ボクは絶対にメス堕ちしない‼︎〜ソシャゲTS転生者が行く、メス堕ち道中〜 作:メガネズミ
遅れてすみませんでした…
やぁ、ボクだ。かなり良い宿だと思うんだけど、カルは何故か離れようとしている。理由を聞いても答えられないの一点張り。一体なぜだろう?
考えられるとすれば…何かしらボク達の不都合な事が起きている、もしくはこの宿に居ると起こってしまうけど、それをそのまま伝えるわけにはいかないってところだろうか?黒幕と接触してるとか…?
とりあえず、何かあるかもしれないと気をつけておくしかないだろう。今日は温泉街で聞き込みをする予定だけど…カルだけはフリーにしておいた方が良いだろう。
それとなく自由にして良い事を伝えると、意図を理解してくれたようで1人で人気のなさそうな所へ向かっていった。なるほど。やっぱり誰かしらと接触したんだろう。それも、ボク達に対して口止めするように言うような相手だ。
とりあえずバレないようにしつつ尾行することにした。適度に周りへの聞き込みをしながら、少しずつ寄って探る予定だ。ある程度までの近さなら誤魔化せるだろうし、危険な相手でないと判断できればその時点でやめればいいし。
途中の聞き込みで分かった情報として、最近の温泉は夜に変な音が聞こえる事があるらしい。ボコボコと泡が噴き出るような音らしい。ただ、翌日に確認しても特に異変が起こっていないため気にする人はそこまで居ないそうだ。そもそも湧き出るタイプの温泉について知っている人が少ない分、『そういうもの』だと思ってしまうのだろう。確かにボク自身も記憶が無ければそういうものだと思って納得していただろうし。
周辺の人への聞き込みを終え、あたかも他にも人が居ないか探しているのを装いながらカルの元へ近づいていく。果たして誰と会っているのだろう。一定以上近づいた所で、嫌な気配を感じた。まさかこいつは。思わず駆け出して現場に辿り着いてみれば、居た。
ファスト王国を襲撃し、ボクに呪印を刻んだ張本人。少し驚いたような顔を見せたものの、すぐにニヤニヤとした笑みに変わった奴は、こちらを煽るように声を掛けてきた。
「これはこれは…誰が来たかと思えば!我が呪詛に身を焼かれた哀れな子猫ではありませんか!」
「シ…シー⁉︎なんでここに⁉︎」
カルの方を見れば、特に傷は負っていなさそうだ。良かった。庇うように前に出て、剣を構えた。
「鼠公!何故この国に居る⁉︎答えろ!何を企んでいる!」
久々の団長モードで鼠野郎に話しかける。正直こいつ相手に馴れ馴れしくはしたくない。こっちの喋り方に戻ったボクを見て、カルも意識を切り替えて戦闘体制に入った。
「何を、と申しましても…なぁに、ワタクシはただ!資金と魔力を集めているだけであり!特に危害を加える予定も無いのですが?」
「……カルム、こいつの言っている事に嘘は?」
団長モードでの喋り方を切らさず、カルに尋ねれば首を横に振った。こういう反応を返すあたり、恐らく何回か会って話をしているのだろう。その時に何かしらの企みが無さそうな事を判断出来ているなら、恐らく大丈夫だろうが…
「なるほど。特に問題になるような事は起こしていないようだが…ここで逃すわけにもいかないな?」
「ほう!ここで敵対を選びますか、子猫よ!ですが…我が呪詛をお忘れでは?」
「子猫呼びについては豚箱で矯正するとして…呪詛で弱ろうが問題は無い!それに2人がかり…十分勝機はあるが?」
誰が子猫だ。そう言えばさっきも言われてたか。どう考えても子猫じゃないだろう…ってそうじゃない。普通に考えれば、この状況で向こうが有利なんてことはないはずだ。カル1人ならまだしも、ボクも居るのだ。直接戦闘ならどうにか…っ⁉︎
「ぐっ…⁉︎」
なんだ。お腹が熱い。苦しい。力が入らない。立っていることも出来なくなり、その場に崩れ落ちる。突如として倒れたボクに驚いたカルが駆け寄ってくる。普段なら大丈夫だと答えられるのだが、今は無理だ。戦うどころか、まともに立っていることも出来ない。
「ははははは!!!惨めな姿ですなァ!我が呪詛は任意で強めることも可能…まぁ、至近距離かつ相応の魔力を必要とするため、気軽に出来るわけでは無いのですが!」
「シー!しっかりして!」
「う…ぐぅ…!」
ダメだ。本当にこれはまずい。2対1と考えていたけど、これじゃボクはお荷物だ。向こうも魔力を使う分、普通の状態と比べれば少しはマシだろうけど。今のカルではボクを庇いながら勝つことは不可能。どうにかして離脱しなければいけない。
「ぬうっ⁉︎お…思っていたより魔力の消費が…!」
ちょうどいい。恐らく想定外だろう量の魔力消費に驚いている内に、逃げてしまおう。
「カ…カル…に…逃げ…!」
少し言葉がどもってしまったが、なんとか絞り出せた。一旦引いて体勢を立て直して…って。あれ?カルが動こうとしない。いやいや、早く逃げないと…
「無理だ!君を見捨てて逃げるなんて…‼︎」
ってそうじゃない!違うから!ボクが囮になっている内に逃げてとかじゃないって!でも、ボクの言い方も悪かったかもしれない。発音出来た単語を考えると、今のうちにカルだけでもなんとか逃げてほしいみたいなニュアンスになってしまうだろう。
…確かに。今の流れだと、どう考えても『一緒に逃げよう』とは伝わらないだろう。そもそも、逃げるにしたってボクを抱えて動く事を考えれば無理かもしれない。だとしたら結果的には合ってるかも?2人で逃げられないのであれば、せめてカルだけでも逃そうとするのは間違いないし。
「カル…‼︎」
「…っそれでも!僕は見捨てて逃げるなんて出来ない!」
どうしたものか。このままじゃあいつも魔力の制御に慣れ…慣れ…?
「ぬおおおおっ⁉︎なんですかこの圧力は…ッ⁉︎ま…魔力がみるみる…!ワタクシが集めた魔力が…!」
慣れてない。なんなら放っておいたら自滅しそうだ。思わずカルも棒立ちして眺めている。しばらくして、肩で息をして地面に膝を突いた鼠野郎が休戦を申し出してきた。現時点では突っぱねるわけにもいかないので、渋々呑むことに。なんかすごくグダグダだけど、とりあえず話が出来るだけマシか。
「…で?この温泉街はなんのつもりで建てたんだ?」
「それに関してはカルム・ディアスに話したことが全てですな!」
カルから話を聞いたことを簡潔にまとめるならこうだ。呪詛で使い切った魔力を補充しつつ、帰るための金を用意している。という事だそう。確かに悪事ではないが、こいつ自身が悪なので止めなきゃならないのは事実だ。まぁ、ファスト王国から使者でも送れば騎士団全体でどうにかできるだろうけど。
けど、一つ気になっている事があった。夜中に発生している音について、こいつの説明では何もわかっていない。それについて聞いたところ、こいつ自身も分からないと返ってきた。
「えぇ、確かにワタクシも変な音は聞いておりますが…アレに関しては本当に何も知りませんなァ?」
「本当か?嘘を言っているようなら…」
「この状況で嘘を吐くほどの価値があるとでも?」
…なるほど。とりあえず裏で手を回してこいつは捕えるとして。謎の音に関しては放置するべきでは無いだろう。温泉を作ったこいつが分からないとなると、どうしたものか。そんな事を考えている最中、鼠野郎が焦り出した。
「これは…⁉︎温泉に蓄えていた魔力が無くなって…吸われている⁉︎一体誰がこのような事を…⁉︎」
奴がそう言った瞬間、今日泊まっていた宿の方で巨大な水柱が噴き上がった。少しすると悲鳴が聞こえ始め、パニックが起こっているのが分かった。
鼠野郎に関しては、後でどうにか出来るだろう。だが、先ほどの水柱に関しては今すぐどうにかしないといけない。こういう時は…嫌だけど、これしかないだろう。
「おい鼠公!」
「なんですかな?ワタクシは今忙しいのです!早く客の避難と原因究明を進めねば…」
「この騒動を収めるまでは一時協力といかないか?」
「シー⁉︎何言って…」
「…正気ですかな?」
「2人とも嫌なのは知っている。私もだ!だが…アレを収めるにはそれしかないだろう?まぁどうしても無理なら仕方ないが…」
「「分かった(りましたぞ)!」」
……いや決断早いな⁉︎2人ともボク以上に嫌い合ってたはずだけど?まぁ…緊急時だし仕方ないだろう。まさか今回以前に協力してた事なんてあるはずないし。とりあえず、謎の水柱についての件を収めるまでの共同戦線と相なったのだった。
次回は1週間以内に投稿します‼︎
二章以降の掲示板回をいつやるか
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一章のように間に挟んでほしい!
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イベントのように章終わってから見たい!