頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第93話 ハチロクVSエボⅣ 後編

ハチロクの後ろに居た清次が我慢していたストレスが爆散して、ハチロクの前に出て引き離そうとしていた。そんな事を知らない清次がコーナーをドリフトで突き進む中、拓海はある違和感を覚える。

 

「(ん? 何だろう…あの車、速いんだけど、俺がそんなに遅れる事はない感じがする…)」

 

そう感じる拓海を他所に、清次はコーナーを何度もドリフトして行く。

 

エボⅣはコーナーを何度もドリフトして行く中でフロントタイヤが徐々に垂れて来ているのが感じとる清次。

 

「(クソっ!キツイぜ!フロントタイヤが徐々に垂れて来やがった! だがこれくらいならまだ行けるぜ! 見てな…ポンコツFRのカニ走りとは根本的に違うんだ。尤も近くに見れていればの話しなんだがな)」

 

そう清次はバックミラーを見た時、後ろにはハチロクが張り付いている事に気が付いた。

 

「なっ!?(離れる所か張り付いてやがる!? 野郎……!ふざけんじゃねぇ!!!)」

 

清次はハチロクを引き離そうとアクセルを踏み、拓海も清次をそのまま追いかけ続ける。

 

 

 

そして啓介達がいる所で、朝日が啓介が言った言葉を思い出しながら問う。

 

「すみませんが、前に出たら負けってどういう事ですか?」

 

「ああ、藤原の前に出てしまったら最後、背後霊の様にケツにくっ付いて、引き離す事が出来ないんだ。どんなにアクセルを踏み込んでもな、そして無理にパワーで逃げようとすると、今度はタイヤが垂れちまうんだ…。そうすると後半が一気に苦しくなる」

 

「それで琢磨君も涼介君も走一君や拓海君に負けちゃったんだよね。惜しい所までは行ったんだけど」

 

蓮華は啓介の言葉に続く様に語り、その様子に賢太は何やら気に入らない様子。当然啓介の事を尊敬する賢太だから、あまり啓介と同じことを言う蓮華の様子が気に入らないのだろう。

 

そんな事を気にしない蓮華は上の方を見ながら呟く。

 

「それにしても、あの須藤君がこの群馬エリアを侵攻ね…、そこまで琢磨君や涼介君に負けた事が根に持ってるんだね」

 

「え?その人の事を知ってるのか?」

 

史浩は蓮華が知っている事に驚き、蓮華はそれに答える。

 

「まあね、私も一度はあった事あるから、彼はとにかくこだわりが強いんだよね…、特にモータースポーツの独自の美学には…」

 

蓮華は少しばかり思い出すのも難な感じをし、秋名の道路の上を見るのであった。

 

 

 

 

また、別のギャラリーの所で、祐一達が居る所では拓海が来るのを待っていた。

 

「そろそろ来る頃だな…」

 

「ふぁ~…」

 

「何だい政志。寝不足かい?」

 

「そりゃあ、年中車の整備や修理をしていたら夜遅くまでやっているから、それで寝不足になっちまってな…」

 

っとそんな事を言っていると、エキゾースト音が聞こえて来て、ギャラリーの皆がその方を見る。

上からエボⅣがやって来て、それを見たギャラリー達が。

 

「頭はランエボだ!」

 

「突っ込んで来るぞ!!」

 

「秋名名物、5連ヘアピン!!」

 

エボⅣが5連ヘアピンに突っ込んできて、豪快なドリフトで抜けていく。

 

そしてハチロクが遅れながら5連ヘアピンへとやって来る。

 

「来たぞ!ハチロクだ!」

 

「随分差が付いたな? こんなに離されるのは初めてじゃないか?」

 

ギャラリーがそう思う中で、拓海が5連ヘアピンに入ると同時にある行動に入る。

 

「(やるか…溝落とし!)」

 

拓海はコーナーに入ったと同時に、イン側の溝にタイヤを引っかけ、そのままのスピードを維持したままコーナーをクリアしていき、それにはギャラリー達が騒然とする。

 

そして正志と篠原が唖然とする中で、祐一が言う。

 

「見たか政志、篠原。あれが文太の息子だよ」

 

「えっ!? じょ、冗談だろう祐一!? どう考えたって文太が転がしているようにしか思えねぇよ!?」

 

「私も同感だよ。文太の癖はよく知っているからね。踏んでいる時間が異常に長い…、とても18歳の年頃には思えないね。いや、泰三の息子も一緒か…」

 

「そう、蛙の子は蛙って事だよ」

 

「ただ…」

 

すると政志がある事を呟き、それに祐一は見る。

 

「あんな走りをされたんじゃたまんないぜ、エンジン…」

 

「…そうだね」

 

篠原もその事に頷き、祐一は篠原がハチロクのエンジンが限界に近い事に気づいていると気づく。

そして瑠華はその様子を見て、何やら見つめる様子が伺えたのは言うまでもなかった。

 

一方エボⅣは5連ヘアピンを何とか苦労しながらも、コーナーをクリアしていき、苦しい状況になる。

 

「(くそっ!流石にキツイぜ。だがタイムロスはほとんどない筈だ。認めたくはねぇが、俺はハチロクよりコーナーが若干遅い事に納得する他ねぇ。いくらハチロクでも、この5連ヘアピンでは…)」

 

そう清次が思った瞬間、ハチロクがコーナーで差を一気に詰めて来たのだ。

清次はそれに驚きを隠せなかった。

 

「なっ!!?何がどうなってるんだ!? 何でこうも付いて来れるんだ!?」

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

ハチロクとエボⅣの状況を見ていたスピードスターズのメンバーが無線でその状況を伝える。

 

『ハチロクがエボⅣに差を広げられながらも、5連ヘアピンのコーナーで差を一気に差を詰めた!!』

 

それを聞いた走一達は確信を得る。

 

「それが本当なら、このバトルの結果は見えたな…」

 

「ああ、このバトル…拓海の勝ちだ」

 

「え?それは流石に早くない…?」

 

真美がそれを呟くと、それに守が言う。

 

「いや、走一と春樹の言う通りだ。もうここまで来たら、ハチロクが勝つのは目に見える」

 

「後は向くだけだ…」

 

そう道郎が呟き、走一は下りの道路を見ながら、このバトルの勝利を確信する。

 

 

 

そして啓介達の居る所では、徐々にエキゾースト音が聞こえて来て、それに啓介と蓮華が見る。

 

「来たね」

 

「ああ、…賢太、よく見とけよ? お前は秋名のハチロクが勝てないって思い込んでいるだろうが、ここのコーナーで勝負が決まるって事が」

 

その言葉に賢太はそのコーナーを見る。

 

そう…啓介達が居る場所、それは走一と拓海が琢磨と涼介を抜き返した場所のコーナーでであった。その場所で再び奇跡が生まれる事を悟った涼介は、その場所に啓介達にギャラリーするならそこだと教えたのだ。

 

そしてその場所にハチロクとエボⅣがやって来て、エボⅣが全力で逃げている際に、ハチロクはコーナーである事をする。

 

「(やるか… 溝落とし…№2。立ち上がり重視の溝走り!)」

 

拓海は立ち上がり重視の溝落としをし、コーナー中に立ち上がりを回復させ、そして出口辺りで飛び出してエボⅣの背後に張り付き、イン側に向かって並ぶ。

それに清次は驚く。

 

「(なに!?)」

 

「なっ!?」

 

「ハチロクが横に並んだ!?」

 

「まさか!?」

 

その光景には、賢太だけじゃなく、史浩や朝日が驚きを隠せないでいた。

 

蓮華と啓介は笑みを浮かばせる。

 

「やったね」

 

「決まったな…」

 

そして最後のコーナーでハチロクがイン側で一気に攻め、エボⅣがアウト側で必死に食らいつくも、タイヤが言う通りに効かず、アウトに膨らんでいく。

 

「(何故だ!? 解体寸前の車でありながら、その速さは何だ!?)」

 

清次は信じられずにいた、彼からしたらハチロクは10年以上前の車で、決して速くない車。そのハチロクが彼の前に行くのだから、驚く上に信じられずにいる。

 

ハチロクが前に出て、そのままゴールへと向かって行き、それを見た史浩が驚く。

 

「とんでもないバトルになったぞ!? この後どうなっちまうんだ!?」

 

「どうにもならない、これで決まりだ。コーナー入り口にハチロクが並んだ時、勝負は決まっちまったのさ」

 

「(何てこった…、つくづく思い知らされた…とんでもねぇ奴だぜ、藤原拓海…)」

 

賢太がそう思う中で、蓮華が気を取られている朝日に聞く。

 

「どうだった朝日君。始めてみたハチロクのバトル?」

 

「え? す、凄かったです…、蓮華さんのハチロクとはまた違う走りです…」

 

朝日はハチロクのバトルを見て衝撃を覚え、それに蓮華は微笑みながら見ていた。

 

そして麓ではハチロクがゴールして、拓海が車を止めて一息する。

だがその表情は何気ない表情だった。

 

「(…なんか、勝った気がしない…秋名だからか? 溝落としのタイミングも決まってたのに、全部苦戦してた…。…走一だったら、このバトルは勝ってたかな? あいつ等な…パワーは俺より上なのにな…)」

 

そう感じる拓海だった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そしてエンペラーの所に戻った清次、すると京一から…。

 

 

バキッ!!!

 

 

「ぐっ!!!」

 

京一から強烈な右の拳を貰ってしまい、清次はそれに尻餅をつきながら倒れてしまう。エンペラーの皆はそれに唖然としていて、京一は清次を見下ろしながら言う。

 

「清次、俺が何に対してキレてるか、分かるか?」

 

「…すまねぇ、京一、俺には分からねぇ! どうしてハチロクがあんなに速いんだ? 前にでも背後霊の様に纏わりついて来る! どうしても分からねぇんだ!」

 

「当然だ! バックミラーだけで何が分かるんだ! 後ろに付けば、もっと深く分かる事が出来たんだ。シミュレーション3で行けと言ったのはその為だ。それに前回の敗北も忘れたとは言わせねぇ! 何故お前はそれが出来ないんだ!!」

 

「……本当に、すまねぇ……」

 

清次は本当に申し訳なさそうに頭を下げる。

 

「これからどうするんですか?京一さん!」

 

「…これで俺達敗北は2つだ。だがいつまで悔やんでもこの敗北は消えねぇ。もう切り替えて、次は赤城に乗り込むぞ」

 

「そんな!?秋名のハチロクはどうするんですか!?」

 

「そうですよ!! それにここには稲妻のワンビアもいるんですよ!? そいつ等を叩いちまえば!!」

 

 

 

「黙ってろ!!!!」

 

 

 

京一の言葉にエンペラーの皆は驚き、京一は拳を握りしめながら思い詰める。

 

「(一番キレてるのは…この俺なんだからよ…!!)」

 

っとそう思い詰める京一であった…。

 

 

 

 

 




京一からの鉄拳、これは絶対に痛そうです…。
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