頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第83話 掟破りのランエボ 後編

秋名山にある秋名湖。その場所に先ほど走一達を抜いて行ったランエボⅣが停車していて、場所に2人の男…京一と清次が煙草を吸いながらエボⅣを見ている。

 

「ぞくぞくするほど綺麗だぜ、俺のエボⅣは…、走る為の機能を徹底的に追求していったらこうなるって言う見本だ。例えって言えば…鍛え抜かれたボクサーのボディの様なもんだ、フロントのエアダンも張り出したブリスターも大型のリアウイングも全て意味ある…。ランエボはラリーの世界選手権で戦うために生み出され、熟成された車だからな…」

 

「ハイパワーターボ+4WD…、この条件にあらずんだ車にあらずだ」

 

「ランエボこそ公道最速ランナーだ。京一!早く群馬エリアのFR小僧共を片付けちまおうぜ!!」

 

清次は今でも早く走りたく、群馬エリアの走り屋のチームを撃破したくてうずうずしていた。そんな清次を京一はただ黙っていながら考えていた。

 

 

そしてそこに走一達の車がやって来て、その場所に止めると、先ほどのエボⅣが居た。

 

「さっきのランエボが居るぞ? 嫌な感じだな~…何処かの走り屋かな?」

 

「気にする事ないよ、俺缶コーヒーを買ってくるけど、イツキは?」

 

「あ!俺も! 頼むよ!」

 

拓海の言葉に走一も出る。

 

「よし、俺も行くか。玄達は?」

 

「俺も頼むぜ!」

 

「金は後で渡すから」

 

「僕もお願い」

 

走一と拓海は缶コーヒーを買うために自販機へと向かい、玄達は一度車の外に出る。玄は背筋を伸ばし、廉一郎は少し外の空気を吸い、道郎も首を鳴らしながら走一達を待つ。

すると清次が煙草を消して、玄達の所に向かい、それに丁度イツキも出て来た時に気づく。

 

「(げっ!こっちに来る…!!)」

 

「よう兄ちゃんたち、ちょっと道を尋ねてもいいか?」

 

「おうよ!何だって聞いてくれ!」

 

「何ですか?」

 

玄と道郎がその事に振り向き、清次の問いに答える。

 

その頃走一と拓海は自販機で缶コーヒーを買って、6人分の缶コーヒーを持って行こうとした時に、走一は玄達の所に清次が来ているのが見えた。

 

道郎が清次に道のルートを教える。

 

「このルートを通ったら、かなりの近道になります」

 

「そうか…ありがとよ」

 

清次が礼を言った際にある事を尋ねる。

 

「ところでちょっと聞くがよ」

 

「はい、何でしょう?」

 

「この秋名で一番速い走り屋ってのは?」

 

清次が耳を指でほじりながら問う、それに道郎はその事を聞かれ、心の中で首を傾げる。

 

「(この秋名で速い走り屋…? それってどう言う事だ…)」

 

「あ、もしかして…秋名のハチロクと稲妻のワンビアに挑戦しようと秋名に?」

 

イツキの言葉に清次が思わず眉を歪ませる。

 

「あん?秋名のハチロク~? ぷ!ぷははははは!!!」

 

すると清次が突如笑い出し、それを聞いていたイツキは思わず唖然とし、道郎達もそれには見て問う。

 

「何故笑うんですか?」

 

「悪い悪い、冗談は顔だけにしてくれよレビンの少年。お前さんもハチロクに乗っている様だが、ハチロクに勝っても誰も褒めてくれねえよ。それどころかチーム仲間に笑われちまうぜ」

 

「っ!!」

 

その言葉を聞いたイツキは思わず腹を立てるが、清次が更に追い打ちをかける。

 

「ハチロクに乗ってる奴なんざアウトオブ眼中! 頼まれたってバトルはしねえよ」

 

最初からハチロク相手には興味ない所が、存在自体をけなす様な言い方をされて、走一と一緒に聞いていた拓海は思わずイラっとしては缶コーヒーを握りしめる。

隣で聞いている走一は清次が言った言葉に冷静に見ていた。

 

「(あの男…ハチロクの存在っというより、古い車自体を貶してる様だな…。何か理由でもあるのか?)」

 

走一がそう考えている時に、清次が京一と一緒にその場を去ろうとした時にイツキが怒りに震えながら言う。

 

「…秋名のハチロクを一度も見た事ないくせに、そう言う事を言わないでほしいな…! 秋名のハチロクは稲妻のワンビアと一緒にまだ誰にも負けた事がないんだ!! FCにもFDにもR32にだって!!!」

 

「ほぉ、そりゃあ余程下手な奴が乗ってたんだろう」

 

「下手じゃないよ!!県内でもトップクラスの走り屋ばっかりだよ!」

 

イツキがエキサイティングになる様子に走一は拓海に言う。

 

「おい拓海、イツキが拙いぞ」

 

「あ、やば」

 

その言葉に拓海はイツキの所に行き、走一もその後を追う。

 

「トップクラスか~、レベル低いね~群馬エリアも」

 

「な!何だって~!?」

 

腹を立てたイツキが掴みかかろうとするが、それを道郎はイツキを抑えようとする。

 

「やめろイツキ、堪えろ!」

 

「そうだよイツキ」

 

「おらよっと!」

 

廉一郎が慰め、玄がイツキを持ち上げては、イツキがジタバタする。

 

「離せよ玄!!」

 

「落ち着けイツキ!」

 

「そうだぞイツキ」

 

走一と拓海がそう言う中で、京一が清次に言う。

 

「お前もだ清次。そこまで言う必要はない、喧嘩しに来てる訳じゃねぇぞ」

 

その事に清次は何かつまらなそうな表情をする、

イツキを抱き寄せる拓海、そして京一が走一達の所に行く。

 

「悪かったな。俺の連れは口が悪くてな」

 

「いえ…」

 

「大丈夫です」

 

「誤解のないように一言言っておくが、そのドライバーを貶すつもりはない、きっと相当の腕前だろう。だけど車がな、今の時代にハチロクはもうダメだ」

 

「……」

 

京一は走一達に一言言って謝るも、ハチロクを貶す事を謝りもしない所か、時代遅れと言い切って、その場を去る。

 

「そう言うこと、そのドライバーに伝えとけ。稲妻のワンビアならともかく、もう少しパワーのあるクルマに乗ってりゃ相手にしてやるってな…。だけど俺達が負ける事はねえ、峠の王者はランエボだ!!」

 

清次はそう言ってはハチロクとハチロクのドライバーを馬鹿にし、エボⅣにのりこんでは颯爽と飛び出して秋名湖を後にした。

 

その様子を見た走一達は少しばかり苦悶の表情を浮かべる。

 

「何だあれ…、言いたい放題って」

 

「まるで恐怖感と緊張感が最初から無いって感じの様だね…」

 

道郎が先ほどの様子を見ていい、廉一郎が少しばかり感じた事を言う。

 

「く…悔しいよぉ!! 拓海お前悔しくないのかよ!!あそこまで言われて!?」

 

イツキは悔しさを爆発させては拓海に問い、拓海は言う。

 

「俺もかなりムッと来たけど…」

 

「なら何か言ってやりゃいいじゃねぇかよー!!」

 

「お前の方がめちゃくちゃエキサイトしているのを見てたら、なんか冷静になっちゃって…」

 

「同じく」

 

拓海の言葉に走一も頷き、道郎と廉一郎も同じように頷く。

 

「はぁ?はぁ??はぁ~?? なんだそれー…??」

 

「それにさあ、今までああ言う風に言う奴、結構居ただろう。口で言い返しても仕方ないよ。速いか遅いかは走って見なきゃ分からないんだから」

 

「そ、そうかも知れねぇけど、俺…そこまでハチロクを馬鹿にされてら黙ってられないよ!念願のハチロクを買って乗ってるんだから! そりゃあハチロクは確かに古い車だよ…。ターボだって付いてねえし上りだって遅いよ! だけど好きな奴にとっちゃあ…どんな車よりもハチロクは速いんだよぉ~!!」

 

「泣くなよイツキ、ほらよ、コーヒー」

 

「うっ…サンキュー…」

 

走一から缶コーヒーを受け取るイツキ。

 

そして日陰のある木の所に走一達は座り、イツキは缶コーヒーを一気飲みかのように飲み干し、拓海に言う。

 

「拓海!お前なら出来るよな? 下りでランエボに勝って、あのロン毛野郎の鼻を明かしてやってくれよー!!」

 

「そう言われても、向こうはやる気がないって言ってんだから…」

 

「頼んでも拒絶されて追い返されるだろうな…あれ」

 

拓海がその事を言い、走一はあの様子を見て呟く。

 

するとイツキがある事をひらめく。

 

「…そうだ、ターボだ!!」

 

「え?」

 

「ハチロクにターボ付けたら、凄っいぞ拓海!!」

 

拓海のハチロクにターボを付けようと提案するイツキに、どう返答するか迷う拓海はただ黙るしかなかった。

だがそれを走一が横から入る。

 

「やめとけイツキ」

 

「はぁ!?何でだよ走一!?」

 

「拓海には…ターボとの()()()()()だろうな」

 

その言葉に拓海は走一の方を見て、だた見つめる事しか出来なかったのだった。

 

 

 

 




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