走一達が京一たちと秋名湖で会ってから翌日、拓海達がバイトするガソリンスタンドで、昨日の事を池谷達に相談していたイツキ。
当然その事に池谷も苛立ちを覚える。
「ふ~ん、確かにそのランエボ野郎ムカつくな!」
「もう俺ホントに頭に来ましたよぉ~!」
その事に近くで聞いていた健二が呟く。
「それってもしかしたら大黒進やブルースモーク、サンダーファイヤーの3チームの所に乗り込んで来た、エンペラーって言うチームじゃないかな?」
「え?知ってるんすか健二先輩?」
「ああ、日光辺りから来たランエボだけのチームって話しだ。ただそいつ等はやたら威張ってて…でも滅茶苦茶速くて…、3チームの奴等は散々な目に遭ったらしいぞ」
「俺もその話し聞いたよ」
健二の話しに池谷も頷きながら言う。
「一ヵ月で群馬エリアを総ナメするって言ってたから…、いずれ秋名にも乗り込んで来るかもしれねぇな」
「マジっすか!? じゃあ昨日は偵察だったのかな?」
イツキは昨日会った京一たちが視察しに来た事に驚きを隠せない。健二はその事を考えると苦悶な表情を浮かべる。
「ランエボじゃあキツイよな~、拓海のハチロクでもやばすぎるよ…」
健二は拓海の方を見て、仕事を一通り済んだ拓海を見る。
「まあ、そいつ等に限らず、拓海や走一達がどんな場所でどんな相手とバトルするかは分からない。それを考えると、皆のクルマ…特に拓海のハチロクの戦闘力アップは絶対必要だ」
「でしょうでしょう!! だから俺言ってるんすよ~!ハチロクにターボ付けようって!!」
「いい案だよ!いつきにしちゃあヒットな意見!「ただ…」ん?ただ…何だ?」
イツキが少しばかり考える様に、池谷が問う。
「走一が言うには、拓海とターボの相性は最悪だって」
「ターボとの相性が最悪…? どう言う事だよ」
「実は昨日、走一が言うには~」
イツキは昨日走一が言った言葉を思い出しながら池谷達に言う。
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秋名湖、走一がイツキの言葉に少しばかり反対の様な発言をし、それにイツキは言い返す。
「どうしてだよ走一!! 拓海のハチロクにターボを乗せるのは駄目って! それに相性最悪ってなんだよ!?」
「イツキ、よく考えてみろ。拓海のドライビングテクニックは突っ込み重視だ。突っ込みはコーナーを曲がる際に荷重移動を主に使うため、コーナーでの機動性が鍵となる。ただターボ載せるとなると話しは全く別となってしまう。ターボを載せるとラジエーターやオイルクーラーも入れる事となる。パワーと立ち上がりは良くなるけど、そうなると折角の軽量コンパクトのハチロクが重量増加となり、更にレスポンスが悪くなる。そうなると突っ込みのキレが悪くなるんだ。それにターボを載せると足回りの見直しも必要だし、何より拓海の親父さんがターボを載せると思うか? あれは元々拓海の親父さんのだからな」
「う…」
その事にイツキは思わず言葉がつまり、その事に道郎はため息を吐く。
「はぁ…、とにかくだイツキ。拓海には過給機を加えないチューニングであるメカチューンの方を検討した方がいい。メカチューンならある程度のチューニングでエンジンにもパワーを増やす事は可能だからな。そのメカチューンがどのような形をするかは分からないけど…」
道郎の問いに廉一郎も頷き、それにはイツキは少しばかりだんまりとなってしまうのだった。
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「って事があったんです…」
「な、成程…流石走一達、よく見てるよ…」
イツキの話しを聞いた池谷達は走一達の考えに納得する。確かに拓海の突っ込み重視の走りを考えると、ターボは諸刃の剣であり、相性は真逆で最悪である。
「でも俺、やっぱりどうしても拓海のハチロクにターボ載せたいよ!」
「やめとけイツキ。昨日も話したろう」
「え?」
イツキ達は声がした方を振り向くと、そこには走一と彩音の2人が居て、それにワンビアとCR-Xがあった。
「よう走一、さっき拓海のハチロクのターボの話しをしていたんだ。そしたらお前がターボは載せるのは反対って言ってたらしいから」
「そうでしょう。昨日も言った通り、拓海は突っ込み重視の走りをしますし、自然吸気のNAの方が合ってるんですよ」
「ぐぅ…」
「あははは、イツキ君、ドンマイ♪」
彩音は落ち込むイツキを励まし、その様子に健二はイツキの肩に手を置く。そして池谷は走一と彩音が来た事に問う。
「それで走一、今日はどうしたんだ? 彩音ちゃんを連れているのはいつもとして、2台で来るなんて珍しい」
「はい、今日は彩音のエンジンの載せ替えに付いて和真さんの所に行く予定だったんです、ついでにガソリンを入れようと」
「ええ?彩音ちゃんのエンジンを?何で」
健二は走一の発言を聞いて驚き、走一はその事に説明をする。
「実はですね、彩音を含め、真美達が走り屋デビューをすると言い出して…」
「走り屋デビュー???」
「はい、何時も俺達の助手席に座るだけじゃあつまらないらしく。一緒に走りたいと言ってね、まあその事には俺は反対しませんが。彩音もここ最近走りの練習してますし、そろそろいい感じじゃないかなって思いまして」
その説明に彩音は照れ笑いをし、その事に池谷達も納得する。
確かに走一達の横に乗っていた彩音達、彩音達は走一達のドライビングにも全くビビらず、むしろ的確な洞察力を兼ね備えているのだ。
そんな彼女たちが走り屋デビューすると言い出しているのだ。それを止める走一達にはない。
「そっか~彩音ちゃん達も走り屋デビューするのか~、そしたら俺達がみっちり教えて【ブォオオン!】おお?」
エンジン音が聞こえ、それに走一達は振り向くと、雅人のHCR32と、その後ろには海斗と陽毬のNSX-RとランエボXがやって来た。
他にも百合華のロータスもやって来たのだ。
その様子に走一達は雅人達と対面する。
「どうも、どうしたんですか皆で?」
「やあ、今日はちょっと走一君達に話しておきたい事があってね」
雅人達の事に走一達はちょっとばかし首を傾げるのだった。
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赤城山頂上、涼介はその場所でFCと共に居た。まるで誰かを待っているかの様な。
そして頂上に清次が乗るエボⅣがやって来て、助手席から京一が降りてくる。
「久しぶりだな。涼介…」
「須藤京一…、やはりお前だったか…何を企んでいる?」
「おいおいご挨拶だな。一年ぶりの再会だって言うのに。この頃地元じゃ遊び相手が居なくて退屈してな、イキのいい遊び相手を探しに来たって訳さ。この先こっちのエリアで遊ばせて貰う事になるが、取り合えず今日の所はあいさつ回りって所さ」
その説明を聞いた涼介は少しばかり笑みを浮かばせる。
「律儀な事だな。好きにすればいいさ、ただし…この赤城では、そっちにとって楽しくない遊びになる。俺達レッドサンズが居る限りな」
「フッ、相変わらず強気だな涼介、そっちこそ忘れな?今の俺は一年前の俺とは違うって事…」
京一は涼介を睨むような眼で見る。京一は一年前涼介に負けた事がある。
その悔しさに、京一はこれまで以上の走りをして来ている。そう言うオーラを出しながら涼介に言う。
「あの時は負けたが、今度は勝つ! 俺の全勝記録を止められたお返しに、お前の全勝記録を俺が止める!!」
京一の言葉に涼介は思わず笑いが出てしまう。
「フフフ、生憎だったな京一。俺の記録は…最近止まってしまったんだ」
「っ!?」
その言葉に京一は思わず反応し、涼介は目を開いて言う。
「…秋名のダウンヒルで、ハチロクとワンビアに負けた。あいつと一緒にな…」
「何だとっ!!?」
京一は涼介の言葉を聞いて衝撃が走る。
「本来なら引退するつもりでいたが、お前に勝ち逃げと言われるのも癪だからな。リターンマッチに応じない手もない、敵地に乗り込んで来る心意気は評価してやる「待て!!!」…」
涼介はFCに乗り込もうとした際、京一の怒声に振り向き、京一は額に冷や汗を流しながらも信じられないような眼をする。
「どう言う事だ!? それにあいつと一緒とは一体!?」
「…お前も知っている男だ、この俺を最初に負かした男…如月琢磨だ」
「な!!何だと!!!?」
その言葉にまたしても衝撃が走った。そんな様子に清次はただ唖然として見ていて、涼介はFCに乗り込みながら言う。
「そう言う訳だ、バトル前の三日間、他のチームにも話しを付け、お前達の為に赤城のコースを開けておこう。思う存分走り込め、何時でも来い…京一!」
そう言ってFCを走らせては赤城山を去る涼介、その様子に清次は苛立っていた。
「あの野郎透かしがやって!! 追っかけてケツでも突っつき回して「やめろ清次。そんなのは俺が許さん。良いな?」っ!?」
京一が何やら威圧的な目をしながら清次を見て、それに清次は言葉を無くす。
そして京一は去っていた涼介の後姿を見ながら思う。
「(赤城の白い彗星…、アイツを負かすのは俺以外居ないと思っていたが。如月琢磨…アイツは知っている!この俺でも勝てなかった奴が…、アイツなら納得出来るが、どうも納得出来ない所がある!あの2人が負けただと!?ハチロクとワンビアに…ッ!!!)」
すると京一の記憶にある言葉を思い出される、それは昨日イツキが言った言葉だった。
『秋名のハチロクは稲妻のワンビアと一緒にまだ誰にも負けた事がないんだ!! FCにもFDにもR32にだって!!!』
「(そうか!!あの小僧が言ってた…あれがそのハチロクとワンビアか! 一体どんな奴等なんだ…)」
そう京一は奥底で思いながら、ハチロクとワンビアの事に興味を示すのであった。
次回からは新たなリクエストキャラの登場と第2弾のリクエストキャラが続々と登場していきます。
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