走一と拓海が涼介と琢磨とバトルをする中、ナイトキッズの中里と慎吾、そして平八の三人がある場所にギャラリーをしに来ていた。
「…言っておくけどな毅、俺は別のお前の車を見てここに止めた訳じゃないんだからな。そこんとこ勘違いすんなよ?」
「分かってるよ」
「来る前からここしかねえって決めてたんだよ。お前どっか行けよ」
「嫌だね、俺だってギャラリーするならここしかねえって決めてたんだ。お前こそどっか行けよ」
「フッ」
「(何でこうも2人はいがみ合いながらも通じ合うんだろう…)」
平八は中里と慎吾の要素を見ながら心の中でそう呟く。
すると中里が言葉を言う。
「まあ素人は如何にもってポイントにギャラリーしたがるからな。特に5連ヘアピンとかな」
「そうそう、あんなとこじゃ勝負は決まんねぇよ。あいつ等が仕掛けるポイントは此処しかねぇ」
「お前もそう読んだか…。流石と言っておくか」
「フッ、オメェもな…」
そんな様子に平八はやれやれと言わんばかりの表情をする、っと中里と慎吾は辺りを見渡す。
「…にしてもギャラリーが少ないなここは…、平八以外は」
「知らねぇ奴が見てると、まるで俺達仲が良いみたいに思われるじゃねぇか…」
「そう思われても仕方ないんじゃないですか? 俺が見てもそうですし」
っと平八が言うと、中里と慎吾は思わず言葉が詰まってしまい、そして…。
「「ケッ!!迷惑だぜ!!」」
「(ほら…仲がいいじゃないですか…)」
そう思う平八だった。
すると。
「あははは、君達仲いいね~♪」
「「誰が仲が良いだ!! ん?」」
中里と慎吾がある方向を見ると、そこには蓮華の姿があり、その事に中里達は驚いた。
「なっ!お前はこの前の!?」
「毅と高橋啓介とのバトルに付いて行った、あのブルーのハチロクのドライバーじゃねぇか!?」
「そうだよ。丁度私のハチロクもそこに置いてあってね、ここをギャラリーしようって思ってたんだ。そしたら君達が仲良しトークをしてたもんだったから」
「「誰が仲良しトークだ!! 全然仲良くねぇ!!」」
「(ほぼピッタリじゃないですか…)」
中里と慎吾の息の合った様子に平八は心の中でそう言い、蓮華は薄っすらを笑いをこらえるのであった。
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そして祐一達が居るギャラリーの場所にスキール音が聞こえて来て、それに祐一は振り向く。
「来たか…!」
祐一がそう言った瞬間、彼らの前に先頭のハチロク、後ろに付くFC。そして前のワンビアに追いかけるフェアレディZS130がやって来る。
彼らがコーナーをドリフトで曲がって行き、出口よりでガードレールをギリギリまで寄せては抜けて行った。
「うっわ!4台共ガードレールスレスレだ!!」
ギャラリーしていた若者がそう言って、ワンビアとハチロク、FCとフェアレディZS130はそのまま走り去って行くのだった。
そして祐一達はそれを見て、祐一は目を見開いていた。
「…すげぇぇ、ぶったまげたぜぇ…!! あっ!こんなことしている場合じゃない!報告報告!」
「待ってくれ祐一、報告ならこれを使おう」
っと智晴がある物を取り出す。それは大きめの無線機であり、それを見た祐一は言う。
「なんだそれは?」
「これは我が社が今開発している最新式の長距離無線機だよ。その試作品のプロトタイプを2台用意したんだ。一台を泰三に持たせてあるから、それを使って報告しよう」
「へぇー……ん? それなら俺が携帯を出す必要ねぇじゃねぇかよ!! 最初っから出せっての!!」
祐一は携帯料金が必要のない無線機を出す智晴に怒鳴り、智晴はそれに気にせずに通信をする。
藤原豆腐店では、文太と泰三がテレビを見ていた時、長距離無線機が鳴り、それに文太が振り向く。
「何だ?」
「おっ、智晴からの無線だな。何やら報告が来た様だ」
「何? おいおい、それがあるなら最初から出せよ」
っと愚痴を言う文太を他所に泰三が無線の会話を常時にし、それに出る。
「どうした?」
『泰三、文太、私だ。たった今走一君達の車が通過していったよ、ただ少しだけ気になってしまった事がある。走一君と拓海君が前に出ているのだ』
智晴の連絡に文太がそれに眉を歪める。
「ん?拓海が前だって? そりゃあ不味いな」
『不味い? おい文太、そりゃあどう言う事だ?』
今だに状況が呑み込めない祐一は文太の問いに首を傾げていた。
それに泰三が説明する。
「ちょっとは冷静になれ祐一、前に出て逃げるより、後ろから追いかけて有利だってのは常識だろうが」
『あ、……そうだった』
その説明にようやく理解した祐一は思わずキョトンとしてしまう。
「後ろから追いかける車は、じっくりとラインとリズムを観察できる、テクがありゃそのコピーもやれるさ」
『だろうね、現にあの高橋涼介と如月琢磨は走一君と拓海君のテクをコピーしながら追いかけていた。これは精神的にも辛いだろうね』
『お、おいおい…精神的にって。走一と拓海は今のまま逃げ切れば大丈夫だろう?』
「いや、それは無理だろう。前を走るドライバーのプレッシャーってのは相当なものだ。自分のスピードでピッタリとくっ付いてこられりゃ、精神的にもどんどん追い詰められていく。全力で逃げても尚振り切れなきゃ、相手が数段上の実力に見えてくるもんだ。まして拓海はバトルの駆け引きはど素人だからな、今頃相当慌ててるだろうな」
文太の問いに祐一はそれに言葉を詰まらせそうになる。
『そんな…、あっ!走一は!? 走一はどうなんだ!?あいつはカートでそう言う駆け引きは慣れているんだろう!?』
「まあ走一はある程度の駆け引きは慣れちゃいるが、相手はプロのドライバーだ。いつものプレッシャーとは違い、相手の圧力は前に出ても後ろに居ても同じ事だ。プロの走り方ってのはアマチュアの走りとは訳が違う。あいつ相当来てるだろうな…珍しく」
『うむ、私もそう思うよ。今日のバトルはキツいバトルになる。何かあればまた連絡するよ』
そう言って通信を切る智晴。
その様子に文太と泰三はタバコを吸う。
「…拓海の奴、負けるかな?」
「…走一もかな? 珍しく」
文太と泰三がそう言った時。
バコンバコン!!
「「イッテ!!??」」
文太と泰三の頭にフライパンが直撃、それに2人が振り向くと、恵子が何やら微笑みながら2人を見ていて、それに文太と泰三は思わず一歩引いてしまう。
「け、恵子…?」
「恵子ちゃん…。うちのフライパンでそれはちょっと」
「黙りなさい」
っといつもとは違う微笑みながらの冷たい言葉に2人は思わず言葉を閉じてしまう。
恵子は微笑みを止めて、少しばかり鋭い目線で文太と泰三を見る。
「自分達の息子の勝利、少しは信じてあげたらどうですか? アナタも文太さんもゼロから教えて来たでしょうに」
すると文太と泰三に口角が薄っすらと上がる。
「…恵子、その心配はねぇよ」
「ああ、あいつ…あいつ等なら、問題ないさ」
っとその言葉に圭子は思わず首を傾げ、それにはさっぱりであった。
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そして走一と拓海は今だに後ろに張り付いて来るFCとフェアレディZS130に、拓海は焦っていた。
「(いくら全開に逃げても食いついて来る! どんなにすっ飛ばしても突き放せない…! 駄目だ…このバトル…負けるかも知れない! 高橋涼介…俺なんかが到底勝てる相手じゃなかったんだ! 負けたくねぇけど…俺は『拓海!!!』っ!?」
拓海が負けそうな気持になろうとした時に、走一からの無線が来て、走一が拓海に向かって言う。
「前だけを見ていろ拓海! 前だけでいい!!」
「で!でも!!」
「お前は駆け引きが素人なんだ! 無理に考えず前だけを見ていれば良いんだ!!いいな!?」
走一は拓海にそう言って、走一は後ろのS130を見る。
「(如月琢磨…、流石だぜ。俺の走りを真似しながらついて来るとはな…、こりゃあマジでヤバい展開になって来た! でもな!俺は諦めるのが大っ嫌いなんだよ!! 悪いが俺は必ず勝つ!!絶対にな!!)」
そう意気込む走一はハンドルを握りしめながらワンビアを走らせるのであった。
はぁ…雪が結構続いた…。もう雪は勘弁…マジで。通勤に神経使うから…。