頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第89話 エンペラー、秋名に出現 前編

何処かのパーキングエリア、その場所に京一たちが率いるエンペラーが集結していて、京一が腕を組みながら自身の愛車である【CE9A 三菱・ランサーエボリューションIII GSR (1995年式)】にもたれていた。

その様に清次は少しばかり気まずそうな様子で見ていた。

 

「…おい、京一…」

 

「……」

 

「…本当にすまねぇ…」

 

清次は京一に頭を下げながら謝罪する。それは妙義山でナイトキッズの中里に敗北してしまった事が原因であった。

 

その際に清次は京一から強烈な平手打ちを貰ってしまい、京一にこの際言われてしまった。

 

『いろは坂のサルじゃねぇんだから、ちったぁ頭使えよ!!』と怒鳴られたそうだ。その際に頭を使う様にはしているものの、やはり頭が悪い為か、中々…いや、全く生かせない。

 

「…黙り込んでも仕方ない。気を取り直し、次は秋名に乗り込むぞ」

 

「あ?秋名のハチロクと稲妻のワンビアとやるってのか?」

 

「やるのは秋名のハチロクだけだ。あの涼介を破った程の奴だ、ここで仕留める」

 

その事に清次はややめんどくさそうにしている。パワーのないハチロクとやるのは気が引けると感じているからだ。

 

清次の考えを察した京一は口を開く。

 

「…次は俺がやっても良いんだぞ。清次」

 

「はぁ!?」

 

京一の一言に清次は勿論、エンペラーのメンバー達もそれに驚く。

 

「京一さんが!? 何でまた!?」

 

「俺達の最終目標は高橋涼介だ、さっきも言ったが秋名のハチロクを仕留める。それだけだ。それにこの間下見をしに行ったが、勾配のキツイコースだしな、軽いエボⅢなら楽だろう」

 

「おいおい!ちょっと待てよ、冗談だろう京一!? 俺にやらせてくれよ!! この間はやられちまったが、今度は負けねぇ!! それに俺達が唯一勝てない車があるとしたら、それは京一…オメェのエボⅢだけだ!」

 

清次の話しを聞く京一。清次は勢いのまま京一に言い続ける。

 

「妙義では油断しちまったが、たかが秋名のハチロク相手に、エンペラーのエースが出る必要はないぜ。俺がやる!」

 

「随分と意気込んでるな」

 

っとその言葉に京一たちはある方向に振り向くと、そこにはエボⅥに乗って来た葉一が居たのだ。

 

「何だテメェか! 何でここに居る!」

 

葉一を見た清次は少しばかり睨みながら言って、葉一は言う。

 

「俺が何処に居ようと勝手だろう。それよりも京一、お前達は秋名に乗り込むきか?」

 

「そうだ。俺達の目標は高橋涼介…ただ一人だ。その為の侵攻に秋名が入るからな」

 

「全く…そう言う所は変わらない奴だな、アンタは…。ただ一つだけ警告しておくよ」

 

「警告だぁ?」

 

葉一の一言に清次は少し眉を歪ませ、葉一は目つきを鋭くしながら言う。

 

「その撃墜マーク、はっきり言ってやめたほうがいい。アンタ達の将来の面でもよろしくない」

 

「何だと!?」

 

その事に清次が向かおうとしたが、それを京一が止める。

 

「面白い事を言うもんだ。だがお前の指図は受けない。ランエボこそ峠のキングである事を、群馬エリアの連中…そして高橋涼介に改めて教えてやるだけだ」

 

京一はそう言ってエボⅢに乗り込み、清次たちもそれに釣られてエボⅣ等に乗り込み、パーキングエリアを後にする。

その様子を葉一はただ見送る事しかなかった。

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

走一達が通う学校、放課後になって走一と彩音は拓海と一緒に下校する事にし、拓海は下駄箱を開けると、何やら紙が置かれていた。

 

「ん?何だこれ?」

 

「どうした?」

 

拓海が何か拾った事に走一は振り向き、それに拓海はそれに思わずポケットにしまう。

 

「何でもない…」

 

「ん?そうか…(明らかに何か締まった様な感じがする…、何だろう…)」

 

「どうしたの?」

 

彩音がやって来て、それに走一は言う。

 

「いや、何でもないや」

 

「ん? そう?」

 

彩音がその事に呟く中で、拓海はこっそりと紙を広げては見る。

 

「(『茂木なつきがベンツの彼氏と、援助交際しているのを知ってますか?』)…っ!!」

 

その内容を見た拓海は思わず背筋が凍ってしまう、その紙の内容は茂木に関する事だった。どうしてその内容が書かれていたのか分からなかった。

拓海がそう考えていると、走一が振り向く。

 

「拓海、どうした?」

 

「え?いや、何でもない」

 

「何か拓海君、様子が変だね?」

 

彩音がそれを聞き、それに走一も頷きながら校門に向かう。

校門に付くと、イツキ達が待っていて、走一達の方を見る。

 

「おっ!拓海! 帰ろうぜ!」

 

「ああ」

 

「ねえ拓海君、ランエボの特集が載っている本をこの間見つけたんだけ、ちょっと読んだ方が良いともって持って来たんだ」

 

凛がその本を拓海に渡すも、拓海は首を横に振る。

 

「良いよ俺は、そんなもの読んでも…チンプンカンプンだし」

 

「そうかな? 拓海君は頑張れば分かると思うんだけど…」

 

「凛、拓海は直感で感じる奴だから、本を読んでも分からない。だから…直接バトルか乗って確かめる他ないだろうな」

 

道郎がそう語り、それに凛はちょっとばかし頬をふくらませながら本をしまう。

 

その様子を彩音と友梨佳が慰め、それには走一達は苦笑いする。

 

するとイツキはある事を言い出してくる。

 

「なあ拓海、お前さ…もうちょっとハチロクにパワーが欲しいって思った事ないか?」

 

「パワーか…………………………………………………ないな」

 

「だぁ!! マジか!!俺はハチロクにパワー欲しくてしょうがねえのによ~~~~!!」

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

そして走一は彩音を連れては家に帰り、彩音が家のカート場の方を見る。

 

「ねえ走一、今日もあの人、来てるのかな?」

 

「ああ、あの人はあれ以来ここが職場となったらしいから」

 

走一と彩音はカート場に入ると、そこには作業着を着た琢磨が休みであった子供たちにカートを教えていた。

 

「よし、それじゃあコースを走る際に路面を感じながら走って見てくれ、そうすれば感じるものがある筈だ」

 

「「「はーい!!」」」

 

そう言って子供たちはカートに乗り込み、走り出す。

走一達はその様子を見て、走一は琢磨に話しかける。

 

「子供たち、だいぶ上手くなりましたね」

 

「やあお帰り。ああ、子供たちの成長ぶりには感心する。この調子でプロを目指して貰いたいものだ」

 

「でも意外ですね? 引退した後に走一のカート場を職場にするなんて」

 

彩音の言葉に琢磨は微笑みながら子供たちがカートに打ち込む姿を見る。

 

「ああ、俺はこの仕事がしたかったんだ…」

 

「…あ、そう言えば琢磨さんなら知っている筈」

 

「ん?何がだい?」

 

「実は最近エンペラーって言うランエボだけのチームがこの群馬エリアに出てるって言うんですよ。走り屋達からの噂がこっちにも来てて…」

 

すると走一の言葉に琢磨の目が思わず鋭くなる。

 

「エンペラー…。京一の所のか?」

 

「え?知ってるんですか?」

 

「ああ、そいつ等は…」

 

琢磨が話そうとした際に、CA18DETエンジンの音が聞こえ、それに走一達が振り向くと、池谷のS13がやって来て。池谷が降りてくる。

 

「走一!!」

 

「池谷先輩、どうしたんですか?」

 

「奴等が来るぞ!!秋名に! 今夜だ!!」

 

池谷の言葉に走一は思わず眼付を変え、それに彩音は驚き、琢磨もそれを聞いては目つきを変えるのであった。

 

 

 

 




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