魔法少女と穢れを愛する者の学校生活   作:koth3

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戦闘描写が難しい! 頑張りましたがそれでも読みづらいと思います。申し訳ありません。


第14話

 それは余りにも唐突に始まった。月村邸が自動人形と呼ばれる兵器によって襲撃された事によって始まったある一連の事件。その裏ではこの世界の人間以外の思惑も巻き込んで進んでいった。

 

 

 

 何が起きたんだろう? 目の前の光景が信じられない。この頃は怖いところもあったけどそれでも優しかった幸君が女の子の首を切り落としたなんて。

 

 「何て事を!!」

 

 お姉ちゃんの声が聞こえる。けど、何でだろう? 切り落とされたはずの女の子の顔が笑い続けているのは?

 

 

 

 運動会が終わり、夜自分の部屋で窓から空を見上げていた。けど、空は雲に覆われていて星の輝きどころか月明かりすらほとんど来ない。今日は綺麗な満月が見えると知っていたから少し楽しみにしていたんだけど残念。そんな事を思っていたら行き成り何かが壊されたような轟音が響いた。

 

 「な、何!?」

 

 いきなりの事に驚いているとノエルが部屋に入ってきた。

 

 「すずかお嬢様! お逃げください!」

 「え?」

 

 余りにも急に言われたことに驚いているとすぐにこの家の周囲にお姉ちゃんが用意しているトラップの作動音が鳴り響く。

 

 「襲撃です! すぐに恭也様と美由紀様が増援に来られます!」

 

 そう言ってノエルは私の手を引っ張ってこの部屋から外に出そうとする。

 

 

 

 

 何で? 何故自動人形がこれほど!?

 

 「恭也気を付けて!」

 「分かっている!」

 

 恭也に美由紀さんも助けに来てくれたけど余りにも戦力の差がありすぎる。こちらは今戦えるのが私にノエル、ファリン、恭也、美由紀さんだけ。だけどあちらは自動人形が二十体以上。余りにも数が違いすぎるし戦闘能力も違いすぎる。恭也や美由紀さんの刀は鋼鉄の体の自動人形には意味が無い。唯一まともなダメージを与えられるのはファリンやノエルが発砲している対物ライフル位だ。この家が人気のないところにあったのが幸いしたわね。

 

 「無駄ですよ。無駄無駄。貴方も認めたら如何です? この戦力差。どんな方法を持っても決して覆せません」

 

 庭の所で私たちを自動人形の群れと一人の男が取り囲んでいた

 紫色の髪の毛。私たち夜の一族の髪の毛の色。恐らくあの男は夜の一族。だけど何故自動人形を稼働させて、いいえあれ程の数を用意できたの?

 

 「どうやらこれらの兵器について気になっているようですね」

 

 私の疑問に気付いたのか男は大業な動作で教えてきた。

 

 「ある協力者によって自動人形の量産に成功したのだよ! しかも余分な感情というAIを無くしてね。これでかつての失敗作のように主への反逆などは犯さない!」

 

 っつ! 何て事を! AIから、自動人形にとって最も大切な機能を消し去ったというの!

 

 「貴様! 何て事を!」

 「何を言っている、下等生物? 機械は正しく使うからこそ機械だ。機械に感情などは要らん。主人の設定したロボット三原則さえ守れば良いのだ」

 

 この男は! もう許せない。そう思って私が心の中の物を全てぶつけようとした瞬間信じられない言葉が聞こえた。

 

 「それに、感情などあるから判断を間違える。お前の妹のようにな」

 「えっ?」

 

 空から一体の自動人形が落ちてくる。その腕ですずかを抱えて。

 

 「すずか! 貴様!!!!!」

 

 激昂して飛びかかろうとする私に目の前の男は、

 

 「おっと、動くなよ」

 

 指を鳴らすと同時に自動人形がすずかの首に手をかける。

 

 「お姉ちゃん、ごめんなさい。ノエルに似た機体を作っていたみたいで騙されちゃった」

 

 項垂れたあの子を見て私たちには怒りが湧き上がるけど如何仕様もない。このまますずかが彼奴の手にいる限りは何もする事が出来ない。

 

 「くくく、安心しなさい。別に私は殺人鬼じゃありません。要求さえ通れば解放してもよろしいですよ」

 「……何?」

 

 ふつふつとわきあがる怒りを抑えて言った言葉は自分でも驚くほど冷徹な声で発していた。

 

 「そこの自動人形を渡しなさい。自動人形の性能を安定させるのには完成度の高い機械が必要でね。その為にそこの二体の自動人形を調べたいのだよ」

 

 私に選べというの? 自分の家族を。妹を取るか、ノエルたちを取るか。

 如何すれば、如何すれば! うなだれてしまった私にノエルたちは言う。

 

 「私達よりもすずかお嬢様を」

 

 その言葉がさらに私を追い詰める。すずかは大事な妹。けどノエルたちだって大切な家族。混乱して頭を抱えてしまいそうになったときに

 

 「きゃあ!!」

 

 すずかの叫び声が聞こえて私は顔をあげた。

 

 「え?」

 「き、貴様!!!? 何をした!」

 

 私がそこに見たのはすずかを抱えていた自動人形の腕を切り落として私達の目の前ですずかを抱えている八雲幸がいた。

 

 

 

 俺と禍津日で今日の勝利に小さいながらも健闘を祝っているとすずかに仕掛けていた仕掛けが作動するのを確認した。すずかに仕掛けておいたのは禍津日の神力で作動する警報装置のようなものだ。条件を満たせば俺たちにそのことを知らせてくれる。

 

 「幸」

 「すぐに帰る。それまでフランの相手でもしてやってくれ」

 「……ハァ、仕方がないな。分かった。終わらせて来い」

 

 負けるとは思わないんだな。まあ、その期待に応えるとするか。

 家から飛び出て家々の屋根を飛んでいく。俺の家と月村の家は町を一つ挟んだ距離関係なので少しだけ時間が掛かる。だが問題はない。少しだけ力を使えば今の身体能力を本来のレベルの近くまでは上げる事が出来る。なら今からでも十分に間に合う。家の屋根を飛び交い俺はさらに速度を上げていく。そして月村の姿を見る事が出来るまでの距離に近づく事が出来た。

 

 「人質か」

 

 家々から今度は木々の枝を伝いここまで来たがどうやらまだ気づかれていないようだ。そこから見て見ると路地裏でいつか見た男が月村の姉と高町の兄妹。それと何らかのロボットと対峙しているようだ。それを男と男に従う機械が軍隊のように囲っている。そこに月村を抱えていた機械が近づいていく。面白い事をほざく。下等生物ね。ふん、ならば下等生物はいったい誰なのかを教えてやるか。

 天羽々斬を取り出してタイミングを見計らう。今は気づかれていないが相手は機械の群れ。何らかの方法で気づかれる可能性も高い。だからこそ迅速に行動する必要がある。

 月村の姉がロボットの言葉によってその苦悩を顔の表面に出た瞬間歪んだ笑みを浮かべた男の顔を見た瞬間俺は飛び出して刀を抜き放ち抜刀状態へと変える。そしてそのまま月村を抱えている機械の腕を切り落とす。

 

 「きゃあ!!」

 

 叫んだ月村を抱えて俺は月村たちの集団の近くに飛び跳ねて移動する。

 

 「え?」

 「き、貴様!! 何をした!!?」

 

 男の吠える声を無視しながら俺は刀を振るう。影から近づいてきた機械たちをつぶすためだ。斬撃に沿って鋼鉄でできた体を切断していく。

 

 「な、バカな! ふざけるな! 金属を切るだと!!?」

 

 近寄ってきていた機械を全て切りつくしてから俺は月村を地面に降ろしてやる。

 

 「な、何で?」

 「何、友達を助けるのは当然だろう」

 

 呆然としていた月村家の面々に話してから目の前で勘違いを犯している奴に一瞥をくれてやる。無様な勘違いをしている男に。

 

 「そういえばお前は言っていたな。高町の兄を下等生物と。ハッ、それはお前だろうに。これほどの戦力を持っておきながら人質すら簡単にとられる間抜けのお前にこそ下等生物という言葉はお似合いだな」

 

 わざと激怒させるように挑発する。目の前のこの男は唯プライドだけ大きくなっただけの男。この程度の挑発で恐らく俺の思惑通りになるだろう。

 

 「き、貴様!!! お前たちこいつを、この餓鬼を殺せ!!」

 

 これで良い。これで戦いやすくなる。高町の兄に姉ならまだしも月村をかばいながらの戦いはいささか面倒くさい。それに、

 

 「はあ!」

 「ふっ!」

 

 この二人も既に十分この機械を切断するだけの技量はある。先ほどまでは月村家を守りながら戦っていたから十分な技量を発揮できなかったが今なら違う。今こいつらの狙いは俺、つまり自分でこの戦闘を生き残れる存在。だからこそ高町の兄も姉も全力で敵を倒すためだけに刀をふれる。

 振るう刀が狙うのは全て関節。鋼鉄に覆われていないもっとも柔らかい部分を切り落としていく。

 

 「な、何故だ!? 先ほどまでは一方的にやられていただけの下等生物が何故!?」

 「簡単な事だろう、下等生物(・・・・)? 唯単にお前が下に見ていた人間はお前よりはるかに優れていただけだろう? それに、高々機械程度では俺は兎に角、この二人を止めることはできないさ。せめて月村のメイドのようにロボットぐらいにはならないとな」

 

 機械とロボット。その違いは大きい。機械は唯たんにされた命令しかできないがロボットは違う。

 

 「お前も映画位見て見ろ。機械とロボットでは大きな違いがある。機械は命令しかこなせないがロボットは違う。蓄えた経験から自己のAIを変えていき感情を得る。その感情から決して機械にはこなせない行動をする事が出来るようになる。先ほどの月村の姉に自分を犠牲にしてくれと頼んだメイドのようにな」

 

 その違い。これは大きな違いだ。ロボット三原則。あれは本来違うのだ。あれこそ機械にとっての原則でありロボットを縛るための原則ではない。

 

 「さあ、俺に気を取られている間に二人があらかたの機械は倒したぞ? お前は如何する?」

 「ふふふふふざけるな!! 私が、夜の一族のこの私が! お前のような下等生物どもに!!」

 

 目の前の現実に信じられなくなったのかなかば錯乱しながら俺たちに男は飛びかかってくる。

 

 「危ない!!」

 

 月村の叫びを聞きとめながら俺は刀をカウンターになるように振るっていく。確かに早い。人間の限界は越えている。だけどその程度。しかもただ真っ直ぐに力技。この程度で傷がつく程俺は弱くない。落ち着いて刀を振るい、右腕を切り落とす。

 

 「ぎゃああああああああああああああああ!!!? 私の腕が!! 腕が!!?」

 

 切り落とされた腕をかばいながら男は叫びだす。

 

 「許さない! 貴様だけは許さんぞ!!」

 「つ!」

 

 しまった!

 

 「動くな!! そこに居る下等生物どももだ!」

 

 高町家も封じられてしまった。これで二人の事を忘れていてくれていたらまだ何とかなったかもしれないけど今の状態では無理だな。

 男は左手に一つのスイッチを持っていた。この状態でこうして出してきたという事は何らかの奥の手だろう。

 

 「ふふふ、夜の一族は負けてはならない。下等生物ごときに」

 

 ぶつぶつとしゃべり始める男だがその目は血走り簡単な刺激だけでパニック状態になってしまう。

 

 「貴様らすべて吹き飛ばしてやる!!」

 

 左手のスイッチを見せつけて男は甲高い声で叫び声をあげて説明し始める。

 

 「これは自動人形のエネルギー源を利用した自爆装置の起動スイッチだ! すべて吹き飛ばしてやる!」

 

 クソ! 間に合うか! 俺は刀を最速で構えて突撃しようとしてある音を聞いた。

 

 「っつ! しゃがめ!!!!!」

 

 飛び出そうとしていた高町の兄と姉の腕をつかみ無理やり潰す。

 

 「何を!!」

 

 姉の方が叫び声をあげて非難するが答える余裕はない。なぜなら。

 

 「はははははは! ははははっは?」

 

 高笑いを浮かべてスイッチを押そうとした瞬間男の左腕は吹き飛んだのだから(・・・・・・・・・・・・・・)

 

 「な、何が!? 何が起きた!?」

 

 慌ててる男を尻目に可愛らしい声である言葉が紡がれる。

 

 「きゅっとしてドッカーン!!」

 

 ただそれだけで今度は男の体が膨れてはじけ飛ぶ。あたり一帯に内蔵に血をぶちまけて男はこの世から破壊されてしまった(・・・・・・・・・)

 空を飛んでいる一人の吸血鬼の少女の手によって。




フランちゃん登場。次回に伏線回収です。
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