ボクは絶対にメス堕ちしない‼︎〜ソシャゲTS転生者が行く、メス堕ち道中〜   作:メガネズミ

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シリアス続きです。多分次の回でシリアスは一旦終わりかな?


『窮鼠』猫を噛む

「ねぇシーア団長?一体何が…」

 

「細かい話は後で、今は王の間へ行きましょう。」

 

 やぁ、ボクだ。少々…いや、かなり厄介なことになった。どうやらマジにヤバそうなのだ。どれくらいヤバいかというと、騎士団が乗っ取られる可能性があるくらいにはヤバい。何が起きたのか。先ほどの流れを少し説明しよう。

 

 そもそも、王様がボクに司令を出す場合は絶対に騎士団員を通さない。この時点で、この騎士団員はものすごく怪しいのだ。だが、騎士団コード…通称KCと呼ばれるコードをすぐに答えられた所を見ると、偽物では無いのだろう。それが厄介なのだ。

 

 つまりこの騎士団員は誰かが化けた偽物ではなく、本物。その上で偽の伝令を伝えられたか…催眠されているかだ。偽の伝令を伝えるような事はまずないので、おそらく催眠だろう。一応安心できる所としては、彼のKCはCOから始まっているという事。KCにはランクがあり、最上位のGO(Gold)、次いでSI(Silver)、最後にCO(Cooper)。まぁ裏のPL(Platina)とかあるけど…ボクとかね!

 

 とにかくその中でも最下位の彼が来たということは、敵はKCについてあまり知らない可能性が高い。普通に考えれば、ランクの高い騎士を伝令させた方が信憑性が高まるからだ。となると敵は外部犯か…?

 

 それに、COだからって油断は出来ない。もしも犯人が強力な催眠魔法を有していた場合、騎士団の崩壊に繋がる恐れがある。幸いにもカルム君が伝令について指摘することも無かったため、まるでボク達が騙されているかのように見せることが出来ている。

 

 おそらく犯人の目的は、王の間に権力や力のある者を集める事。何かしら良からぬことを企んで居るだろうが、王の安全確認も含めてその罠にハマってやるしか無いだろう。

 

 しばらく歩いていると、王の間に着いた。どうやら、まだトリィ達は来ていないらしい。強大な魔力は検知出来なかったが、懐かしい魔力がそこにあった。もちろん、反吐が出るような嫌いな奴だが。

 

「お…おれ様こそがカルム・ディアスだ!

嘘吐きの偽物を殺しにきてやったんだぞ!」

 

「君は…?それにその名前は僕の…」

 

「貴様か、ゲス野郎。豚箱にぶち込んでやったのにまだ懲りて無いとはな?」

 

 あー最悪だ。予感は的中。魔力も間違いなし。カルム君の名を騙り、上手く取り入ろうとして王に速攻にバレた挙句。催眠魔法が使えるからって調子こいて、あろう事かボクに掛けようとしてきた屑野郎だ。文字通り豚箱にぶち込んだから、あいつは出てこれるはずがない。刑期だってまだまだ先だろう。

 

「貴様は…‼︎このおれ様が声を掛けてやったというのに袖に振った愚かな女!シーアか‼︎その言葉遣いも許せんが…おれ様は寛大だ!そこの偽物を放ってこちらに付けば、許してやろう!」

 

「はっ!世迷言を…」

 

 何をおかしなことを言っているのやら。見ろ、奥の王様を。呆れて…呆れ…て?

 

「そうだぞシーア団長や…この男こそ、真のカルム・ディアスである!お主の隣におる偽物ではないのじゃ!」

 

「……は?」

 

「え…⁉︎僕が偽物だって⁉︎」

 

 …ちょっと待て。今…何と?何を言っているんだ王様。あいつが本物?そんなわけないだろ?そんなの天地がひっくり返っても有り得ない。あるとするなら王様の認識がおかし……あ。

 

 まさか。まさか王様も…催眠されてる…のか⁉︎

 

「我が騎士達よ!そこの偽物の小僧をひっ捕えよ!」

 

「うわっ⁉︎何するんだ…放せ…っ!」

 

 ……マジか。王だけじゃない。周囲にいた騎士達、その全員が催眠に掛けられている。普通に考えたら有り得ない話だ。COならともかく、ここにいるのはGO達、つまりエリートばかり。彼らを催眠に掛けられるだけの力なんて、以前の奴には無かったはずだ。

 

「おい屑男!なぜお前がここに居る!どうやって脱獄した!」

 

「聞きたいか?シーア!おれ様を慕っているという男が手引きしたんだ!おれ様の力をさらに引き出すコレを土産にな!」

 

 そう言って見たことのない首飾りを見せてくる。おそらく魔道具の類だろうか?こんな屑を慕っている奴なんて居るはずが無いので、多分もっとヤバいやつが裏にいる。こんな奴の力を増幅させられる魔道具も脅威だが、それ以上に手引きした何者かの方が危険度は高い。そいつの目的は何だろうか。とりあえず、後で考えるとしよう。

 

「そうか。わざわざ解説ご苦労。」

 

 油断しきっているこいつから首飾りを奪い取る。所詮催眠に頼っているだけの屑。急加速したボクに着いてくることは出来ずにあっさり奪われてしまった。首飾りが外れた途端、周りがバタバタと倒れていく。どうやら催眠が解けたらしい。首飾りが外れたことで強力な催眠を維持できなくなったのだろう。

 

「え…?何が…何だか…」

 

「悪いが説明は後だ…さて。キリキリ吐いてもらうぞ?下衆野郎…!」

 

「ひっ!ひぃいいいいい!!!」

 

 突然劣勢になった事に恐怖して逃げようとする奴の胸ぐらを掴み、動きを止める。さて。早いうちに吐かせないとな…と考えたところで、王のいる方角にイヤな気配を感じた。

 

 拍手が聞こえる。イヤミったらしい、気持ちの悪い音だ。

 

「ブラボー、ブラボー!流石はファスト王国騎士団長!雑兵とは訳が違いますなぁ!」

 

「…貴様は?」

 

「おぉ、これは失敬。ワタクシとした事が自己紹介を忘れていましたなぁ?ワタクシの名は、鼠公。とある御方に仕える、しがない魔法使いでございます。以後お見知り置きを。」

 

 聞いた事がない。鼠公、ソコウ。原作に居なかった奴だろうか?だが、あの御方…というのは、もしかしたらあいつかもしれない。『ダンジョンズ・デザイア』に登場する、言ってしまえば悪党の親玉のような奴。最近騎士団が追いかけている、ダンジョンでの異常事態を引き起こしている元凶。名前は…もう思い出せないが、とにかくそういった存在が居たのは確かだ。

 

「この間の事件も…お前達の仕業か?」

 

「えぇ、えぇ!気に入って頂けたでしょうか?牛公様はダンジョンの難易度を上げる調整をしておりましたが…ぬるい‼︎あの程度では突破されてしまいます故!

そこの小僧を確実に始末するため、オーガトロールを送り込んだのですが…見事に邪魔されてしまいましたなぁ?」

 

「なっ…!僕達を…殺すために…⁉︎」

 

 確定だ。牛公、ゴコウ。その名を聞いて少し思い出す。確か、序盤でカルム君達の邪魔をしていた敵の名だったはずだ。それにしても…まさかこんな奴が居たとは。通りでイレギュラーが発生する訳だ。早くこいつを斬り飛ばしてしまいたいが、近くに王様がいる以上、迂闊には近づけない。

 

「まぁ生き残ってしまった以上はいいでしょう!あの御方も今は興味を失っておりますし…」

 

「ではなぜここに来た?用事がないのなら帰ってもらおうか?」

 

 こいつ、出来る。戦闘は苦手そうだが、立ち回りが上手い。こちらが少しでも動けば、それに合わせて自然と位置取りを行っている。

 

「命は受けておりませんが…ワタクシにも矜持がございます!ですから、せめて…」

 

 …何だアレ⁉︎とてつもなく禍々しい魔力が、奴の手に渦巻いている。とてつもない呪詛を感じる。アレが当たってしまえば、王様では耐えきれないかもしれない。溢れ出る黒い炎は球状に変化し、今にも王様に当たりそうだ。急いで飛び出そうとして、足が一瞬止まった。下を見れば、錯乱した先ほどの屑男がボクの足にしがみついている。眼前の鼠公という男に気を取られ、警戒が甘くなっていた。

 

 まずい。このままでは、王様に当たってしまう…!

 

「させ…ないぞ!!」

 

 間一髪の所でカルム君が鼠公に斬りかかり、黒炎が消えた。ナイスだカルム君!これならどうにかなりそうだ!

 

「なっ…小僧ォ!」

 

「よくやった!後は私に任せろ‼︎」

 

 足元の屑男を遠くへ蹴り飛ばし、王様と鼠公の間に割って入る。流石に鼠公も狼狽えたようで、動揺した様子で後ろに下がった。

 

「何と…ワタクシとした事が!こんな小僧1匹を無視した事で失敗してしまうとは…!鼠であるワタクシが、まるで、『窮鼠猫を噛む』という諺の通りになるとは思いませんでしたぞ…!」

 

「御託は良い、もう出来ることは無いのだろう?さっさと去れ!」

 

「ふむ…不本意ながら、それしかないようですなぁ?ワタクシは直接戦闘が大の苦手、そこの小僧相手でも敵わないでしょう…此度は引かせていただきますぞ?」

 

 良かった。こいつも引き上げるようだし、一旦は安心だろう。同じような事がないよう対策を練らないとな…

 

 …そう、楽観的に考えていたからだろうか。奴が引き上げる直前、カルム君に向かって黒炎を放った事に気がつくのが遅れたのは。

 

「…ですが!最後に置き土産でございます!

ワタクシが作り上げた究極の呪詛!その身で味わうと良いでしょう!」

 

「なっ…カルム君!」

 

 ワンテンポ遅れた。ギリギリ間に合うかどうか。どうにか間に合ってくれ!頼む!全力でカルム君目掛けて駆け寄ろうとして…

 

「違うシーア団長!狙いは…!」

 

「えぇ!勘付くのが遅れましたなァ!ワタクシの狙いは始めから…」

 

「「君/貴方だ!!!!」」

 

 …ボクは。

 

 視界一杯に広がる黒炎に、その身を灼かれたのだった。

 

Tips:

謎の男、鼠公。

 

 鼠公と名乗った男は灰色の和服に身を包んでおり、ところどころ鼠に食い破られたように服が欠けています。顔半分には鼠を模した刺青が縦に入っており、白と黒のメッシュが混じった灰色の髪には鼠を思わせる鋭く小さな耳が。腰からは長い尻尾がシュルシュルと不気味に揺れています。




思ったよりも実装ボイスの要望が多いので、せっかくなので中身についてもちょっと聞いてみようかな…と思ってます

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