ボクは絶対にメス堕ちしない‼︎〜ソシャゲTS転生者が行く、メス堕ち道中〜   作:メガネズミ

2 / 27
筆が乗ってまた投稿です。可能なら今日中に次話、掲示板回を入れたいです。ソシャゲモノの醍醐味ですからね!やはり反応があってこそ!


カルム達と白いローブ

 僕はカルム・ディアス!失踪した父さんを探すため、そして父さんを超えるため、頼れる仲間達と共に全てのダンジョンの制覇を目指しているんだ!

 

 僕には今、3人の仲間がいる。持ち前のスピードで相手を撹乱し、鋭いクローで敵を切り裂く獣人のクロエ。長い詠唱もスラスラこなし、驚くほどの火力と器用さを見せるウィズ。怪我を瞬時に治し、病すら跳ね除けるトリィ。

 

 前衛を僕とクロエで固め、後衛のウィズとトリィにサポートしてもらう事で敵なしの強さを発揮出来ている。この間のダンジョンも、そうやって上手く乗り切る事が出来たのだ。

 

 男1、女3という一見難しいパーティなのだが、内情はすこし違う。クロエはなんというか大型犬みたいに懐いているだけだし、ウィズは魔導書ばかり読んでいるし、トリィは側から眺めるのが好きだから遠巻きに見ているだけだし。世間が持つイメージとは大きく違う、というのが僕たちのパーティだ。

 

「ねぇ皆?今日は少し強めのダンジョンに挑戦して、今のレベルを測ろうと思っているんだけど…どうかな?」

 

「良いと思うぞ!私はカルムに賛成だ!」

 

 ノータイムで賛成してくれたのがクロエ。黒髪の犬獣人で、文字通りの意味で僕に懐いてくれている。僕の意見は全肯定かと思いきや、嫌な時はハッキリ言ってくれるからとても分かりやすい。ただ、正直過ぎるところがある…かな?

 

「そう…ですねぇ…私も…賛成…ですかねぇ…」

 

 ゆっくりとした喋り方で応えたのはウィズ。魔法使いのイメージそっくりのローブは、本人の特注らしい。魔導書を読むのが大好きな彼女だが、こういう時は栞を挟んですぐに中断してくれる。知識が豊富で、たまに話について行けなくなる時があるくらいには博識だ。

 

「はいは〜い!わたしもさんせ〜い!」

 

 元気よく、けれどゆるく応えてくれたのがトリィ。皆のお姉さんといった感じの雰囲気を持っていて、包容力がとても高い。緊張した空気を和ませてくれることが多いので、今の僕たちにはとても助かる存在だ。

 

「皆の同意も得られた事だし、行ってみようか!」

 

 一通り皆の意思確認が取れたところで、ダンジョンへ向かう許可を申請するために受付の人に紙を提出する。無事承認が降り、紙が戻ってきた。未知のダンジョンに胸を躍らせていると、受付の人が少し心配そうな顔で話しかけてきた。

 

「カルムさん、あなた方が今向かおうとしてるダンジョンについて、最近妙な話が報告されていてですね…。ダンジョンの難易度以上の強敵が出るかもしれないのです。既に何度か高位の冒険者に探してもらっては居るのですが、依然として強敵は見つかっておらず半ば放置されてしまっている状態で…。封鎖しようにも頭の硬い上の許可が取れず…っとすみません、余計なことまで…」

 

「なるほど…そんな事が…」

 

「こちらとしては皆さんのご活躍を聞いているため、許可をさせて頂きましたが。もし危険だと感じたらすぐに逃げてくださいね?『命があって…」

 

「『命があってこそ意味がある』ですよね?

父さんの言葉です、よく分かってますよ。」

 

「…そうですね!では行ってらっしゃいませ!」

 

 受付の人に教えてもらった情報は大きい。不意に出て来られるよりも、準備ができるだけありがたい。不測の事態に対処できるように3人で作戦を立て、ダンジョンへ向かう。

 

 道中の敵は確かに強かったが、予想通り僕たちの連携があればさほど苦労もせずに突破する事が出来た。小型の鼠のような敵、蝙蝠や蠍のような敵が出てきたが、回復してくれる味方のお陰で毒も怖くない。そのままズンズンと進み、ダンジョンの最深部まで到達した。

 

「よし…到達した証拠をここに…と!」

 

「やったなカルム!これで踏破だ!」

 

「わわっ⁉︎いきなり飛びかかるなよクロエ…」

 

「あらあら〜!」

 

 尻尾をブンブンと振りながら突撃してくるクロエは本当に大型犬みたいだ。そんな姿をジト目で見続けるウィズは何か言おうとして、呆れて言うのをやめたみたいだ。トリィは手を頬に当ててないで助けて…!

 

 いつも通りのやり取りを行って、僕たちは安心しきっていた。それでも、すでに踏破したダンジョンは脱出するまで敵が出現しないため、普段通りなら問題は無かった。普段通りならだ。

 

 僕らが座り込んで休んでいた部屋の壁に、突如として大きなヒビが入る。グラグラと部屋全体が揺れ、明らかに普通じゃない何かの気配を感じ取る。

 

「クロエ!ウィズ!トリィ!」

 

「分かったぞ!」

 

「分かって…ますとも…」

 

「えぇ!分かってるわ〜!」

 

 僕たちが戦闘体制に入った瞬間、奥の壁が粉々に砕け散った。ガラガラと崩れ落ちる瓦礫の向こうに見えたシルエットは、僕たちのような初心者を叩き潰す事で有名な、『オーガトロール』そのものだった。

 

————————————————————————

 

 やぁボクだ!すっごい騎士団長のシーアだ!

 

 王様に「カルム君見に行って良いよ(意訳)」って言ってもらえたから全力でカルム君の足取りを追ってる最中だ。姿がバレないように、認識阻害の付いた白いローブを羽織っている。騎士団の情報網を以てすれば、どのダンジョンに行ったかはすぐ分かる。急いでダンジョンに向かいつつも、強敵が出るという噂があったな…と思考を回す。眉唾かもしれないが、可能性は0じゃない。それを知ってか知らずか、カルム君達はダンジョンに入ったらしい。

 

 ダンジョンの適正難易度からすれば、カルム君達でも十分クリアは出来るが…強敵が居るなら話は別だ。可能な限りの最高速でダンジョンに辿り着けば、奥の方で地響きが聞こえる。遅かったか。すでに戦闘が始まっていることに歯噛みするが、今はそうも言っていられない。瓦礫が積み上がって出来た壁を破壊し、急いで奥に走っていくとボロボロになったカルム君達のパーティが見えた。その奥に見えるのは緑の巨体。あれは…オーガトロールか。

 

 …へぇ?そっか。

あんなの如きがこんなことしちゃうんだ。

ちょっと手助けする予定だったけど…これは許せないなぁ⁉︎

 

 王様に言われてた事を一瞬忘れそうになるくらいには、ボクはブチ切れていた。

 

————————————————————————

 

「ハァ…ハァ…!ぐっ…!」

 

 誤算だった。オーガトロールの強さを見誤っていた。もし僕たちが万全の状態だったら、もう少しは粘れたかもしれない。けれど、ダンジョンの攻略で、それも適正の難易度よりも上のダンジョンへの挑戦を終えた後の僕たちでは、ろくに抵抗も出来なかった。消耗は想定以上に激しく、せっかく立てていた作戦を実行するだけの余裕もない。撤退しようにも崩れた瓦礫のせいで後ろが塞がれている。戦う以外の選択肢は残されていなかった。

 

「まずは私が…っ⁉︎」

 

 先手必勝とばかりに突っ込んだクロエは、オーガトロールの金棒を避けることが出来ずに吹き飛んだ。速すぎる。クロエは現時点の僕たちのレベルよりも遥かに速いはずだ。なのに、避ける事もできずに一撃。幸い急所は外れていたようで立ち上がってきたが、立っているのがやっとのようだ。

 

「ごは…っ⁉︎」

 

 狡猾なトロールは僕がクロエに意識を向けた事で出来た隙を見逃すことはなく、気がつけば僕の身体は宙を舞っていた。違う。殴られたんだ。どうやら頭を打ち抜かれたようで、視界がぐわんぐわんと揺れている。上手く着地出来ずに地面から突っ込むのをクロエが受け止めてくれたが、その衝撃で彼女は完全にダウン、僕も満身創痍だ。

 

「フレアバレット…フォース…!

これで…少しは…

 

な…っ…⁉︎」

 

 ウィズの魔法が直撃するが、対して効いたようには思えない。これまで一撃で敵を消し飛ばしてきたウィズの魔法が、ほぼ無傷。燃え移った火を煩わしそうに消すオーガトロールの動きは、まるでこちらの攻撃を脅威と感じていなかった。

 

 諦めないウィズが魔法を詠唱しようとするが、やつの投げた石礫がウィズの脳天に直撃し、そのまま倒れてしまった。幸い大怪我には至っていないようで、かろうじて意識はあるようだが、あの様子では魔法は使えないだろう。

 

 皆がやられていく中、諦めずに回復をしようとしていたトリィはオーガトロールの目に留まってしまう。逃げる暇もなく捕まった彼女は、握り拳の中に閉じ込められてしまった。ミシミシと骨の軋む音が聞こえる。

 

「ちょっときついわ〜助けて〜!

…っ!ぐぅ…!」

 

 飄々とした態度を崩さないようにしているトリィだが、あまりの力に苦痛を隠しきれないでいる。このままではトリィが死んでしまうかもしれない。けど、どうしたら?分からない。このままじゃまずい事は分かっていて。けれど打開策が思いつかない。オーガトロールが一際大きく力を入れようとしたのが見えた。

 

「うわぁああああああ!!!!!」

 

 なりふり構わず僕は走った。がむしゃらに。ろくに剣も触れない今の僕では無駄だと分かっている。もしかしたら、トリィを見捨てれば他の2人と僕は逃げられたかもしれない。けど、それは違う。それじゃあ僕は父さんを越えられない。それに、きっと一生後悔する。必死になってオーガトロールに向かって駆け出して。

 

 …ニヤリと嗤った、奴の顔が見えた。

 

 そうか。奴の狙いは…僕だったのか。リーダー格の僕が逃げられないように誘導までして。振り下ろされる金棒がやけにスローに見える。

 

 あぁ、ごめん皆。クロエ、ウィズ、トリィ。信じてくれた王様。受付の人。母さん。そして…父さん。こんな馬鹿な息子でごめん。いつか会えたら…謝らなくちゃなぁ…

 

 迫り来る金棒。頭をよぎる走馬灯。

 

 僕の目の前は真っ白に染まった。

 

 

 

 

 …おかしい。いつまで経っても痛みが、衝撃が、あの一撃がやってこない。

 

 やけに耳に残る、バサリというローブの揺れる音。

前を向けば、僕より小さくて、それでいて大きな背中がそこにはあった。オーガトロールの金棒が、たった一本の剣で止められている。そんな不条理な光景が、目の前に広がっていた。

 

————————————————————————

 

 許せねぇ。どうもボクだ。今までに無いくらいブチギレてる、騎士団長だ。

 

 ボロボロになったカルム君達を見たボクは、全速力で追いつくと、まずは金棒を受け止めた。これでも一国を預かる騎士団の頂点に立ってるんだ。高々オーガトロール如きが届くような力じゃあ…ない。

 

「ゴァアアアアア!!」

 

「……」

 

 受け止めた剣に力を込めて、返す一閃で金棒をぶった斬る。困惑した様子のオーガトロールだったが、人質のことを思い出したのか、前に突き出して見せた。

 

 …馬鹿だろ、お前。

 

「ガ…グォオオオオ!?!?」

 

 勝ち誇っていたオーガトロールの顔が苦痛に歪む。奴が見切れないような速さで、すでに腕は細切れにしておいた。落下するトリィを受け止めるが、体格的にお姫様抱っこの形になってしまう。一応旧知の仲とはいえ、このローブを着ていては気づけないだろう。まぁ後で謝ればいいか?

 

「あなたは…もしかして?」

 

「……」

 

 しまった。どうやらローブの中を見られてしまったらしい。人差し指を口に添えて、しーっとする事で内緒にしてもらう。こくりと頷いたのを確認してトリィを地上に寝かせれば、怒り狂ったオーガトロールがこちらに迫って来る。

 

 金棒も壊れ、片腕も消えた。なのにまだ襲いかかって来るのには…呆れるばかりだ。そもそも、怒りというならこっちの方が怒り狂いたいくらいだ。そんな事をしてしまえばローブが破れ、肝心のカルム君に正体がバレてしまうのでそれは出来ない。

 

 せめてバレないだけの怒りをぶつけよう。思いっきり振り抜いたボクの剣は、まるで豆腐のようにオーガトロールの体を切り刻み。文字通り粉微塵と化すまでその体を切り裂いたのだった。

 

 

————————————————————————

 

 …すごかった。僕達とは比較にならないほどの、桁違いの強さだ。ローブの人物に心当たりは無いが、助けてもらったことに礼を言わなければ。声をあげようとして、次の瞬間には居なくなっていた。先ほどまでは気配もあったはずなのに、嘘のように掻き消えている。

 

 立っていた場所にはポーションが幾つか置いてあり、これだけあれば完全に回復出来るだろうという事が分かった。急いで皆に飲ませなければ。

 

 それにしても…一言だけでもお礼を言わせてほしかったな、あの人。

 

————————————————————————

 

 やぁ、ボクだ。思ってたより途中で恥ずかしくなって逃げ帰ったボクだ。ローブのおかげでカルム君にはバレていないとはいえ、トリィにバレてしまったのは痛い。まぁ多分いい感じに誤魔化してくれるはずだ。彼女は口が硬いし。

 

 とりあえず窮地を助ける事は出来たけど、終始無言で戦っていたのは良くなかったかもしれない。しかもあんなイキった戦い方をしてしまった。正直あの時はオーガトロールを煽りたい気持ちが強すぎた。カルム君達をあんなに酷い目に遭わせたのだ。出来るだけボコボコにしてやりたいと考えての事だったが、今考えるとちょっと過剰だった気も…しないね!自業自得だあの大馬鹿野郎は!

 

 いやぁ…でも実際生カルム君は良かったですね…へへ…生きてて良かったと思っております。はい。あとは改めて主人公というイメージから『カルム・ディアス』という人間なんだなぁ…というイメージに切り替わった気がする!

 

 確かにシナリオでもああやってピンチになることはあったけどさ?主人公だからスチルもないし、アニメでも描かれなかったから分かりにくかったけど。それでもやっぱり…直で見るとイメージは変わるなぁ…好き…

 

 

Tips:

クロエ・ルードは大型犬

 

 クロエは尋常じゃないくらいにカルム(主人公)に懐いています。犬獣人の特性もありますが、それ以上に甘えん坊な性格と甘やかしがちなカルム(主人公)の性格とマッチした事が原因でしょう。普通に接していれば問題は無いですが、こちらが踏み込みすぎると…?




次回は掲示板回!お楽しみに!

二章以降の掲示板回をいつやるか

  • 一章のように間に挟んでほしい!
  • イベントのように章終わってから見たい!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。