて、それに道郎は見て問う。
「何だイツキ? どうしてそう思うんだ?」
「…走一は、如月琢磨の実力を知らないからそんな事が言えるんだよ…」
「如月琢磨の実力を知らない…?」
凛がその事を呟き、イツキはその事を話し始める。
そして道路の橋の上で…。
「「「「如月琢磨さんが高橋涼介さんを負かしてる~~!!!??」」」」
彩音達がイツキのその事を聞いて驚き、玄達はそれに目を大きく見開き驚き、走一はそれに目を細めながら聞いていた。
拓海もそれを聞いて若干驚いている。
「イツキ…それ本当かよ?」
「本当さ!如月琢磨の弟の三男の幸間って奴から聞いたんだ。この間スタンドに来て話したんだメジャーになる前の頃にバトルして、その時に勝ってるんだってさ…」
「あの人がか…」
走一はその事に呟きながら道路を見て、そして更にイツキは語り続ける。
「拓海、走一。俺…超悔しいよ…、誰に聞いても高橋涼介と如月琢磨が勝つって言うんだ。皆…横綱と新人が戦う様なもんだって…」
「皆の問いはそんなもんだよイツキ…。いきなり出て来て勝てます…なんて言える筈ないからな」
「そんな事言うなよ走一! なんかないのかよ!?大逆転の秘策は!?」
「ないよそんなの。レースなんだから。でもな、最後まで走り抜ければ何が起こるか分からない。俺はそれを信じて走る、それだけだ」
「走一…」
走一の言葉に彩音はそれに見つめていて、道郎達もそれを頷きながら走一を見る。
一方拓海は「秘策ね…」と呟いては考え込み、それを見たいつは思わず見る。
「おおっ!!?」
「……………ない」
「ダアァーーーーーッ!」
っと拓海の意味のない考えに、期待したイツキは豪快にズッコケたのであった。
同時に道郎と廉一郎はため息を吐き、玄は大笑いしていて、真美がハンマーでどつくのだった。
走一はそんな拓海に若干笑いながら言う。
「ははは…、拓海。お前はそのままで走ればいい」
「え?」
「考えても大した事ない拓海だ、考えるより真っ直ぐ進む方が似合ってるよ」
走一の言葉に道郎と廉一郎は頷き、拓海はそれにはちょっとばかり納得がいかない様子だが、反論も出来ずにいた。
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そして夜。秋名山に向けて続々と走り屋たちの車が向かって行き、その様子をスタンドで見ていた祐一が見る。
「(走り屋たちが山へと向かっていく…、いよいよか…)」
「店長、外回りの片づけが終えたので、今日はこれで」
「ん?ああご苦労さん、それと池谷…行くんだろう今日のバトル、まだお前は拓海や走一が勝てないと思っているのか?」
祐一の一言に池谷は少しばかり間を開けて考えながら言う。
「…ええ、いくら天才な2人でも…まだ高校生ですよ? 拓海は走一と違ってバトルの数はこなしてないし、俺はあいつ等が高橋涼介と如月琢磨に何処まで食いついて行けるか…」
「俺は違うな、勝てるかも知れないと思ってる」
「え?どうしてですか…?」
「それは…「プップー!」ん?」
祐一が答えようとすると、健二の180SXがやって来て、池谷の前に止まる。
池谷が健二に軽く挨拶をし、祐一に言う。
「それじゃあ急ぐんで、これで」
そう言って池谷は健二の180SXに乗り込んで、秋名山へと向かって行った。その様子を見届けた祐一は店内に戻り、ロビーでタバコを吸い始める。
「(俺が勝てるかも知れないと言う根拠はたった一つ…、拓海と走一が文太と泰三の息子だって事だけだ。あのクレイジーコンビのな)」
そして秋名山、健二の180SXが頂上に向かい際に、道路脇には沢山のギャラリーが集まっていて、その数は過去一番の多さだった。
「やっぱりの凄い数のギャラリーが出たなぁ」
「俺が拓海と走一の立場だったら逃げ出したくなるよ。こんな大勢の前で走るなんて、膝が諤々もんだ」
「そういや池谷。今日真子ちゃん達がギャラリーしに来るんだろう? どっかで待ち合わせしてるのか?」
「いや、真子ちゃんは沙雪ちゃんと一緒に適当な場所でギャラリーするって言ってたよ。俺達は何時もの通りに頂上に行こう」
そう言って池谷達は秋名山の頂上に向かう。
一方池谷達が頂上に向かう中で、真子が乗るシルエイティが到着して適したスポットを探していた。
「そうねぇ、この辺がいいよ。複合コーナーでの駆け引きが見れるかも」
「うん」
「ところで真子、アンタは一体どっちを応援するのかなぁ…?」
「えっ、どっち?」
沙雪に問いかけられる真子は少しばかり考えるが、沙雪が万年の笑みを浮かべながら言う。
「ハチロクとワンビアでしょ。あたしも同じよ。何せ碓氷峠であたし達を負かしたあのハチロクとワンビアには不思議な魅力があるの、バトルで競り合った者しか感じられない魅力が…。負けても何故か応援したくなるような…」
「うん」
「それに拓海君…、可愛いじゃーん!!ね!?」
「もう、沙雪ったら…」
真子は沙雪の何時も乗りに呆れていた。
そして慎太郎はある人物達と一緒に別の場所へとギャラリーしに来ていた。彼のM3の隣には【ホンダ NSX (NA1) 1993年式 セブリングシルバーメタリックカラー】と【ホンダ シビック TYPE R (EK9) 1998年式 チャンピオンシップホワイトカラー】があった。
その際に共に来たその人物は慎太郎に問う。
「なあ慎太郎、この辺で良いんじゃないか?」
「そうだな…。お前等から見てどう思う…【英太】【絢美ちゃん】」
慎太郎が話しかける人物、【木村 英太】とその妹の【木村 絢美】、彼等はカート時代からの知り合いであり、慎太郎の会社の同期でもある。
「そうだな~、琢磨は勝つ方を俺は選ぶね。そのワンビア…朝倉走一君がどれだけ速くても、彼が琢磨に勝つ見込みは、申し訳ないが。少なからず相手がねぇ~」
「…朝倉走一」
「ん? 絢美ちゃん。君は彼の事を知っているのかい?」
慎太郎は絢美が走一の事を呟いた事に問いかけ、それに絢美は振り向きながら頷く。
「ええ、彼とはカート時代に会った事があって、その際に何度もレースをした事ある。正直言って付いて行くのがやっとで、私は悔しい思いしたわ。このバトルはその琢磨って人に一票入れるけど、個人的に私は朝倉君を応援したい」
そう絢美は言い、慎太郎はその事に何も言わずに、ただバトルが始まるのを待つのであった。
これで今年の投稿は終わりです。
そして来年の事で、またリクエストキャラの第二弾を考えています。
今度は女性キャラ限定です。しかも走一達と同年代のを。
詳しい事は次回の投稿に付きまして、更新させていただきます。
それでは皆さん、良いお年を…