頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第95話 京一からのセミナーの誘い

拓海が先に学校に着いた際、下駄箱を開けると、中に紙が入っていて、それに拓海は目を細め、それをポケットに入れる。

 

「(またか…)」

 

不機嫌そうになる拓海は直ぐにその場から去り、後からきた走一達がそれを見る。

 

「何だ拓海。なんだか今日はスッと行くな?」

 

「どうしたんだろう?」

 

玄と廉一郎がそう言う中で、走一がそれにただ何かを感じる目線で見ていた。

 

 

 

そして休み時間に拓海は渡り廊下の方でもたれながら考え事をしていて、そこに走一がやって来る。

 

「拓海」

 

「走一?」

 

「何考えてんだよ」

 

「別に…」

 

拓海は走一の問いに少しはぐらかす様な仕草を見せ、それに走一は少しばかり疑問の様子を見せる。

 

今まで拓海ははぐらかす様な行動は見せる事…、その間違えそうな行動にはいくつもあったが、今回はそれとは全く違っていた。

まるで何かを隠す様な仕草が見受けられる所があり、それに走一はいち早く気づいた。

 

「…拓海、お前一体何があった」

 

「だから、別に何もねぇえよ。走りに関しては…」

 

「そっちの方じゃないって。…お前、最近何に思い詰めてるんだ?」

 

「っ、それは…」

 

「1人で考えるより、ダチに頼った方が一番の近道だと、俺は思うけどな」

 

走一の言葉に、拓海は話すべきか迷っていた。これは茂木に関する事だった為、下手に話す事は出来ない。

 

「…悪ぃ、俺…あまり言いたくない事は話したくないんだ」

 

「おい拓海!」

 

走一の問いに答えず、拓海はそのまま去って行き、その様子に走一はただ見つめてた時に、拓海が去った場所に一枚の紙が落ちていた。

 

それを走一が拾い、それを広げると、ある内容が書かれていた。

 

 

 

『茂木なつきが中年の男と援助交際をしている』

 

 

っと…。

 

 

「(っ!? 茂木が…!?)」

 

とんでもない内容に走一は驚きを隠せなかった。あの茂木なつきが拓海と言う人がいながら、他の人と付き合っている事に信じられずにいた。

 

「(一体誰がこんな…、もしこれが本当なら拓海はこれに悩んでいたって事か? そうなると俺はとんだ思い違いをしていたって事じゃないか…。いや、でも仮にそうだとしても、どうして拓海にこれを…いたずらとは考えにくい…)」

 

走一はそう考えながらも、その紙をポケットにしまい、その場を去る。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

下校時間、走一達が帰ろうとした時に、亜里沙が走一達を引き留める。

 

「皆」

 

「亜里沙、どうしたんだ?」

 

「今日お兄ちゃんが赤城山に向かうらしいんだって。なんでもエンペラーがそこで走り込みをしているとか何とかで、そのエンペラーの人達にバトルを挑むんだって」

 

「ええ? 慎太郎さんが?」

 

走一達は首を傾げていた。何故慎太郎がわざわざ赤城まで行って、エンペラーとバトルしようと考えているのか、それが分からない走一達。

 

しかし走一達がいくら考えても答えが見える筈がない。

 

「…仕方ねぇ、どんだけ考えても分からない以上、俺達は赤城山に向かうしかない」

 

「行くのか?走一…」

 

「ああ、あの園崎零士とバトルをする予定だったからな」

 

「誰その人?」

 

亜里沙はその零士の名を聞いて首を傾げる。亜里沙は当時その場に居なかったため、零士の事は知らない。彩音がその事をを説明し始める。

 

「園崎零士さんはね。琢磨さんの元教え子の人で、走一にバトルを挑んで来たプロの人なんだって」

 

「ええ~!?走一君またプロの人に挑戦を挑まれたの!?」

 

「そうなんだよ。まあその前に春樹の奴がバトルを挑んでいる頃だろうな」

 

「そういやあいつ、先に自分だって言ってたもんな」

 

そう言いながら下校するを始める走一達。

 

そして一足先に下校し、バイト先に行った拓海達。拓海は何時ものようにボーっとしていて、その様子にイツキと池谷は見ていた。

 

「なあイツキ…、拓海がボケっとして見える時はさ…。頭の中で何か考えごとしてるんだろ?」

 

「極々偶にですよそういう時は…。本当に何も考えてないでただボーっとしてる時の方が遥かに多いっす…。でも走一が言うには本当に考え事している事も多いらしいっすよ?」

 

「そうなのか?」

 

そう小言で話す池谷とイツキ、拓海の様子を見ていた。拓海はいつもの様子にボーっとしている様子に何とも言えなかった。

 

「今日のボーはどっちのボーだ?」

 

「さぁ…。でも今日は何か変だったすよ…あいつ、訳分からない事言ってくるし、走一から言うには狭いステージから飛び立とうとしているって」

 

「狭いステージ…?」

 

そう言っていると、どこからか颯爽と駆けつけてくる黒い車…エボⅢがスタンドに近づいては、拓海達の前で停止し、それに拓海は見る。

 

イツキと池谷もそれを見る。

 

「黒のエボⅢ!?」

 

「まさか!?」

 

そしてエボⅢから京一が降りて来て、拓海と面と向かい合う。

 

拓海も京一と面と向かい合って、その様子をイツキと池谷が見つめる。

その中で京一が…。

 

「お前…、赤城に来ないか」

 

「っ?」

 

「赤城に来て…、俺とバトルしてみろ」

 

っとその事を聞いたイツキと池谷が驚く。

 

「ちょ、挑戦だぁ…!!」

 

「違う。といってもお前らにはわからんだろうけどな…」

 

京一は拓海に挑戦を申し込みに来た訳ではないと否定しては言い続ける。

 

「俺がいつか湖の傍でお前に言ったことを覚えているか…。いい腕をしているがこの時代にハチロクに乗っていても先がないと俺は言った筈だ」

 

「……」

 

「その言葉の真意って奴を教えてやるぜ…。俺とバトルすれば今まで気が付かなかった事が見えてくる筈だ。今日でも明日でもいいから気が向いたら赤城へ来い…! レッドサンズとやる前にお前と前哨戦をやってやる。走り慣れた秋名とは違い、あっけないくらいにあっさりと終わるだろう。だが、その短い競り合いの中で何かを見つけて見ろ」

 

京一の言葉、まるで拓海に挑発するかのような言葉を放ち、赤城に来る事を強気に言い、それを聞いている拓海は無言を貫きながらも京一の言葉に耳を傾ける。

 

「俺の言ってる事が分かるなら赤城に来い、言いたい事はそれだけだ」

 

京一は拓海にそう言い残し、エボⅢに乗ってスタンドから走り去って行く。拓海はその場で押し黙っては佇むのだった。

イツキと池谷がその場から出て来ては去って行ったエボⅢを見る。

 

「なんだあいつ! 滅茶苦茶言いやがって! 赤城なんか行く事はねぇぜ拓海!」

 

「分かってますよ…」

 

「口ではあんな風に言っていたけど、本音は赤城でリベンジしたいだけだ」

 

「ただ俺は…もう、秋名ではバトルしないって決めてますから…」

 

「え…?」

 

池谷は拓海が言った言葉に不審に思い始めたが、もしや走一の言っていた、狭いステージから飛び立とうとしてるのではないかと思い始める。

 

「レッドサンズとエンペラーの交流戦で盛り上がってる時でなかったら、行くかもしれないけど…」

 

「拓海!」

 

「逃げたと癪に思われるのも嫌だけど…やめときます」

 

そう言って拓海はその場から離れて行き、イツキと池谷はそれに顔を合わせるのであった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして夜、走一達は赤城山で向かう前に、玄達の車がチューニング完了しては、走一達の家の前に集まっていた。

 

「玄達の車のチューニング…、完了した様だな」

 

「ああ、足回りをより感じやすい様にしては、馬力とうまくマッチしてよ。お陰で上りでも十分に速くなったぜ!」

 

「俺はターボを載せた事によって180馬力から、280馬力になって100馬力アップした。それに加えては足もそれに合わせる様にしてある」

 

「ECUの書き換えで、馬力が280から330馬力になったよ。冷却も足回りもアップグレードしたから、もう僕のNSXは最高な状態だよ」

 

玄と道郎、廉一郎のセリカGT-FOURとFTOにNSXがアップグレードし、これでも安心だと言い張る玄達。

その様子を見た走一は頷きながら言う。

 

「よし、それじゃあ向かうとするか。赤城山に…。もう春樹の奴が先に行ってるって将が言っていたしな」

 

「うん!行こう!」

 

そう言って走一達は赤城山へと向かう事とした。

 

 

 

 

そしてこの日が走一のワンビアの最後の悲劇が始まる…。

 

 




次回、いよいよワンビアに悲劇が…。

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